2012年6月5日火曜日

太宰治 東京八景

小康状態の太宰さんによる自伝ですが、ん~~、確かに太宰さんクラスのダメ人間はなかなかレベル高いですか・・

・親の金で上京
・プロの女の子を呼び出して同棲
・ プロの女の子を連れ戻される
・行きずり女の子と入水自殺、自分だけ助かる
・ 病気になるが持ち直す・・学校を留年しまくってすねをかじりまくりながら小説を書く
・借金をこしらえまたもや自殺未遂(薬物)今度も助かる
・が、シャブ中に
・精神病院へ
・ 妻が浮気、捨てる
 ・結局大学は除籍

という太宰さんの青春の20代・・・ふむふむ。レベル高いなぁ、ゴッホも弟の金で食って自殺だし、ドストも借金大王、賭博中毒、死刑囚ですけど、自殺未遂はしてないみたいですし。自殺というより太宰のは心中ですよね、心中って文化がヨーロッパにはあまり無いみたいです、インドとかではよくあるらしいですが・・・自殺さえなければそういうクズ人間はいくらでもいるんですけどね、今の時代にも・・自殺する勇気も無いし、一緒に死んでくれるような人間もいない孤独を抱えた、今の・・・Kくんみたいな感じとどっちが苦しいのかな?

私的には・・やっぱ後者のほうがキツイかな・・太宰さんは友達や愛人はいたのだし、誰にも愛されてないわけでは絶対無い、でも今の時代にはまじで誰にも愛されようがないのがゴロゴロいますし、戦争で爆死するにも戦場が無い・・

でもその、苦しい人間のほうが本当の人間でしょう、太宰さんもそういう苦悩や痛みが・・イタクなくなって、小康状態に入って。芸術家としてダメになったという自覚があったんでしょう・・・人によりけりだけど、そのイタクなくなっちゃうのは、まじでヤバイですよね。青春を失うってのは若さを失うってことじゃなくて、そのイタイのがわからなくなることですね・・自殺できなくなるといえばいいのか・・・

俗悪な話だけれど、生活がピンチになって、エロに走って小銭を稼いだり、不倫したり、カラダを売るような堕落は、いい堕落だと思う、それは本当だと思う、でも生活を安定させる為に、公務員になったり、教員免許をとって美術を教えながら絵を描いたり、どっか専門学校で教えてしまうみたいな堕落は・・許されない堕落だ、人殺しは許せるけど、私はそういう・・・カッコ悪い堕落は絶対に許せない。それだけは絶対に許せない・・・そういう汚れ方は・・ココロがもうココロじゃなくなってしまうよ

 だからやっぱり漱石よりも、みんな太宰を愛するんでしょう・・・ 本当の事をしたければ、いつの世だって飢えて死ぬ他に道は無い、その真実への道を歩けるか・・・あまりにも険しい・・・一人で歩くにはね・・でもたった一人でも友達や恋人がいれば、結構楽しく歩ける気がするけれど・・・