僕が思ってたモノとは違ってた。この映画は、映画の嘘を全部ぶっ壊して、ホントのコトを言ってしまう、末期症状の、観客の心を再生不能のポンコツにしちゃうモノだと思ってた。
実際にはちゃんと映画になってた、僕は庵野さんやこの平野さんのようにポンコツの仲間入りをさせられてしまうのかな・・と思って見に行ったけど非常に楽に見れた。ちゃんとエンターテインメントやってた。だから、今の精神状態でこれ見に行ったら相当深みにはまってしまうなという心配は杞憂です、でも今精神衛生に自身がある人には・・・・ないですね、無い、それやったら少なくとも監督としての人生は終わりだし、一生それを背負うことになりますものね、ホントの映画・・・
ある種ルネサンス以降の芸術はタブーをどんどんなくしていく方向で進んでいきました、マルキ・ド・サドやラブレーみたいな例外はありつつ、宗教のタブー、社会のタブー、性のタブー、そういうのをどんどんなくして自由にしてやってきた、フィネガンズ・ウェイクが行った方向は完全な自由で、行き止まりで、無意味で・・・そこでなんか芸術の進行は終わった、どこにもいけなくなって自己否定やって、なんかそれはなかったコトにしよう、嘘をつこうって感じでうだうだやってる間に、もっと身体的なエクスタシーを提供する音楽とか視覚にのまれていった、それでも・・・だれもホントのことは言わなかったしやりたくない、なぜかでも今になって、誰かとんでもない人間がホントのコトを言い始めるんじゃないかっていうゾワゾワした感じが2010年くらいからひたひたと迫っている・・・感じがしてる。それは芸術ってのが実は洗脳兵器だってのを非常にクリアに示す・・・