2015年12月26日土曜日

1990  柊あおい 耳をすませば

 一番好きな映画は?って聞かれるとすごい困りますよね。アホな質問なんです、一番なんとか~~~、ってのはわかりやすいけど結局嘘です。それは自分ってのはコロコロ変わっていくものだから、朝の自分も夜の自分も違う、朝の自分が好きな映画も、夜の自分も、明日も、去年も、来年も。全然違う。ステーキが好きだからって朝っぱらから食えないし、老人になったらステーキなんて食えたもんじゃない。

 そういうわけで一番好きな映画は、次の自分の映画、とこたえることにしてます。映画に限らず、好きな本は次の自分の本。


 そうなんですが、Iが一番好きな映画は耳をすませばだ、ってめんどくせー時は言うようにしてますw なんじゃそりゃ。初めて原作のマンガのほうを読みました。Iはもっと原作とアニメは全然違うんだと思ってましたが、前半のほうは特にけっこう忠実に駿氏はコンテ切ってますね、なんかあのアニメ宮﨑駿っぽくないカットがいくつかあって、それはこのマンガからとってるからなんですね。小説からとってたら場面は全部創作しないといけないけどマンガ原作だからちょっと違うのですね。特に高坂先生が駿氏っぽくないんですね。性格も、あぁいう感じのキャラって他にいないです、駿氏自信は使わないタイプのキャラなんです。


 あとしずくの姉ちゃん、汐の性格が全然ちゃうのですね、アニメだとツンデレですけど、原作では文化系の良い姉ちゃんです、これは駿氏のほうがやっぱ上手ですね。マンガのほうは基本的にみんな優しくていい人ばっかしです、それだとちょっとぬるいっていうか、物語のテンションがゆるくなってしまいますものね。Iのルールなんかもしれませんが、家族ってのは仲が悪くて普通、仲が悪いっていうか表面的には言葉使いとかもきつくて当たりもきつく見えるもんです、底の底には絆があるんですけど、それをちゃんと上手く出したいものです。

 そいで姉ちゃんはセイジの兄ちゃんとできています。これもまったく違う、アマサワコウジはアニメでは完全に削られた。

 最後の朝焼けのシーンはIはちょっとマンガのほうが好きかも。いつのまにか寝てしまって起きたら朝まだき、その朝四時半ごろに不意に目覚めたあの感じがマンガほうが出てましたね。、アニメはちょっとw こっちが恥ずかしいって感じでしたから。


 あとセイジ君はマンガでは絵描きでアニメではヴァイオリンメーカーになっております。これはちょっとむずかしーとこですよね。ただカントリーロードを使いたかったからセイジ君はヴァイオリンをつくることで音楽、っていうのに結びつけたわけですが、ちょっと飛ばしすぎてるっていうか、あの地球やのジジィがヴァイオリンを作ってるってのは設定として無茶な気がするし、地球屋が金持ちの道楽の店みたいに見える。もっとこじんまりした素敵な店なのに。あんな市街地でヴァイオリン弾いてたらうるせぇです、Iはヴァイオリンやってたからわかる。アンサンブルなんて弾いたら即効苦情の嵐。ただアニメの中で絵描きを目指すニンゲンを描くのはちょっと、劇中劇みたいで変。写真ってのも安易ですね、Iは写真を芸術だとは認めない(!)w  じゃあどうすりゃいいかっていうと・・・いい案はすぐには出ませんw 
 





 アニメの耳すまを好きなのは、しずくが何を食べてるかってのがすごいわかるからですね。まず牛乳をがぶ飲みしたことを母になじられ、コンビニに買いに行かされ、家で作った麦茶を飲み、父と同じであろう弁当を保健室で食べて、創作にドハマりして何も食えずにカロリーメイトをかじり、地球やで月見うどんを作ってもらう。

 ここまでちゃんと何を食ってこのヒトは生きてる、っていうのがちゃんと描かれてるので、食べ物をテーマにした映画でもない限りないです。でもいい映画っていうのは、そういうこのヒトはどうやって生きてるの?っていうのが見える映画が良い映画なんだと思います。


 それともう一つ、ワーキングクラスの女の子っていうのが描かれてる映画って他に無い気がする、だいたいはオシャレで馬鹿でかい金持ちの家に住んでるか、スタイリッシュなマンションみたいなとこに住んでる、自分の部屋も無いようなワーキングクラスの感じってのをちゃんと描いてるってのはまぁほんとーーに少ない。真逆におしん、みたいな赤貧、クソ貧乏の貧乏話みたいなのはくさるほどあるんですけどね、そうじゃない、びみょーな貧乏な感じ、それと女の子ってのはすげー難しいんですよね。ダサい女の子になってしまう・・・。でもほんとのところは殆どの♀ってのはワーキングクラスでこれが大多数の実情なんです。
 それに殆どの作品ってのは生活感がまったく無いものが多いです・・・・