2020年11月27日金曜日

1990 ジョジョ第三部 スターダストクルセイダース

  ジョジョを読み返しております。


やっぱ三部は名作中の名作ですなぁ。

 いろんな要素が詰まってます。


・まずシルクロードを旅してエジプトをナイル川を上流から下流で向かっていく、というロードムービー的な作りになってること、これだけで旅行記的な面白さがあります。誰しもが憧れるシルクロードの旅ってわけですね。 

 メディアってやつは、世界、といいつつ98%アメリカとヨーロッパの話しかしない。中国、ですらほとんど取り上げられません、中国のなんとか省って言ってイメージが湧く人は殆どいないと思います。


・タロット、エジプト神話、などの中2が飛びつきそうなモチーフがふんだんにある。

 

・そしてなんといってもスタンド。今では「異能者バトル」と言われる、一つのジャンル、として確立されましたね。そのあとのジャンプバトルマンガに、あしたのジョーがその後のマンガに与えたくらいの影響を与えた、明らかに幽白、HxH、など影響が見て取れますね。


・これはあんまし誰もいいませんが、デザイン、めっちゃ独特。ジョジョの絵が苦手という人は未だにいっぱいいる。ワタシもガキの頃は何が描いてあるのかよくわからず敬遠してました、ローティーンにはむずすぎる。アブドゥルの髪型なにあれ??

 純粋に無茶苦茶かっこいぃ、とは言い難い、キッチュなデザインです。やっぱりその頃ノリノリだったハリウッド映画、エイリアンとかの影響?スタンドの絵、って描いてみてって言われて描ける人ほぼいないと思いますね。ギリスタープラチナはなんとなく描けても、ハイエロファントとかまじ不可能、今読んだばっかりなのにあまり覚えてない。

 独特すぎて覚えらんないですね。模写とかしても、なにこのデザイン??って手が馴染まない感じ。普通こうするだろう…っていう形を守ってないっていうか。これはわざとそうなのか、アラーキーの本来のセンスが独特なのかわかりません。


・シリアス、と抜き、のバランス。

 シリアス一辺倒だと、いくら面白くても疲れてしまう、第一部、二部、はずーーっと基本シリアスなので、ずーーーっと戦っていて読み疲れしてくる。第三部はシリアス、とちょっと抜いたコミカルな場面、の塩梅が絶妙、それがキャラの魅力を生んでいる。始めっから狙ってそうだった、ってことじゃないと思います、ポルナレフが描いてるうちにどんどん化けて物語を勝手に発展させていったってことじゃないでしょうか、ノリノリの漫画家特有のキャラが勝手に動く状態ですね。


・悪役の魅力。なんでDIOは♥のモチーフなんですかね、悪役で♥のモチーフってのは非常に珍しい。男だし。悪役だけど、人を惹きつけるカリスマ、を持っていることを象徴してるのかも。やっぱりあえて、ミスマッチ、を狙っていたのかもですね。額に♥のシンボルがある悪役なんてやっぱり普通に考えたらおかしいですもの。


やっぱワタシはマンガが最強のメディアだと思いますね、アニメよりも映画よりも、やっぱりマンガが面白いもの。ワタシが映画が進化してマンガになったと思っています。テレビよりもラジオのほうが面白いし、収斂進化ってやつです。