2025年1月18日土曜日

ワンピース ~104巻 ワノ国 カイドウ編

  やーーーっとカイドウと対決するんかい、だし、やーーーーっとワノ国編はじまんのかい。

 もう20年くらい前に予告されていたワノ国編が始まるでした。


 終わって見てみれば、たぶん4年半くらいワノ国をやっていた・・・気が遠くなるぜ・・・。


 最初にレヴェリーという会議があって、ここは正直どうでもいい。ラスボスらしきオトコがいきなり登場、ペプシマンかよ。


 さてワノ国編ですが、作者が一番やりたかった物語というのが、完全にあらわれていて、時代劇風になっております。

 

 ルフィがまたいきなりボスに殴りかかり、すぐに負けてまた捕まる、またそれかい。という流れなのですが、もうこれは水戸黄門的お定まりの展開。

 

 ようするに忠臣蔵なんですわね。


 ベタで、お決まりで、お定まりの勧善懲悪、型にぴっちり嵌めていく、その様式美をいざご覧あれぇい!っていうノリなんです。だからここはシナリオがベタだなぁという批判はお門違い、野暮天ってわけだちきしょうめ。


 やっぱ好きなことをするのが一番ってわけで、筆のノリが今までと違う、どんどん描けていくぜ!ってのが伝わるものです。とにかく勢い!ノリ!パワー!

 少年マンガらしく?はないのですが、おもろかったのではないでしょうか?結局日本人が好きそうなものを集めていったのが時代劇ですから。若者に受けないってのは勘違いで、パッケージを変えれば若者だって結局型にハマったものが好きなわけです、大河ドラマとか、結局イケメンイケジョだしときゃ、若者も見るってわけ。

 こんな華奢でツルツルの顔の武将がいるわけねぇだろふざけんなっていうのは少数派。


 こういうのを、プロレスなんて、嘘じゃん、おもんない。とかいうやつはクソセンスないです、話にならない。お客も一緒になって盛り上がっていこうぜってこと、読者だって参加者の一人なのだから、ワノ国編は面白いです。


 実際今まで伏線をつくってきたものがかなり回収されてるし、これまでの冒険がぐんぐんつながっていく気持ちよさ、超長大な大河ドラマ、少年漫画を新たなステージまで上げたと思いますね。


 もちろんすべて最高とは言い切れない。

 トキはなんで死んだんだ?とかバリアの能力強すぎない?とか色々、おや?っていうところはある、このへんは連載だからしょうがないってとこですね。

 でも一番ワタシが気になったのは、オロチのデザインですね。悪役でいかにも馬鹿面でカッコ悪いデザインになってるけど、お話的には、実は色々過去を背負っている復讐者なのです。もちっとかっこいいキャラにするべきだったのでは?なんかあまりにもオロチの器が小さく描かれすぎてる気がするのです・・・カイドウの威を借りるだけの男とはいえ、かっこ悪く描きすぎたのでは?と思う。

 敵ってのは一番かっこよく描かないといけないとワタシは思う。だって負けて死んでしまうのだから。


 後半に行くにつれて、なんだか作画が、なんというか、ガリガリ(ボロボロ?)になっていって、なんだか新しいスタイルになっています。新しい境地に達したみたい。描きたいことに手が追いついていないという感じ、ちょっと心配になるけども、これも勢いがあって良きです。なんかいかにもアシスタントが描きましたっていうツルっとした線は冷める。


 ネタバレですが、ゴムゴムの実が実は、ゴムになるだけじゃなくて、なんだかすべてをカートゥーンみたいに変える、っていうとても愉快な能力だったのだ!っていうオチ?みたいなのがあるんですが、これは秀逸ですね。

 強さの終着点がマンガじみた愉快な能力ってのは、フリーザの最終形態が小さい子どものような姿、っていうのと同じくらい、素晴らしいアイデア。ワタシはこれでワンピースはDBを超えたかもしらんと思った。

 暗くなりがちな世の中や物語の中で、シリアスになるんじゃなくて、最終的にみんなを明るく笑わせてくれる、ゴキゲンなやつになるってのは、ワンピースらしくて非常にイカす、他の誰もやってない、新たな境地です。


ワノ国が終わってたぶん最終章に入っていくと思うのですが

 もはや期待よりも、心配、しかないですね。頼むから、しょうもない終わり方だけはしないでくれ、ここまで読んで来たんだから、どうか名作であってくれと祈るような気持ちです。

 といってバガボンドみたいな未完で終わり、はもういい加減やめてほしい。逃げるな。でも時間はたっぷりかけて最後までやってほしいものですね。