2017年3月2日木曜日

2002 あずまんが大王 

 ある意味では21世紀のメインストリームを作ったアニメなんです、ワタシあんまし詳しくないので適当なことを言ってるのかもしれませんけど、いわゆる日常美少女アニメっていうんですか。
 美少女が出て来るんですけど、悪い怪人とか世界の終わりとかが訪れないで普通の生活とゆるいギャグが続くっていう。

 1997年くらいのEVAの大ブームがあったのはみなさんご存知、その後、なんかもうしばらく世界を終わらしたり、ロボットに乗って戦うのはうんざりっていう感じになりました。何をしてもEVAのパクりじゃんって言われる状況。実際にはEVAだってそれ以前の何かのパクリであるとも言えるんですけど、1つの大流行っていうのはそれ以前、を圧倒して消してしまうってことになります。ビートルズ、以降の音楽っていうのは知ってるけども、ビートルズ以前、ってのはほぼ歴史の闇に葬られている、シェイクスピア以後、の演劇はわかるけども、シェイクスピア以前、ってのはほぼ完全に消えているし、シェイクスピアの同時代人、ってのは存在を消されているのと同じ原理。

 ガイナックスはダメになったというのも、何をやってもEVAと比べられてしまうっていう見る側の影響も大きいのですよね。



 というわけで、シリアスで重たい、の真逆、軽くて明るい、が21世紀の潮流になったのは仕方のないことだったのかもしれません。他に道が無いというわけで。それからしばらーーーくたっていますけども、未だに、軽くて明るい、キャラのハッキリした美少女が主役でそんな深刻にならない感じっていうのがずーーーーーーーーと続いておりますね。


 アニメ版は、声優会の最終兵器こと金田朋子の実質デビュー、しかもほぼ主役っていうのがものすごい印象的だったのではないですかね。金朋のインパクションってのはほんとすごいものです。

 
 そしてこのころから声優のアイドル路線ってのが加速化してったという気もします。声優というと顔は美人じゃなくてもやっていける、というか顔的にはアイドルとか女優には向かないけど、演技したい、芸能界でやりたいっていう、女の人のために声優ってのはあったと思うのですけど、今では声優も顔がよくなきゃ通らない時代で、ほんと美少女以外は存在するべからずっていう時代になりましたね。

 金朋もキャラに目を奪われがちですが顔は実はすごい整った顔をしてました。黙ってすましてれば全然アイドルとしてもやっていけるランクの顔なんですね。


 さてアニメ本体というと、こぉいう感じ、ってのを確かにこのアニメが確立したよなーって感じです。なんか見る方も力を入れないでよいという、アニメの見方、のほうを変えていくって感じなんですよね。確かにこれが流行るのもわかる、当時はしかも世間的にはテロと大不況の時代、アニメってのは時代の真逆を映して見せるものです。バブル絶頂期にはナウシカが世界の破滅を描き、大不況の時代には、ゆるい萌えアニメが席巻するというわけ。それはアニメにかぎらずハリウッドでも世界恐慌の時代に作られた映画ってのは、雨に歌えばみたいな暗いところの無いネアカちっくな映画でして、この時代に名作が多いと言われております。


 ということは好景気が訪れない限りずっと萌えアニメの独壇場が続くってことで、それって終わりが無いってことですね。どう考えてもバブル再来、スーパー好景気ってことはありえないと思いますので。
  
 女子高生が主役で、キャラは基本女ばっかり、ってのはほんと終わりが見えません・・・


 しかし悪い側面もやっぱりあるわけで現実逃避って言ってしまえばそれまでで、かといって現実と向き合うような形でちゃんと面白くて、前向きな感じにするってのは非常に困難。平凡な女子高生だけど、宇宙飛行士になる、みたいなのにしたところで、そんな上手くいくわけねーだろって作ってる方も思ってしまうでしょうし、アイドルとして大活躍!ってのも、顔がいいからじゃん・・・、っていうわけ。アラサーのダサダサ女だけども、大金持ちの美男子と奇跡的な出会い、ないないないってわけです。決戦兵器に乗って世界を滅ぼすほうがまだリアリティがあるって感じですもの。