2025年10月20日月曜日

1995 天地創造  クインテット エニックス

  クインテット エニックスによる神様三部作の最後の作品。

 

先に言ってしまいましょう。

 

傑作です 

 

 これはどう考えても絶対やるべきゲーム、危うくこれをやらずに死ぬとこでした、あぶないあぶない。

 

 まずオープニングを見ただけで、これは傑作だろ、っていうオーラを感じます。これってあるんですよね、黒澤明の「七人の侍」 最初の 「東宝」のロゴだけで名作の匂いがするんですよね。東宝のロゴはいつも一緒だろと思うのですが、なんか違うような気配、がするんです。

 

 ストーリーは非常に壮大。地裏、の街に住む少年が、なんかしらんがパンドラの箱を開けることで、すべてが無に帰した表世界、地表に大陸を出現させるところから、水や大地、生き物を蘇らせていくことになります・・・

 

 文字通りを世界を巡って旅する、アクションゲームとは思えないボリューム満点の作り。

ワールドマップは文字通りリアルの世界地図なんですが、相当作りこまれています。

  さらに、おつかいイベントをこなすことで街が発展していくというアクトレイザーへのセルフオマージュもあって本当にボリューム満点太郎。 

これまでの経験を活かしてアクションパートも相当快適となりアクションも充実しました。ドット絵のアニメーションも聖剣伝説3みたいに細かい。

 

 デザインはロトの紋章の藤原カムイ、これはまぁそこそこ良きです。 

 

  さて物語なのですが、これは自分でやってみて確かめろ!といいたいところですが、さすがに30年前の作品なんでネタバレしてもいいでしょう。

 ってかこれ30年前の作品??嘘でしょ、バグだろ・・・

 

 主人公のアークは世界を復興させていくうちに、天才科学者ベルーガ、の研究所にたどり着いて、世界が滅んだ理由をしることに。

 ベルーガはどうやら、人間を死の恐怖から救うために最初は医者としてDNA医療を研究して多くの人の命を救った。だがアスモデウス、という殺人ウィルスが広まってしまい人類は絶滅の危機に?ベルーガはそのアスモデウスのワクチンを製造、人類を救おうとしますが間に合わず人類は滅びることになってしまったらしい。 

 ベルーガは自分を冷凍保存して、世界が復興したら再生するようにして眠りにつく・・・。だがアークが世界を復興してベルーガを目覚めさせると、ベルーガはどうやら再生医療という名目でゾンビを製造して、さらに選ばれた人間だけが生き残るようにしていたらしい・・

 アークは実はベルーガに利用されていただけ・・・こんなことのために今まで旅をしてきたのか・・・用済みになったアークは始末されることに

 アークは死にかけますが、クマリ、というダライ・ラマみたいな転生した高僧に命を救われる、星の光の欠片を集めて、ベルーガを止めてくれとのこと・・・。(オマエがやれ) 

 

 ベルーガもまたダークガイアという闇の地球?みたいなのに操られていただけで無惨な最期を迎えます。

 地裏世界は、ダークガイアが表世界を征服するためにつくったコピー世界であり、アークも光のアークのコピー人間、ダークアークなのでした。自分が今までやっていたことはダークガイアの思惑通りだったのか

 アークは光のアークと出会って、ダークガイアをぶっ飛ばしにいく・・・・

 

こういう物語ですね。 

  

//////

 改善すべき点 

 非常に傑作であるゆえに、なんでこここうしなかったんだ!っていう惜しいポイントが非常に惜しまれます。

 

・魔法が一回しか使えない。魔法弾方式といえばいいのか、カートリッジみたいなのに魔法を入れて、一発しか使えません。しかも有料。

 わざわざ街に戻って、金を払って魔法を入れて・・・ってのが普通に面倒であります。

そして肝心のボスでは使えない!!  使えるボスもいますが、ここぞってときに封印されていて使えない、じゃあ今まで集めて来たのなんやってん!!

 

・UI操作系がめんどい。

 非常に凝った作りになっているのですが、ただただ操作が面倒です。アイテム欄を開いて・・・武器画面を開いて・・・次は防具画面を開いて・・・魔法ボックスを開いて・・・ただ道具を使うってだけでめっちゃ操作が多いのです、ロードも長い。

 これはUI周りは凝った演出を入れずに簡潔で視認明瞭なものにせよっていう戒めですね。

 

・ダメージバランスががばいばぁちゃん。

 ちからが1違うだけでダメージが全然違うので、レベルが低いと、まったくダメージが通らないで詰むことになります。属性のダメージ軽減率もえぐすぎる。属性が悪いとダメージがほぼない、でもあっ属性が悪いのか、と思って武器変えても、素のちからが足りないとやっぱりダメージ1。これはもっと細かい調整が必要ですね。 

 レベル制度ゆえの弊害とも言える。 レベルが2上がるだけでダメージが50倍くらいになったりする。これはほんとそもそものダメージ計算式がよろしくないですね。どういうことなんだろう?指数関数でも使ってるの??

 魔法が有効なボスは魔法連打しかない。まじで普通のなぐりでは全然ダメージが通らんのです。 魔法持ってきてなかったら詰み。やはりこれも魔法が実質アイテム扱いで、MPみたいに回復したりしないことの弊害。

 

 ボスに限らず基本的に敵がクソ硬いのでレベル上げ必須。これはでもこの時代のゲームって感じかもしれませんね、レベル上げ必須。それでプレイ時間を稼ぐってのが当たり前でしたから。レベル上げの無いドラクエなんて考えられないですもの。

 レベル上げ作業がゲームにとって必要なのか、いらないものなのか、これは人による、としか言えません。あまりにも作業だったり、周回すぎるのは嫌ですが、ハクスラ的にレアドロップ狙ったり、じわじわ強くさせていくのが楽しかったりもする。サクサクすぎてもぬるいと感じたり・・・ 

 そういうとこがエニックスらしさ、なのかも。 

 

 ちなみにラスボスなんですが、 回避不能攻撃  を連発してくるクソボスとなっていますw ガードすることでダメージを抑えられますが、絶対に被弾します。唯一可能な回避方法は、アイテム欄を開くポーズバッファを使ってダメージ判定をくぐり抜けるというグリッチに近いもの。

 そしてこれがクソ長い。回避不能なのは二億歩ゆずってよしとしよう、けど長いのはダメ。

 もちろん魔法は使えない。  まじで魔法役に立たない。

難易度自体はそれほど高くなくて、レベルさえあれば、テクニックは必要ない。逆にレベルが足りてないと回避不能レーザーで削りきられて絶対死ぬ。 

//////////

 クインテットはこの神様シリーズのあとも2008年頃まで存続していたのですが、なぜか制作協力、みたいな下請けみたいな仕事しかしなくなり、自ら主体となったゲームを作らなくなりました。なんでかしら・・・、この天地創造ですべて出し尽くして燃え尽きたのかも。

 というかクインテットに限らず、たくさんのゲーム会社が存在した90年代から、00年代に入るとあんまりミリオンヒットみたいな大ヒットゲームは生まれなくなり、スクウェアもエニックスと合併したり、ほとんどの企業は潰れて、5本指で足りるくらいの大企業のみしか存在出来なくなりました。自動車産業みたいんですね。

 新たな新規ゲーム会社がFFXみたいなゲームを作れるわけないので、新規参入はほぼ不可能になってしまいました、ゲームの黄金時代は去った・・・

 ですがDSがヒットして、また中小規模のゲームが作られるようになり、さらにスマホゲームが出てきて、潮目が変わっていくことになりにけり・・・ 

 そしてアンテやマイクラのヒットによって、インディゲームが新たなゲームの潮流を生み出し、ゲーム産業はエンタメの主役となり、現代はゲームは第二のピーク、銀の時代といえるのかもしれません。