2018年1月3日水曜日

2000 ベイグラントストーリー

 ベイグラントストーリーというたいとるなんですけど、 Vagrant Storyという英語をそのまま発音するとヴァグラントストーリーな気がするんですけど?

 まぁPSで出たスクウェアのアクションロープレ?です。

スクウェアらしい野心的な作品で、アクションロープレなのか、ターン制なのか?非常に独特のバトルシステムを持っています。その上に、強化システムも独特で単純なレベルではなく、武器防具の強化、それはまだ普通ですが、種族相性、属性相性、ファントムポイント、武器の耐久度、部位破壊、リスクポイントなど、入れ込みすぎなのでは?というくらい様々なパラメータが複雑に絡み合ったシステムとなっていて、その様々なダメージ計算の結果、全然ダメージが通らないw という謎のバランスになっています。

 ウソみたいにダメージが通らなくて、結果としてはタイミングよくボタンを押すと連続攻撃出来るチェインをつなげて、HPのX%、みたいな割合攻撃でいかに削るかというゲームとなっています。その結果武器自体の性能なんてどうでもよくて、どうやってチェインをつなげるかという目押し重視のタイミングゲームになっているので、アクション、的要素が多いです。
 裏を返すとこのチェインを繋げられないと勝てないので、時間をかけてレベル上げれば勝てるというわけじゃないので、出来ないヒトにはクリア出来ないタイプのゲームです。ボスなどの攻撃力も序盤からかなりのもんで、3発くらいで落ちますし、さらにクリティカルとかでワンキルもザラになってきます。
 基本的に主人公は強くなっていかないので(ボス倒すとHPとかが3、とかアップしますがまじで雀の涙w)後半はもうワンキル魔法のオンパレード、威力的にほぼワンキル確定だったり、バニシュ、という魔法に関しては、現在のHPと同じだけダメージという意味不明のインチキ魔法w そして防御手段は基本的に無い。インバリドスペルという魔法を一度無効にする魔法があるのですが、それをとにかく常時かけ続けないといけないというわけ。さらに魔法を封じるサイレントに関しては回復方法が無い。サイレント状態でバニシュされると確実に死ぬ。とにかく敵は圧倒的な攻撃力、対してこちらの攻撃は1とか2、そしてたいていはミス。
  さらに悲しいお知らせですがラスボスは高速で空を飛び回るために弓矢以外の攻撃を当てるのはほぼ無理ゲー、いくら武器合成などをしたり、好きな武器を使ったりしてても、最後は弓矢でチェインをつなぐほかない。ラスボスの魔法も即死的な威力で、唯一の対抗手段は弓で落とすことのみ、という悲しい結末w
 というわけでバランス的には完全にぶっ壊れてるゲームです。非常にストレスが溜まるというのがわかる、かなりのマゾゲーです。このゲームテストプレイしたの??って思うくらいのぶっ壊れバランス。まぁプレステの時代ですら、テストプレイでバランス調整ってのはまだまだ詰めきれて無いって時代だったのですよね、今でもこれほんとにデバッグした!?っていうゲームはザラにありますし。DQくらいですよねバランス調整で大ミスしてるってことがないのは。

 ゲームをずっとやりながらチェインをつなぐタイミングを打つのがうまくなっていくというゲームだと思います、チェインさえつなげられるなら、相手になにもさせずに1ターンで殺せる。ラスボスですら1ターンキルも結構普通に出来る。1週目だとこのゲームのほとんどの機能を使わないで終わってしまいます、武器の合成なんて一回もやらないし。(というか最初に拾った弓矢だけで最後まで勝てるし、攻撃魔法なんて一回も使わないし)、二週目をやるとやっと普通のゲームっぽいバランスになるみたいです。そうはいってもやっぱり弓でチェインつなげると勝てるので意味無い気がするけど・・・。

 最終的にワタシは普通に10チェインくらいは平均で出せるようになりました。弓矢のタイミングなんですけど!マークが出てから打ってるのでは基本無理。アシュレイが弓を構えて、弓が出てちょっと下がるタイミングを見ながら打つのが一番良いと思います、アシュレイの手先だけ見ればよい。


 ちなみにシナリオはいわゆる1シチュエーションもので、ずっと生贄のために魔法の実験場にされてきた廃都みたいなので物語は進行し、他の場所は一切出てきません。こういうワンシチュエーションものってのは、ゲームや小説としては風呂敷を広げすぎないのでスッキリ収まる、作家としては構成力が求められるもので、まぁまぁってところでしょうか。そこまで深い物語ではないとも言えます。あっさりしてる。
 デザインは割りと好きです、いつもの吉田明彦タッチ、いまだとグラブルが吉田明彦タッチですよね、絶滅危惧種のアナログタッチ(まぁ当時はそんな珍しくもなかったけれど)なのですぐわかります。
 ファミ通のレヴューで満点を獲得した唯一のPSタイトルとありましたが・・・?ん?このバランスで!?ってワタシは思いました。確かに斬新で尖ってるのは間違いないです、ユーザーにほとんど媚びてないし。けど満点とはいかないですなぁ・・・