2020年12月31日木曜日

1995 1999 ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風

  ジョジョの第5部です。


 いま読み返してみると、第伍部はたぶんジョジョのストーリーの一応の完結として描かれているのですね。スタンドの秘密、みたいなのは全部明かされて、伏線もほとんどすべて回収される。


 ジョバーナの母親が誰かってことが謎ってくらいでしょうか。


 第伍部、たぶん最初に考えられてた構想からかけ離れていったのだと思います、最初はもちろんジョバーナメインだったんですが、ブチャラティが妙にハネて、後半はもう殆どブチャラティが完全に主人公を食って進行する。

 

 ブチャラティ、最初登場した時とキャラが全然ちゃう!ってのはよく言われる話で、最初は人の汗を舐めて「嘘の味がするぜぇぇ!!」っていう調子の変態野郎だったのですが、最終的には誇り高い社会を愛する高潔な人物となっております。


 でもこれがマンガってのの面白いところで、絵を描いてるうちに、いや、こいつはこういうことは言わない、こうする、こう考える、ってのがわかってくるんですよね、文字だけで考えていてもこういうことは起きない。絵にするってことは、細部まで決める必要があるってことです、髪型、目の色、手の動作、靴のセンス、脚本や小説でそこまで詳細にキャラがイメージできてることはまずない。


 途中ブチャラティは死んで、そっから死んだのだが、魂だけが残っている??みたいな奇妙な状態になります。普通なら、なんじゃあそりゃあっていう展開なのですが、なにかこのブチャラティに関しては、なんだか妙に納得できるのです、これは謎。たぶん筆者も謎で、こんな展開は想定外だったと思われます、普通に考えてて出てくるような物語の流れじゃない、描いてる本人すら、なんで!?って思うくらい奇妙奇天烈なムーブをする。まさにストレンジ、奇妙な冒険です。そこが第伍部の魅力だと思いますね、何それ??っていう単なる勧善懲悪物語ではない、奇妙としかいいようがない物語です。



 作画はなんか途中からコマ割りが見開きばっかりで、凝りすぎてるというか、画角を強烈なパースにしすぎてて、何を描いてるのかちょっとわからない感じになります、これはちょっとやりすぎかな?って思いますね、読みにくい。物語が奇妙なので作画はもうちょいシンプルでいいのかなとおもふ。