2026年9月22日火曜日

1938 『死との約束』(しとのやくそく、原題:Appointment with Death)

  いわゆる中東シリーズの一作。

 ヨルダンのペトラ、やエルサレムが舞台になっていますが、実際にはそういう舞台仕立ては話の内容とは一切関係なく、ただ舞台がペトラというだけです。


 内容なんですが、めちゃくちゃ嫌われもののババァがいて、みんなに恨まれていて、早く死なないかと願われているのですが・・さて・・・という物語


 この嫌われものの金持ちババァが殺されるってのが前にもあって、これはやっぱりアガサ自身の気持ちってものが現れておると思います。アガサの家族たちは、アガサがとっと死んでその膨大な遺産が手に入らないかと願っていたのか・・・?まぁそのへんはわかりませんが、一人くらいは、そう思ってるやつはいたでしょうね。


 この作品は知名度が低い作品らしく、確かに内容も、かなりトリッキーというのか、探偵ものではないとも言えて、いわゆるキワモノシリーズに入ると思われます。


 やっぱり1938年ってこともあって、世間が無茶苦茶になりつつあるなか、そういう時代のゴタゴタには触れないでエンタメを提供しようっていう感じなのですが、やはりなんか、時代の黒い影みたいなものは拭えてないというか、それに言及しないのはやっぱ不自然って感じを受けますね。


 とにかくこう、不安定な感じがどよどよと感じられる作品かと・・・

2026年9月20日日曜日

2005年5月26日 NAMCO x CAPCOM  モノリスソフト

  ナムコとカプコンがコラボして、制作はモノリスソフト、という謎極まりないコラボで生まれた作品。

 

 カプエスみたいなお祭り格ゲーかと思ったらところがどっこい、スパロボみたいなゲームです。厳密には、ほとんどスパロボで戦闘システムだけヴァルキリープロファイルみたいな敵を浮かせてコンボを叩き込むゲームなのですが、見た目とかUIとかデザインはまじでスパロボそのもの。 

 

 お祭りゲームか・・・一杯キャラクターをメタクソ出さないと行けない・・・そうや!スパロボや!!ってことなんでしょうか??

 というかモノリスが開発したスパロボのキャラも出ています。隠す気もない、これはナムカプスパロボということ。ハチャメチャなげぃむだぜ。


 ナムコ主導ということもあってか、ナムコからの登場キャラがめっちゃマイナーというか、まじ??っていう選択です。ナムコからは景清(源平討魔伝)、ベラボーマンみたいな、嘘だろ?っていうキャラが出ているし、ほとんどわからん。カプコンもダークストーカーのキャラが結構フィーチャーされてるのは珍しいですね。

 もちろんスト2、鉄拳、などからメジャーなキャラも多数参戦、こうやって考えるとやっぱカプコンのブランドは強すぎますよね、ロックマン、スト2、バイオ、無敵艦隊や・・・

 あとモノリスソフトってこともあって、ゼノサーガがやや主張が強い、ゼノサーガってナムコだったんですね。


 大量のキャラがいるというわけで、作画がややちゃちなアニメ塗りなんですが、まぁ数が多すぎるってわけで、あんま複雑な塗りには出来ませんよね・・・、それでも基本的にすべて2Dスプライトで表現されていて、ワタシ的には非常にグッド。


 デザインの変遷、みたいなのが見れて非常に興味深い。

 昔の女キャラのハイレグ率の高さがすごい顕著ですね。女=ハイレグだったのですな、これはバブルの時代のイメージなんですかね。景気のいい時代の想い出みたいなものかしら。

 逆にスカートのキャラがほとんどいません。スプライトでスカートを描くのがむずかったのかもしらん。90年代後半になると、JKブームなのかスカートキャラが急に増える。

 男キャラは昔はやっぱ熱血かクールかの二択って感じで、どちらにせよストレートでわかりやすく服装も、基本、「鎧」ですね。


 ゲームシステム的にやはり対空みたいな空中コンボが決めやすいいわゆる道着系キャラがめちゃ使いやすい。やはりリュウを基本にゲームが組み立てられてる気がする。


 ちょっと本題と離れますが、プロレス、っていうエンタメって、他に代わるものが無いエンタメなんだなと思いますね。エンタメなのかスタイル、なのか。

 プロレスやろうぜ、とか、それプロレスじゃん、っていう言い方からもわかるように、そういう状態を示すコトバが他に無いのですわね。


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  攻略なんですが、戦闘システム上、戦闘アニメをカットできないので、むっっっっちゃ時間がかかる。スパロボのアニメ飛ばせないやつと思えばよき。

 中盤から敵も固くて多くなるし、大量の敵を巻き込めるマップ兵器とかもないので、とにかく時間かかりましす。

 シナリオも45マップもあって、1マップ1.5時間くらいかかるので、セットアップなどもふくめて普通に100時間以上必要。とにかく暇じゃないとできん。

 

 強いユニットは

KOSMOS  とにかく最強。アタックMP吸収、再動、バフ、デバフ持ち、パラメータも技も全部強い。これは制作モノリスソフトのゴリ押し。まさに邪神w

リュウ、ケン だいたいみんな二人組なのですが、こいつらだけはソロだし、特別扱い。とにかく昇竜拳の火力が高い。浮かせてなんぼのゲームなので、対空最強のこいつらが頭抜けていて、昇竜拳ゲームです。リュウは途中で離脱するので、Kenが重要。逆に鉄拳勢は対空が弱いので全員使いにくい。

ロックマン&超戦士 遠距離で使えるユニットはこいつら。特にロックマンは必殺連発できる。後半のボスカウンター持ちが多いので、遠距離でトドメが楽。超戦士はレンジが異様に長くて、しかもタフ、という遠距離ユニットらしからぬマッチョユニット。

モリガン  相手のMPを無限に吸収できるというチートスキル持ち。さらに味方に再行動をばらまけるという最強サポートユニット

ドミトリ  ミッドナイトブリスが相手のHPを吸血、というボスキラー。特定のスキル無効ボスを除いて、吸血でちゅーちゅーして、アイテムでMPを回復、をすれば、どんなボスでもワンキル可能。


 というわけでやっぱメジャーなユニット、特にカプコン勢が強いです、これはまぁ接待ボーナスってところでしょうか。

 まさかリュウやロックマンを使えないユニットにしないですよね、ナムコさん?モノリスさん?ってことなんでしょう。ダークストーカー勢が強いのも、この制作陣がたぶんダークストーカーが好きなんでしょう。かなり優遇されている。


 アイテム買い放題なので回復しほうだい、蘇生アイテムも使いまくれるので難易度は高くないのですが、アイテムをいちいちセットアップしたりしないといけないのがめんどい。

 あと強制参加ユニットばっかりで、参加するユニットはほぼ固定されるので、上記のエースユニットがいないとガクッっと戦力が下がる。特に邪神がいないと戦力が半分になるくらいの影響を受ける。

 だから結局全部のユニットそこそこ強くする必要があります。



 シナリオは、まぁお祭りゲームなので、うまくまとめるのは不可能だし、さらにコラボゲーともなると、相手のブランドを傷つけるわけにも、適当に扱うわけにもいかず、ギチギチに制約があるので、まぁこうなるよね・・って感じですね。どんな天才にも上手いシナリオは書けないと思われる。ちょっと冗長すぎるきらいはあるので、出来るとすればもっと簡潔にしろってことですね。



 総評とすると、まぁしっかりと作っているゲームと言えます、スパロボよりもアクション性もあって楽しい。だがそのおかげでテンポは激悪、時間がとにかくかかるゲームシステムとなっているので良し悪しですね。


2026年9月16日水曜日

2005 マザーグースを遊ぶ  井田俊隆

  僧正殺人事件にちなんでちょっとマザーグースを勉強。


 この本は適当に選んだ本ですが、2005年なので割と最近の本ですし、子供向け、のマザーグースを特に扱った本のようです。


 マザーグースって、何がマザーグースなのかもわからず、どれがマザーグースなのかも決まっていなくて、非常にファジーな概念。


 ようするには、なんとなく昔からある童謡やら詩の群をマザーグースと読んでいる。日本にも日本昔話、みたいなファジーな概念があって、桃太郎、金太郎、浦島太郎・・・、絶対にみんな知っているものだが、何が日本昔話なのか?ってのは誰もわからんものがある。


 でも絶対にみんな知っていて、パロディや元ネタにも無限になっているので知らないと、よくわからんことになる。言語ってやつは単語の意味とかだけ知っていても、こういう背景知識やノリ、ってのを理解してないとちっとも伝わらないものです。


 英語ってのが覇権言語ってこともあって、誰しもマザーグースを知ってないといけんということになっている?ともかくギャグとかそういうものを理解するためには必須知識なりけり。


 マザーグースの本質、といえば、ナンセンス、であるということ。これがマザーグース固有の特徴ですね、日本のソレが教訓めいてるのと違って、マザーグースは意味がない、ってのがスタイルであり、イギリスユーモアの特徴です。

 でもこのナンセンスの面白さってのは、非常に伝わらないものですよね。それをコトバで説明しだしたらまさに無意味ですし・・・


 マザーグース関連の本は無限にあるので各自ご自由に・・・、でも英語の勉強の最初のほうにマザーグースに手を出すのは悪手、マザーグースの英語はわざと崩していたり、古かったり、とにかく特殊ですのね・・・

2026年9月7日月曜日

2005 04 ロックマンゼロ4

  ゼロシリーズの完結編。


 ですが、3が完成形、と言われていて、4はシステムとかが色々チグハグだったり、ゲキムズだったり、理不尽ステージがあったりと、そこまで評価は高くない。

 けれど物語的には完結編ですし、確かに色々問題ありとはいえ、ロックマンってこんなものです。ロックマンといえば難しいゲームでして、ロックマンの遺伝子をきちんと引き継いでいると言えます。


 ただこれはどう考えても不親切っていうのは、今回は強化パーツは敵から落としたパーツを組み合わせてチップを作るって感じなのですが


 一切ノーヒント


 こんなのわかるわけなくて草って感じです。

でもこのチップ、ハイジャンプ、などを持って無いと、もちろん強化パーツなどは手に入りません。これはいくらなんでもひどすぎ。

 ワタシも、途中まで、どっかで合成するためのレシピが手に入るのでは?そりゃ手に入るよね?って思ってたのですが、いつまでたっても一個も手に入らない。

 ググってみると、レシピは一切ドロップしません、完成したパーツのみ、レシピが判明します。それレシピの意味まったくなくね??どういうこと???



 あと溜ソードがかなりナーフされました、これまではぶった切ってればダメージレースで勝てましたが、溜ソードが弱くなり、むしろ連続斬りのほうが強くなりました。



 ラスボスはまじで、ロックマン史上最強のボスです。

 ワタシがほとんどアイテムもかいしゅうせずに、サブタンクも0で戦ったからってのもありますが、時間制限あり というロックマンでは珍しいボスで、ほぼすべてのパターンを知ってほぼ最適解じゃないと時間足らないという鬼畜ボス。

 たぶん弱点があったのかもしらん、けどもこのゲーム特殊武器を手に入れるにも条件があるので普通にやっても手に入らない。

 まじでえぐかった・・・・


 シナリオは全体のテーマとしては深刻です。

 人類がレプリロイドという人間の偽物を作ったのですが、レプリロイドは人間の言う事を聞くだけでは満足しなくなり、自由を求めてイレギュラーとなる、人間を守るレプリロイドとイレギュラーの戦争が始まり、その戦争で世界はほとんど崩壊してしまう。

 人類はレプリロイドを含めてあらゆるロボットを毛嫌いするようになるが、ゼロたちは、レプリロイドと人間が理解しあえるように努力する・・・みたいな話。

 物語の構造としては、ほとんどシャアの逆襲のまんまですね、宇宙から落ちてくるラグナロクっていうコロニー落としを阻止しようっていう話です。

2026年9月4日金曜日

2002 グランディア エクストリーム

  グランディアの三作目で最後の作品(?)


 グランディア3・・・なんですかそれ?記憶にございません。


 なんでこれがグランディア3ではなくてエクストリームかというに、やってみるとわかりますが、これは、RPGっていうよりも、ウィズみたいなハクスラゲームなんですね。街は拠点が一個で、後はダンジョン。

  

 ストーリーがいまいちだ、って言われてますが、ストーリーはほぼありません、飾りです。ひたすらハクスラをする、ハクスラとはそういうゲームなり。


 ゲームシステムは、それまでのグランディアと同じですが、さらに合体技的なものが追加されております。


 バトルシステムは非常に評判が良い。コマンド式バトルとしては最高や!って言う人もいます。

 単純なターン制バトルではなくて、キャラが移動するので、位置取りや順番、相手の行動順を遅らせたり、うまく囲い込んだりと、非常に奥深くてテクニカル。

 まさしくグランディアのバトルだけに特化したゲーム、つまりエクストリームということなんです。


 やりこみ要素は死ぬほどあって、やり込むためだけのゲームとなっておる。


 ただ、雑魚敵は回避ほとんど出来ないし、戦闘は長いし、でかなりテンポは悪くて、稼ぎをするのはめちゃくちゃしんどいし、レアドロップは死ぬほどある。まじで根気良くハクスラできるタイプの人にじゃないと厳しい。


 まったく情報がないのですが、ゲームが進むごとに、前に行ったダンジョンが更新されていって、新たなドロップが落ちるようになるっていう仕様です。なぜか章が変わるごとに以前作ったショートカットが消滅するのでなんで??ってなりますけどそういうことなんですね。


 バトルシステムはとにかくバフ、デバフゲーミング。バフのかかりかたがえげつなくて、バフがなければまともにダメージが通らない、バフデバフを盛るととんでもないダメージが出る。これは逆もしかりで敵からデバフを受けると、めちゃくちゃ能力が下がる。しかも積まなくても、一回でとんでもない下がり幅なので、とにかくバフ・デバフを切らさないのが大事。

 だが、このゲームMPの回復手段がまじで少なくて、基本道中では魔法完全温存ってことになるのですが、ザコが多くてまじでしんどい。


 あと、もちろんレアドロップの武器はメタクソ強い、しかし粘るのはかなーりきつい。

戦力の上昇もあまり効率的な方法がなくって、稼ぎがしんどい。世界樹の迷宮とかか、ソレ以上に厳しい。


 確かに戦闘奥深いのですが、もちっとテンポを上げないといけんすね。あと「移動」コマンドがないのが非常に困る。別の行動でなんとかうまく誘導しないといけん。


 総評として、ハクスラ好きで忍耐力のある、やりこみゲームがしたい人にはおすすめのゲーム、ライトユーザーにはきついし、RPGに物語を求めてる人もこのゲームじゃないです。

 

2026年9月1日火曜日

-300 山海経

  世界最古の地理書、といわれている本。


 ただ地理というのか、なんというのか、読んでみればわかりますが、まさしく謎の本です。

数字とかは全部適当だと思われるが、やたらと詳しく記載されているし、無数の山があって、それぞれに怪物がわんさかおる。

 そして小人の国とか、顔が3つある人間の国とか、足がとてつもなく長い人間の国があったりだとか、空想なのか、嘘なのか、伝説なのか神話なのか、とにかくめちゃくちゃなことが書かれております。

 しかし物語調ではなくて、たんたんとデータを語るみたいな調子で、ここにはこういうものがあり、この山があり、こういう怪物がいます。


 ってことがとにかく事務的に羅列されております。


 今は失われていますが、すべて絵、があって、その解説文だと思われる節があって、最古のマンガ、絵本、である可能性も大。


 もちろん伝説、古文書に属するもののため、読んで面白くはありません。ただ古代のひとびとが、ハチャメチャな幻想の中に生きていたことが非常にわかる本であります。古代の人にとっては、そういう幻想と現実、の区別は無いのですね。

 作り物と現実を区別しなよ!と現代では怒られることですが、実は、それはトラディショナルな世界のとらえかたなのかもしれません。

2026年8月31日月曜日

1930 『僧正殺人事件』The Bishop Murder Case S・S・ヴァン・ダイン 

  ネタバレ注意


  ネタバレ注意

  

  ネタバレ注意


 さてこれくらい注意しておけば大丈夫でしょう。

本来ミステリのオチを言うなんて無粋な真似はしないんですが、これは例外中の例外。


 なんでかというに、別にトリックやオチはそれほど大事ではないし、このミステリが、日本のミステリに一番影響を与えた作品、だとワタシは思うからです。

 江戸川乱歩もフェイバリットにあげているようですし。


 この作品は、いわば、猟奇連続殺人もの、というジャンルのパイオニアと言えます。

ただの連続殺人、ではなくて、猟奇的、なのです。


 この作品では、マザーグースの詩にみたてて、連続で殺人が行われていく、矢で殺されたコックロビン、という詩にならって、ロビンを矢で殺し、ハンプティ・ダンプティ、転がり落ちた、という詩から、せむしの男を転落死させる。


 っていう風に、残酷で、劇場的効果を狙った殺人が起こる。


 別にどうやって飾り立てて殺人を犯そうと、別にトリックには何の関係も無いのです。つまりこれは「雰囲気もの」、ホラー仕立てとも言える、装飾なんです。


 この作品は特に衒学的で装飾的と言われております。登場人物が数学の天才、アーチェリーの名手、チェスの名手、量子物理学の天才、美術マニアの探偵・・・ってな様子。

 数学、チェス、美術の歴史、ギリシャ文学、ドイツ哲学・・・、非常に難しい話題が満ちてる。アインシュタインのテンソルなんて言われても誰も知らん。

 ほいで、当然のことながら、別にトリックには、ほぼ何の関係もない。飾り、です、雰囲気重視。

 いかに巧妙なトリックか?というトリック重視の作品から、物語全体の、雰囲気、を重視する作風。これがめちゃくちゃ日本では受け入れられたというか主流となりましたね。

 ほいで日本人(とドイツ人)は猟奇的、変態的なものがとにかく好きなんですなぁ。


 でももちろんこの猟奇殺人ジャンルにも弱点があって、犯人がめちゃくちゃしぼられるってことですね。こういうイカれた連続殺人をする犯人は、当然ながら絶対に凡人はありえなくて、非凡な才覚がある人間じゃないといけない。

 これだけでほとんどの人間が容疑者から外れてしまうのです。子どももババァも、見た目だけの美女も、犯人から外れる。


 数学や、科学の天才、ってのを登場人物に入れるのも危険で、やはり本当の専門家からすると荒唐無稽のたわごとを言ってるってやり玉に上げられる。しかもそのこの作者は相対性理論全然わかってない、って指摘してるやつも、実は全くわかってないってのがほとんどで、本当の専門家は別にフィクションにそんな厳密性など求めてない。

 いずれにせよ、揚げ足をとられやすいテーマです。

 

 でもこのヴァン・ダインって作家は相当勉強してるってのは明らかでして、自殺はありかなしか、みたいな時に、日本の乃木希典の死に様もまた見事だったって書いてるのです。

 1930年ですからね。今みたいに自殺した有名人、みたいにググった情報をコピペ出来るような時代じゃないわけです。1930年のイギリス人が乃木希典まで調べてるということは、それはまじで相当調べてるってことですわ。

 日本人ですら知らんでしょう、そりゃ当時の日本人は知ってただろうけども。おそらく今の若い人で乃木希典を知ってる率は1%以下です。イギリス人なら0.01でしょう。

 イプセンは、悪くはないが、ゲーテには及ばない、日本画よりも、全盛期の中国の水彩画のほうがレベルは高い・・など審美眼も相当確か。ヴァン・ダインは本職は美術評論家だったらしいのでそこは専門領域ってことなのでしょう。

 宋の水墨画なんてまじでまっったく一般の人には鑑定が不可能。っていうか宋、ってのがすでによく知られていない。

 


 ABC殺人事件と並んで、ひじょーーーーに、フォロワーが多い作品であります。これはミステリが好きなら必読の書なり。


 あと、タイトルは、明らかに、ビショップ殺人事件、とすべきですね、このビショップはチェスのビショップのことで、宗教のビショップとは全く関係ない。チェスのビショップを僧正、だと思ってるやつはチェス好きにもまったくいないでしょう。

 このタイトルだとなんか教会で起こる殺人みたいな感じがするが、教会など一度も出てきません。そもそもキリスト教徒を僧だとか坊主って訳すのはめちゃくそ無理がある。

 でも何か不穏な印象を与えるということで、あえてこの誤訳というか、ロスト・イン・トランスレーションのほうがしっくり来るという気もする。