2018年12月31日月曜日

1901 パーシー街の怪死  隅の老人

本文中に説明されるように

「犯行推定時刻の偽装」

トリックがリージェントパークに続いて使用されています。

 なんらかの方法で、嘘の犯行時刻を偽装して、アリバイを作るというもの。現代のように科学捜査、解剖とかで死亡時刻がわかってしまうと使えないのですが、霧のロンドンの時代には使えたのです。

 やっぱり科学、がミステリーをつまらなくしたってのはありますね。なんでも携帯電話、が解決してしまうものな・・・。科学、は探偵もお払い箱にしてしまったのですな。

 この短編はまさかの終わり方をして、隅の老人は最終回だったのですが、人気があったのかすぐに復活することになったようです。


 ワタシが読んでいる作品社の本ではこのバロネス・オルツィについての当時の紹介記事が挿入されてるんですが、バロネ・オルツィ、実はゴリゴリの貴族なんですね。
 バロネス、ってハンガリーの性なのかなって思ってましたが BARONESS つまり、男爵夫人、のこと、バロンネス、のことか!
 普通に世襲貴族なのではないか。この時代に教育水準とかがすごく高いのも納得、また外国語である英語で執筆出来る言語能力もさもありなん、ですね。貴族の教養ってわけ。

1901 リージェント公園殺人事件 隅の老人

 「あたまが悪いってことは、どんな犯罪よりもタチが悪い」

 名言。

 霧と公園、といういかにも、ロンドンらしい舞台装置の短編小説。

 さらっと読むだけだと、ふむ・・・。え?という読者にはトリックが全然わからないタイプの短編です。

2018年12月29日土曜日

1901 イギリス共済銀行 強盗事件 隅の老人

共済銀行 provident bank

 共済とは、営利目的ではない保険みたいなもの、です。保険ももともと営利目的ではないんじゃないの??と思いますけども、特に最近は保険はそうではないらしい。
 確かに営利目的じゃないのに勧誘をするのはおかしいですものね。
でも営利目的の保険会社って無茶苦茶信用できないですけど・・・。

 保険、銀行、ほどきな臭いものはないですね、クリーンなイメージをつけようとしてるところが逆に更に胡散臭いのですわね。プラスのイメージをつけようとしてるってのが鼻につく。

 作品とはまったく関係ありません。冒頭に警察は動機、を犯人のプロファイリングで重視しているが、犯罪は、動機、よりも情熱。の問題がであることが多い。事件の裏には必ず女の影がある。女の影が現れるまでは動くな。

 ということが書いてあります。女性作家らしい、感覚。

 確かにそうだと思う。犯罪者は、情熱、を持ってる場合が多い。犯罪者というよりは、オカネが好きなやつは女が好きなやつだということが多い、だと思いますね。女が欲しいからカネが欲しくて、犯罪に手を出すという。女に興味ないのに、カネは死ぬほど好きっていうやつをあまり見ない。
 カネよりも、仕事、が大好き、でオンナにも興味ないというのはいるけども。

1901 地下鉄怪死事件  隅の老人

汽車、とミステリーってのは常に相性がよくてトモダチみたいなものです。

 というか地下鉄ってそんなに昔からあったの?という感じです。

 WIKIによるとロンドンに地下鉄が出来たのは1863年。

 まぢかよ、江戸時代にはもう地下鉄が走ってたの??イギリス帝国恐るべし。地下鉄といってももちろん電気じゃなくて、蒸気なわけで、蒸気の地下鉄ってまったく想像がつきませんね。駅が煙まみれなのでは・・?

2018年12月27日木曜日

1901 フィルモア・テラスの盗難  隅の老人

 シリーズ二作目。

 はっきり言って完全に最初からオチは見えています。だけれど、早いものがちですわね。1901年だものな。

ポートワイン、というのはポルトガルのワインなんですってね。良く聞く名前だけれど、ポルトガル、のポルト、だったのか。

1901 フェンチャーチ街の謎  隅の老人   バロネス・オルツィ

 隅の老人シリーズはホームズの初期のライヴァル、フォロワーの1人として有名で、座ってただ推理するだけ、というホームズみたいなアクション派の探偵とは違う、安楽椅子探偵、の嚆矢、オリジナルだと言われています。

 このフェンチャーチ街、はその一作目。まだまだ構成が甘い、と言わざるを得ませんがまだ推理小説っていうものがそれほど固まってない時代ですからね。でも短編で読みやすく、独特の雰囲気。霧のロンドン、のそれ、が詰まっていて、それが好きな人にはたまらない。

 バロネス・オルツィはハンガリー人、で、ハンガリー人の作家の本を読んだのは始めてかもしれません。というわけでこれから隅の老人シリーズが続くことになります・・・

2018年12月26日水曜日

2010 ラジアントヒストリア

 アトラス先生によるDSのロープレ、あんまし有名では・・ない?でもリメイクも作られているのである程度は売れたはず。

 時間を巻き戻して歴史を変えていく、というFF13-2と同じ感じのゲームです。ロープレ、というのは時間が逆に動かせる。という発想から生まれたらしい。ゲームのシステムはオーソドックスなロープレにちょっとアクションと謎解きがあるという、昔のスクウェアチックなゲームと言ったらいいのでしょうか?

 戦闘システムはマス目があってそれによってタクティクスが変化するという、ロックマンエグゼみたいなシステムです。

 とにかく時間を戻す。というのがキーポイントで、普通なら裏技扱いの過去に戻って・・というやり方が、このゲームでは常道です。常に時間を巻き戻して進む。


 「これは重要な決断だぞ・・・よく考えろ」

 という戻れないよフラグ、を出して来ますが、まったく気にする必要はありません、いつでも、どこでも過去に戻ってやり直せます。
 分岐でどっちかにしか進めない、みたいな言い方をしますが基本的に

「すべての分岐を踏む」

ことでフラグが立って進めるようになります、結局全部やるんかい!っていう感じ(BAD ENDにつながる選択肢は見なくてもいいんですけど)

 詳しく言うと、ハイスルート、とロッシュルートがありますが、必ず全部のフラグを回収することになる。時間を戻してフラグを立てていくのは結構むずいです。
 思ったよりも、敵が強い。というのがさすがアトラス先生ですね。中盤あたりの攻撃力のインフレがすさまじく、一発で全体のHP2/3もってかれて二発くらったら終わり、みたいなのがザラ。
 さらに鬱陶しい雑魚がめっちゃ多いです。バステやら仲間呼び、バフがやたら強いなど・・。あとまったくダメージが通らないカニがいるし・・・主人公のストックの攻撃力が弱くてほぼダメージソースにならないってこともかなりある。


 プレイアビリティ、がちゃんと考えられてるゲームで、セーブポイントが豊富で、いつでも時間を戻せるし、さらにイベントスキップだけでなく、テキストスキップ機能もついています。(同じ場面、に何度も戻るから)戦闘にはオート戦闘もあって、レベル上げも楽ちん。


 ストーリーは硬派っていうのか、シリアスっていうのか。あまり遊びなく、正統派な感じでずいずい進みます。セカイが砂漠に飲まれる・・・けど大国は戦争をしてる、戦争を止めてセカイの砂漠化をとめなくっちゃ!というなかなかのわかりやすしなやつです。お決まりの超兵器、

 キャラデザは独特、奇抜ってこともないけれど、今風でもありません。ただやっぱドット絵調なのはワタシ的には高得点、やっぱロープレはドット絵じゃなくっちゃ!