2022年5月28日土曜日

2010 METAL GEAR SOLID PEACE WALKER  メタルギアソリッド ・ピースウォーカー

 ソリッドスネークの物語は終わったはずだったのですが?

ビッグボスのストーリーは終わってなかったようで、携帯機として発売された作品。

 

 1970年代の中南米が舞台という非常にしぶい設定。サンディニスタなんてクラッシュの曲でしか知りませんし、最近の若者にはさっぱわからんでしょう。チェ・ゲバラすら知らんかもしれん。いったいどこの年代に向けて作ってるんでせうか。

 

2021年 アメリカが中東から撤退 21世紀の幕開けとともに始まった

「テロとの戦争」はアメリカの敗北によって終わった。

2022年 ロシアによるウクライナ侵攻 

超大国アメリカの権威が対テロ戦争の敗北によって揺らいだ結果、世界の軍事的均衡は崩れ、いつ核攻撃によって世界が終わるかわからない、群雄割拠による「乱世」、の時代へと突入することになる。

 アメリカは白人とユダヤ人による沿岸都市、そしてカナダを中心とした「ホワイトアメリカ」と有色人種を中心とした「カラードアメリカ」に分裂、新たなる南北戦争へと発展する。 


20XX年 全面的核戦争の勃発、地下シェルター、核潜水艦、軌道衛生、海底移住都市、ムーンベースに残った人類の生き残り達による、あらたな世界の秩序、「NewOrder」を確立するための戦いが始まる・・・・


 その後、の未来を描くならこんな感じですかね?でもワタシは本質的には、こういうリアルなミリタリーよりもファンタジーが好きなのでこんな作品はつくらない。

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  ゲームとしては、携帯機としてはボリュームもたっぷりありますし、バンドデシネ風の動くマンガ、というスタイルもオリジナリティがあって非常に良いです。こういう動くマンガ、系、まだ名前のついてないジャンル、の先駆けとも言えます。

 でも問題があってこのスタイルって思ったよりもカネと時間がかかって、ある程度おっきな会社にしか作れないし、そんな時間とカネがあるなら普通にアニメ作ったほうがいいのではって話にもなってくる。

 とにかく演出は凝ってて良いと思います。

 

シナリオは中南米という渋い舞台設定などもあって、雰囲気は良いのですけど、ちょっとくどいかなぁ・・・ってワタシは思いましたね。核兵器をギリギリで止めるってのももういくらなんでもこすられすぎた。007で30回は見たもの。ザ・ボスの話もまたこの話?って感じでループしてる気がします。

 

 ゲームシステムはほぼ完成されてると言っても良いです。特にシンプルで視認性を重視したUI周りはすごいいいと思います。キレイにしすぎて見ずらい、っていうのが昨今のゲームでは非常に多い。UIは見やすい、が一番大事。

 

 

 全体としては携帯機と言えないくらい手堅い完成度。ちゃんとしたゲーム。好きな人は好きでせう。手堅すぎる、ずっと同じやん、という気がしないでもない。 カレーは美味しいよ、まずいわけない。でもずっとカレーじゃん。っていう感じですね。

 あとシリーズを追ってない人には一つも意味わからん。

 

2022年5月22日日曜日

2005 中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 

  五胡十六国時代という、中国史のなかでも極めてマイナーな時代を取り扱った本。一つ前の三国時代が知名度の高い人物のオンパレードであるのに対して、この時代の人はほぼまったく知らぬ。
 世界史の授業などで扱われることも皆無。誰も興味を持ちませぬ。

 いわば英雄なき乱世、暗黒時代って感じでして、虐殺、殲滅、内戦、腐敗、不正、裏切り、そういうものがひっきりなしに続き、王朝が次々現れては滅亡していくという時代。いわゆる胡、北方民族の虐殺のやり方は、民族が違うってこともあって、容赦なくえげつないです。
 ただしその中でも、書聖王羲之だの、画聖だの、芸術の分野では第一人者みたいな人物が現れた時代でもあります。

 ワタシの感想では、この時代ってのは、カネ、の時代なのですね。おカネが普及することによって、人々の欲望が数値化されて何倍にも膨れ上がる。人間を、労働力1、兵力1という数値で見るようになる。数値の計算をするように他人を排除したりするようになる。そういう打算的な人間が出てくると、まさにその真逆としてゴリゴリのカルト宗教や狂信者も生まれてくる。
 
 なんでこの時代が教科書に乗らないかというに、消耗戦ばっかりしていて、文明的な進歩は0なんですね、やれ新しい技術だとか、新しい兵器、新しい政治的制度、みたいなものはなく、えんえんと続く進歩のない消耗戦。

 中国だけではなくてユーラシア大陸全体が、暗黒時代なんですこの4世紀~8世紀の当たり。知っての通りローマ帝国も衰退の一途をたどり、キリスト教にどんどん勢力を奪われていく、民族大移動の時代でもある。乱世ってのは宗教の流行る時代でもありまして、中国では仏教が何度か排斥されたりもしつつ、国教にもなると、ローマとまったく同じことをやっている。

 文明がある程度進むと貨幣が流通し、貨幣経済が定着すると拝金主義、エゴイズムが台頭して国家をシロアリのように食いつぶし、文明度の低い蛮族によって滅ぼされる、という流れはいわばあるある、いつもの展開なのですね。そして蛮族は拝金主義の真逆である宗教的な理想主義を掲げたりする。

 でもこの宗教的理想主義ってのはキレイゴト言ってるだけで生産性は低いですから、これもいずれは合理的で科学的な考えをする英雄。乱世の奸雄、によって滅ぼされる運命にあります。 


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 まさに不毛な争い、って感じなんですが、この不毛な争い、絶望しかない世界、ってのは、絵になるのですなー。物語の題材にはピッタリ。すごい芸術家が生まれたのもわかる、そして現実から少しでも目を逸らしたいっていう欲求もあるだろうし

 

 この本の終盤は、この時代の謎の4世紀、で日本はどうだったのか?という歴史ミステリーを読み解く、みたいなまったく関係ない話になっていて、作者が書きたいこと勝手に書きすぎです、あと例によって文章が下手。

 

 結局のところ、わからない、しか答えは出ません。文字が普及しないで記録が残らない倭の国について、結局はわからん。残された中国の文字を一文字ずつ検証みたいなことしてんですけど、残された一冊の本のしかも切れ端みたいなので全体像なんて見えるわけない、その時の気分で書いてるかもしれんし、大嘘かもしれん。 

 

 このシリーズ本当まぁまぁちゃんとやってるのに編集が甘いですよね、これだから講談社は・・・

2022年5月18日水曜日

2009 朧村正 ヴァニラウェア

   ヴァニラウェアアクションシリーズ第二弾ってところでしょうか。

もっさりした独特のアクションだったオーディンスフィアから、かなり普通(?)サクサクアクションに進化しました。

 システム自体は横スクロールで日本を漫遊しながら敵をぶった切りつつ、武器を強化して戦っていくっていう、めちゃくちゃシンプル、オーソドックスななつかしゲームとなっております。スーファミでよくあったゲームって感じですかね。

 戦闘アクションは結構凝った作りになっていて、非常にスピーディにザクザク斬れますし、下手だと全然決まらないですけど、上手いと信じられないような無限コンボ、空中殺戮劇をズバズバとキメられます。下手な格ゲーよりもめちゃくちゃよく出来ている。

 シンプルで手堅い作り、ゲームが好きな人が作っておるなぁというゲーム。目新しいシステムとか何もないです。難易度はレベル上げて回復アイテム買いまくれば誰でも勝てます、ロープレですので。この一個前にダークソウルをプレイしてたからなのか、いやゲームって普通こんな死なないものだったか。って変な感覚に陥ります、一回も死なないでクリア出来ます。

 ヴァニラの恒例で、妙に料理システム、そしてグラフィックが充実しております、食べ物を描きたい変態がいるとしか思えない、無駄に料理にリソースを注ぎ込んでおる。

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 シナリオはこれもまたヴァニラ独特の感じで、擬古典調っていうのかふるめかしー感じとなっております、講談に寄せているのかな?プロットの構成も、クラシカルで世説新語とかそういう古典文学みたいなお話。まっそこまで物語を丁寧に読んでるやつもいませんでしょう。
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 ただちょこちょこ問題はあって、地図、がめっちゃ見ずらいです。こっちの方向へ進めって→は出るのですが、おおまかな方向をしめしてるだけで、実際はぐるっと大回りしないと行けないときとかに、逆走してますよ、みたいなミスリードされます。あと移動がなかなかめんどい、地図でバビューンってさせてくれ。
 
 それとこれが一番惜しい点だと思いますけども、溜め技じゃないと相手のガードを切り崩せないのがめんどい、もっとコンボ中心で行きたいのに、いわばソニックブームじゃないと敵のディフェンス割れないみたいなのがいて、ラッシュかけたい派にとっては歯がゆいですね。
 それと武器に固有の必殺があるのですが、気に入った技でも武器自体の攻撃力が低いと使い物にならないので変えざるをえないことになる、必殺技の付け替えさせてくれやす。というか新しい武器をどんどん増やすのではなく、一つの武器をどんどん強化していく方式にすればよかったのでは?
 オーディンスフィアは敵の遠距離攻撃には為すすべなしでしたが、今回は遠距離攻撃はたいてい跳ね返して攻撃できるのは改善されたポイントです。

2022年5月13日金曜日

2005 中国の歴史4 三国志の時代

   中国の時代で、飛び抜けて、それも圧倒的大差で一番知名度が高いと思われるのがこの三国志の時代ですね。
 正直後の南北朝やら、五代十国、なんて、主要な人物と言っても誰一人わからぬ。次はたぶんモンゴル帝国でしょうけど、モンゴル軍が一体どういうった過程で中国と戦ったのか?という細かい流れ知るものはだれもおらん。モンゴル軍の武将とかも誰一人わからぬ。
 
 三国志だけは小説になり、マンガになりゲームになり、まったく歴史的には重要でない武将クラスまで名前がわかる、夏侯惇だの黄忠だの。
 
 それもやっぱり納得出来るところで、この時代の人間ってのはキャラが立ってますよね、はっきりしてる。やはり三傑というのか、曹操、劉備、孫権、この3人はまったく別々のキャラであり、それぞれに良さがあり、それぞれに弱点もある、非常に魅力的な人物です。
 物語の三国志は劉備、諸葛亮贔屓なので劉備ファンが多そうですが、言うなれば、劉備は綺麗事リーダーです、典型的ヒーロー。民衆はなんだかんだでキレイゴトをいう奴が好きです。
 曹操は現実主義のリアリスト、合理的で冷酷、始皇帝と同系列のタイプ。結局はこの合理的な判断をするものが勝利するのが必然です、が、このタイプは乱世でこそ能力を発揮する、平和だととにかく嫌われるのですね。有能すぎるがゆえに嫌われるのです。

 さらに詩を作る文学的才能もあり、書道の才能もあり、息子たちも有能で曹丕、曹植と文学の歴史の本に残るような才子ばかり。天才の子はポンコツ、というのを裏切って、いかに曹操の遺伝子が優秀かを示しています。

 だのにその後の魏は、始皇帝並の速さで司馬家に乗っ取られて崩壊。いかに大衆ってやつが天才を嫌うかってことですね。文学だって!気取りやがって!鼻持ちならないね!ってことです。

 

 孫権、これが実は三国志という物語の核であると思います。孫権は他の二人とくらべて子供世代、若きリーダーであり、呉という南国の国はどこかカラっとしていて気持ちのいい漢が揃っておる。非常にバランスの取れた人間です。孫権のヒゲは紫色だったという話があって、紫のヒゲのやつなんてこの世にいる?ムサラキというよりも色素が薄いタイプだったようですね。アルビノだったのかも。孫権がどういう顔だったのか非常に興味深い。


 そして鼎立、という構図も物語として一番面白くなるものです、項羽と劉邦みたいな一対一の構図は、すぐに善と悪、という物語の型にハメられがちです、特にどちらかが勝った場合、必ずこの型にハメられてしまう。そして一対一のタイマンではほぼ100%最初にリードしたほうが勝つことになってます、逆転ってのはあまりない。
 鼎立だとまったく世界がことなります、最弱であっても、他と同盟することによって、最強を倒すことも出来るし、場合によっては最弱の勢力が、どちらに味方するか?という決定権を持つことも出来る。

  ワタシが思ったのは、カリスマの影響力がいかに甚大かってということですね。三国も、カリスマ的指導者がいなくなるとものすごい速度で腐敗して一瞬で滅ぶ。逆にカリスマがいることで、それに頼りっきりになって自立できなくなってしまうということでもある。良し悪しです。カリスマはステロイド並の劇薬だってことですね。 

2022年5月11日水曜日

2012 バイオハザード リベレーションズ

 バイオハザードのスピンオフというか外伝的な作品。
 5、6とナンバリングが賛否両論、あるいはいまいちなのに対して、リベレーションはとっても評価が高い。

 基本的なシステムはこれも人気作である4と同じ、でゲームの雰囲気は、これも歴史的な作品、1にかなり意図的に寄せてあります、つまり4と1のドッキングという、ファン的には
 「これじゃん!これを待ってたんだよ!わかってんならナンバリングでもそうしろ!」

 って感じの出来です。

 基本的には、豪華客船?みたいなでっかい船の中で、謎を解きながら、限られた弾薬を有効活用して脱出するっていうゲーム。一つのクローズドサークルに閉じ込められるってのが1と同じですし、豪華客船の内装もゴシックテイストっていうのか、古めの洋風な感じ、これも1と同じです。
 2は警察署が舞台でしたが、こんな警察署あるわけなくない?ってのとオフィスっぽいビルなので、いまいち雰囲気が出なかった。3に関しては何も覚えていない。ずっと地下にいたような?
 豪華客船っていうロケーションはいいなって感じがしますね。豪華客船に乗ってみるってだけで面白いし。

 敵は魚っぽい半魚人ゾンビみたいなの、クトゥルーのモンスターかな?って感じの奴です。それほど怖くはない。魚が嫌いな人はヘドが出るのかも。全体的に海洋生物です。ホラゲでもなんでもなくなった6とかに比べれば、かなりホラーってます。

 あとデブのおじさんが主人公の一人という非常に珍しいゲーム。主人公は絶対にイケメンイケジョしかいませんが、そんなわけなくない?っていうツッコミに答える野心的なキャラです。でもまぁ基本はケツデカお姉さんであるジルが主人公、でもデブがいたり、おじさんがいることで物語に確実に厚みは出る。

 シナリオはバイオっていうよりはメタルギアみたいなお話です。声優陣も豪華ですし。しかれどその出来は・・・ふ~む。まぁよくあるっちゃよくある感じですし、まぁまぁといえばまぁまぁです。ダンテと聖書からの引用が散りばめてあって、裏切り者がいっぱいおって、あきらかにコロンボみたいな刑事もいるし・・・
 ちょっと辻褄合わせに無理がないかい?ってところがいっぱいあるし、携帯機ですので、ヴォリュームもそこまで多くないので、あんましキャラが確立する前に、すぐ終わってしまう感じでもあります。ふぅ~ん・・誰?っていう。そして、死んだと思ってたが実は生きてた、これは最悪のタブーなんですがこれも多用しております、ここが一番の減点ポイント。
 あとやっぱし携帯機なんでモデリングがちょっとブロッキーですね、HD版になってるとはいえ、画面の解像度増やしただけでモデルの作りなおしはしてないのでこの時代のものとしてはちょっと荒い。ジル感情薄すぎw

 全体的には、良い出来です、ファン的にはこの路線でやってほしいって感じでしょうね。ワタシはホラーがそんな好きじゃないので、一概には言えません。

2022年5月4日水曜日

2012  バイオハザード6

   バイオの5は賛否両論でしたが、6ははっきり不評。

 

 操作性があのバイオっぽい動きではなくなり、武器も持ち放題、弾も有り放題、スライディングにダッシュ、殴る蹴るの暴行w ホラゲでもなんでもなくなり、敵が気持ち悪いだけのTPSになってしまいました。

 

パートナーシステムのうざったさもそのまま、QTEというタイミングよくムービーの中でボタンを押す、というシステムもめちゃくちゃ評判が悪い。 

 

とにかく派手で演出も凝っているし、モデリングなどもめちゃくちゃリアルで凝ってるのですが、ゲームとしてあんまりです。

 

 ストーリーもうんざりするほど同じ敵と戦うだけで、何度も蘇ってきて、とにかくタフで全然効いてる感が無い。なんで銃で撃ちまくってもしなないやつに体術が効くのがまったくの謎。

 

端的に言いますと、ハリウッドバキバキドカン映画、洋ゲー、の悪い部分をすべて吸い集めてまさに変異してしまった洋ゲー版バイオって感じですかね。 

 

 北米で売れるかどうか、にターゲットセットされていて、日本向けに作られてないってことなのだと思います、たぶんアメリカでは受けたのでは?わかりませんが、シリーズのファンとしては噴飯ものの出来のようです。

 

 

 ただバイオでもなんでもなくこういうTPSゲームだと思えば、頑張って作ってる作品である。ただこの手のTPS、FPSって洋ゲーでは死ぬほどあるし、もっとお金をかけて凝って作ってるものもたーくさんある、HALOだのCODだの、枚挙にいとまがない。そしてこれはワタシの感想ですけど、3Dシューティングって全部だいたい同じゲームで、あんまし面白くない。敵の出方を覚えて撃つだけです、あんまし戦略性みたいなものがない、育成要素もあんましですね。これは好き嫌いでそれが良い、って人ももちろんいます。


 でも万人受けを狙うとつまらなくなる、ってのはもはや宿命、で逃れられない運命だとも思います。面白すぎると初心者には理解出来ない、これは当然の話。 もうタイトルがでかくなりすぎて、世界で売るようなものですから、予算を回収するためにもこうなるのは仕方ない。

 

 不評だからといって手を抜いてるわけでは全然ない、規模がでかくなることの宿命だと思いますね。ワタシの感覚では、めちゃくちゃ流行ってるというのは適度に面白くない、ことと同義。面白すぎると駄目なんです。

2022年5月1日日曜日

2005 中国の歴史 2 都市国家から中華へ  平勢隆郎

  一応夏、殷、周、春秋、戦国を扱う本なんですが


全然歴史の本になってません。


 この書き手が言いたいことを、バラバラに述べているだけです。


 要するに言いたいことは、史記とか歴史書に書いてあることは、その書いた人間の自己弁護であって、事実ではない、ほとんどの歴史書なるものは、史記に書いてあることをそのまま、歴史的事実のように言ってるけども、ほぼすべて間違ってる。

 

 ってことです。それはまさしくその通りなんですが、そんなの知ってるわって話です。結局事実はじゃあどうなの?というと、その事実についてはほとんど描いてありません。誰かの批判だけしている本で、肝心の答えは無い。

 

 でもそれは、この作者の問題じゃなくて、結論としては「わからない」のです。わかるわけないですよね2000年以上前の話なんですもの、ぶっちゃけ100年前のことすらよくわからないことのほうが多い、というか、現在、何が起こってるのかも誰もわからんのです。

 

 学校の授業で呪文として中国の王朝、インシュウシンカンズイトウ・・・ってなんかのメロディで暗記させられましたが、実際には、周と秦の間は700年もあるのです、めちゃくちゃや、歴史で一番長い部分が暗記ではまるごとカットされておる。 


 ワタシもちょこちょこと春秋戦国のことを調べてみましたが、結局は何一つわからん、ということだけがわかりました。戦国策だとか十八史略だとか、伝説的な話はいーーーっぱいありますけども、どれもこれも、自己弁護ばっかり、結局ほんとか?というと誰もわからん。

 

 この春秋戦国時代が中国、というものを作ったのですけども、何もわからん。この一行で終わりです。

 

 だからまずテーマ自体に問題があるのですけど、この本の構成もめちゃくちゃです、何もわからん!って書けばいいのにこれも嘘、あれも嘘、これも間違い、って批判ばかりしています。別にそんなの読みたくないです。

 

 時代ごとに専門家に書かせるっていうやり口でシリーズものが作られることが多いですけども、そういうとこがやっぱ講談社、詰めが甘いしアホですね、編集者無能。シリーズごとに繋がってないし、認識も整合性も歴史感もバラバラ。各人が好きなように書いている、ちゃんと書いてくれる専門家もいれば、持論を言いたいだけのやつもいる、この本はそのハズレ。編集者がアホなので、こんな原稿だめですよって直すこともしない。

 何よりもまず文章が下手だし構成も出来てない、こいつ東大教授ってまじかよ?そりゃ東大よりも海外に行くべきだって思いますね。

 

 でも誰に書かせたところで、わかんないものはわかんないのです。とにかく何もわからない!事実の確認のしようがない!それだけがわかりました。