ダートムアの猛吹雪に閉ざされた洋館で、降霊術が行われる・・・・、大佐は殺された!
五時25分・・・
という非常にわかりやすくヒキ、があるセットアップのミステリ。
探偵もの、ではないです、探偵、が登場しないんですね。ただエミリーという行動的な女性と、ナラコット警部というそこそこ有能な警部がいるだけ。
推理力に優れた天才とかは一切出てこない、というミステリ。
まずダートムア、なぜかミステリではよく登場する場所、日本で言うなら東尋坊ってとこでしょうか。もちろんあの「バスカヴィル」の舞台。アガサもダートムアに滞在したことがあったらしいのでその情景ということなんでしょう。
つまり「こっくりさん」で、殺人事件がおきたことが示されるっていう、オカルトミステリー的な側面もあります。
この当時、めっちゃくちゃ流行ったらしいのですよね、この降霊術みたいなオカルトが。第一次世界大戦でみんな頭がおかしくなってしまっていたのです。
ほいでこのミステリは、たぶんすぐに犯人がわかりますね、あぁこいつだわって。トリックも・・・わかったかな???
非常に登場人物、ミスリードが多くてミステリ小説としてはかなり長い。
探偵もいないので、見事な推理、ってものはないんですけど、バスカヴィルと同じで独特な味わいがあります、あきらかにバスカヴィルを意識してますわね。
つまるとこ反名探偵、っていう王道を外したいというものだったのでしょう・・・
出来は・・・まぁ、及第点ではあります、なるほどね、って感じ。読んで損は無し。