映画、なんですが、ミュージカルをそのまま映像化したものであり、そのミュージカルもライブ・コンサートを舞台版にしたものであるので、実質、映画とかドキュメンタリーっていうより、ライブ映像ですね。
ライブとちょっと違うのは、全員がワイヤレス楽器で立って演奏しつつダンスもやるっていうくらい。
これは、舞台・・・なん?
けども舞台としてかなり評価されてるみたいです。アメリカの舞台文化、ってのはあんまし理解できない世界ですわね。
曲はデビッド・バーンの曲もあるし、トーキング・ヘッズの代表曲もあって、ライブって感じです。
まず驚くのはデビッド・バーン60代後半なのに元気すぎてやばいってことですね。ほいでそんな60代後半の人の舞台を見に来るほど成熟した観客がいるっていうこと。
ダンサーも結構なおじさんというか、老人もいる。
老人のダンサーってのを許容するほど文化っていうのが、偉いですね。年取ったダンサーっての、日本ではいないでしょう?
ほいでまぁ、トーキング・ヘッズの曲、ってのも文化レベルが高いんですわな。ガキんちょや若い世代にはちっともわからないと思う。いわばニューウェーブってことなんですが、あんま音楽聞かない人には、変な曲、としか受け取れないと思う。
サザンのライブに人が集まる、とは全然違うのですわね。
演者も客も、レベルが高いです。やはりニューヨークの舞台はレベルが高いってことなのでしょう。舞台でなにかしたいならニューヨークを目指すしかないってわけですの。
ほいでちょくちょく語りのパートがあるのですが、まぁこれはどこでも同じでして、現代は1930年代に似てる。世界恐慌の代わりにコロナショック、気候変動、どんどん右傾化が進み、ナショナリズムが進み、極右の台頭そして経済不安、戦争、という流れ、どうにか阻止できたらいいよな。ってこと。
でもまぁどうにもできないのです。
1930年代の人たちだって、全員クソバカ野郎だったわけではなく、というか今よりもむしろ真面目に、真摯に、未来を憂えていた人もいたというわけ。けど結局は何もできんかった。