2021年8月10日火曜日

2013 ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII

 FF13三部作の完結編的なゲーム。


ですが(ターン制)ロープレじゃありません(!)。

 ロープレというよりはアクションロープレ、って感じですね。戦闘キャラはライトニング一人だけで、戦闘システムは、簡単にいうと相手の動きを見てタイミングよくガードや攻撃を入れるっていう音ゲーみたいなシステムとなっています。


 最大の特徴として、時間がリアルタイムで流れていき、2週間で世界を救わないといけない、時間帯に応じて街やイベントが変化していき・・・どっかで聞いたことありませんかこれ??

 そう、これはまったくムジュラの仮面と同じシステムなんです。トリッキーすぎて難易度が高い、とゼルダファンから賛否両論だったあのシステムですね。このFFLRも同様に非常にトリッキー。

 っていうか普通にやったら絶対ムリだろ、っていうゲームです、知ってなくちゃ攻略の順番とかもわかんねーし、サイドクエスト、サブクエストはほぼノーヒント、マップも広くて見つからない。

 一番困るのは、ライトニングが弱いってことです。強化、する方法がほぼ無いんですね、敵を倒してもレベル上がりません、経験値っていう概念がない。イベントをクリアすると能力値が上がるっていう使用、ですがイベントをこなしても上がる能力値は雀の涙。

 とにかく強い武器と防具、アビリティを揃える、ほとんどこれしか強化の方法が無いと言ってもいい。そしてその入手法はそれも知ってなきゃムリ、どこで強いアイテムや装備が手に入るのか。どれが強いのか、そしてどういう順番で攻略するのか。


 この攻略順序もぶん投げていて、好きなようにやってくださいって感じなのですが、当然強い敵のところに行っても即死。ザコにボスより強いのがゴロゴロいる。さらに回復アイテムもスロット制でアイテムでゴリ押しも不可能。

 さらに!なぜか回復魔法が存在しない。(存在はするけどライトニングは使えない)


 時間制限があるおかげでロープレの醍醐味である、じっくり育てる、ことは出来ません。

 FF13、が完全に攻略する順番が決められていてマップも無い「一本道ムービーゲーム」という批判を受けたからかわかりませんが、FFLRは「スーパートリッキーなげっぱなしゲーム」です。とにかく親切じゃない。

 ホープ君のナビゲートがあるんですが、ここに行け、というだけで肝心のどうやったら勝てるの!?ってのは何一つ教えてくれません。

 敵が強い、っていうよりもライトニングが弱いんですよね。相手の弱点をつかないとほとんどダメージが入らない。弱点だと普通の10倍くらいダメージなので、つまり弱点で攻撃しない限りほぼ無駄ってことです。倒し方、が全部設定されていて、それに従わないと倒せない。敵によって、いやどうすりゃえぇねん!?ってやつかなりいる。

 これをNO攻略情報ですんなりクリアできたら相当なゲームセンスしてます。90%ムリ。あるいは相手の攻撃をすべてジャストガードで切り抜けるという完全な音ゲーとして楽しむことも出来ます。ただ強敵はちゃんと弱点のアビリティを仕入れておかないとほんとロクにダメージも入らない。何十分も戦うハメになる。

 

 けれど実は!このゲーム救済措置があって、時間が終わって、世界が滅びたらまた引き継いで1日目からやり直せます。(イベントの経過はリセットされます)何周もすることが前提になっている、強制周回ゲームなんです。だから2週間でクリアしようなんてのははなっから諦めて宿屋でグーグー眠りまくってOK。急ぐ必要なんかない、急いでも一周目じゃスノウすら倒せない。2周目に備えて野菜などを確保したほうが良い。攻略サイトはこぞってEASYを推奨してますがまったくそのとおり、一周目ノーマルクリアは普通のゲームでいうVeryHardです。ロープレなんだから難易度高くてもレベル上げりゃ勝てるだろって思うのは誤り、ロープレじゃないです。


 とにかくよっしゃわかった、一本道じゃないゲーム作ってやるわ!っていう逆ギレ?wみたいなシステムがあって、なんと魔物を倒し続けると魔物が絶滅します。

 じゃあ取れなかった素材とかレアドロップとかどうなるの??ってことなんですが、たぶん、確率じゃなくて、アイテムドロップは決まっている?のかな?魔物が絶滅するということは、レベル上げやあらゆる強化、も上限が全部決まってるのかしら??手に入るアイテム、ギルの量、すべてだいたい決まってるといったほうがいい。

 すべての魔物を絶滅させろ、みたいなムリだろ?っていうミッションがありますが、隠しダンジョンをクリアするとすべての魔物を絶滅させたのと同じ扱いになるので、本気でラストワンをすべて出そうとしないことです。


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  総じていえることは、たしかに意欲的で新しいものつくってやろう!っていう気合が感じられる作品なんですが、いかんせん、ロープレからレベル、ってシステムをなくすのはやりすぎた気がしますね、美少女ゲームから美少女取り上げてるみたいなもんです。レベル上がらないって思うと、まじでザコと戦う気が失せる、ほんとうに徒労なので(実際にはアイテムとかあるんで徒労ではないんですけど、あまりにも実入りが少ない)、レベル上がらないと思うとこうもザコ戦鬱陶しくなるんだっていう発見があります。だからすでにロープレではありません、まじでゼルダと一緒、武器やアイテムが強化されるだけでゼルダの能力自体はほぼ変わらない。

 ちゃんとよく作られているし、無闇矢鱈にファッション要素が多いし、できることもたくさんあるんですが、ちょっと、プレイ感としては、しんどい、っていう感じが多い。途中で投げ出した人多数だと思います。クソゲー、ではなくて、失敗ゲーですね。ゼルダならまだ時間を笛で自由に操作出来たけれど、これはそれもない、宿屋に止まって時間を動かさないといけずにただただめんどい。


 確かに今までの問題点を全て解決しようとはしてるんです。あまりにも一本道だから自由度を高くする、その結果としてぶん投げたノーヒントワールド、結局たたかう、やっときゃ勝てる、の対策として弱点を攻撃しないと勝てないようにする、ロープレは単調なレベル上げの作業になりがちなのでレベル制度そのものを廃止する。ありきたりな悪の大王がいて、そいつを倒すという物語を変えるために、ぶっ飛んだ世界観、神が敵というストーリーとする。最近のゲームはぬるい、だからノーマルをかなりクリア不能難易度にするなどなど、ユーザの声に耳を傾けてそれを解決しようとしてます

 それによってロープレであることすらも辞めてしまったというわけ。カレーって全部味同じやん、という問題を突き詰めた結果、ラーメンになってしまったのです。

 お約束はお約束でやっぱ大事やん、ってことだと思います。レベル上げは作業だけれど、ロープレを買うヤツってのは多少その作業をやりたくて買ってるとこもあると思ふ。アプリゲームなんてほとんどが単純な作業ですけど、周回ハイみたいなものがあって、苦行を楽しむユーザがかなりいるのが見て取れます。努力が報われるってのが、ゲームの本質だとわたしは思う。

 そしてこの時間経過システムも、アイデアだけとると面白そう!って感じがするんですが、実際プレイすると時間待つのが鬱陶しいだけです。ダンジョンの途中で終わったりするし、常にせかせか動くハメになり、きれいな町並みとか見てる余裕がまったくない。ゲームの中でくらい時間に縛られたくない。それとずっとダッシュをしないと行けないので普通に指が疲れる。はっきりと言えます、ゲーム内時間経過システムは辞めたほうがいいです。これはプレイアビリティが悪い。


 あとストーリーもはっきりいってほとんど意味がわからない。ぶっ飛びすぎてるんですね、これは三部作の最初っからそうだったから今更変更不能なんですけど、世界が滅ぶとか、年を取らなくなって500年が経ったとか、設定があまりにも現実からかけ離れすぎていて感情移入がしずらい。それでも結局は大切な人にもう一度会いたい、みたいなスーパー古典的動機づけしかなかったりする。結局それかい。

 最後はまぁいつもの、人間の絆の力、心の力はまじゴイゴイスー、辛いことがあっても頑張って生きよう、みたいなウルトラベタなことを言う感じなんですが、もうこの世代ってエヴァの影響受けすぎなんですね、全てがエヴァのアングル、誰かが闇に堕ちる、それを手を伸ばして手と手が触れ合って引きずり出す、どれもこれもエヴァで見たカット・・・

 ただ映像はキレイ、これは間違いない。他では見れないスクエアパワー。アニメスタジオなんかよりも桁違いのレンダリング力。人間も自然も建築も、現実よりも美しい、そりゃみんなもう現実なんかやめてゲームの世界に転生したいと思うよね。

ちなみに最後のエンディングだけライトニングが全然顔が変わってたのは・・?これはライトニングが弱い自分を受け入れたからってことなんでしょうか?えっ・・誰??って感じで違う人になってる、10才くらい若返った。わざとそうしたのかしら?