今更ですが、16巻が出た、らしくて、15巻が出たことも知りませんでした。これも何年ぶりやねんってくらい空いてるのでね。
ちょっとびっくりしたんですけど、井上雄彦氏、絵が下手になってますね、レイアウトというか、画面の構成もスカスカ・・・一体どうした・・・
井上雄彦は絵が下手になるようなことはない、どんどん上手くなっているタイプだ、と思ってたので、ちょっと度肝を抜かれた。
基本毎日描いてれば、うまくはならないかもしんないけど下手になるこたぁないもんです。年とって絵が下手になった、ってあんまり聞かない、そりゃヨボヨボの老人になれば別だろうけども。
ミケランジェロ晩年になって下手になった、みたいなことは全然ない、ダヴィンチだってそうでしょう?体力は落ちるけども・・・
描いてないんじゃないのか・・・?
どうかしてしまったのかもしんない・・・、内容もなーんかやばい感じがしてますね、家族愛・・出たよ・・・。たいていの物書きってのは、家族愛に行き着きますよね。ワタシはそういう作家は終わったと思っている。満たされてしまったか。裕福になり、ぶくぶく太り、大事なのは家族、はいおめでとう、あがり、です。人生ゲームの上がりマスみたいなもの、あとはルーレット回してカネを稼ぐだけ。何も起こらない。
ワタシは井上雄彦はそういうことにはなるまいと思ってたので、うわぁ、と思ってしまった。
願わくばスランプ、ここから起死回生をしてほしいものですね。でもあらゆるものをもう持ってしまってる、こっからなにか必死に作るってのはまぁ難しそうです・・・環境問題に取り組むとかそういうのだけはヤメてくれよって感じ
ドストエフスキーはギャンブル狂で、最晩年まで全然カネがなかったわけですが、それも全部計算だったのではとワタシは思ってる。常にギリギリの状況にいないと何も書けなくなってしまう
太宰も言ってました、生活のための作品だけが本当の作品だ、と。
カネのために仕方なく、といいますが、カネのために仕方なく作ったもののほうが、なにか痛切なものがあるもの、大金持ちがじっくり時間をかけて作ったものってのは大抵クソです。クソというよりだいたい完成しないんですわね。途中で飽きて投げてしまう。
鳥山明でさえそうだったものなぁ・・・
そう思うと、やっぱ荒木飛呂彦の無尽蔵のモチベーション、は特異点すぎるってことになります、やっぱ仮面の力なのでしょうか・・・