2025年8月21日木曜日

2008 スーパーロボット大戦A ポータブル

  GBAで発売された スパロボA、のリメイクがポータブル。

ただのHD移植かと思いきや、バランスががっつりと変更になっておりやす。

 

   どういう変更をされてるかというか、精神コマンドが変更されてますが、それをみればどういうリメイクか一目瞭然

奇襲、奇跡、復活の削除
不屈、友情、感応の追加

 

 つまりバチクソ強い精神コマンドは全削除、完璧なナーフ。奇跡ないやんってびっくりしますね。じゃあフォウの存在意義は??

 

あとSPがそもそも少ない。序盤なんて40くらいしかありません。幸福一回で終わり。 

 

さらに連続ターゲット補正、というのがかかりました

 *同じユニットが攻撃される度に回避率が一定値ずつ下がっていく。攻撃内容は関係なく、効果も累積する

 

 つまりたとえどんだけ運動性が高くても、1人で突っ込むといつか必ず当たるということ、つまるとこオーラ無双封じです。(オーラいないんですけど) 

 

さらに二回行動が出来ません。マップ兵器持ちを敵陣に突っ込ませていっきに攻撃、ってのが出来ない。マップ兵器をうまくはめるには緻密に敵の誘導しないといけない。

 さらにガンダムウイングのマップ兵器範囲も小さいし、自分を中心に周囲、みたいな一番使いやすいマップ兵器持ちもいない 

 

 昔の難しめなスパロボが戻ってきた、というわけ。というか今までのスパロボで一番難しかったですね。

  

 アルファ?くらいからスパロボがぐんぐんヌルゲー街道を突き進んでいき、オーラバトラー1人で勝てるやんけ!っていう無双ゲームと化してしまっていました、当然アドバンスで作られたAもヌルゲーだった。

 一度ここで難しい路線に戻ってみようぜっていうのがこのA ポータブル。

 

 普通に序盤から厳しく、ゲッターなど3発で落ちてしまいます。敵の破壊獣の破壊光線なんて当たらない技、1%とかが当然でしたが、普通に70%くらいで当たります。リアル系でも全然当たる、機械獣。 機械獣とか、スーパー系の敵は当たらない雑魚、というイメージですが今回は普通に強くてめちゃ厄介。

 

 新しめのスパロボは母艦が実質無敵で母艦囮作戦で突っ込めましたが、APの母艦は普通に落ちる。

 あと敵のマップ兵器が普通にこっちのリアル系に当たる。まぢかよ、マップ兵器だぜ??当然スーパー系は全員直撃。

 まず序盤から敵がマップ兵器使ってくることにビビります。しかもめっちゃ当たる。

 

 さらに後半敵の回避が激高い、さらに分身や援護防御持ちばっかりで全然攻撃が通りません。HPもむっちゃ高い。全て1万超えって感じ。 本当必中なしではろくに攻撃できぬ。

 

 図抜けた回避を持つオーラも登場せず・・・、こっちのエースはなんとダイモス(!?)

誰!? 

 ダイモスはシナリオの流れ的にも育てないと詰みます。 

 

 他にもドラグナーなどが序盤からいて、非常にしぶい。

 

 もちろんゲッターはそこそこ強いんですが装甲ペラペラ、マジンガーですら敵のザクにも落とされる勢い。 マジンガーの装甲が薄いだと・・??

 ヌルスパロボに慣れきってしまった体をシャキっと目覚めさせてくれます。

 ほいでEN消費もバカ高く、すぐEN切れ。 

 

 とにかく当たらないのでアムロ、カミーユのファンネラーも無双出来ぬ。ニュータイプ以外はヒトにあらず、ではなくて、必中無き者戦力にあらずです。とにかく必中、これが生命線。 リアリ系では必中もちはほぼトロワくらいしかおらん。

 

 強いユニット筆頭はなんとジム・カスタムです。嘘だろ?なんでジムみたいなゴミが?って 感じですが、ジムはフルカスタムすると攻撃が当たると敵の気力を下げる、という最強害悪ユニットになって非常にこれが強力。

 主人公機もいつもみたいにチート級に強くはない、そこそこです。でも脳死で主人公機フルカスタム、エースにしたらいいと思います。バフアイテムももりもりで注ぎ込んで。

 主人公がいつもみたいに後半に次世代機に乗り換え、されません!最初のままです。でも主人公機、ラストバトルで強制出撃ですので、強化しないというわけにはいかない。どうせ強化するならマックス強化すべきです。 

 強化はバラさないで集中させたほうがいい。 

  

 ダイモスがエースなのは、最序盤から登場し、パイロットがエースボーナス(敵50体撃墜)により、切り払い発動100%、というイカれた特殊能力を持つから。実質物理はすべて無効です、バランスブレイカー。 さらに必中持ち

 

つまり害悪ジムフルカスタム(クワトロがおすすめ)、主人公、ダイモス、あと金が余ったらシャイニングも。この4機体と、戦艦と補給機で戦うのがよいと思われます。

 戦艦も結構大事で、ブライトが相当優秀ですので、戦艦も戦闘に参加させたほうがいい珍しいスパロボ。 

 

 さらに終盤、難易度が激烈に高くて、とくにシャイガンルートが厳しい。シャイガンエースにしてると厳しくなってしまう。そういうわけでも絶対離脱しない主人公に資源を集中させるのがよさそうです。

 

 ラストバトルもまーーーーぢでしんどい。ワタシ初めてスパロボで全滅プレイしました。ゲームオーバーになると、経験値と獲得資金だけは繰越してくれるのでそれで強化するというまぁ詰み防止ですわね。スパロボでまさかレベル上げすることになるとは思わなかった。

 でもそんぐらいラストバトル難易度高くて、ターン制限があるうえに敵ユニットすべて強いって感じなので、強化を集中してる方針だと倒しきれずに詰んでしまいます。8回くらい死んでしまった。

 でもバランスで強化してもやっぱ詰む気がする・・・・

 

 はじめっからうまーく逃げる敵などをちゃんと祝福とかそういうのも選んで緻密に構成していかないとノーゲームオーバーでは苦しいと思います。

 本当にこんなに難しいスパロボは他にないかもしらん、第三次、とか昔の難しいゲームも後半はどんどん簡単になっていきましたが、このゲームは後半にさらに難しくなるという初めてのパターン。

 スパロボ?ファン向けのヌルゲーだろ?って思ってるヒトにぜひチャレンジして欲しいと思います。

 けど攻略情報なしではまぢ無理だろこれ・・・・

///////////

 プロットはぶっちゃけいつもの通りですが、なんだか説教臭くてしつこいかなって気がしました。でもいつも言ってますが、こんないろんな世界観ごたまぜのファンゲームできちんと統一感がとれたシナリオ作れってのがまず無理ゲーなんです。スパロボにシナリオ期待すんなって感じです。

 でもシナリオがいつもの時代よりも後に設定されてるのはいいと思いました、普段終盤にしか出てこない、トールギスとかが結構使えるのは新鮮です。いっつも一年戦争ばっかやるのはさすがに飽きてますのでね。 

 

 

2025年8月20日水曜日

2020 龍が如く7 光と闇の行方

  ワタシはプレイしてません。実況者さんのプレイを見ました。


 龍が如くシリーズってのは不思議と、誰かがプレイしてるのを見守るほうが楽しいんですよね。誰かと一緒にプレイしたくなるゲームなんでしょう。映画と一緒で、見た後に感想を言うのが楽しいみたいな。

 自分でもプレイしたいけども時間がかかりすぎる・・・


 今作から完全シリーズリスタートというわけで、主人公が桐生ちゃんから、春日一番にチェンジ、さらにアクションゲームから、ターン性のRPGにチェンジと、本当にゲームのシステムが根本から変わっております。


 アクションロープレが主流になってきているのに、あえてクラシックなターン制RPGに変更するなんてなかなか斬新な決断ですわね。

 ゲームの中でも宣言してますが、ドラクエ、みたいな世界にしたかったとのこと。


 こういうシリーズリブートみたいなのが、いきなり成功するってことは極めて稀で、こんなの〇〇じゃない!って古参は怒るし、新規は、じゃったらシリーズリブートじゃなくて完全新作を作ればいいんでないかい?と思う。


 けどこの7は非常によく出来ていました。


 なんでしょう、このシステムが新しくて斬新だ!っていう、新たな発明、みたいなものはないのですけど、すべてが完成度高く、きちんと作られていますね。


 シリーズリスタートでもありますが、旧作ファンへ向けてのファンサービスも過剰にはならないけれども、ツボを抑えていて非常にクール。


 ほいでなんといってもやっぱりこのゲームはシナリオが肝。ドラマティックRPGとうたってるように、物語、ドラマが物語の肝。


 まず主人公が40代の男ってのがスーパーレアケース。殺人罪で18年食らったムショから出てきた、どん底、の男。春日一番が、どん底から仲間を見つけて這い上がる。仲間もホームレスや、60代の老人など、ほかのゲームではまず見られない構成。

 もちろん若い女や、イケメンも後々登場しますが。美男美女しか基本存在出来ないソシャゲの世界へのアンチテーゼというか。

 龍が如くは、これで行くぜ、これで面白いゲーム作ってやるぜ、っていう志の高さを感じましたね。誰もが、世界で売れるようなゲーム、ってことでユニヴァーサルで普遍的なものを作っていますが、龍が如くは、これが日本のゲームだぜ!っていう意思を感じる。

 海外の人たちは、やっぱり日本やべぇ!!ってなったでしょうw

 

 どん底から仲間を見つけて這い上がる、ってのがこのゲームのテーマになっていて、刺さるヒトには非常に刺さる。他にもいろんなヒトを刺していますが、やっぱり0からのリスタート、それがこのゲームの物語でもあるし、龍が如く7というシリーズの物語でもある。


 何も持たない者たちが、力をあわせて富豪や権力者、体制と立ち向かう、それより面白い物語ってあるかい??

 ワタシは恋愛、SF、ポストアポカリプス、ゾンビ、などよりもやっぱこういう物語が一番好きですね。恋愛はどうか知りませんが、それ以外はすぐに人類が滅びてしまう。殺すな、とは言わないけど、重さ、が無い。重さ、ってのが無いのはつまらないものです。スカスカなんです。

 モデルガンマニアだって、銃に重さ、と反動を求めます。発泡スチロールみたいに軽かったらそりゃ持ちやすいし邪魔にもならん。けど重さ、がないとつまんない。


 新しい主人公「春日一番」これが好きになってもらえるだろうか?結局ここがすべての肝だと思いますが、見事に成功しております。春日一番好き、ってヒトワタシの周りでも非常に多い。シリーズ全体でもフェイバリットに挙げるヒトもいる。


 キャッチコピーは「人生は冒険だ」。 らしいです。こんなストレートなキャッチコピー久々に見た。

2025年8月16日土曜日

RTA in japan 2025 Summer 感想   任天堂法務部

   もはや一年で一番楽しみなイベントの1つになっているRIJ。コミケよりもビッグなイベントになっているとワタシは思うものなり。

 今年は任天堂法務部の圧力によって任天堂タイトルがなくなり、代わりにインディゲームが多かったと思います。

 知名度があまり高くない、今まで知らなかったゲームがいっぱい見れて楽しかった。たぶんこれからイベントが大きくなれば、さらに企業とか版権もののビッグタイトルは使えなくなっていくでしょう。 

 でもインディゲームや、独立系のクリエイターに陽の目が当たるチャンスが増えていくのは未来があっていい方向性でもあると思う。有名タイトルばっかりではだんだん広告じみてくるのは目に見えていますから。 

 

 といってワタシは任天堂が悪い、と言いたいのではないのです。むしろ偉いと思った。こういうチャリティイベントでもなんでも、法人で任天堂のものを勝手に使うやつはどんなやつでも訴える、という「公平」な扱いってことなんでしょう。さすがに法律、ってものをちゃんと理解していますね。

 

 「善」や「正義」であれば、法律無視していい、と考えるヒトが非常に多い。トランプが不法移民を送り返そうとするのは非人道的だ・・云々。

 別にワタシはトランプ支持者でもなんでもないのだけど、そりゃそういう「法律」なんだからそうするでしょう。とワタシは思う。法律を文字通り運用して責められるなんて筋が通ってない。

 移民を受け入れたいと思うなら、それを法として成立させて、どうぞ移民を受け入れて下さい。

 「正義」のためなら全部無視していいっていうなら、選挙して、議員を選んで・・ってやってるプロセスは全部無駄になっちまいますからね。

 

 あなたの考えている「正義」や、「善」、がみんなと同じものだとは全く限りません。そして仮にみんなそう思ってるなら、そういう法律を作れないわけがない。


 でも実際古代から、情状酌量、忖度、超法規的措置、みたいな感情的なふるまいをするほうが、法律をきちんと運用するよりも大衆が好むものなのです。「公平」であることほど我慢できないことはないですから。 

 中国の古代国家「秦」は法律を文字通りそのまま運用したから、腐敗官僚たちが、おめこぼしされないことにヘイトを集めて滅んだ。

 


 国家が腐敗しきっていて、法律も悪法ばかり、上からの指示に従っているだけでは何も変えられないって時に行動を起こすこと、いわば「仁侠」、「革命家」たろうとするならば、ワタシはそれを否定するものではない。

 

 でも日本やアメリカは、現状は選挙は不正ではなくてちゃんとやっております。滅茶苦茶な悪法ばかり、ということもない。

  だから任天堂の言う通り「正式な手続きを踏め」、チャリティだから見逃せなんてなめるな。ってのは至極妥当な要求と思うものなりけり。

 そしてちゃんと手続きをしたとしても、任天堂は拒否するでしょう、なんの得もないから。 

 でもそっから誰かの作ったゲームに頼らず、ゲームも自分たちで作り始めたら新たな創造の場が生まれるってものです。

  

アガサ・クリスティ短編集1  新潮社

  アガサ・クリスティには短編作家っていうイメージはあんまないですけど、ポアロやマープルなども最初は短編から出てきたキャラクターです

 

 この短編集は初期の作品が収録されていて、まだまだ未完成というか、未熟って感じのものが多いのですが、さすがに、才能の片鱗をちらとのぞかせてはいますね。

 

 アガサは最初は推理小説一辺倒じゃなくて、スパイものやら一言では説明できない、なんというのでしょうか・・・、洒落た短編みたいなものにもトライしていたのですわね。

 

 アガサ・クリスティの良さは、英国中流貴族のノーブルキングダム、みたいなところだっていう意見もありますが、ワタシが思うには、適度は俗悪さ、だと思いますね。偉ぶってない、というのか、下品なゴシップが好きだけども、それをうまく包みこんで隠そうとする浅はかさ、みたいな。

 ようするに女性っぽさ、なのでしょうね。浅い。故に広い。こむつかしくてディープなものは一部のヒトにしかウケませんから。 

2025年8月11日月曜日

1998 0528 レイディアントシルバーガン

  伝説のシューティングゲームと言われているソフト

 

シューティング、ではなくてシルバーガンというジャンルのソフトだと言えます。

 

 シューティングというととにかく敵のタマをよけてひたすらうち込む、単純明快なシステムなのですが、このシルバーガンはまったく違っていて

 

 まずパワーアップアイテムはありません。

 

武器を強化するには スコアを稼ぐ  必要があります。

 いわばやりこみのためのボーナス要素でしかなかった、スコア、が攻略に直結する、というシステム。スコアではなくて経験値と言ってもよいかもしれません。

 

 で、そのスコアを稼ぐには

 

 三種類の敵のカラー、を揃えてを倒すことで、チェイン、して点数を稼がないといけません。 

 同じ色の敵を倒し続けるとボーナスが入るというシステムなのです。

 

 だから  何も考えずに撃っていては詰んでしまいます 

 

チェインがつながるように倒す順番、倒す敵、ライン取りなどを考えて効率的にスコアを稼ぎ、武器をいかに強化するか、それがシルバーガン。

 

 全部倒しちゃだめ、それがシルバーガン。シューティングとはまた別のシルバーガンというジャンルなのかもしれませんね。普通のシューティングとはこっちの取るべき挙動がまったく違う。

 

 ステージ構成も独特で、道中がほとんどなくて、ほぼずっとボス戦のみ、ボスが道中を兼ねているって感じです。

 

 ルート分岐もまた独特で3から始まり、過去編である1,2ステージ、未来編である4、5ステージっていう感じ。

 

 物語はシューティングの定番である人類がほぼ破滅してるっていう世界なんですが、不思議なミステリー要素っていうのか、不穏な未来感みたいなのがある。でもデザインとかノリはアニメ風で軽めとなっておりやす。

 

 操作は種類の武器と、敵のタマを切れるソード、このソードで敵弾を消し続けるとボムって感じです。武器の切り替えがボタン同時押しだったり、ボムをキープしておくことが出来なかったり、これも非常にむずい。

 さらに武器ごとにレベルがあるので、どの武器をどう使ってどうレベルをあげて・・・シューティングなのに攻略法が無数にある 

 

 難易度は正直バカ高い。Very Easyでも死んで死んで死にまくる。シューティングってそもそも難易度が高いですけど、ボスの数も多いし、システムも理解してないといけんし、ギミックも初見殺しとかいうレベルではない。 

 

 この「新しいシステムを作る」、ってのがゲームを作るってことなのだとワタシは思う。このシルバーガンは本当のゲームです。

 けれどまぁ昨今に限らずですけれど、ソウルライクゲーム、メトロイドヴァニア、ローグライクなんとか・・・、みたいに、既存のフォーマットの型に自らハマりにいってしまうヒトが多いし、プレイヤーも型にハマったものを求めるようになっている。 ゲームエンジンが固定されてきて、そういう型にハマったものを作るのが一番簡単にもなってきている

 

 確かに新しいシステムってのは、覚えるまでがしんどいし、ハードルがバカ高い。 つまるとこ売れ行きもよくない。このゲームも当然ながら大ヒットはしてない。

 まぁこのへんは、本当はお金が好きなのか、本当はゲームが好きなのか、クリエイターが試されるところでもありますし、プレイヤー達、のレベルとも言える。

 文化が死ぬのは、客のレベルが下がった時。 

2025年8月10日日曜日

2000 1130 テイルズ オブ エターニア

  テイルズシリーズ三作目。

 2Dテイルズシリーズ集大成ともいえる作品ですが、どうやらディスティニーのほうが有名っぽい。リメイクの数もデスティニーは続編である2やリメイク、ディレクターズカットと多すぎるくらいなのに、エターニアはリメイクというよりは、リマスターがPSPで出ただけでリメイクはされてない。まぁリメイクの必要はないくらい完成されてるのですけどね。

 

 ゲームとしての完成度はむちゃくちゃ高い、明らかに名作であります。

 

 これは個人的にも思い出深い作品で、このゲームには、ある特殊条件とタイミングをあわせることでしか出せない、秘奥義、ってのがあるんですけど、普通にやっていてはまず見ることはできない代物でして、当時まだまだネットは未発達だったので、エターニアには秘奥義がある。いやそんなのねぇよ!都市伝説だよ!っていうことで意見が割れてました。

 しかもこの秘奥義が厄介なことに、ちゃんとやれば確実に出るのではなくて、いわばクリティカルみたいな感じで、出る時もある。っていうものなのですね。

 じゃあ見せてくれよ!って言われてやっても出せない。ほら嘘じゃんかよ!ってなるのです。だいぶ後になって、秘奥義がちゃんとあるということがわかりました。つまるとこネットで攻略情報を見るのではなくて、攻略本を買ったり、それよりもゲーマー同士の口コミで情報共有していた時代の最後のゲームです。

 そのくらいグッドオールドゲームデイズの本当に最後を飾る作品だと思います。

これはまじでPS1の最後の最後、というか完全にPS2の時代になってから出たゲーム。だいたいのヒトはPS2で起動したであろうと思います。

 PS2になって、ゲームは3D化、懐かしき2Dゲームは消え去っていくことになったので、ある意味、1つの時代の最後を飾ったゲームです。 それがエターニア、永遠に。ってのは含蓄がありますな。

 

 ワタシがこれをやったのはクソガキの頃だったので、今になって気づくことがいっぱいありますね。

 まず料理の大事さ。テイルズは回復リソースが少なくてすーぐにTP切れになるなぁ・・・って思ってましたが、料理、が回復リソースなんです、テイルズは、基本毎戦闘あとに料理を食べるという、食べまくりゲーム。料理むっちゃ強いのです。よって食材は基本全部フルで爆買いしないといけん。

 ガキってのはこういう便利サブ要素みたいなのに気づかないですよね、モンハンでいう温泉入ってバフかける、みたいなの。 

 

 やり込み要素も、おなじみ闘技場に、二周目の隠しダンジョン、激強の裏ボスなど豊富でして、ひじょーに遊べます。でも普通に表一周ですと、まぁ35時間くらいでそこそこって感じですね。ちょっと短い気もするが・・・

 

 ラスボスは、そこそこ強い、ちょうどいい難易度くらいかなって思います。死ぬと会話とかがめっちゃ長いので、一発で倒しきりたいとも言える。 

 

 アクション性とか育成とか、いわばプレイのゲーム面では完璧に近いゲームといえますね。ワタシはこの戦闘システムが一番好きかも。 

/////////

プロット 

 テイルズファンはプロットはあまり期待してませんが(w)テイルズと言えば、青臭いというか、中2っぽいっていうか、なんだかいつまでたっても思春期真っ只中って感じのシナリオで、苦手なヒトは、うぇえってなりそうなものが多いです、それでテイルズ苦手ってヒトも特に大人には多い。

 このエターニアも、シナリオがいいとは言えないと思われます。

 

 主人公のリッドは典型的2000年の主人公でして、消極的でただ静かに田舎で暮らしたい、冒険なんかしたくないよっていう完全受け身の主人公、ヒロインのファラは活発でわがままぐいぐいヒトを引っ張って巻き込んでいくっていう、20K特有の女キャラ。この時代ってだいたいこのパターンなんですよね、男は達観してる、女はわがまま。涼宮ハルヒシステムというのか。

 これもエヴァーの遺産なのかしら、シンジ君はネガティブではあるけども、消極的では・・・あるか。

 うるせぇはやく冒険行くぞ!ってけつを蹴ってやりたくなりますなw 

 

 なんでこういうことになってるかというに、2000年ぐらいの作品を作ってるのはヲタクなんですね、80年代のアニメとかを見て育ったヲタク、がクリエイター側になった。だから自分を投影した主人公はなよなよしていて、白馬の王子様ならぬ、自分を引っ張っていってくれる美少女、が現れるっていう形の物語なわけです。

 それ以前の作り手たちは戦火から生まれた第一世代で要するに根性、精神論世代です。この世代は、やっぱ戦争経験もあって、結構ドライな死生観みたいなのを持ってると思う。

 

 このエターニアの世界では、上の世界と下の世界インフェリアが分け隔てられていてずっと通行できなくなっていた。しかし何者かが2つの世界を衝突させようとして・・・っていう話です。

 テイルズらしく、なんじゃそりゃあ、むちゃくちゃやんっていうツッコミポイントは多くある。 特にセイファートからインフェリアへ世界を救いに来たメルディっていうキャラが、ポンコツ幼女で、こっこんなやつを1人だけ異世界に送りだして世界を救おうってのがどう考えてもめちゃくちゃです。

 話を理解すればメルディがその役目なのはわかるとして、メルディ1人で一体どうしろっていうんだって感じ。

 いや、そもそもメルディのキャラ造形にやっぱ問題ありありな気が・・・

 

 物語の核心みたいな部分も・・・は・・・ぁ?って感じでいまいち納得いかない。 

 

 ほいでラスボスは、物質の無い世界「バテン・カイトス」を目指す。物質なんていらないのだ、っていう。これも・・・ふ~む・・・ぶっ飛びすぎかなぁ・・・って気がしますね。確かに一理あるけど、共感を呼ぶとは言い難い、ラスボスのキャラってのが物語において非常に重要と考えると、ちょっと、次元が違いすぎるというのか、もうちょっと手前で話をして欲しいものですね。 

 

//////////

改善点 

・AIがアホ

 これはもうずっとテイルズについてまわる問題なんでどうしようもないのですけどやっぱしAIがあほです。逃げろって言ってるのに敵に近づいていく。全然防御しない。でも25年後の現在でもAIが仲間で、役に立つってことはないので、テイルズの問題ではないと言えます。

 もちろんAIを最強にすることだって出来ます、すべての攻撃に超反応で必ずガード出来るようにプログラムするとか、全部カウンターするとか。でもそれだと強すぎんですわね、ちょうどいい強さのAIってのは未だに人類に手が届かないもの。 

 

 そういうわけでテイルズの戦い方はいつも1つ、プレイヤーがタンクとなって敵を防いで術連発。AIがもう少し賢ければAIにタンクをやらせたいけどついにそれは敵わず。 

 雑魚にはさみうちを取られるだけでデスエンカです。

 

・一部の技、敵の攻撃が異常に強い。

これはバグなのか仕様なのか謎なのですが、一部の敵の攻撃がとんでもない火力、それもなんでもない雑魚です。他の攻撃の10倍くらいくらう。えっ!?なんで??ってくらいのダメージ。サソリの攻撃やゾンビのパンチなど。

 こちらの技ではリッドの空破絶掌撃。なぜかこの技だけ他の技の5倍くらいのダメージが出る。 これを覚えるとリッドはもうこれだけを使うマシーンになります。

 もっと終盤になると猛虎連撃破、これは別に強くはないけどずっと敵を拘束しつずけるので時間稼ぎに最適。

 さらに隠し技としてエレメンタルマスター、ほいで最強技エターナルスローがありますがこれはまぁ隠しですのでね。それにこの技が無いとほぼ後半加入2キャラの存在意義がまるでありませんのでね。 

 

・ ルーラ、リレミトなし。

ルーラないのはまぁ移動手段があるので許せるとして、ダンジョン脱出のシステムがないのが非常に不便であります。ルーラはフラグ管理がめんどいのでないのはわかるとしてなんでリレミトないのかは謎です。 

2025年8月6日水曜日

1932 邪悪の家 Peril at End House

  まず邦題ですが、完全な意訳ですね。

 

 原題は、エンドハウスでの危機、って感じですかね。でもこのPeril、っていうコトバ、うまい訳語がないですね、危険、ならDangerですものね。

 Perilっていうともっとなんか精神的苦悶みたいな、おどろおどろしいニュアンスがある感じがします。

 

 さてこの当時1930年頃ってのはアガサ・クリスティがメンタルブレイクしていたころで、いきなり失踪したり、駄作を描いたり、駆け落ちしたり、降霊術などのスピリチュアルにハマってみたりと、いわばミドルエイジクライシスに陥ってたころ。

  でもこの作品はそのメンブレ状態から復帰しかけている状態の作品。

 

 ポアロものですが、ポアロは老いぼれてもうろくしてきている、というのがこの小説の構成で、ポアロは老いたためにいろんなミスをしでかします。

 眼の前で殺人事件が起きるのを阻止できなかったり。

 

 これは名探偵の矛盾とも言えるやつですね、名探偵は図抜けた推理力を持っているはずなのに、殺人を「阻止」する能力はまったく凡人以下の無能に成り下がる。 

 それを正当化するための要素として、ポアロは老いぼれている、ということなんです。 

 

 いわばポアロがミスリード役をするという、読んでる側とすると、非常に錯乱した印象を受ける作品で、さらに登場人物もコカインの薬物中毒者が多数登場して、混沌としています。メンブレ状態のアガサの風景って感じですね。

 

 もう殺してくれ、どうでもいい! っていうセリフがなんか妙にリアリティがあるのはやっぱアガサの真情がこもっているのかも。 

 

 もちろんトリックはあかせませんが・・・・、結構なチープトリックというか・・・。でもセットアップはとんでもなく複雑で錯綜しているっていう、とにかくカオスな印象が残る作品です。

 

 手放しに最高の名作や!とはいえないけれど、なんかこの混乱状態がけっこういい味を出していて、アガサが復活する、という兆しを見せている作品で、ワタシは結構好きですこの作品。

 このメンブレ状態を脱したアガサは、覚醒状態に突入し、歴史に残る名作を矢継ぎ早に発表していく、無敵時代にはいります。