ドキュメンタリーなのかわかりませんが太宰治が脳病院、に軟禁されていたころの日記のような作品。
とこどころちょっと狂気的であり、ほんとに脳がまいってるんじゃないか?と思わせつつ、おどろくほど切れ味の鋭い文章がザザっと書かれていたりして、尖りまくってる作品であります。
キリストへの言及も多く、ある種非常に宗教的、2・26以降の世界についての意見などハっとしますね。2.26事件ってのは、すごく文学的な事件というのか、ある種太平洋戦争よりも、ドラマティックな事件です。太平洋戦争とかには、文学的な匂いはなく、ただ戦争があるばかりなのです。
脳病院、というコトバも今では使われなくなったのかも?精神病院、瘋癲病院、キチガイハウス、フーコーじゃないですけど、このキチガイ、酔いどれ船、にはいつも文学的な匂いがそこはかとなく漂っている。
太宰ってのは、ゴリゴリの天才という珍しいタイプなんだなぁと改めて思います。ピュアなタイプの天才、社会的にどうにもこうにも上手く生きていけないほうの天才なんですね、こういうタイプの天才に憧れもするけど、やっぱりしんどいだろうなとも思ふ・・。