2020年12月27日日曜日

1992 - 1995  ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない

  おそらくジョジョで一番人気なのは第三部のスターダストクルセイダース、これはたぶんダントツ、そして第二位は第五部ゴールド・エクスペリエンスだとおもわれます。

 第三位は・・・、これは団子状態で、第二部かスティール・ボール・ランでしょうか。

 

 ジョジョで第四部、このダイヤモンドは砕けないを選ぶ人は、変わっているという判を押されることでしょう。

 けど時代が流れるにつれて、だんだんこの第四部の評価が上がってきているという気がします。


 第四部はそれまでと展開の仕方が全然違うんですよね、いわゆる「梶原一騎システム」、強敵を倒すとさらに次の強敵が、それを上回れる次の強敵が!ってらせん構造で出てくる、梶原一騎が発明した、連載漫画のフレームワークです。

 第四部はそれに対するアンチテーゼで、次々に強敵が、という展開ではなく、一つの街で色んな事件が起こり、だんだんと一人の人物、吉良吉影、という殺人鬼という人間が浮かびあがってくる、っていうオムニバス形式になっております。途中なんの関係もない話もあったり、コメディ回、日常回、主人公まったく出てこない回、みたいなのも挟んで、人物、よりも、杜王町、という街、が主軸になって物語が展開します。


 これの欠点は、ズバリわかりにくいってことですね。それで結局なんなん?って話の展開が読めないから感情移入しずらい、どんどん盛り上がっていく、どんどん主人公に感情移入していくってことにならず、意識が分散してしまう、主人公と言いましたけども、実際には主人公が何人もいて、仗助、承太郎、康一、と主人公格の人間が何人もいます。

 それとやっぱり挑戦的な作戦なので、全体の構成がやっぱ甘いという気がしますね、もっとオムニバスだけれども全体がうまく絡んでいくと良かったですね。

 もう一つの欠点として、うまく話の構成を作るので難しいってことですね。すべての要素が全部最後には絡み合って!ってなればいいけど、なかなか難しい、一度出てきたけどもう二度と出てこないキャラとかいっぱい出てしまう。


 梶原一騎システムにも弱点があります、まず同じような作品が多すぎること、結局忍術であったり妖術であったり、超能力だったりロボットだったりと、パッケージは違うけども、話の流れはいっつも同じです。どうせまたいつものジャンプマンガでしょってことで。

 それになんでいつも都合よく弱いやつから順番に出てくるのかって話です、スポーツでも一回戦から最強のところに当たる可能性だってあるし、魔王は絶対最初に本気出さないし、なぜか殺すまでもないって見逃す、死んだようで実は死んでなかった、本当の黒幕は・・・エトセトラ。都合が良すぎる。



 なんにせよ、挑戦的、で新しいスタイル、を目指したってのは善いことですよね25年たった現在、マンガはめちゃくそ保守化してて、売れるにはこう!みたいなのがガッチリ固まって来てしまっております。月九ドラマ並に一話よんだだけで全部わかる。こういうのが読者受けするんでしょ?ってのが見え見え、ゲロ吐きそうになりますね。

 もっともっと挑戦的なマンガ求む、ですね。売れないでしょうけど。だから新人ではなくて金持ってるベテランがアグレッシブな作品を描くべきだと思います。