2021年9月18日土曜日

MTG  イニストラード ミッドナイトハント

 この前イニストラードのカードを紹介したけど、あれって旧イニストラードのリストだったみたいですね、新しく出るイニストラード・ミッドナイトハントとは別物。紛らわしい!道理でなんかカードが古いと思った。


 ミッドナイトハント、がスタン変遷と共に導入されましたが、ぱっとみた感じでは、カードパワーが弱いですね。でも現在の環境全体でカードパワーが抑えめになってるので、使える、便利そうなカードもあります。エルドレインみたいに禁止カード祭りになることはまずないって感じですね。あーこれ、禁止カードだな、ってのが一枚も無かったです。


注目カード。


冥府の掌握  黒2 2マナ2ライフでクリーチャーを殺せる 新時代のマストカード

食肉鉤虐殺事件 黒2X  Xマナ 全体除去 +ライフドレインまでついてくる超便利エンチャ リアニとも相性抜群

月の帳の執政  赤4 ドラゴン  手札入れ替え 死んだ時ダメージ  ドラゴンデッキを更に強化

不自然な成長 緑5  タフネスパワーが倍になるという脳筋カード 5マナというのが良い、ただマナ制約がきつい・・・

ヴォルダーレンの末裔、フロリアン 赤黒1 3/3 先制攻撃  ドローソースになる吸血鬼 

ドーンハルトの主導者、カティルダ 緑白 2マナ 全ての人間がマナ能力を持つようになる マナブースタ

年経た枝指  緑黒X X枚クリーチャーを墓地に送り込むというリアニ爆発能力 コンボデッキのキーになりそう 唱えた時、なので打ち消しにも強い

日没を遅らせる者、テフェリー 青白2 今回のプロモカード 能力は複雑だけどハマれば強力 だけど昔の3マナのテフェリーみたいなゲキヤバ禁止カードではない

月皇の古参兵  白  クリが出るたびライフゲイン、さらに降霊もする、ライフゲインで起動する系デッキの主軸になる、1マナ!白ウィニーに光明。

心悪しき隠遁者 青1  サクりで打ち消しとしても機能し、降霊も優秀 明らかに入れ得カード

復讐に燃えた絞殺者 黒1  変身での呪い?が非常に鬱陶しい、抜群の嫌がらせカード サクリデッキにピッタリ

敬虔な新米、デニック  白青  墓地を呪禁にする珍しいカード でも色が白青なのがいまいちか・・?黒白、黒青だったらいいのに


 一番よく見るようになるのは明らかに冥府の掌握でしょうね、2マナでクリ除去。2ライフでも安い。宝物ドラゴン対策にも絶対に入るカード。


 特定の強いカードというわけではないんですが、ゾンビ、サクリデッキには豊富にカードがラインナップされていてどれを使うか迷うくらい豊富、これは黒が明らか飛び抜けて強くなる。ミッドナイトって言ってるし。

 全体として速攻が弱い環境なんで、マナドライブからの大蛇デッキってのも見るようになりました。原理主義から比べると確実にパワーダウンなんですが大蛇は打ち消し不能なのが嬉しい。

 現在一番速いデッキでも6ターンキルなんじゃないですかね?エンバークレイブがあった時は普通に4ターンキルだったので、遅いデッキに出番が回ってきておる。黒に全体除去がいっぱいあるので、コントロールで白の存在意義がないですね。黒絡みが非常に多い。赤単がこんなに弱い環境も珍しい。


 宝物ミッドレンジ、サクリゾンビ、緑青マナ、がトップメタって感じですかね。次点で白ウィニー。ただ白はドローソースが無いから全体除去一発で終わりがち。が、どのデッキもめちゃくちゃ強いって感じではないので、デッキリストはカオスです。バランスが良いとも言える。

2021年9月11日土曜日

1989 バットマン 映画

  バットマンの映画の第一作目らしいです。


ワタシバットマンには全く詳しくないんですが、色々驚きがありましたね、バットマンってあぁいうなんかコウモリ人間的なモンスター?なんだと思ってたんですが、ただ金持ちのボンボンが科学兵器で武装してるだけなんですね、つまりコスプレ・・・、だとしたらあのデザインセンスやばない??


 あとジョーカー、この映画ではジャック・ニコルソンがキャスティングされてますが、なんか特別な能力があるわけではなくて、ただの悪い普通の人間です。ワタシは勝手にバットマンってもっとアメコミっぽい荒唐無稽なアクションだと思ってたんですが、わりかしファンタジー色は薄めなんですね。


 この映画監督はティム・バートンがやっていて、全体的にイラストっぽいというか、マンガ、アニメっぽいので絵的にはおもろい。ストーリーはまぁアメコミなんで、ご察しの通り。でもこれは批判してるんじゃなくて、いいと思います、アメコミのスタイルですから。昨今のなんか社会的なメッセージ入れたろう、悪役にも実はこういう過去があって・・・みたいなのは鬱陶しいですものね。回想入れだしたら映画は終わり。


 いつからバットマンはなんかジョーカーが悲劇的な悪役で・・・、みたいなダークヒーロー路線になったんでしょうね?ワタシ確かダークナイトも見たのですが、なんのこっちゃなんにもわからんかった。


 じゃあ原作読んでみよっかなとも思うんですがアメコミってこっちと文化が全然違ってて、会社が作品を作ってて、いろんな人がバットマンを描いてるみたいなことなんですよね、だから無数に作品があって、どう読めばいいのかわからん。

1935  The Adventures of Tintin The Blue Lotus 青い蓮

  タンタンシリーズ5作目。


 舞台は満州事変当時の香港、上海、という、世紀末のロンドンと並んでもはや伝説的にありがちな時代設定。そして日本だけはこの時代をモチーフにしない時代。


 当時の香港はまぢで、魔窟、魔界、って感じで、あらゆる良からぬものがいかに中国から搾取してやろうかと策謀をめぐらしているという状態、さらにアヘンが大量に出回り、ジャンキーが歩き回るという、ファンキーな世界だったようです。


 アヘンを大量に輸出して大儲け、なんて大英帝国クズすぎない??アヘン戦争、なにこの正義の欠片も無いやつが勝ちまくる感じ?って歴史の教科書で思いませんでしたか?やってることは完全にギャング、といよりも、ギャング、マフィアというのは大英帝国の商売を見習ったということですね。


 その策謀、の極地、が「満州事変」、ってことになるわけですね。でっちあげで鉄道を爆破して、それを口実に占領する。清々しいくらいクズです。

 というわけでもちろん悪役は日本人で、日本人がいやらしい悪人として描かれているんですが、昨今、日本人が悪役になってるのってあんまり見ないので新鮮ですね。


 現代だったら当然日本人が味方で中国人が悪役になるでしょう、要するに欧米にとって敵か味方か?ってことなんでして、結局こういう「現実」を舞台にしたものってのは本人の利害関係でしかなくなってしまうものです。だから私は「現代」を舞台にした作品って好きじゃないですね、創作の余地が少なすぎる。何をどう描いても絶対どっかから苦情が来ますしね。


 内容もコミカルではあるけどもかなりエグくて、要するに暗殺合戦ですね、毒殺しようとしたりされたり、常に暗殺者に狙われるっていうお話。当然警察も掌握されていて・・っていうやつです。そして悪役であるミツ・ヒラトは割腹自殺して死ぬ。まずミツ・ヒラトって名前がおかしいですし、あんまり日本ってのをわかってないってのが随所に見られます、しかしこれが1935年のヨーロッパが持った日本の印象ってことです。

 また中国人を差別しまくってる白人も登場したりして、非常にセンシティブな問題ばっかり。これ今だったら発禁処分なんじゃないのかしら・・・?


 立川談志が言うに

「警察が不祥事を起こすってのはいいことなんです、誰かが不祥事で問題になってるってことは、まともな警官が多数派ってことですから、全員がマフィアとぐるなら不祥事なんて起きませんからね」


 確かに。


漫画としてというよりも、当時の雰囲気、ってのを知るには非常におもろい本です。



2021年8月30日月曜日

1934 ファラオの葉巻 The Adventures of Tintin Cigars of the Pharaoh

  タンタンシリーズ四作目。


 今回の舞台はエジプト、そしてアラブを通ってインド、とオリエント世界を横断するスケールのでかい作品。


 今作からおなじみのキャラクターが登場


双子のドジっ子刑事 デュポンとデュボン

こちらもおとぼけ考古学者 フィレモン・サイクロン


 などタンタンシリーズおなじみのサブキャラが登場し、単なるアクション一辺倒だった構成が、サブキャラたちのドジとかボケに助けられたり、窮地に陥ったりと、コメディ色が強くなりました、ずっとタンタン視点で描かれいくのではなくて、いくつかのグループの視点を取るっていう具合になっていて、格段に進化、もはや完成形といえます。


ストーリーとしては、ファラオの墓を根城とした、大規模なアヘンや麻薬のシンジケートを追っていくという、90年後もまったく同じことやってるよ、という物語。KKKみたいなマスクをした秘密結社が登場するんですけど、これは木曜の男とかの影響、当時ソ連などの状況などもあって、こういう秘密結社、っていうのが流行ってたんでしょうね、合言葉を言え!っていうやつ。

 現代はこういう秘密結社ってのはギャングと大企業に取って代わりましたね、大企業は合法的に悪事をして、それに対抗するためにギャングがいるというわけ。半ばどちらも社会的に公認された組織であって、秘密、にする必要がなくなりました。


 作画のクオリティも相当上がっていて、コマ割りは非常に細かいかれど細部まで書き込まれたタンタンのスタイルってのが完成しております、とにかく全体的にハイレベルに仕上がった初期の代表作といえますでしょう。


 実はカラー版と白黒版で相当手直しが入ってるみたい、ワタシが読んだのはカラー版。


1934年でこのクオリティは当時、確実に漫画の最先端だったでしょうね。

2021年8月26日木曜日

MTG イニストラード スタンダード変遷

  9月半ばのスタンダード変更に向けて、新しく「イニストラード」のカードリストも公開になっております。


https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000034/


スタンダード変更というよりは「エルドレイン」のスタン落ち、が事件ですね、はっきりいってエルドレイン強すぎた。現在の環境のデッキのコアカードはほとんどエルドレイン、禁止カードを5枚?も出してめちゃくちゃでしたね。「創案の火?」こんなの禁止カードになるに決まってんじゃん、見た瞬間気づけって話。

 

 スタンダードのトップメタデッキはほぼ全滅、まず物語デッキ系がすべて消滅、リサイクルデッキも消滅、ローグデッキも消滅、赤の速攻もエンバークリーブを失ったことにより消滅、根本原理、の原理系も消滅

 スタンダードが変更になったからといって、ここまでそれまでのデッキがほとんど使えなくなるってことも珍しいのではないでしょうか?それほどエルドレインを主軸にしたデッキばっかりだったってことです。


 唯一生き残ったのは 宝物ドラゴン、を中心にした赤青ドラゴンでしょうね、これがゴリゴリにトップメタ。ドラゴン除去は絶対に必要、宝物ドラゴンに2ターン攻撃されたら負けって感じです。


 さて新しく入る「イニストラード」なんですが・・・・


 はっきりいって完全なるカードパワーダウン。それまでに出てる、ゼンディカーとか他のパックもすべて弱めだったので、環境全体がめちゃくちゃパワーダウンしますね。これまで登場できなかったカードもようやく日の目を見るのでは。パワーインフレをゴリ押しで止めに入ったってことなんでしょう。

 なんとイニストラードはゾンビと狼男、吸血鬼、という、ふる~いマジックのギミックが出てきて、なんかふるっ!クラシックやなぁ!っていうカードが多い。ゾンビデッキて!なつかしー。墓地を利用したリアニ系のカードが主です。


 中でもこれはよく見るようになるだろうってカードをピックアップ。


緑1 アヴァシンの巡礼者  1マナでタップマナというマナブースト。ラノワール以来の1マナ・マナブースト枠、生み出せるのが白マナというのが違いますけど全然問題にならない、とにかく1マナでマナソースが出ることで、環境全体のスピードが全く変わってくる。正直これがイニストラードで最強のカードでしょうね。


土地 ケッシグの狼の地   赤白Xでトランプルとアタック+Xができる土地・・・、ん?普通にめちゃつよじゃない?トレジャーデッキとも相性がいいし、赤緑白の3色でも、赤白絡みのトークンでも、簡単に火力が出せる、しかも土地で破壊されにくい。

 土地からクリーチャーになるっていうカードが現在いっぱいあるので、全体除去をくらっても立て直せることになり、土地クリ主体のデッキも増えそうです。マナブースト系が強くなりそうですね。


黒2 心なき召喚 クリーチャーが-1/-1されるけど2マナ軽くなるという、かなりやばそうなカード。これも環境のスピードを激変させるかも。3ターン目で宝物ドラゴンが来ることになる。他にも重いけど能力強いクリーチャーを出しまくれる、黒緑ストンプとかにもできる。ミッドレンジデッキのエンジンになるカード。どういうシナジーを生むかわかりませんが、禁止カード最有力w あれ?このカードと組み合わせるとやばない?ってのがかなりありそう。



 現在の環境、速攻系のデッキが相当弱体化したって気がします、アナレックスがいなくなったので全体除去に無防備になりましたし、白もそこまで速くない。

 だからコントロール有利の時代がまた来そうですね、エンバークリーブで5,6ターン決着ってのがザラだったので、とにかく今回の環境は激変、です、宝物ドラゴン以外にどのデッキが強いのかまったく想像もつきません、こういう環境こそ面白いですね、デッキメイクの腕の見せ所であります。

1973 ダーティハリー2 Magnum Force

   もちろん午後のロードショー


ダーティハリーっていうとエンタメ映画っぽいイメージがあるのですが、内容は結構社会派。

犯人は、ギャングやポン引きなど社会悪は無裁判で殺しても善いと考える、潔癖な警察官の若者グループであり、悪いやつは殺してもいいじゃないか?と開き直るタイプ。最近のマンガとかのミステリー物の犯人ではよくある設定ですが、当時としてはかなり新しい感じだったのでは?と思いますね。


 非常に善いところは、お涙頂戴がまったく無いところですね、一応相棒みたいなのがいて爆殺されて死ぬんですが、ハリーは心配はするんですが、殺されて「くそぉ!」みたいなことを言うシーンは一切ない。

 あとしっかり人を殺しよるなぁってとこですね、これも歯切れが善い。特にこういった、犯人は正義感が空回りしたっていうタイプの場合、生きて罪を償え、云々、っていうのが多いんですけど、ハリ―はチョップでしっかり殺す。相手が先に攻撃するまでは攻撃しないが、一度でも攻撃してきたら殺す、それがハリ―のやり方、かっちょえぇですね。

 最近のものはどんなものでもそうなんですが、たいてい喋りすぎなんです、説明しすぎ、説教しすぎ、セリフってのは少なければ少ないほど良い。


 イーストウッドの吹き替えを山田康雄、つまりルパン三世がやってるんですけど、これが渋いですね~。いい声ですなぁ。

 それと音が、いかにも嘘っぽくて、それがなんだか良いですね、くっきりした音。マグナムが、ボガーン!!って音がします。

 やっぱ実写のアクションってCGが無いほうが圧倒的に面白いですよね。普通にこの映画面白い。

2021年8月16日月曜日

1931 タンタン アメリカへ Tintin en Amérique Tintin in America

  タンタンシリーズ第三作目はギャング時代のシカゴが舞台。第一作がソ連、第二作がコンゴ、ときて、またしても今で言うセンシティブなテーマを選んでおります。


 さらに原住民のインディアンなども登場して、いよいよ、今なら問題有り有りのテーマばっかり取り上げていますね。

 コミックの流れとしては次々とタンタンにギャングが襲いかかり、それをほとんど強運だけで突破するっていう話で、コミックの展開としてはちょっと単調ですね。でも発表されたのが1931年ですから、当時としては最先端すぎるエンタメだったのだと思われます、売上もなかなか良かったみたいで、タンタンシリーズの人気確立に貢献したタイトルだったようです。


 今となって読むと、やっぱこの時代ってむちゃくちゃですよね、20年代30年代ってやつは、あらゆるものがむっちゃくちゃ、だけど張り裂けそうなエネルギーに満ちている、第一次大戦から開放されたっていう喜びもあるし、その負の遺産で死にそうにあえいでる人もおる。WW1が残したものとして、命の軽さってのがあるようです。

 めちゃくちゃ簡単に機関銃で人がばったばった死んでいくのを目の当たりにして、どうせすぐに死んでしまう、っていう刹那主義的な考えになっていったってことですね。だから今日が人生最後の日、みたいなめちゃくちゃさ、がこの時代にはある。


 この時代のアメリカってのはいわゆる黄金時代で、ヨーロッパの没落によって世界の覇権国家となり、なぜか禁酒法を制定し、マフィアが暗躍する、という資本主義の明暗、が非常にハッキリしだした時代です。


 禁酒法についてのロックフェラーの言葉

「禁酒法によって、飲酒はむしろ増加しました。不法酒場がサロンに取って代わりました。犯罪者の巨大な群れが現れました。我々の最高の市民の多くでさえ、禁酒法を公然と無視しました。法律の遵守は大いに軽んじられました。そして犯罪は、かつては決して見えない水準にまで増加しました」


 正しいこと、ばかり言っても誰もついて来ませんよってことです、見返り、がなければだめってこと。酒を飲んでは駄目!ではなくて、酒を飲まない人間にはカネをあげます。これがルールってものです。

 コロナだから外に出ては駄目です、これじゃ駄目ってこと。外に出ない人間にはカネをあげます、これじゃないと誰も守らない。