本読むのめっちゃ久々ですね。
本読むくらいならマンガ読む、ワタシもそっち派なんですが、実はマンガって、テンポ、が大事、映像と同じで。だから内容を詰め込みすぎることは出来ないのです、文字ばっかやないかい。
だからエンタメとしての小説はワタシはもう誰も読まないと思うのですが、ノンフィクションに関してはまだまだ本ってのは存在する必要があるみたい、ただ、もっと絵を増やしてわかりやすいように努力せいと思うけど。
とにかくラマヌジャンの伝記みたいな本です。ラマヌジャンだけじゃなくて時代背景とかその周りの人、特にハーディについての記述も多いので単純に伝記ではないです。
ラマヌジャンは20世紀初め頃に活躍した天才数学者、奇跡的なめぐり合わせでケンブリッジへと留学して、天才のひらめき的な定理を残しました。
今と昔じゃ留学、の敷居がまったく違いますよね、洋行、だって船で一ヶ月、あるいは2ヶ月かかるのです、行くだけで、ですよ。一週間で海外旅行行くのとは全然違う。
当時インドは大英帝国の植民地でしたから、英国へ留学出来たわけですね。
植民地政策、というと悪の権化、みたいに語られますが、ワタシはいいとこも悪いところも半々、むしろ得した部分も多いと思います。
まず、英語、が公用語になったこと、これは大きなアドバンテージですよね、鉄道網の整備、これもでかい。他にも大学やらインフラの整備。英国がもたらしたものは多い。もし英国じゃなくて中国やイスラムに支配されたままだったら、インドはもっと悲惨な現代を迎えていたと思われます。
ラマヌジャンの人間としての生涯は、まさにこの時代の典型的な人生ですね。身分格差、第一次大戦、そして結核。20世紀前半あるあるをすべてたどったという感じです。
戦争と病、結局人類の歴史なんてこれの繰り返し。ブッダの時代からこればっかり。平和や安定なんてのはほんと奇跡、偶然、たまたま、でして、すぐにぶっ壊れる。現代もまさにこれ。
結局全部運次第でどうしようもないことです。
それだけ聞くとラマヌジャンは神童でとんとん拍子に天才の階段を駆け上ったように思えますが、実際は、家の暮らしはかなり貧しく、数学以外の教科をやるのを放棄したので大学を途中で退学、そののち長いこと引きこもり生活、仕事にありつくためにほとんど乞食のような放浪生活、いろんな人に媚を売ったり、頭を下げたり、かなり悲惨な就職活動を何年もするハメになったりと、相当な苦労人です。
ラマヌジャンを例にして、形式ばかりにこだわる教育システムや、天才の才能を伸ばそうとしない社会システムに批判が加えられていますが、100年たった日本でも、というか世界のあらゆるところで、教育システムってのはほぼ何の進歩もしてないですね。
「受験のための勉強」ばっかりやらされて、それがほとんどただの時間の無駄でしかない。テストに出ないことは勉強しても仕方ない、学校の授業なんて無駄、塾だけで良い、塾に行けない貧乏なやつは受験で勝てない。まったくなんの代わりも無く教育の弊害はずっと変わりありません。
ワタシも「とりあえず役に立ちそうなことを全部ぶちこむ」という教育は最悪だと思いますね、とにかく時間の無駄。「やりたいこと、を先に選んで、それに必要なことを学ぶ」、絶対こっちのほうが効率的です。
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内容はいいとして、この翻訳者文章ヘッタクソですね、こんなんワタシが編集だったら全部書き換え。非常に読みづらいし、言葉選びもセンスがない。良い本なのに台無しです。翻訳なのに気取った文章とか四字熟語ぶっこむなんて頭おかしいです。グーグル翻訳のほうがまだましじゃないかしら。