2018年2月28日水曜日

1924 壁の中の鼠 The Rats in the Walls  ラヴクラフト

ラヴクラフトの短編です、わずかながらこれもクトゥルー神話に関連する短編。内容は自分の祖先が住んでいた古い教会に、秘密の地下室が存在し、そこにいたのは・・?という物語。ダークファンタジーです。


 いわゆるハリーポッターもダークファンタジーなんですよね、剣と魔法と明るい系のファンタジーではない。だからダークファンタジーってやつは、今ではもうゴリゴリのメインストリームのジャンルになったということです。

 ラヴクラフトっていう作家は、文学的じゃないところがその良いところなんだと思います、つまりは読み手にとって楽しいように描く能力がある、面白いように描こうっていう意思がある。サービス精神ですね。
 純文学系だと、読むのが苦痛だろうがどうでもよい、作品のスタイル、コンセプト、が大事なのだ。みたいに開き直ってるものがたくさんあります。ちょっと教養の為といって世界文学などを手にとってみて、なんだこれは・・全然おもしろくない。ってそのまま活字嫌いになる人がほとんどです。
 ミルトンの失楽園、などは、ほんとにまったくおもしろくはないです。別に楽しませる為に書いてないんですよね。

 面白いことを最大限重要視するようになったのは20世紀の価値観だってことですね、どうしてそうなったのかというと、文学が商品、になったからです。それまで文学ってのはごく一部のインテリや教会みたいな宗教関係の人たちが読むもので、金儲けを目的とした商品、ではなかった。

 
 ラヴクラフトの批評とかで、文章が下手だとか、内容が演出過多みたいなことを言うヒトがいるようですが、別にそれを目指して無いからってことで非常に的外れだと思います。ファミリーカーを評価して、F1より遅い!って言ってるみたいなもんです、いやいや、全然目指してるところが違うから。