2024年5月11日土曜日

1965 マルコムX 自伝 the autobiography of Malcolm X

  「イスラム教は、人種差別を禁止する宗教である


 教科書では、キング牧師とガンジーは聖人扱い。

そして小さくマルコムXという分離主義者もいた。と黒人の過激派みたいなことが書いてあります。

 ですがことはそう簡単ではなくて、キングよりもマルコムXこそ、黒人の代弁者、としてリスペクトしている人々も大勢います。


 キングは黒人の中では裕福な層に生まれて、ガンジーもそうです。金持ちのエリートとして生まれている。

 マルコムの生い立ちは悲惨の一言、父親は暗殺されて、母親は貧困と栄養失調で発狂して精神病院送り、一家は離散。

 まさに底辺、から立ち上がった男です。マルコムよりもひどい境遇だった人はまじでそうそういないでせう。


 マルコムは黒人で、さらにイスラム教に改宗するという、白人が嫌いなタイトルをすべてもっているといえます。ジャンキーで、麻薬の売人で、盗人で強盗、ポン引き、犯罪者で前科者、いわゆるギャングヒーローのプロトタイプなのかもしれません。

 

 ほいでマルコムの人生はまさに20世紀の黒人の歴史で、まずセックス、レイプや売春で白人と黒人の最初の交流が始まり、次に音楽、が白人を黒人文化になじませる、そしてダンス、が人種の壁を壊すのにかなりの影響力があったとのこと。もちろん最後には麻薬です。

 20世紀のアメリカの文化とは、ほぼ黒人文化みたいなとこがあって、激しく対立と闘争をしながら、じわじわとミックスされていく感じなのですね。

 


 あと歴史の教えですと、日本がアメリカに戦争を仕掛けてるなんて愚行中の愚行、100倍の兵力、マシンガンに空手で勝負を挑むような愚かさ、というように教わりますが、実際は10倍程度でしかなかったといえます。

 100倍の兵力なら勝つのは全くの無理ですが、10倍ならば、可能性は0ではない。ピストルでマシンガンと戦う程度。決して不可能ではない。

 うまくアメリカの内部から内応させて叩くことができれば、勝算もありえた。でもとにかくアメリカのことを何一つわかってませんでした。けど精神論ばっかりの軍隊にそんな、あ巧妙な策などできるわけもなく敵の情報もないのに戦争をしかける、これが愚行ですわね。


 アメリカも実のところ結構食らっていて、ジャップやばない?ということになっていたのです。ロシアと同盟するくらいに切羽詰まっていた。もちろん黒人も徴兵され、軍隊に組み込まれていきました。


 これがいつも決定的なことで、軍隊に組み込まれた時点で、それは権利闘争の始まりなんです。ローマも外人部隊を軍隊にいれた時点で、もう権利闘争、なのです、第二次大戦で女性が軍隊に入れられたところから、権利の戦いがはじまるのです。


 いわばアメリカの底辺層、当時の黒人の目線から太平洋戦争を見るとそれがよくわかる。まだまだ世界恐慌から回復途中で、治安もめちゃくちゃであった。

 アメリカが圧倒的な覇権を握ったのは、やはりヨーロッパが没落した戦後、のことなのですね。


 ほいでイスラム教、これも常にシリアス・プロブレムなのですが、イスラム教が広がる理由は、最初に記した、コレにつきます。

 イスラム教は、人種差別を禁止するのです。ユダヤ教とイスラム教の最大の違いはここで、ユダヤ教はユダヤ人という人種、しか救われませんが、イスラム教は、どんな人間であれ、イスラム教に改宗すれば、アラブ人であり、救済がもたらされる。


 さて、犯罪のデパートだったマルコムXはついに捕まり、刑務所の中で、家族を通じて「ネーション・オブ・イスラム(NOI)」、というイスラムの中でも、かなりカルトなアメリカの黒人を中心とした教団に入信します。

 そこから本に目覚めて刑務所の中で本を読み漁り、刑務所から出てきたら、マルコムXになっていたということです。

 ちなみにこのX、ってのはNOIの導師はみんな名乗るもので、白人によって、元の姓名がわからない、という抗議の意味があります。


 NOIの教義では、白人はヤコビという人によって作られた悪魔であり、黒人こそ始まりの人間であるとのことです。


 NOIでメキメキと頭角を現していたマルコムでしたが、教団長の不倫スキャンダルやらなんやらで、教団を締め出されることに。本当の原因は本人も述べてるように、マルコムが有名になりすぎて、教団員からヘイトを集めたってことのようです。

 ちなみにあのモハメド・アリことカシアス・クレイもNOIの教団員で、イスラム教となって、モハメド・アリに改名したのでした。


 やがてマルコムはNOIから離れて追われる立場に、メッカに巡礼して一般的イスラム教になる、さらにそこで良い白人もいることを発見、白人排他主義から、人種差別撤廃運動へと動き出すところ・・・、で暗殺されてしまいます。


 暗殺者はNOIの者ということで逮捕されましたが、なんとつい最近になって、その逮捕された人々は無実と判明、結局全ては闇の中。フランスなど海外までマルコムを追跡していたということから政府機関が暗殺したという噂もあります。


 最近のアメリカはみなさんご存知の通り迷走しまくっています、絶賛裁判中のトランプが大統領選をリードしてるのはいいとして、なんでこんな老いぼれしかいないのかが心配、まじで人材不足、大企業はタックスヘイブンにカネを逃がして税金を払わない、またそっから資金をもらった政治家が国連を妨害する。

 一般大衆は急激なインフレで暴動寸前、それが世界へ波及している。


みんな円安だといって、少しでもドルがほしいとドルを買い漁っていますが、ワタシはまたぞろ、リーマンみたいな爆発がそろそろ起きると思う。といって安全な資産などない。

 なんにせよワタシはアメリカは落ち目だと思う。いつ爆散してもおかしくない。

 マルコムのような活きのいい人間がいれば・・・でもどうせすぐに殺されてしまうのでしょうけど・・・