メビウスの一番初期の作品と言われておる。
メビウス、別名ジャン・ジローは、ブルーベリー、という西部劇みたいなマンガで名が売れたのですが、SFとか、もっと尖ったアングラ作品を描くときに、メビウス、というペンネームを使うようになったのです。
ほいでその実質メビウスの最初の作品がこの作品。邦題が「巨根男」となってますが、日本語訳は無いみたい。
英語名からすると、勃起したマヌケ、みたいな意味でしょうか。
尖りすぎ
今ではでは伝説的アングラ作品とされてるみたいですが、さもありなん。バチクソに尖ってる。型にハマりまくった原題のマンガの一番対極にあると言えます。
まじ右ページと左ページでまったく別のストーリー?が展開します。
片方はある男がなにかにどんどん飲み込まれていくというスーパーシュールな話。
もう片方は、勃起したことでなんかしらんが誘拐されて、精子管理局?に追われる、宇宙規模のドラマを描いてます。絶対に昨今では少年誌に載せられない内容、普通にR18。だけどエロもあるのですが、そのスタイル、緻密な描写、図抜けた空間的センスを感じさせます。
ぶっちゃけ内容はほとんど全く意味がわからん。
メビウス本人による解説がありました。
68年闘争によって、ヨーロッパでも様々なアングラというか新しい文化が花開いて、新たなインデペンデントの雑誌も生まれ、その文脈で、初めてアダルトで自由な作品を描いた。
アダルトとは、エロと暴力、ではなくて、規制の無い自由、という意味だ。毎日同じようなマンガで同じキャラばかり描いていると(ブルーベリーというメビウスが連載していたマンガ)、気が狂ってしまいそうになる、自由で新たな表現を求めてこれを描いた。とにかく描いていて楽しかった。
だそうです。なーほーね。
メビウスもまたクレイジー60sの産物だったということなり。