2024年12月22日日曜日

2015 ~79巻 ワンピース ドレスローザ編

  さてルフィ達は、ドフラミンゴファミリーと対決する為にドレスローザへ・・・


 このドレスローザ編。出来は悪くないと思います。おもちゃの国、家族愛・・・(おぇっ)、ほいでドフラミンゴとローの悲惨な過去、という話。


 これは趣味の問題なんですけど、ワタシは好かないですね、この話。なんだか魚人島編から良くない方向に行ってるなぁ・・・っていうのがもろに出ていると思います。


 家族愛、これはただ単にワタシがファミリーものが嫌いなので、ワタシに原因が100あります。ただ単に恋愛と家族ものがでぇきらいなのです。


 問題は、ドフラとローの悲惨な過去編なんです。


この不幸自慢、ネガティブモチベーション、ってワタシは好かないのです。


 この悪者は過去にこれこれこういうひどい過去があったから、こういうひどいことをするようになってしまったのだ。

 逆もあります、例えば「今食べるのにも困ってるやつがいる、だから好き嫌い言わないでなんでも食え」っていう他人の不幸をモチベーションにするっていうやり方。


うるせぇ!


 とワタシは思うのです。


 でもこれはワンピースじゃなくて、この時代、の雰囲気なのかもしらん。東日本大震災のあとから、SNSが流行りだして、露悪的、というが、まぁこれもネガキャンですね。

 なにか話をするときに、こういうふうにしたい、っていう建設的な意見だったり、理想を語っても誰も耳を傾けず、そんなことより、あいつはこういう悪いことをしてた!あいつはいぢめっ子だった!あいつの家族には犯罪者がいる!みたいな個人攻撃やスキャンダルばっかりをして、自分がなにかする、のではなく、相手を下げる、ことに重点を置くようなことになってしまった。

 

 なんでそういうことになったかというに、別にSNSのせいでもないと思うのです。言うなれば時代の流れとしかいいようがない、人心が荒んでいく、滅びのターンに入ったってことなんじゃないでしょうか・・・



 さて、世間の声に耳を傾けると、ワタシみたいに、不幸自慢すんな、とか、人間の悪い部分ばっかにフォーカスしてて、カス取り週刊誌みたいだ・・・っていうことを言ってるヒトはいなくて、長すぎるだろ!ってとこに怒っているヒトが多いみたいです。


 ワタシは長さは別に気になりませんが、連載で読んでるヒトは、いやドフラにあったらまた地面が崩れてやりなおし、戦ってはすぐにつかまって振り出しに戻る、ドフラのいるとこまでずっと走ってばっかり。何ヶ月もずっと走ってばっかりやんけ!!とっとと戦えや!って思うのかもですね。

 ・・・確かにちょっとくどいなってとこはあるかもね・・・


 他にはワンピース新世界に入ってからおもんなくなった、みたいな暴言吐いてるやつもいます。いやさすがにそりゃ言い過ぎだろ・・・。


 でも確かに、新世界になってから魚人島編しかり、ワンピースが良くない方向に行きだしたとも言える・・・・ワンピース良いこと言ってるやん、みたいなのはほぼ序盤に集中してる気もする。序盤のルフィのほうがかっこよかった、帰ってきたルフィは強くなったからただわがまま言ってるだけのようにも見える。どうせルフィ勝つしな・・・


 でも物語のスケールの大きさとか、信じられないくらいの新キャラの出す手数、ほいで長大な物語を書き続ける忍耐力、ここはどう考えてもすごいです。

 よしこっから新章はじめんぞ、新キャラ50人作って、って言われて出来るかって話。

2024年12月21日土曜日

2013 ~70巻 ワンピース パンクハザード編 

  こっからまた超長大なストーリーへ入っていきます・・・・信じられないぜ、この話10年以上かかりやがる・・・

 いわばこっから、対カイドウ、という超長大なストーリーで、その中にそれぞれまたなっがい話ががあるという構造です。


 まずパンクハザード編。

カン十郎が仲間になり、ローと同盟し、シーザーを捕まえて、ドフラミンゴと敵対することになる。


 このあたりから、ワンピースの方向性が群像劇っぽくなってまいりました。確かにルフィ達が主人公なのだけども、ローとキッド、さらに黒ひげは准主人公的な扱いとなっています。ワンピース好きを名乗る輩どもは、黒ひげが最後の敵に違いないと言っておる。

 たしかに黒ひげは面白いキャラで、ワタシはワンピの中で一番好きかもしらん。単なる悪ではなく、独特の信念、スタイルを持っている。いわばロキみたいな存在ですね、悪ですが、単純な悪ではない。


 旧世代の元4皇、海軍、ルフィ達新世代などなど、それぞれの勢力が戦うのだ・・・っていう話になってくる。


 正直小学生にはもはやついていけない複雑怪奇な話やで・・・

 とんでもなくスケールのでかい話ってわけで、これは今までに見たことないマンガとなったと言えると思います。三国志のほうがよっぽど単純でスッキリしている。


 面白いのか、面白くないのか、まだそれを判断出来ません、でかすぎて見えない。

よって今はまだワンピースを語らず。ですね。


でもこの前散歩していたら、中学生がしゃべりながら歩いてました


「サボめっちゃ強え~~!!」

「あぁ、エースよりサボのほうがクソ強え」

と大声でしゃべってました。20年前から同じ光景、それだけでワンピースはその役割を果たしているなと思った。

 ほいでその中学生は

「Nikkeっていうゲーム知ってる?」

「知ってる!ケツが揺れるゲームだろ!」


って言ってました。やはり口コミにまさる情報はなし。

 今流行ってるのは、ワンピースとNikkeらしい。

2024年12月18日水曜日

1996 アークザラッドII

  PSのほぼローンチとして、SONYの肝いりで作れらたゲームがアークザラッドI。

当時としては最先端のグラフィックで、ボイスも搭載されていて出来は良かったのですが、かなり短い、というボリューム不足が残念なゲームでした。


 それに応える形で作られたのがこのアーク2、PS1屈指の名作と呼ばれていて、その通りの傑作となっています。未だにRTAをやってるヒトがいるくらい。

 その一番の売りはボリュームです。RTAでも10時間、普通にクリアで50時間、やり込めば普通に100時間は遊べます。シュミレーションゲームは1戦が長いので長時間になりがちとはいえ、このゲームはほんとにめっちゃ遊べます。

 せっかく強化したのに使い所がない、っていうゲームが多いですが、このゲームは使えるいぜぇ・・・。


 モンスターを仲間に出来るドラクエVのシュミレーションRPG版って感じです。戦闘にシームレスに移行するのが斬新、最初期のシームレスバトルだと思う。PS1にありがちなロードが全然気にならない。

 バランスもよくてなかなか歯ごたえがあり、なんのレベル上げもしないとなかなか手ごわく、強くしようと思えば無限に強くできるし、レベルも1000!まで上げられます。

 やりこみ勢のためのエンドコンテンツなども充実してます。

モンスターの数も200種類もいて、ひじょーーーーーに遊びごたえがある。

 キャラのバランスも良くって気に入ったキャラで全然クリア出来る。こいつはクソってのは一部しかいない。チョンガラが連れて来る召喚獣くらい・・・。

 この当時としては非情にグラフィックもいい。

1からコンバートすると1のキャラが強くなり、ちょこという最強隠しキャラも仲間になります。これも当時としては斬新。


名作なのですが、ここが改善されれば!って惜しい部分もある

・アイテム欄が少ない上に倉庫もない。

アイテム欄がすぐニモパンになる、捨てられない物も多い。特にヂークベックの装備が邪魔倉庫作ってくれー。

・キャラの並べ替えが出来ない。

 戦闘に突入するときにキャラを選択するのですが、スタメンを上に固めるみたいなことが出来なくていちいち選ぶのが面倒です。パーティをセット出来るようにしてくれい。

・タイトルが非情にダサい

アークザラッド・・・?英語的にもほぼ意味不明。聖櫃のガキ?なんじゃそれ・・アークという子ども?は?


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 自由に強化出来るのですがやはり強キャラもいます

アーク 1の主人公  戦士キャラと見えて、最強のデバフ持ち。デバフと回復という珍しい勇者

サニア 強気の占いっ子。 そんなのはどうでもいいがいわゆるファイアーエムブレムの踊り子ロール、他のキャラに行動権をゆずって二回行動させる。常にシュミレーションゲームにおいてこの踊り子キャラは最強格。

リーザ  強くはないのですが、モンスターを捕まえるという唯一無二の能力があるので使わざるをえない。

 この3人だけはどう考えても固定枠。

あとはアタッカーなのですが、ちょこ、という隠しキャラはバランスブレイカー。まぁ隠しなので当然ですが。

 攻撃力でいくとグルガとトッシュが頭抜けます。ただタイマン専用。他にドラゴンだの、死神などの飛行モンスターが有能。

 ぶっちゃけ誰だっていい。そんくらいアークのデバフがすごい威力。アークをサニアで二回行動させてデバフをばらまく、というなかなかトリッキーな戦略が強いゲーム


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 シナリオはハードボイルドで結構鬱要素が多い、誰かを助けに行ってもだいたい死ぬ。音楽もなんだかハードボイルドでジャジー感じです。

 音楽もなかなか評価が高く、なんかゲームっぽくない、アダルトな感じの音楽です。


 敵が、もう弁解の余地の全くないゴリゴリの悪です、結局正体は化け物で人間じゃないんですけどね。子どもをさらって人体改造してモンスターに変えて戦わせる、という100人中100人がクソ野郎と応えるであろう、クソ野郎どもです。逆に清々しい。本当の悪はどっちだ?みたいな問いは全くない。1000%悪です。非情にわかりやすい。

 ギルドでサブシナリオもあるのですが、こっちもだいたいバッドエンドが多い。結構小学生とかにはキツかも。


 プレステはオトナのゲームだぞ!ってのをSONYが打ち出したかったのかも。任天堂との差別化のために。


名作の条件だと思うのですが、細かいフラグ管理が行き届いてます。このイベントが発生したのにこいつに話しかけると見当違いなこと言ってる、ってRPGだとよくあるし、これを整理するのはすごい大変。でもアーク2はそのへんが見事、間違って変なとこに行ってもここじゃないな、みたいな説明をちゃんとしてくれるし、どこ行けばいいんだって?っていうときにフォローもちゃんとしてくれる。

 飛空艇に乗ると、わざわざ世界地図の説明をしてくれます、この大陸はこういうところで・・・みたいなの。相当親切です。


 すべてにおいてほぼ完璧な出来、ターミネーター2みたいな理想的続編。

ただし完成度が高すぎた故に、これ以上のものをは作れないで3はややコケてしまいました・・・これはT3も同じ。

 さらにアークザラッドっぽいゲーム、ってのも作られなくなった・・・、ディスガイアが近いのでしょうか?でもあっちはパズルゲームっぽい要素が強い。シュミレーションRPGとしてはほぼ完成してしまった感がある。

2024年12月13日金曜日

2012 ~66巻 ワンピース 魚人島編

 ・・・悪名高い魚人島編・・・

 

 そこまでのエース編が最高に面白かったのも手伝って、急激なブレーキで頭キーンなるわ!って感じであります、これは空島編よりもひどい。一番面白いパートの次に、ひどい出来のパートが来るなんて・・・


 つまらない、というよりも、がっかりしたって感じですかね。あー・・・こうなってしまったかってやつ。

 バトルマンガで、主人公がもう戦いたくない、ヒトを殺さないで生きる道を見つけよう!みたいなことを言い出す感じ。

 あぁ・・・、そうなってしまったか、またこれかよ・・・じゃあもう読みません。


 わたしこういうのって、実際に戦ったことが無いからなんだと思います。コトバに実体が無い。三国志で曹操が、もう戦いなんて無益なことは止めよう、なんて言いますか??

 自分の目で見て、自分の体で戦って、人間や世界や社会を観た人間は、実体の無い虚飾のキレイゴトなんか吐きません。


 テーマはわかりやすく、人間に差別されたり奴隷になってた魚人、という人種差別がテーマ。


 大金持ちのアーティストが、環境保全を訴える感じですね。はぁ・・・、あなたみたいにそりゃ大金持ちでロサンゼルスに別荘があって、移動は自家用ジェットでみたいな人間が、森を大事にしようなんて言われましてもね・・・、なーーーんにもココロに響かない。


 何も持たないボロボロのホームレスが、ワタシのことはいいから森を守れと言うなら、おう、ちょっとは省エネしようかなって気にもなるけど。


 でも戦争のない平和な国に住んで、いちども困窮したことのない大金持ちの成功者に、人種差別がうんぬんって言われても・・・


 今ガザで攻撃を受けてて病院で物資もなくて死にそうなヒトが、それでもイスラエルを許すっていうのなら、すげぇよあんた、立派だよって言います。

 でもそのヒトに向かって、平和的に対話で解決しましょう、なんて口が裂けても言えませんよ、どうかしてる、そんなやつ。

 そう、どうかしてるんです、宗教にやられてるとしか思えない。


 本当に差別がイヤなら、日本でマンガなんか書いてないで、今イスラエルに行って、是非対話で解決できるか試してみりゃいい。

 戦争が本当に許せないなら、ロシアにいって、戦争なんか馬鹿らしいよ、って言いに行ってみたらいい。本当に思う、ってのはそういうこと。人間の意思ってのはコトバじゃなくて行動なんだから。


もちろん歌とか創作っていうのは、現実に出来ない夢を描くものなんだから、現実では無理な差別のない世界やら、本当の平和やら、そういうものがあったっていいじゃないという人もおるでしょう。

 だとしたら、非常に虚しい・・・、どうせ無理だけど歌だから平和の歌でも歌うか・・なんて虚しすぎるだろうて


 このあたりでワンピースがなんか良くない方向に行ってしまって、読むの止めようかって気になる。


これだけは焼印を体に彫ってでも覚えておきたいこと。


説教するな!


 偉そうに説教始めたら人間終わりです。


 どう考えても作者は、一つ大きな仕事を終えて、疲れ切っていた。誰かが縛ってでもおい!もういい休め!って半年くらい休ませるべきでしたね。集英社は絶対そんな気が効いたことはしねぇけども。疲れてるとどうしても暗くてネガティブなことを書いてしまいがち。

 だいたい週刊連載なんてそもそも無理スケ。漫画家って死ぬのが早いですけど無茶しすぎなんですよ。隔週連載くらいがベスト、15日と月末発売でええでしょう。

2024年12月12日木曜日

2023 君たちはどう生きるか 宮崎駿

  ついに見ました。


 聞くつもりはなかったのですが、いろんなところから悪評を聞いておりましたw


確かにまっっっっっっっっっったく意味わからんし、面白くもない。


 でも意味をわからせる気もないし、面白がらせてやろうという気持ちも無いんでしょう。すごい作品を作って褒められたいとか、誰よりも面白いもの作ってやってオレが一番だと証明したい、みたいな野心もない。 

 どうせもうすぐ死ぬんだから確かにそんなものはいらないものなのかもしれない。いわばポストモダン、ってことですね、合理性とか物語の型とか、そういうものから自由になりたいというわけ。

 夏目漱石の晩年の作品もそうでした。もう読者を面白がらせてやろうって気が無い。黒澤明の晩年の作品も意味わからんかったしな・・・


 死にかけの老人が見ている夢をそのまま映像化したみたいって誰かが言ってましたが、すごい的をえておりますね。

 気が狂う寸前って感じで非常に危うい。でも確かに誰も表現してこなかった領域なのかもしらん。


 でも作画とか、色使いとか、絵づくりは結構面白いです。シュールレアの絵画のオマージュが多くて、モダンでアカデミック。おしゃれです。

 なんか全体的に背景がドロドロしていてぐにゃあっと歪んでいるのが非常に怖い。でも駿氏が背景塗ってるわけじゃないと思うので、背景描いた人たちはそれを汲み取ってこういう奇妙に歪んだ狂気みたいなのを反映させてるんだとしたら、背景美術の人たちはやるなって感じですね。


 認知症とか精神障害のヒトには世界がどう見えてるんだろう?っていうサイコホラーなのだと思います、作ったヒトにはそういう狙いは無いと思うけど・・・。


 まぁ見るのはおすすめしませんw 意味わからんし面白くもないので。


あとジブリにしては音楽はイマイチ・・・。声優もあんまり良くない。


 

2024年12月8日日曜日

2011 草原の風 宮城谷昌光

  光武帝、を題材にした歴史小説。


光武帝、だれかわかりますでしょうか?


 項羽と劉邦で有名な、劉邦が建てた王朝、漢。劉邦が死んで早速妻とその一族に乗っ取られそうになるのですが、なんとか踏みとどまる、そっから漢は繁栄するのですが、だんだんと繁栄にも陰りが出てくる。

 そこへ王莽、とかいう謎の人物が現れ、王朝は乗っ取られて「新」という王朝になる。がすぐに潰されて、後漢、という王朝に変わる。

 その後漢、を建てたのが光武帝です。


 この王莽ってのが、非常にこれまでの暴君みたいなのとは趣が違っていて、ゴリゴリの儒教家で、親孝行者、クソ真面目君みたいなやつ。

 その政治も儒教の教えをそのまま実行しようとしてめちゃくちゃ嫌われるという、優等生君が権力者になると最悪、っていうケースです。

 でも悪人、とはいえない。キレイゴトで政治をすると大失敗するということなり。つまり無能、なのです。この無能、ってのが一番タチが悪い。悪ですらない。

 こういうキレイゴトしか言わない無能のクソ野郎を倒す、というのは大義名分が非常に難しいもの。

 

 とにかく儒教、に国が乗っ取られたと言っていいでしょう。彼らはいわば中国古典を丸暗記してるような連中。いかに学問というものが無意味かってことを証明してしまってる・・・


 ちなみに劉邦は儒教が大嫌いで、何の学もないし、何の仕事もしてない、酒も女にも溺れている。ただ人望だけで天下を取った非常に稀有な人物。武力があるわけでもないし、知略に優れてもいない。ただのヤカラです。ヤクザと言って良い。

 だがとにかくヒトに愛されて、なぜかそこにヒトが集まるっていう人物だったのですね。それが中国史上最強と言われている武神項羽を破った。頭の上につねに龍がとぐろを巻いていたらしいです、どんな人間やねん。

 その一個前の秦を建てた始皇帝とはえらい違い。始皇帝はすべての能力に優れた圧倒的カリスマって感じ。

 劉邦って人物は歴史の中でも極めてイレギュラーで謎の人物です。他に劉邦と似ている人間ってのがいない。ぶっちゃけ、劉邦は優れているとこが何もない。


 王莽は劉邦の逆。真面目で頑張りやであるが、無能であるところは一緒。


 なにか社会にはサイクルってのもがあって、人々が禁欲主義なものにひかれる時代ってのがあるものです、なんかストイックにピューリタン風に、あるいはカトリック風に、浮かれてる奴らをぶち殺してやりてぇっていう。


 なんにせよ、宗教や学問が権力を握るとまじでろくなことにならんってことです。


 さて作家の宮城谷昌光、ってヒト、初めて読みますが、プロフィールを見てみると、歴史小説の取れる賞はすべて取ってるという感じ、紫綬褒章ももらっとるし、もらえるものはすべてもらったのですね。まぁ小説なんて今どき誰も読まないし、競争相手が少ないってだけなのだと思いますが・・・

 でもやっぱり評価されてるだけあって、文章は読みやすい、平明?ではないけど、知識のひけらかしって感じでもないし、ちゃんと解説もしてくれる、わかりやすい。これはいい作家といえます。たまに難読漢字を放り込んでくるのが解せないですが、まぁ中国古典を好む人間=漢字が好きなのでしょうから大目に見ましょう。漢字が嫌いなやつが中国の古典読むわけがないもの。

 

 ワタシは漢字好きじゃないですが、傑作だと思う漢字もあります。


「儚」 人の夢と書いて はかない 強烈なブラックユーモア これは大傑作


恤れむ  ココロに血が通っていると書いて あわれむ  単純明快

憐れむ、よりも断然こっちの恤、のほうがいい。


 司馬遼太郎みたいになんか偉そうに上からしゃべってこないところが良い、自分の価値観や政治信条を押し付けてもこない。

 この作家はもっと読む価値がありそうです。どうやら呂不韋を扱った小説が代表作らしい。

 あと名前も三文字名字で目立つしね。


 この小説の問題ではないんですけど、そろそろ中国人の名前を日本読みするというのをやめたほうがいいと思います、中国人なんだから中国の呼び方をすべき。漢文、とかいう謎の学問をするくらいなら、中国語を学ぶほうが良いということなり。

 日本読みすると世界の誰とも話が合わない。


 光武帝こと劉秀はリュー・シュウ で同じなのですがね。


光武帝は、自分で農業をしたこともある、百姓の気持ちもわかり、戦略は天才的、誰にでも優しい、恨みを持たない、周の文帝、に並ぶほどの聖帝、ということになってるよう。

 まぁこれがもちろん光武帝が権力者になったから美化されてるだけなんですが、劉秀の成した事実、だけを見ても、何らかの優れたところがないと出来ない偉業をしてるわけで傑物なのは間違いなさそう。


 劉秀は最初、優れた農業家、として名をあげます。これは人間としての確かさが違いますね。対自然、ってのはごまかしや嘘や裏技、チートってのは通用しない。確かな知性と実力がないと農業は出来ぬ。


 あと光武帝は奴隷の解放も行ったとか・・・。ふ~む、英雄すぎるような・・・

この光武帝が建てた後漢は200年も存続・・・そして奴らがやってきます、董卓・・黄巾の乱・・・そう、三国志の時代なのです。

 もう三国志はこすられすぎてツルピカになっており、歴史というよりゲームの世界って気がするなぁ・・・

2010 ~59巻  ワンピース エース編

 だいたい50巻から~59まで。


 シャボンディ諸島→インペルダウン→マリンフォード・・・とエースを助けるための怒涛の展開となっております。


ワンピースを起承転結で考えるなら、明らかにここが転の部分。

起承転結でなにが一番大事かってそれは圧倒的に「転」です。いままでの流れを裏切ってどこまで世界を広げられるか、ここに物語の核心があると言って良い。

 最近の傾向としてハリウッド映画のように、最初の序、を派手にして客を掴むってのがべたになってますが、ワタシは最初飛ばしてる作品ほど、つまんないと思う。いきなり序盤に最強クラスの敵が出てきて・・・みたいなの。正直もう浅はか、ですね。

 最初飛ばしたらどうしたってどっかで減速する、ほいで終盤にいくときに最初に序盤で出した設定が足を引っ張ることになる・・・


 今まで集めてきた仲間がいなくなり、全員バラバラに・・・そして数年後ってやつですね。これもベタっちゃベタなのですが、そこに、過去の敵たちが登場して新しい仲間になり、そいつらと大決戦をしにいく。これは今までなかった物語の構造なんじゃないでしょうか、これから「インペルダウンスタイル」という新たな物語の型になるかもしれませんね。


 なんかこう地響きのように、ワンピースが今死ぬほど面白い・・ワンピースがおもろい・・・と声なきコトバが聞こえてきていた。すごい面白い展開でした。


 こんな風に、誰か?という特定の誰かはわからないのに、面白いらしい・・・っていう顔なき声みたいなのが聞こえることってめったにない。ドラゴンボールのフリーザ編、スラムダンクの山王戦、EVAの初代の映画、ぐらいですねあとHxHのキメラアントの終わりもそうでしたか・・・誰もがそれでもちきり。

 こういうのをつまり社会現象っていうのですわね。


 大衆はセンスないし見る目もない、クソみたいなアイドルのクソみたいな音楽、エログロ、悪口、スキャンダル、食い物、酒、女、金など下衆なことにしか興味がないのですが、そういう、大衆の無知さ、すらも突き抜けて、本当に良いものがバゴーン!!って現れることがありますね。

 特にEVAなんかは、正直大衆受けするとはとても思えない内容、でも出来がよすぎてすべてを飛び越えてメインストリームに現れた。


 なんにせよ、ワンピースはDBと並ぶとこまで来たんだなぁ・・・と思いましたね。そしてなにかこれから、まだ見たことな景色を見せてくれんじゃねぇかと期待させまますね・・・


 とにかくキャラクター数が圧巻、とんでもない人数になっていて、キャラの登場数でもう1位なんじゃないですかね。キャラデザするだけで気が滅入る作業です・・・水滸伝で108人もいたら覚えきれんわ、って話なのですがワンピースはもうキャラ1000超えてるのでは・・・抱えきれないよ・・・


 しかれども、手放しに褒めてばっかじゃつまらんし成長もない。

ワタシ個人的に、くまのクローン兵士である、パシフィスタってなんか興ざめだなぁ・・・って感じました、忍者マンガにマシンガン出てくるみたいな・・。人体改造されたクローン兵器・・・ん~90年代のスクウェアのゲームでさんざん見たなぁ・・・もっと生きた人間の熱いバトルってのがワンピースの、海賊マンガ、としてあるべき姿なんじゃないのかしら・・と思います・・・SF要素いらないかも・・・


 あとサカズキのマグマの能力・・・、エースの炎の能力の単純な上位互換・・・それってありなの??って思いましたね。まぁ確かに、どう考えてもこっちが上位互換だ、みたいなのがありますけども・・。

 同じ悪魔の実は存在しない、だけどレアな幻獣種・・・・ん?同じ悪魔の実が存在しないなら全部レアリティは一緒じゃね・・・

 

 ともかく、炎とマグマってかぶりすぎてますよね、なんか別ので良かったのではって希ガス・・・普通に考えると残ってるのは、風ってことになるけどたしかに風、って敵が使ってくるイメージがない、木とか水も。もう二人がヒカリと氷、だとして風、だと全体的にクールトーンすぎてバランス悪い。といって電気はすでに使ってしまった・・・磁力だとマグニートすぎる、ワタシだったらここは、核、でしょうなぁ。

 ただ核は少年漫画だとちょっと攻めすぎ・・・音、はファンキーすぎるか・・、龍は・・・あいつのために取っておかないと・・虎は?ライオンは?・・・鬼!閻魔とかでもいいじゃない!センゴクの大仏とシナジーあるし!


 結論からいうと、能力なし。ステゴロ、が良かったんじゃないかと思いますねぇ。槍でも弓でもいい、マグマはないですって・・・。

 たぶん人気も一番ないのでは、嫌われ者ポジってのもあるけど・・ここだけが唯一の欠点だと思いますね。