ジュール・ヴェルヌの冒険シリーズの最初の本。
ヴェルヌはSFの父、と言われてますが、SFというよりは、エンタメ小説の父、探偵小説や冒険小説、SFも、面白いこと、を目的とした書かれる小説の父。
もちろんヴェルヌ以前にもそういう本はあったに決まってますが、ヴェルヌが爆発的に売れたことにより、そういうメディア、ジャンル、が成立した。
ヴェルヌがいなけりゃもちろんホームズもいないし、アガサもいないってわけ。ドイルの文体は実際ヴェルヌにめっちゃ似ている。
これが1863年に出てるのですもの、日本はまだ江戸時代・・・。日本が数百年、鎖国して停滞しているうちに、ヨーロッパは世界を冒険していたのでした。なんと愚かな・・・。
16~19世紀はまさに冒険の時代、夢とロマン、危険と財宝、奴隷と虐殺、とにかく未知の世界の驚きに溢れた、大冒険時代なのでした。日本やアジアはそれに完全に乗り遅れた・・・本当にもったいない。
気球に乗ってアフリカを横断するって話なのですが、まぁアフリカの地理についてまっっっく知識がないですわ。この当時アフリカにはまだまだ未知の部分があって、ヴェルヌも創造で書いてるし、たぶんアフリカなんて行ったこともないのでせう。
しかしなんといってもそのアイデアの斬新さと、やっぱりこの時代とヴェルヌの小説にあふれている、冒険心、それに尽きると思いますね。
危険を恐れず、未開の地へと突き進む、その前進力、前向きさ、科学に対する信頼と進歩への期待感、今の時代にまったくないものですね・・・