2024年11月14日木曜日

2003 ワンピース ~32巻  空島編

  評判の悪い空島編w


 ワタシの周りにもワンピースファンがもちろんおるのですが、だいたい決まって、ワンピースは中だるみしない、すごい!・・・まぁ空島編はダルかった・・・。と口を揃えていいます。早く終わってくれーと思っていたらしい。


 ワンピース読んでたけど空島編で文字通り脱落して離れたってヒトも多いと思われます。


 でも導入部はすごい面白いと思います、空に島がある、ワクワクする話じゃあないか。サルベージ、ワクワクするじゃあないか、嘘つきノーランド、古代の秘密、これもいい感じだと思います。


 やっぱダル~く感じるのは、ダイアル、という変な貝みたいなので戦う、という設定なのじゃあないですかね。

 えっ・・・道具??


 能力やら、刀とか拳で戦う肉弾戦、それが熱いのに、道具の優劣で戦うの?


それと、エネルが馬鹿強すぎってのも問題ですわね。雷だから何も効かない。唯一ルフィはゴムだから倒せる。ふーむ・・・。

 これもとにかくじゃあ強い能力持ってるやつが勝ちやん、っていうダルさがあった。

 後に、覇気を使えばそういう奴にも攻撃通る、っていうふうにナーフが入りましたがw 当時はそういう設定もなく、雷つよすぎやん。

 他にも火だと煙だの、って感じで、強キャラは物理通らないやん、あれ・・・ワンピースつまんなくなっちゃうかもって感じがしましたね。


 このままワンピース終わるかもって気さえした。相手は「神」なんですし。今考えてもやっぱどう考えても強すぎる、雷の実。なんでこの段階でこの最強の能力と「神」を出したのかやっぱ意味わからん・・・どう考えても最後の敵・・、ほいでフィクサーは時空間系だと完全にジョジョになってまうで・・・


 あとワイパーはずっと怒ってるだけだし、〇〇過激派、じゃあるめーし。ヒトの話聞かないでずっと自分の権利しか主張しない、厄介すぎる


 一言でいうと「パワーインフレ」しすぎたのですわね。


 パワーインフレしかりなのですが、大事なのは距離感、つまりはバランス、なのですよね。笑いでもなんでもそうですが、普通すぎてはつまらんし、ぶっ飛ばしすぎても意味わからん。

 誰もやってない新しいことをすれば、人気が出る、と特に若いヒトは勘違いしがちですが老人も若者も新しいものは嫌いです、恋愛だとか、青春だとか、勧善懲悪だとか、ありきたりでベタなものが良い。ただちょっと新しい、くないとまったく同じでつまらない。そのちょっと新しい、の許容範囲が若者のほうが広いってだけです。


 あとこれはなぜかまったくわかりませんが、空島編、尾田氏のキャラデザも冴えてないですね、敵も味方も、なんかデザインが良くない。エネルもシャンディアも、なーんか、いまいちですね。単純なスランプとしかいいようがないですね・・・てっぺんに立ったものの孤独なのかしら・・?目標を失ったのか・・・


 あと明らかにこのへんからアシスタントに画力のある人材が集められたらしく、背景のタッチがガラっと変わって描き込みが多くなりまして、これが逆に読みづらい、っていう弊害を生んでるかもしれません。キャラとバランスが取れてないっていうか、明らかに違うヒトが描いてるなってすぐわかる。

 ペン画ってのは遠近感が出にくいのですわね、全部真っ黒ですから。遠くにあるものは、薄く、書かれないといけないのです。

 遠くにあるはずのものにもすべてピントがあっているかんじで、違和感が出る。


 しかし失敗作、ってのはやっぱ勉強になりますね。


 この空島編の裏テーマは、もちろん宗教紛争ってことになるんですが、宗教と政治には関わるな、というエンタメの鉄の掟があります。

 掟があると破ってみたくなるのもわかるけど、やっぱり意味があって掟なんでこれで成功してるパターンを見たことない。




 

 

1863 気球に乗って五週間 ジュール・ヴェルヌ

 ジュール・ヴェルヌの冒険シリーズの最初の本。


 ヴェルヌはSFの父、と言われてますが、SFというよりは、エンタメ小説の父、探偵小説や冒険小説、SFも、面白いこと、を目的とした書かれる小説の父。


 もちろんヴェルヌ以前にもそういう本はあったに決まってますが、ヴェルヌが爆発的に売れたことにより、そういうメディア、ジャンル、が成立した。

 ヴェルヌがいなけりゃもちろんホームズもいないし、アガサもいないってわけ。ドイルの文体は実際ヴェルヌにめっちゃ似ている。


 これが1863年に出てるのですもの、日本はまだ江戸時代・・・。日本が数百年、鎖国して停滞しているうちに、ヨーロッパは世界を冒険していたのでした。なんと愚かな・・・。

 16~19世紀はまさに冒険の時代、夢とロマン、危険と財宝、奴隷と虐殺、とにかく未知の世界の驚きに溢れた、大冒険時代なのでした。日本やアジアはそれに完全に乗り遅れた・・・本当にもったいない。


 気球に乗ってアフリカを横断するって話なのですが、まぁアフリカの地理についてまっっっく知識がないですわ。この当時アフリカにはまだまだ未知の部分があって、ヴェルヌも創造で書いてるし、たぶんアフリカなんて行ったこともないのでせう。


 しかしなんといってもそのアイデアの斬新さと、やっぱりこの時代とヴェルヌの小説にあふれている、冒険心、それに尽きると思いますね。

 危険を恐れず、未開の地へと突き進む、その前進力、前向きさ、科学に対する信頼と進歩への期待感、今の時代にまったくないものですね・・・

2024年11月6日水曜日

1999 魔剣X  魔剣爻 アトラス

  アトラスがドリームキャストで出したアクションゲーム。後にPS2でリメイク版も出ました、それがシャオ、のほう。


 ゲームシステム自体が結構変わってるらしいです。ワタシがプレイしたのはシャオのほう。


 操作系がかなり独特であり、視点移動がやたら遅いのが特徴。動きは非常にもさもさしているし、歩き方はダサい。PS2のゲームとしてはかなりのショボグラフィック、まぁ最初期のこの世代のゲームなので仕方ないですね。


 アトラスの3Dアクション勉強中の作品だと言えます。あんまりアクション強くないアトラス先生が必死に頑張っているという感じがします。

 

 ストーリーと、キャラデザインがぶっ飛びまくっておりますw ペルソナ、などでマイルドになってしまった悪魔絵師の、本領発揮。とんでもねぇキャラデザのオンパレード。なんじゃあこりゃあw 

 雑魚敵とか敵、のデザインもぶっ飛びまくり。それが一番の売りといえるかもしれません。アイアン・メイデンに関してはこのデザインがソニーの検閲をくぐり抜けたのは奇跡といえますw マーラ様並にひどい。


 難易度は・・・クソ高い。 いやむずいんかい!って感じのムズさですね。とにかく操作性の悪さに起因する難易度の高さ。視点変更や旋回がおせーのです。あとロックオンにしないと技が出せない、というのも非常にめんどくさい。


 ただ難易度は操作キャラによってガラッと変わって、このゲームそこが非常に複雑で、このゲーム、主人公は魔剣、という剣であって、魔剣は人間の脳をジャックして支配できます。

 いろんなキャラを魔剣として支配することで入れ替えて進まないといけん。好きなキャラだけ操作するわけにはいかんのです。弱いキャラはクソだし、つえーキャラだとヌルい。ある程度自由は効きますが、正直かなりめんどい。


 選択肢によって分岐があり、おそらく、八卦ルートと封剣士ルート、にだいたい分かれるという感じ、ルートによって操作キャラもまったく変わる。


 この進め方がひじょーに厄介で、フラグの立ち方とかがわけわかんない上に、マップが複雑ですぐに詰みます。

 どこ行ったらいいねん!何したらいいねん、ってことになる。このキャラじゃないと開かない扉、みたいなのを選んで行かないといかんし、普通にイベント進めるに必須キャラが隠し部屋にいたする。


 そしてマップ表示機能がない

コンパス機能すらない。


 そういういろんな面倒さがありまして、たぶんほとんどの人は、詰んで途中で終わってしまう気がします。ワタシもかなり投げそうになった。


 難しくて詰んでしまうならまだしも、進め方がわからん、で終わってしまうのは開発者としてもがっかりだと思う。もっとヒントがほしいし、マップ表示はまぢで最低限必要だと思う。1999年にしてはとっても不親切なゲームです。そういうわけではクソゲーです。認知度が低いのもうなづける。


 慣れてわかってくると、結構難易度も歯ごたえがあり、いろんなキャラが使えてアクションゲームとしてはそこそこおもしろい。

 弱いキャラも、シナリオの都合上使わないといけない、というのは雑魚キャラにも出番が出るための縛りでゲームのスパイスとも言える。

 難易度的には、弾丸を防御できる、っていうフェイシャン(とその上位互換のレイ)1人でクリアできる、というか他のキャラはだいたいキツイ。

 何度も言いますが、進むためにはフェイシャン以外のキャラも使わないと突破できない。どうしようもないクズキャラもたくさんいます。どうしてもキツイ場合は経験値をためて100%にすると多少マシになる。

 だがこのレベル上げがかなーりだるい。


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 ストーリーは、まぁけっこうどうでもいいんですか(!?)、世界背景はちょっとおもろいです。謎の疫病が流行って世界は分断され、カルト宗教が跋扈し社会は混乱、欧州はめちゃくちゃに混乱し、中国は資源確保に動き、アメリカがそれに反発して、核戦争が間近に迫り、日本は核発電所が停止して電力が止まる・・・


 これ1999年の作品・・・、まるで25年後の世界を見通したかのような鋭い社会風刺作品となっています。こうまで未来予測があたってるゲームも珍しくちょっと恐ろしいくらいですね。


 まぁまぁ良作なんですが、この3Dアクションってのは、同じようなゲームがそのあと死ぬほど作られておるので、まぁ普通にそっちやったほうがいいかもですね・・・

 レトロゲー、としての価値があんまないのですよね3Dアクションっていうジャンル・・・よっぽど特殊なシステムでもないかぎり、同じようなものです。

 だいたいは敵を軸に旋回して、後ろから刺す、旋回ゲーム、あるいはタイミングよくバクステなりロールして刺す、ロールゲーム。もしくは反射神経が速いくて、位置取りを知ってるやつが勝つ、FPSゲームです。だいたいこの3つしかない。

 この魔剣はロールゲームです。モンハンはロール、ダクソは旋回・・・、基本ロールに無敵時間があるのはロールゲームで、ほとんどの3Dアクションはロールですね。


2024年11月4日月曜日

1997 OncePiece 23巻 アラバスタ編

  綺麗にここ23巻までがアラバスタ編となっておる。


 超長編、普通のマンガならここで終わりかねない話の長さ。リアルで数年ずっとやってましたね。


 読んで気づきましたが、ワタシこのアラバスタ編初めて読みました、見た気になっていただけだったみたいです。


 ・・・みなさんの感想はいかがかな?


 ワタシはやっぱしっくりこなかったですね。


 ビビっていうキャラがしっくりこんってのが一番大きいと思う。とにかく国を大事に思う優しいお姫様で、誰一人犠牲にしたくないっていう、典型的な聖女キャラというか、正義の味方すぎるキャラ。どーもワタシはこういう、薄っぺらなキャラは好きになれない。

 キャラクターってのはもっと、アンビバレント、いいところも悪いところもあってしかるべきだと思うのです。完全な善キャラ、みたいなのは好かないすなぁ・・・悪いところが一つもなさすぎるんですよね・・・


 それともうひとつ気になるのが、死んだと思ってたが実は生きてた、っていうのをやりすぎですよね、クロコダイルが殺した・・、みたいな描写されて本当に死んだキャラは1人もおらん。

 イガラムもあんなに派手に散ったのに、実は生きてた・・・その理由みたいなんはなんもない。クロコダイルの攻撃弱すぎるんですわ・・・結局誰も倒せないのはオマエなんや・・・あとなんでクロコダイルはずっとちんたらちんたらトドメを刺さないでいるのかもわからん・・・、実は最後にクロコダイルはいい奴だったのだ、っていう裏切りがあるなら、はっ!そうだったのか!!ってなるけども。そういうわけでもない。


 こういう実は生きてた系はワタシは萎えますねぇ・・・少年漫画だから仕方ないのか・・?でも力石実は生きてた、とかラオウ復活、なんてのは絶対にやっちゃいけないじゃないですか、じゃあ今までのあれはなんやってん、ってことになるから。

 アバン先生実は生きてた、もすげーがっかりしたものね。

でもファンレターとかでアバン先生蘇らせてくれ、みたいな意見が多かったみたいなこともきく、読者ってやつは、まぢでビビみたいに、なんも考えずに誰も犠牲にしたくないっていうあさーい読者ばっかなのかしら・・・


 当たり前ですが主要キャラだけ何やっても死ななすぎ、ずるい・・・、ルフィはなぜか毒くらっても効かないし・・・


 でも全体の物語としては、こういうことがやりたいのだよね、っていう意思はよく伝わりますね、若い作家の作品っていう感じかしら・・・


 読者の評価が気になりますね、まったく何の違和感もなく、ビビかわいい!感動的な話だ!っていうあさーい理解で感動してるのかしら・・・だとしたらすげーイヤですね。