いわゆるマカロニ・ウェスタン、スパゲッティウェスタンとも言われる、イタリア政策の西部劇。
イタリアなのに西部劇?めちゃくちゃですやん、アメリカの侍映画みたいなもんなんですが、もともとは西ドイツが始めて、それがイタリアに伝播したみたいです。
イタリアっていうとフェリーニとか名作がものすごいあるのですが、この時代にはハリウッドに敗けたのか完全に落ち目、それを挽回するために西部劇を作ったらしいです。イタリアに限らず、60年代ってのは映画の落ち目、最後の輝きって感じなのですね、50年代は黄金時代、それがだんだんと転げ落ちていく・・・
イタリアも黒澤のいた日本映画と同じような道筋ですね、フェリーニがやばすぎて、そのあと衰退の一途。今ではイタリアは映画なんか作ってるのかどうかすら知らん。普通に考えて映画作りたかったらアメリカ行くしか選択肢がないですわね。アメリカ行ってもCGばっかりのコミック映画しか作れませんけど。
それはいいとして、この映画は名作です、モリコーネの音楽もいい、レオーネの演出もいい、俳優もイーストウッド、ヴァンクリーフ、とっても良い。
ただ中でも抜群に良いのが ジャン・マリア・ヴォロンテ 、素晴らしいの一言。はっきり言って他のキャストを全部食ってしまってますね。
ブラヴォー!
雰囲気作りから、動きのひとつひとつにいたるまで、すごい作り込まれている。座ったり、立ったり、歩いたり、っていう所作だけで、雰囲気を出している、そういうことだよな。って思いますね、演技ってこういうことだよね、って久々に教えてくれました。
この映画を期に一躍スターになった、ってのも当然って感じ。こりゃスターの演技ですわ。
ちょっと他のヴァロンテの作品も見ないとだめですねこれは。