2018年1月11日木曜日

1999 クロノクロス

 クロノ・トリガーの続編、なのですがクロノ・トリガーはものすごく有名で流行ったような記憶があるのですが、クロスのほうは全然知らないのは一体なぜ?またワタシのゲームのエアポケット時代の作品なのでしょう。

 クロノ・トリガーは鳥山明デザインでスクエア制作という、FFとDQのいいとこどり!これは事件だぜ!っていうものすごい煽りがありつつ、ゲーム自体もゲーム開始からいきなりラスボスに挑戦出来るみたいな、ちょっとお祭りゲームみたいなノリがあってなかなか良くできてた記憶があります。マールっていうヒロインと、カエルの剣士、そして虹、という武器があったのをすごく覚えてる。

 クロスがいまいち有名じゃない理由の第一は、デザインが鳥山明じゃないんですね、えっ!?じゃあクロノ・トリガーと関係なくない!?って感じでしてまさにその通り、ゲームシステムとかもほとんどなんの関連もない、プロットのはしばしにちょこちょこと初代の用語が出て来るぐらいで完全な別ゲームです。だから続編を期待してた人にとっては肩透かし、えっ?なんか・・違う・・・ってことになったのだと思います。

 キャラデザに関してはこれはもう断然初代のほうが良かった、完全に劣化、なんなんこのイラスト・・?っていうくらいイラストのクオリティは低い。それと変わって3DCGが当時としてはめちゃくちゃよく出来てます、イラストよりもモデリングのほうがキレイという珍しいケース。この時代としてはまさしく最先端の技術がふんだんに使われています、ムービーもやたら多い。当時のパソコンでよく処理できたなぁ・・っていう映像。ムービーじゃない普通のダンジョンも使いまわが少なく(まぁアナザーワールドっていうのはまったく同じなのですべて二回使ってるとも言えるのですが)、これはどういう技術なのか知りませんがとても良くできておりま。

 そしてプロットは、なんというのでしょう、妙に深い。さらっとしたセリフの中にちょっと子供向けとは思えない、キレのあるコトバを放りこんでいます。簡単に言うと、パラレルワールドものなんですが、もっと別の生き方があったんじゃないか?もっと別の暮らしが出来たなら?っていうのがテーマでして、主人公はパラレルワールドでは死んでしまっているという設定。割りとサクサク人が死ぬのもこのゲームの特徴。人間が星を滅ぼしたみたいな自虐的なネタも多数、ちょい鬱ゲーちっく。
 

 問題点も多数あります。まず誰もが思ったでしょうけどホームとアナザーのマップの作りが同じなのでどっちがどっちか全くわからん。あとキャラもホームとアナザーに二人いるので、こいつはホームのあいつ??アナザーのあいつ??どっちがどっち??ってなって全然ストンと入ってきません。BGMの暗いほうがアナザーっていうのがワタシの認識ですが、これは個人の感じ方次第。
 あとダンジョンから脱出するリレミト的な魔法が無いのがすごい困ります、いちいち歩いて戻るのがクソ面倒です。
 あとレベルというのがなくて、ボスを倒してシナリオをすすめるとレベルスターっていうのが手に入ってレベルが上がるというシステムなので、つまりはレベル固定です。レベル固定ということはつまりちゃんと勝てるレベルにしっかり決められているので、どうも神様の手の上で転がされてる感が否めない、手に入るアイテムとかも全部決まってるというわけで。自分で進めてるというよりも、イベントごとのミニゲームをやってるような気分にされちゃいます。育成の自由度も低い。あとザコを倒してもほとんどメリットがないので雑魚戦が苦痛でしかない、経験値とかねーし。素材がてにはいりますがほぼ使わない。

 50人近くキャラがいますが、ほぼ90%使わないです。先天属性があって、それぞれの使いみちがありそうですが、主人公は強制加入、盗む要員ファルガはほぼ固定も同然、ヒロイン的ポジのキッドはずっと抜けてるので使えないです。つまりあと一人はだれにするか?なんですが、後半は結局殴るのが一番強いというスクウェアゲームあるあるでしてw、魔法キャラは必要なし、打たれ弱いので使えないです。死亡回復手段も少ない。最後の一人は別に誰でもよいですが、ワタシは筋肉もりもりの鉄仮面を選んで、なんかむさ苦しいことこのうえないパーティになってしまいましたw

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 物語全体として、え・・、これはアナザーの話のことなの?ホームのことなの??って見失ってしまうし、これが一番の大問題なんだと思いますが、プロットを詰め込み過ぎました。超古代魔法文明、超科学の発展した未来文明、タイムワープ、次元移動装置、古代の龍達の文明、星を食い尽くす化物ラヴォス・・・、ネタバレすると、たぶんですけど、ものすごいミライの文明のマザーコンピュータ的なフェイトというセカイの運命を決めている装置があったのですが、主人公の仕業でそれがバグった。フェイト達の文明は恐竜たちの文明と時空移動したところで戦争して結果フェイト達が勝利して龍たちは封印された。主人公たちは実は龍たちに導かれて、フェイトを倒すように仕組まれていた、龍というのは実は龍ではなく 星のエネルギーそのもので、龍という形に擬態しているにすぎない。星や自然をめちゃくちゃにした人間達を龍は滅ぼそうとするので、龍と戦うのである。しかれども最終的には龍と戦うことですらなくて、ラヴォスに取り込まれている母親的なヤツに自然と調和的なことで癒やしを与えるとなぜだかすべてがオッケーになり、すべては別のセカイのこととして生まれ変わるのだ・・・

 っていう話だと思います、たぶんw 明らかに詰め込みすぎ!!中2の漫画の構想じゃないんだから面白いことを全部入れてみましたみたいになってるので絶対に整理したほうがいいです。それによくよく考えるとめちゃくちゃだ・・っていうのも多いです。フェイトというシステムはヤマネコというネコの化物になって色々悪さをしてるんですけど(実はヤマネコは主人公の父親だと最後にわかる!?)、いやいや・・なんで超未来のマザーコンピュータがよりによってネコ人間に変身するん・・?ってのもあるし、じゃったら主人公のカラダ乗っ取る必要ねーじゃんってことになるし、主人公たちが龍たちにうまく利用されてるならさっさととどめをさせやって思うし、龍たちは基本全然助けてくれねーし。
 はっきり言うと超展開です。スターオーシャン3ほどではないにせよ、なんか牧歌的な世界観から急激にクロノポリスみたいな差が激しすぎ。ですが、セリフ回しというかエピソードの一個ずつは結構暗くて、重めで、暗くて重い、バッドエンド好きのワタシとしては、なかなか良いと思いました。もっと的を絞ったほうが良かったですよね、超未来の科学と戦うでもいいし、龍と戦うならそれでもいいけど、両方をぶっこむとなんのこっちゃわけわからん、そしてさらにパラレルワールドですからね。
 あとキャラも多いんです50人くらいいる、ほんとブッコミすぎだろ!っていう感じw 黒澤明じゃないですが、マジック7。主要なキャラクターというのは7人までに絞ること、そして一言で説明出来る内容にすること。これが物語を作る上での鉄則です。
 50人もキャラがいては深く掘り下げることなんて到底不可能。