メビウスのコミック?といっていいのか、アートブックというか。
とにかくこの作品、めっちゃくちゃすごい。メビウスの画力爆発時代。うますぎる。これは絵描きならぜっったいに読むべき。読むというか、見る、べき。
画の構図と密度、書き込み、すさまじいです。えぐすぎる。50ページくらいの短い作品ですけど、この作品はマンガの世界に革命というか、レベルを三段階くらい引き上げたと思います。まじか・・・、マンガってこのレベルなんだ・・・ってぶっ飛びますね。
こういうことをいうと、とにかく書き込めばいい、写実的に描けばいいんじゃないかと思われがちですが、そうじゃなくて、ここはやっぱセンスなんですよね。写実的、というわけではないけど、リアル、なんです。
内容はセリフ一切無しでして、何も語ることはない。ただなんか戦士みたいなのが、なんかに乗ってファンタジーっぽい謎の世界を飛び回るって感じです。テキストが一切ないので、自分で見ろとしかいいようがない。
しかしまじでメビウスの画力やばすんぎ。これはデューラーとかラファエロとかそういう伝説クラスのアーティストと並べられてしかるべきなのかもしらん、バンド・デシネ、コミック、というあらたな媒体における、古典的作家。
宮崎駿がこの作品を読んでナウシカのインスピレーションを得たというのは有名です、読めば一目瞭然、これがあれじゃん!って相当影響受けてます。
宮崎駿が影響を受けるって、そんなことあるんだって感じでもありますよね、ビートルズみたいに、そこが始まり、みたいな感じがしてその前、についてあまり語られない存在ですから。
でもよくこれを見つけたものだと思う、なんでも簡単に手に入る現代でも、ヨーロッパのデシネをチェックしてるヒトなんてプロでも少ない。70年代とか80年代にデシネを手に入れる方法なんてあったのかしら?