気づくのが遅かったですが、ついに八部が完成したというわけで一気読みです。
ワタシはマンガは溜めて一気に読む派なので。
さてこの八部ですが、たぶん連載媒体が変わって、月間連載?になったんでしょう、一話一話のページ数が50ページ?くらいになって長い。もはや連載というよりも書きおろしって感じですね。
ほいで少年誌じゃなくなったのであろうこともあって、かなりエロ要素というか、アダルト要素が多いです。
舞台はまたしてももりおう町であって、4部の続きかと思いきや別世界線の話ということになっております、が主人公は吉良吉影だし、スタンドはキラークイーンに似通ってるというわけでかなり重なっている部分もある。
だいたいどんなマンガでもうまくできていようが、へたくそだろうが、だいたいこういう話の流れ、ってのはすぐにわかるものです。むしろこの話の流れ、ってのはシンプルであればあるほど良いとされています。
たぶん意図的なんでしょうけど、この八部は、こういう話だろ??っていうのを、外す、ってのがテーマになってると思われます。これは一体どういう話なんだ?ってのがなかなか見えてこない。だいたいこうなるだろ、ってのをすべて外しております。展開がまったく読めない。
流れに逆らう、型、を破る。
ってことですわね。
ほいで主人公のスタンド「ソフトアンドウェット」SW も非常に曖昧です。シャボン玉を飛ばして、破裂したら何かを奪う、と最初に説明されますが、シャボン玉の中に何かを入れたり、出したり、運んだり、とはっきり言えば何でもできる、射程も結構長い。
正直この能力はキラークイーンと同じで「当たれば即死」「触れば即死」の更に中距離能力なので、つまりKQの上位互換。KQでさえ普通にチートなので、強すぎます。なんでこのスタンドがバチクソ強いのか、という理由がちゃんとあって、それは物語の核心になってはいるのですけどね。
時空間系のはちゃめちゃ能力じゃないにせよ、普通に強すぎる。いきなり主人公が持ってるにしては無敵すぎる。物語の構造として、最初から最強ってのは異世界系のギャルマンガとかでよくあるけども、長編マンガには非常にトリッキーですよね。
だから今回ジョジョのいわゆる、なるほどそういう勝ち方があったか!という謎解きは無くて、本気だせば、SWは無敵の能力、あっさり勝てるのです。常に主人公は「様子を見ている」だけです。問題はそこではもはやなくなっているのだ。
一見すると勝てそうもない強大な敵に、知恵や努力、仲間との絆で勝つ、というのが、「型」、なのでこれも型を破ってるわけですね。
能力系バトル漫画、という、いわゆる型、があって、昨今の少年漫画はだいたいそれです。ジョジョはその開拓者でもある、だがジョジョはそこはもう超えて行ってしまって、もはやバトル、というのを超えたところに来ています。
マンガの中でもちゃんと書いてあるのですが、この八部のテーマは「呪いを解く」です。これもトリッキーなテーマでまさに「奇妙」です。
扱われる内容も奇妙、ふるうつ、昆虫、岩人間、再生医療、紐理論、ストーカー、マナーの悪い人物・・・
でもよくよく見れば、なーるほど、現代、の科学の問題を扱っている、なるほどテーマなのです。
ほとんどの客層は、型をやぶったものではなくて、おなじみのものが大好きです。忠臣蔵もワンピースも、型は同じ。型にはまったものが一番人気なのです、イケメンイケジョはだいたいみんな同じ顔をしているし、だからこそAIが型、にならって、誰もが好みそうなものを作れる。
型から外れたものは、受け入れられにくい。人と違うということは、常に迫害の対象。けど、ほかと違う道だから見られる景色というものがあります。新たな発見に満ちている。いろんなマンガがあるけども、マンガを進歩させているのは、ジョジョだけですね。ここがマンガの最前線。
たぶん世間の評価は、「よくわからない」ということなのだろうけど、ワタシ的には、やっぱジョジョは最高に面白いですね。
すでに第九部が始まったということで、ジョジョの続きを見たいってのは、ワタシには重要な、生きてく理由、の一つです。