2018年10月31日水曜日

体操世界選手権  パソコンがあたらしくなたよ。

体操の世界選手権がやってますね。カタール?かなんかでやってるみたい。お客さんはガラガラ。いや、興味ないなら開催すんなよ、カネだけはあるからって、なにかっちゃあカタールで開催、初の中東での開催になります、みたいなことを言ってますけれども、客が全然いないんですね。もったいないことこの上ない。
 施設はむちゃくそキレイでカネが有り余ってるのだけは感じられるんですけど。わざわざカタールまで遠征しようなんてやつもいるわけないし、そもそもカタールってどこやねん!

 さて文句を言ったところでw やっぱりまたしても内村航平がかっこいいですねー。怪我をして個人総合には出ないんですけど団体には怪我をおしての出場。

「これ落ちたら死ぬって気持ちでやりました」

 と鞍馬のインタヴューって言ってましたけれど、コトバ、だけでいくと全然響かないことばですよね、命がけでやる、全力でやる、死ぬ気でやる。口先ではどんなクズだって言えます。けど本当に死ぬ気でやるやつなんているわけない。コトバが軽い。
 けど内村航平はやるって言ったら、やる男なんです。コトバが重い。ズシっとくる。普通言えないですよ、死ぬ気でやりました。なんて。かっこ悪すぎて、でもこの人がいうとかっこいい。


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 超個人的な話なのですがパソコンがついに新しくなりました、それまで使ってたパソコンはそのさらに前のパソコンが爆死して、急に買わないといけなくなったため中古で一万円のパソコンで、お世辞にもすばらしーパソコンではありませんでした。それにしてはなんとか頑張ってくれましたけどね。
 ついに時代に追いついたパソコンになった、という感じ。これでレンダリング時間が短縮できるであろう・・・。まだまだ引越し作業が続きますけれど。

2018年10月26日金曜日

1935 ドグラ・マグラ

 いわゆるアングラ文学っていうのか、メインストリームじゃない方の小説ではめちゃくちゃ有名、伝説的な小説。

 1930年代、はエログロナンセンスの時代で、片一方で満州事変や2,26みたいな物騒極まりない事件が起きつつ、世間はオサダ事件という猟奇事件のほうに関心を向けていて、芸術界では、めちゃくちゃとがりきった作品がたくさん生まれていて、むしろ戦後よりも全然先進的じゃん、という作品がたくさんあります。
 たぶん、当時の人々も、どうしようもない破滅が、避けられずに目前に差し迫っている、ということを理解していて、どこを向いても絶望しかない!という閉ざされた感覚を感じていたんでしょうね。その行き着く先がエログロナンセンス、簡単に言えば現実逃避ですが、現実、が本当に絶望しか無い場合、それは本気、のナンセンスであって、意味の無いナンセンスではなくなる。それが宗教、になるわけですが・・・。
 閉塞感、決まり文句みたいに言われてますけども、この小説にも、その閉塞感、が圧迫するように詰め込まれております。この小説を読んでるとずーーーーっと壁に囲まれていて押さえつけられるような不快感を感じさせてくれます。閉所恐怖症のヒトは読まないほうが良い。



 このドグマグはものすごい超大作です、とにかく長い。内容はつまるところ精神病、をテーマにしたサスペンスっていう感じです。三大怪小説って言われてますけど、いわゆる事件が起きて名探偵が解決ってのとは全然違います。なんていうんでしょう、雰囲気モノ、狂気のセカイがぐるぐると回り続けてるっていう感じです。トリックとかそういうのもなんかもうむちゃくちゃです。あぁ~そういうことね!スッキリ!みたいなものとは全然違う。まさに、エロ、グロ、ナンセンス。そのままです。
 文章が下手なのではなくて、わざと冗長で冗漫で、長ったらしく同じことを何度も繰り返し、同じ意味のコトバを何度も並列で使ったりしているので、すごーーーーーく読みづらい。もやもやします。
 また文体も、擬古典文だったり、漢文調だったり、方言色が強かったり、仏教物語のようであったり・・次々にいろいろなスタイルで書かれていて、ジョイスみたいな調子でこれもひどく読みづらい。

 ほんとにこれ戦前の日本!?っていう尖りきった描写です。アメリカは拝金主義ですべては金持ちのための社会である・・。みたいなことも書いております、どっかラブレーみたいな狂気じみた文体。

 狂人とか精神病院ってのをテーマにするのが戦後に流行った時期があってフーコーだのなんだの、がいろいろ書いております。それを1935年に日本で取り上げてるっていうのはものすごい先見の明。


 そういうわけで、ものすごく読みづらいし、ものすごい長いのですけども、とにかくすごい量の情熱、というかエネルギーはビシビシ伝わって来ます。何がこの作者をここまでやらせたのだ?っていうのが一番の謎っていうくらい、この作品にえげつない労力と時間、情熱が注ぎ込まれてます。完成までに10年かかったと言われてますが、10年かかるのも納得っていう感じ。
 探偵小説っていうふうに読むと、もうむっちゃくちゃですし、謎解きとかもはちゃめちゃ、なんじゃあそりゃあのオンパレードで誰にでもおすすめ出来る名作ではないのですが、とにかく、すごい、作品であるのは確かです。非常にヒトを選ぶ。 

 




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   補足 アメリカ観

 
「アメリカは自由の国、カネを持ってるヒトにとっては」
 とよく言われます。USJでも取り入れられているようにアメリカは、カネを払ったヒトが優先されるのは当然、という発想があります。行列に並ぶのが面倒なら、行列の先頭に行く、という権利を買えばいい、という考え方。日本的な発想では金持ちだろうがルールは守れ、っていう発想ですが、アメリカは、ルールを守らなくていい権利、も買えるんです。

 だからアメリカはすべて金持ちのための社会、っていうふうに見られますけど、それはやっぱしごく一部の都市のアメリカ、ヤンキーのアメリカでしかなくて、アメリカってのはわずかな都市と莫大な広さの田舎があるんです。その膨大な田舎のアメリカが厄介極まりなくて、まじかよ、っていうカルト宗教みたいなやつらがいたり、移民ばっかりのところがあったり、ふるーいキリスト教コミュニティだったり、死ぬほど保守的だったり、白人至上主義だったり・・というわけ。
 アメリカが時々奇々怪々な行動をするのはこっちの田舎のアメリカ、の力によるものなんですよね。当時の日本にはそれが見えて無かったと思います。現代でもよくわからない。でもワタシはこっちがアメリカ、のパワーの本質なんだと最近は思っております。
 狂気じみてるんです、アメリカのダークサイドも。

 

2009 女神異聞録 デビルサバイバー

  *注意点 ワタシこれ最後のほうで気づいてまじかーーー!!って思ったのですが、人間キャラのスキルはいつでもメニュー画面で変更可能です、一つのスキルは一人まで、ってだけで。だからバトルによって烈攻でいこう、とかメディアは悪魔がやるからつけかえ・・っていうことが出来ます!!知らなかった!新しく入ってきた人間スキルなしかよ!!って思いましたが、違うんです、付け替えられるんです!
 一つのスキルは一人なので全門耐性を全員につけるってことも出来ないわけです。パラメータが基準値になってない場合も無理です。まぁ代用スキルがだいたいあるのでだいじょぶなんですけど。


概要

 メガテンのスピンオフ作品。
 メガテンシリーズ久々のシミュレーションゲームとありますが、ユニットをマスで動かすふつうのシュミレーションで、攻撃を開始すると、いつものターン制バトルに移行するという感じで、場所、の概念があるメガテンっていう感じです。
 しかし恒例プレスターンバトル形式で、速度が早かったり、相手の弱点をつくことでこっちにターンが追加で回ってきたりと、かなり奥深しです。有利なほうがさらに有利になる!という資本主義形式ですね。不利になると速攻で死ぬ。とにかく相手の弱点をつかないとだめです。

 もちろん悪魔合体での強化なども出来ていつものメガテンです、仲魔の手に入れ方は説得方式ではなくて、すべてカネで買うという形式。めんどくさくなくていいのもあるけれど悪魔としゃべる機会が少ししかないのでちょっと残念でもある。あと売ってない場合もあるのでいくらでも手に入るわけではない。何が売ってるかは運です。たぶんイベントバトルをこなすごとに入れ替わるのでちゃんとイベント終わるごとに悪魔を強化しとかないと詰まる可能性があります。(特に最初のベルとラスボス)
 メガテンシリーズいっつも積みステ系が強いのですが(ランダマイザ無双)、今回ターン制じゃないのでそれがありません。あとスキルの継承が手動で自分で選べるというのがすごいやりやすいです。いっつも何度も合体画面をキャンセルして良いスキル構成になるように・・って何度も繰り返すのですが、開発者もやっとあれはただの時間の無駄だ、ってことに気づいてくれたようです。スキルのスロット数は少ないのですけど、すごい快適。これまでの悪魔合体史上一番素晴らしい合体システムだと思います。
 上記したように人間のスキルは手動でいつでも変更出来るのもメガテン的には大盤振る舞い。

 ただシュミレーションというゲームそのものの特徴とも言えるのですが、何も考えずに突っ込むと囲まれてボコられて死にます。かなり強化しててもあっというまに天国。さらにイベントミッションのほぼ9割がシミュレーションゲームで一番困る救出ミッションなので、15分くらいシコシコ戦ってたのに、一発で救出対象が吹っ飛んでそれまでの苦労水の泡。絶望的時間の無駄、ってことになり、モチベーションがかなり削られます、戦闘中のセーブもないし、スパロボみたいにゲームオーバーになっても経験値引き継ぎってこともないので、ほんと圧倒的な時間の無駄になってしまう。さらに初見殺しみたいな性能の敵多し(ベルは全部だいたいそう)
 だからロープレみたいに気軽にプレイってことが出来ません、難易度そこまで高くないんですけど、今の時代の普通のゲーム、に比べるとまぁまぁ難しいです。難しいっていうか、事故っていきなりゲームオーバーが多い。それがメガテンって言えばそれまでなんですが・・w。だからあまり集中力が無い時にはやる気が出てこない、気軽にプレイ、出来ないゲームです、いっつも仕事で疲れてて寝る前の気晴らしにゲーム、みたいな社会人ゲーマーにはきつい仕様。最初のベル、主人公のヤドリギ、という攻撃以外には無敵、といういや、ラスボスより強いじゃんw っていうのがしんどい。さらにラスボスもほぼ攻撃はメギドラオン一択って調子で防ぎようがなく勝ち方を知らないと勝てない。
 
(攻略サイト見ればわかりますけど、一応勝ち方。
ラスボスは弱点属性がターンごとに変わるのですが、3ターン目に物理弱点になります、そのときに一気に倒さないと勝てないと思います。
 物理激化、貫通、デスバウンド、をそろえた物理担当悪魔と鬼神悪魔(こちらにも同じスキルセット)を揃えて人間キャラは回復って感じです。鬼神は連続攻撃出来るのでデスバウンドを合計8回当てれば確実にオチます、6回で落ちると思います。ラスボス攻撃はすさまじいけどHPはそこまで高くない。)


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 シナリオは山手線の中に閉じ込められてしまって、悪魔を使ってサバイバルゲームっていうやつなのですが、スクエニの「素晴らしきこの世界」にめっちゃ酷似しています、都内に閉じ込められるところはもちろん、数理的なネタが多いところや、群像劇形式、運命の日、の時間制限が決まっているっていうのもかぶりまくり。
 わざと寄せてるのでは?ってくらいかぶりまくってます。キャラデザもどことなく似てる。

 後半からはオカルトテイストが濃くなり、天使や神、がすげーうさんくさかったり、またLAW、CHAOS、いろんなルートも選べるよ、っていういつものメガテンになってきますが、このゲームは殆どLAWよりというのか、一般常識的に正しい、ことを強制的に選ばされます。力がすべてだネミッチー!!っていうふうに悪の道に突っ走ることは最後のほうまで殆ど出来ません。最終日にいきなりルートが別れます。ちなみにワタシはアツロウルートにしようと思ってたのにフラグ立て忘れていたらしく、ナオヤルートになってしまいました。まぁ結果的には同じだと思うのですけど。

 それぞれのキャラが、完全にこいつが正しい、と決まってないというのもメガテンらしさです。みんな別々の考え方をしてバラバラに動く。ただアツロウ、とユズっていうのが最初からほぼずっと仲間なんですが、ユズのほうが、いっつもネガティブ発言して最後まで逃げることしか考えてないのがだんだん腹が立って来ます。ワタシは死にたくない、生きていたいってことあるごとに言うのですが、なんでそんなに生きてたいのか?っていう説明もないし。普通の女の子だから仕方ないってことにされてますけど、それってどうなん・・?(ユズルートを選ぶとちゃんとその理由が補完されてるのかも?)
 そういうルートを代表するキャラ、なので仕方ないんですけど、主人公の選択、でユズ、の性格が変化する、ということが一切ないってことです。ユズは逃げる、というルートのためのキャラだから、主人公が何をしたってユズはユズ。アツロウはアツロウ。オレはオレ、ってわけで、なんかそれに気づいたときに妙な無力感に襲われます。こいつらこっちの言うこと一切聞く気が無いなっていう。もっと仲間になるキャラの自由度を高くして、プレイヤーの好みに一緒に行動するキャラを選べたら良かったのに。
 ただ全体としてはシナリオの出来はそこまで悪くないです。あぁ惜しいなぁ・・っていうところも多いですけど、人間の嫌なところが出ていて、警官、自衛隊、国家権力が一般人を殺しまくってたりと、いいね!押したくなるところもかなりあります。


 どちゃくそネタバレですが、エンディングは主人公は魔王となって悪魔を統べるものとなり、神、との神魔戦争に挑むことになる・・・。という普通の感覚からすると無茶苦茶なエンディングを迎えましたw でも謎の男・・みたいなのも残っていて、続編あるよオーラが出まくっております・・。で実際続編があるんですけど、まさかほんとに神魔戦争から始まるのか??
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 レビューなどにあるようにキャラデザがいつものメガテンらしくない感じで、これがなんかしっくりこないっていう意見が多いみたいです、ワタシも同感。アニメ調であっさりしすぎている。メガテンといえば、時代の流れを無視したライトユーザに媚びないデザインでしたのに。ストレンジ・ジャーニーみたいな・・・w(あれはあまりにも媚び売ってなさすぎてもはや笑ってしまいましたけども)
 ちょっと若者に媚を売った感じになって、おっさんが若者コトバで気を引こうとするみたいないやらしさが出てしまってますね。もっと耽美な感じでさらに媚びないスタイルにしたりとアトラス先生らしく攻めに出てほしかったですね。いまはだいたい萌え美少女、かリアル等身の美男美女、っていうデザインばっかりになってしまってるから。


 でも総評としては、やりごたえも十分で、携帯機でやるにはもってこいのシミュゲーで(携帯機でアクションやるのはなんかやりにくいとワタシは思う)ちゃんと作られている良ゲーです。あとはシミュゲーや合体育成ゲームが好きかどうか、好き嫌いの問題だと思われます。

2018年10月21日日曜日

2013 意識はいつ生まれるのか  マルチェロ・マッシミーニ  ジュリオ・トノーニ

この本は珍しく邦題が冴えている本で
「意識とはなにか?」
 というタイトルではなくて
「意識はいつ生まれるのか?」
 というタイトルなのです。

 意識とはなにか?というタイトルだと、結局は抽象的観念論で、物理的説明は一切ない、ものになりがちですが、意識はいつ生まれるか?となると、これは医学的、な問題で、物理的な解説、測定が可能になるのです。

 実際のタイトルはやたら長くて、こんなに巨大なものはない・・・意識の秘密とその測定・・みたいなタイトルです。確かにこれは直訳しても誰も買わない。

 とにかく「意識」とはなにか?っていうコトバの定義的な、いつまでたっても堂々巡りみたいな議論をスルーして、意識がある状態と、意識が無い状態をどうすれば、物理的な計測が出来るのだろうか?っていうことにフォーカスしています。だから哲学的議論は無しですんでいるのです。

逆を言えば「なんで、物質、に意識、が宿るのか?」っていう究極命題については殆ど触れていません。それが知りたいヒトにはがっかりな本でもあります。問題のすり替えをしてるのです。
 原子の積み木をしていたら、突然、ある日その積み木に意識が宿るのか?ってことです。
 本の最後の方に還元主義についての話があります、物事はその最小の単位を理解すれば説明がつく、ってわけです。それで確かに物理学などは大きく発展してきて、つまるところは電子の働きだ!ってことで、だいたいの運動がそれで理解出来るってわけです、さらに原子の中の素粒子まで捉えようっていういきおい。
 最小単位、の働きさえ理解できれば、それ以降、その積み木のブロックが組み合わさってるだけだからすべて理解出来るだろうっていう。

 意識、の問題はその還元主義が万能じゃないってことを証明してます。還元主義ってのはつまり、数学、のことで、数学じゃ捉えきれない問題もあるんだよってことだとワタシは思います。数学ってのは相互に作用する全体、みたいなのを記述出来ません。この本で言うところの統合されている全体、ってのを表す方法が無いのですね。だから未だに喘息も治せないし、花粉症も治せないし、病院に行っても原因不明ってことばっかしなのですわね。細胞一個一個の働きはわかってるけど、全部が相互作用してるとよくわからんというわけ。


 セカイは数学、で書かれているみたいなこと言いますけども、数学だけ、で書かれてるわけではないんでせう。現在の数学では、記述出来ないだけなのかもしれませんし、数学よりも優れた新しい言語、があるのかもしれません、またはもっと量子的な事象で実はスッキリ説明出来るということもあるのかもしれません。


 別にワタシは、ココロ、は数学で記述出来ない、だからかけがえのない素晴らしいものだってことがいいたいわけじゃありません、ケド世間にはそういう連中がたくさんいますね。すぐに神秘論に飛びつく人々。数学で記述出来ないってことと、ココロが素晴らしいかどうかってことは全然関係が無い。ただ、数学、をディスってるだけです。A君とB君がいて、A君がキチガイだとわかったところで、B君が良いやつかどうかなんてわかりっこない。


 科学は幻想、を打ち破ってきた、ということも書いてあります、コペルニクス的転回は地球が宇宙の中心じゃないこと、つまり神がいないってことを明らかにし、進化論は人間は特別なイキモノじゃないこと、さらに聖書は嘘っぱちだってことを証明してきました。意識、に関する科学は、数学、が不完全な言語であって、すべてを記述出来ないってことを教えてくれるじゃないですかね?


 とにかくはっきり一言で片付けると、結局意識についてはわからん、ということがわかりました。ただ物理的にこの人は今意識があって、このヒトは無い、というのが測定出来そうだ、ということだけがわかりました。

それでもこの本は、すぐに、あっ、これは頭いい奴によって書かれてるなっていうのがわかる、いい本だと思います。たいていの一般向けの科学の本ってのは、なんでそれがわかったのか?という肝心なとこが書かれていません。太陽の温度はXX度です。っていうデータを突きつけるだけで、どうやって太陽の温度がわかるの??どうやって裏をとったのだ?っていうのが書かれてません。むしろ太陽の温度よりも、そのどうやって測ったか、というのが肝心の情報なのに。
 この本はその、どうやって?の部分についての説明が半分で、なるほどそうやって測るのかってのが詳細に記述されております、誠意あるやり方ですね。



 話は変わるのですが、この本イタリア語で書かれていて、作者もアメリカの大学などで働いてるみたいですがイタリア人のようです。イタリア人にも賢いヒトっているんだな・・まぁそうかガリレオとかダ・ヴィンチだってイタリア人だものな・・と思うのですが、現在、イタリアはポピュリズム政権が財政破綻が避けられない予算をぶっこもうとしていて、国債がデフォルト危機ランプが点灯し、金利も高くなっていて、どうもイタリア人が知恵があるように思えない状態です。しょうもないファシスト政党に投票したりと、どうも現代のイタリア人からは知性が消えてるように見受けられます。
 意識、の問題はともかく、脳にはたらきかけて賢くするっていう方法を見つけることは出来ないのかなって思いました。どうやったらもっと脳を効率的に賢く出来るのか?っていう研究をしたほうがいいのでは?
 その脳が素晴らしいとか偉大だとか終わること無い話に頭を突っ込まないで・・・。

 病気の人間を普通に戻す、ということを研究するよりも、普通の人間をさらに良くする方法を見つけるほうが、社会生産的にどれだけプラスかって話です。普通の人間のほうが圧倒的に多いんですし。結果的にそれが多くの人間を助けることになるし・・・、けどそういうとこに政府は予算出さないのですよね。

2018年10月20日土曜日

1885 ハックルベリー・フィンの冒険

 「アメリカの文学はこの一冊から始まった」
とヘミングウェイが言ったとか言わないとか。
 なんにせよ、日本で言うとこの、夏目漱石の「こころ」みたいに、アメリカ文学の記念碑的作品なのは間違いないようです。

 内容はトム・ソーヤーに登場したハックルベリー・フィンの後日談ですが、トム・ソーヤーとはテイストや世界観も異なっており、より深刻で、深い物語となっております。

 だいたいの大筋でいくと、ハックが逃亡奴隷であるジムと一緒に筏で川を下っていく大冒険という物語です。これにより、全面的に人種差別、を扱った物語となり、物議でしかありません。
 ほぼ全編にわたってハックの独白体であり、ハックは南部訛りで話すので、物語全編にわたって方言で書かれてるといったような特殊な文章で書かれています。


 アメリカの歴史って、世界史で殆ど扱われないですよね、たぶん、独立、奴隷解放、までなんと1ページ、ゴールドラッシュののちに、鉄道開通、いつのまにか世界の強国になっていて、あとは棍棒外交・・、世界大戦で没落するヨーロッパを尻目に世界の覇権をにぎるっていう感じ。
 ようするにアメリカ発見から南北戦争、までの間のアメリカの発展の歴史ってのは一切歴史の教科書には載ってません。インディアンを駆逐し、黒人奴隷を大量に導入して農業生産をあげていく、っていうアメリカの基礎、が作られている過程、ここは謎に満ちています。だから日本人としては、アメリカが人種問題でもめてたりしても、なんかよくわかんない、伝わってこないのです。アメリカの根深い問題ってのはこの時代に作られたものだから。

 この小説は1840年台、つまり南北戦争直前の時代の南部、を舞台にしているんですが、アメリカの1840年台ってこんなん!?ってくらいめちゃくちゃです、私闘や決闘、盗みが常態化していてカオスなセカイ。しかし牧歌的で生き生きとしたセカイでもあり、伝道やら日曜学校だの、キリスト教の支配が強い時代。

 アメリカの豊かさ、を作ったのは黒人奴隷であることが疑いようもなく、国家が発展する段階ではどういう方法にしろ、奴隷労働的なものが必要であるというのも事実。しかしわざわざアフリカから奴隷として人間を積み込んで来て、それを働かせて農場を経営するなんて、ものすげーことをやりやがるものだと言う感じ。想像力を超えてます。それも船、で。何ヶ月も決死行を繰り返してそんなことをやるんです。頭がどうかしてるぜ。死ぬのが全然怖くないんか・・っていう感じ。
 ヒトラーとユダヤ人、ヒトラーは最悪のクズ、っていうイメージをさんざん植え付けられていますけども、奴隷貿易、をしてたアメリカと欧米諸国っていうのは、どう考えてもそれ以上にひどいし歴史も長いし、根が深いです。
 けどアメリカを誰も戦争で叩きのめせないが故に誰もそれを追求出来ないという闇のふかーーーい問題です。結局のとこ、何が悪か?というと戦争で、負けること、ただそれだけが悪であって、勝てばすべて許されるんだな・・っていうのが私達の教訓ですかね。

 アメリカの歴史っていうのはそういうことだとワタシは思います、とにかく、勝て、それがすべてである。ってわけです。

雑談 2018 秋 その2

 さてさて、秋も深まってまいりましたがw

 MLBPO、レッドソックスかアストロズ、これが事実上WSでしょ、って言ってましたが、予想外にもつれないでレッドソックスがすっと勝ってしまいました、むしろアストロズ有利だと思ってたので予想外。やっぱ連覇を目指すってのはモチベーション的に難しいんでしょうね、アルトゥーベもコレアも本調子じゃなかったってのも大きかったですね。

 逆にLAとMIWはもちゃもちゃともつれあっています、まぁどっちにしてもWSはレッドソックが相当楽勝なんじゃないかっていう感じ。ベッツ、ボガーツ、ブラッドリー、などパンチ力もありつつ、若くて、さらに足も早い、っていう生きのいい打線が揃っております。強打者=ややデブであるが、長打力がある、っていう図式は崩れて、こういう運動能力高い系のバッターを揃えるほうが強いっていうことですよね。ただピッチャーはそれほどでもない、セールは怪我明けで不安定だし、プライスもどっかプレッシャーに弱い感じがまだあります。まぁ打ち勝ってくスタイルなので、RS優勝確率は80%ってとこですね。

 
 ほいでNBA開幕しましたね、GSWが戦力ダウンするどころか、さらにカズンズまで加えてさらに補強するという、いやもう95%GSWの三連勝は決まりっていう感じ。去年ファイナルをストレートで圧勝したのにさらに補強するなんて、面白くもなんともない。ここに来てGSWは完全にヒールになったっていう感じですね、もういいよってみんな思ってる。カリーかデュラントが大怪我するのを願うばかりw じゃなきゃ面白くないもの。
 
 しかしGSW以外、は完全な混戦でこれは面白いですね。やっぱしレブロンが移籍したレイカーズですよな。PGにはロンド。ロンドとレブロンが一緒にプレイしてるのってすげー妙な感じ、果たして機能するのか・・?さらなる補強は出来るのか?見ものですね。レナードも移籍しましたがワンマンチームでこれはちょっと勝つのはむずですよな。そいでセルティックスはすげーいい感じのチームになりました。これはかなり勝ち進むのは間違いないって感じ、実はセルティックスファンのワタシには嬉しい限り。アーヴィングどうか怪我しないでくれ!!
 あとはロケッツですね、メロが加わってメロとポールの親友コンビが誕生、メロ、ポール、ハーデンの3人、爆発すれば面白いって感じ。対GSWの最有力。
 ともかくGSW以外はおもしろそうなシーズンになりました。

2018年10月8日月曜日

雑談 2018 秋

 最近めっきり更新してないので雑談など。

 すっかり秋ですねw 

 ミスチルの新アルバム発売・・・、いや、ひどい出来だぜこれは。こんなくだらない曲作るバンドだったっけ・・やっぱ耄碌したのか・・・、なんでバンドってのは年をとるとダメになってしまうんでしょうね。作曲家とかだったら、年取っても頑張るって場合もあるのに、バンドで年をとって良くなったってのは一つも思い浮かばない。星1つ。


MLBポストシーズンが始まりました、ワタシ的には、秋というとオクトーバーベースボールですね。だいたいポストシーズンが佳境になると、NBAが始まるっていう感じでもあり、あとNFLのシーズンでもあります。つまりスポーツの秋ってことか。


 レギュラーシーズンでは圧倒的だったレッドソックスですが、PS初戦がヤンキースで、なかなか苦戦しそうな感じ。一方もうひとつの優勝候補アストロズは圧巻。これは間違いなくワールドシリーズはアストロズですな。ピッチャーの布陣が硬すぎる。まず優勝は70%くらいアストロズって感じ・・・。



 改変時期で、ニッポン放送のラジオで秋番組が始まりました、ココリコ、中川家、よゐこ、とばっつりベテラン芸人の番組。めっちゃひさびさに地上波のラジオを聞いております。なんか番組構成がめちゃで変な箱番組やら道路、天気情報が多すぎますけども、なかなか面白い・・かもしれません。
 最近はワタシはエロゲー声優のラジオばっかり聞いてますねー。なんで地上波を聞かなくなったかというにテレビの話ばっかりする番組ばかりになってしまったからですね。テレビを全然見ないワタシには元ネタがまったくわかんない。やれ〇〇っていう女優がカワイイとか言われても知らないしワイドショー的なネタもニュース見ないのでちっともわからん・・・。
 
エロゲー声優ってのがどういう人々がなるのか?ってのがワタシは知らなかったのですけど、普通の声優になりたかったけども、仕事が無くて仕方なくエロゲー声優、ってのもまぁまぁいますけども、だいたいは、ごりごりのヲタクとかBL好きとか、百合女子とか、あとなんか・・普通じゃない感性の持ち主wがエロゲー声優になるのですね。つまりは、ワタシと同類という感じです。
 あっ!このヒトたちの言ってることすっげぇわかる!!って共感します。こういうところにワタシの同類はいたのかっていう感じ。

2018年10月7日日曜日

1978 おれは鉄平

 ちばてつやによる剣道マンガ??なんですが、主人公のデザインジョーそのもので、ボクシングの次は剣道か・・・でもジョーより良いもの出来るはずないよって思わせますが、内容は実はまっったく違います。

 主人公の鉄平は、むちゃくちゃな親父に育てられてほぼ浮浪児みたいなヤツで学校にも行ってないっていう設定で、これもジョーそのものじゃんって感じなのですが、すぐに金持ちの家の息子だと判明します。

 自然児として育って鉄平は一般社会と全然折り合わないでいたずらや乱暴ばかり・・・、もういいよ!ってくらいこの鉄平は自然児でルールに縛られた文明とはうまくやっていけないという描写が続きます。警察署をダイナマイトでぶっ飛ばしてみたり、電柱にのぼったり、気持ちの悪い動物を育ててみたり、先輩と喧嘩したり、居眠りしたり、酒、煙草、博打・・・
 なんなんだこりゃあ?ページ稼ぎか?さっさと剣道やれよ!っていう感じで、すったもんだするばっかりでなかなか剣道は始まりません。あまりにも自由奔放な鉄平に腹が立ってきますw

 ですが!途中から、鉄平にだんだん好意を抱くようになります、剣道部のキャプテンに死ぬほどしごかれてぶっ倒れたあとに
「キャプテンや先輩はおれたちをしごいてるばっかで自分たちは練習してない、これは俺たちはあいつらを超えるチャンスだぜ」

 とか言ってのけます。どんだけめちゃくちゃにいぢめられたりしても、人を信じて、未来を信じて、頑張らなくっちゃ~、と鉄平はほんとにくじけることが無いんです。
 あの前半のながーーーい前フリは全部この鉄平の本当に折れないココロ、にリアリティをもたせるためのフリだったのか??って驚きます。だとしたらちばてつやという男・・・ごくり・・恐ろしい子!!

 でもほんとに全部計算してたのでは無いという気がします、なんかいつのまにかそういうことになった、物語が動き出したっていうほうが正解だと思う、でもそういうふうになぜか偶然の一致でキャラクターが生気を放ち始める、というのも、ちばてつや・・・恐ろしい子!!っていう才能だと思いますね。そういう、作家運、みたいなのを持ってる。狙ってはいなかったのに、すべてすぽん!ってうまくハマるっていう。

 2ページに一回は、キチガイだ、というコトバを連発していて、今の基準だとハイダメー!っていう描写のオンパレード。鉄平は未成年で酒を飲みまくってるし、もうだみだこりゃという感じ。無茶なシゴキなども、今では全部アウト。でもそれなのに、このマンガは陽のエネルギーを持ってます、非常に前向き。それがすごい新鮮です。現代のマンガは、規制がめちゃ厳しくなってるのに、なんだか根暗っていうのか、社会はこんなにひどいというのを強調するようなものが多いですね。

 最後の終わり方もめっちゃくちゃ、ハチャメチャです。まったく剣道とは関係ありません。剣道マンガ、では無いのかもしれません、途中剣道やってて、とにかく、鉄平というのはむちゃくちゃなガキだ、こういう無茶苦茶な人間がいなくなってしまったよな、っていうお話だと思います。
 
 確かに現代のマンガは型にハマりすぎてる嫌いがあります、月九ドラマみたいに始まった瞬間に最後まで物語がわかる、おそらく言うであろうキレイゴトも、全部もうわかりきってる。このマンガはほんとどういう展開するのか予想外です。これは・・破綻してるとも言えるのですけど・・・。
 しかし32巻も出てる長期連載でして・・いやはや。昨今のマンガに慣れたヒトには勧めませんね、昔のまんがってこんなに無茶苦茶だったんだなぁというのが読みたいヒトはどうぞって感じ。