2024年7月31日水曜日

1908 赤毛のアン 

 名前は聞いたことあるけど内容知らないシリーズ。


 ワタシはこういうのを元ネタ集め、としています。


元ネタを知らないと楽しめないものは多い。


 けどたいてい元ネタってやつは面白くないことが多い。古いものですので。


 この本もたいして面白くないです、まぁ100年以上前の本なんだからあたりまえっちゃそうです。


 カナダを舞台にした本で、カナダを舞台にした本を始めて読んだかもしれん。

カナダの独身の兄妹、に手違いでひきとられた孤児のAnne が、高校を卒業するまでの物語っていう感じで、基本何も起こりません。

 もっとおしゃれな服がほしいとか、自然がきれいだとか、ケーキがうまいとか、そんな感じです。


 アンのキャラは一発で表現出来ますが、ジブリの映画の主人公です。


まぁ!素敵ね!

 

 とか声に出して言うタイプ。素敵ね!って口に出して言う人なんていないし、言ったこともありません。


 もちろんジブリのキャラが赤毛のアンっぽいってことなんですが。


 本当に最後の最後にちょっとした事件がありますが、この手の少女小説みたいなもの、ってこういうものと決まっております。


 なんでこの本がそこまで人気なのかあんまりわからんのですが、ワタシがこういう日常系、みたいなのが好きじゃないってだけなのかも。

 どうぶつの森が大ヒットするように、こういうなんも起こらない、スローライフみたいな話が好きな人もおるんでしょう。


 正直まったくおすすめできない。

2024年7月24日水曜日

1999 聖剣伝説レジェンドオブマナ

 人は誰も愛さなくても生きていけるが

誰かを愛すれば人生はもっと豊かになる

                 

すべては君にまかせる

それが僕の力だ

すべてを滅ぼすというなら

僕はそれを祝福しよう

 

               賢者詩人ポキール




 聖剣伝説シリーズの作品・・・

 っていうかこの時期のスクウェアはすごいですね、4ヶ月に一本のペースで作品出してる、Fゼノギアス、FF8、サガフロ2、聖剣・・・、追われるように作品を作っている。すごいぜ。

 でもどれも、名作ですが、細部がめちゃめちゃな作品が多い。

当時のスクウェアは締め切り絶対主義で、締切遅れたら、そこで解散。クビ?みたいなことだったらしく、野心的だが生煮え、みたいな作品が多いですね。

 でもそれもある意味では良き。締め切り、ってものがなきゃ終わらないもの。あそこもっとよくしたい、ここもっとやりたい、ってか最初に作ったとこクオリティ低くね?ってかここ辻褄あってない。実際このシステム導入してみたら、プレイ感もっさい・・・みたいなこと。いつまでたっても終わらない。無理やりにでも終わらせる必要がある。

 

 もちろんそれぞれにチームがあって別で動いてるのでしょうけど。FF7爆裂ヒットにより金があったのかもしれません。

 それがあんなことになるとは・・・w


 聖剣シリーズなんですが、なんかプレイ感はへんてこりんな感じで、育成要素などがめっちゃ充実したベルトスクロールアクションRPGって感じでしょうか。

 特に移動にすっごいクセがあって、最初なかなか慣れません。


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ランドマークシステム


 という謎システムがあって、地図上に自分で街とかダンジョンを設置してそれを攻略するって感じ。マイホームという拠点から離れた場所におくほど敵が強くなる。

 さらにマナ、というのがあって、設置する場所でマナの影響を受ける。

 とありますが、初見プレイではマナの管理なんかできるわけない。自由におけるようで、マナを連鎖させていくには定石があるみたい。さらに曜日、もある。曜日がどういう効果なのかまったくわからん。

 でもわたしは今回は攻略情報あんま見ないでやることにしました。

なにしろこのゲームヌルゲーでして、サガフロ2と違って小学生向け。正直ふきとばしでタコ殴りするだけでノーダメで勝てる。遠距離武器にいたっては強すぎ。さらに武器も作ってしまうと、ヌルヌルになってしまう。自分で縛りを設けてプレイしないと簡単すぎます。

 

 聖剣シリーズは基本ヌルですからね。2も魔法連発が強すぎたし。むしろ一番の難関はマップがわかりにくいってとこくらいです。


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 グラフィック

 背景に関してはめっちゃいい。良すぎる。いかにもファンタジーって感じでして、ワタシはこういうファンタジー系が大好きマウンテン。昨今のゲームのリアル風、Unrealエンジン、メガスキャン、っていうグラの作り方だと基本全部一緒。写実、ってのは一種類しか無いわけです。ワタシは完全にあの感じは飽きた・・・。レジェマナの背景はさいこーだぜ。


 キャラクターに関してはクセ強すぎ。特に人間キャラはクセの塊。これが気に食わなくてこのゲームハマらない人が多そう。男なのか女なのかもわからん。

 人間以外のキャラは個性があっていい・・・と思う。でもこれも好みが分かれる。生き物なのか物なのかもわからん。ゴミ箱(ポット?)みたいな生き物もいるし、変なドラゴンが賢者だったりする


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 シナリオ

フリーシナリオなので、どう進むかはあなた次第。

 よってよくどうしたら進めるかわからなくなりがち・・・。特に宝石のイベントはほぼ必須イベントなのに相当フラグがややこしい。他にもとにかくイベントの進め方などがわからなくなりがちです。戦闘は簡単だがこっちが難しい。

 これ最強武器の入手手順?ってくらいだるいお使いイベントが無数にあって正直めんどうすぎる。

  ほぼすべて隠し要素って感じで、最後まで武器のカスタムや、マイホームの施設まったく開放できないってことよくある。

 ほいで何度も言いますが敵は弱いのでそれでなんにも問題にならない。




 ただ、世界観、はローテンポでありながら、ファンタジーの魅力に満ちていてめっちゃ良いです。物語、というよりは、ファディナという世界自体が物語っていう、オンラインゲームっぽいシナリオの作り方ですね。会話のテキストなどもキレがある。



ざっくり物語を説明すると、マナの木の力を求めて古代の人々は争い続け、やがてマナの木は枯れてしまった。

 マナを蘇えらせようとする人々に、賢者は言います、マナを蘇らせたらまた争いが始まる、マナの木なんてないほうがいいのだ。マナなんてなくても生きていける。

 賢者に対していうのがポキールのセリフ。


人は誰も愛さなくても生きていけるが

誰かを愛すれば人生はもっと豊かになる

 マナのちからは、愛の力

想像するものの力

                 


 この世界は、想像すること、によって生まれるのです。自分の想像すること考えたこと、が世界になる。生き物の悪い部分だけを見ると、悪い世界が生まれるし、良い部分、あるいは他人を愛することによって、愛のある世界が生まれる。生き物の悪の側面だけを見ないで、良いところへ想像力を広げれば、マナがそれに答えてくれる。非常にファンタジーしていておもろい設定ですな。


 短い物語も、説明しがたいのですが、なんだか深みがある。シリアス系じゃない、味わい系の話だと言えます。たぶんロマサガチームが相当これに入ってますね。

 ロマサガにジュエルビーストっていう謎のモンスターがいますが、ジュエルビーストの正体がなんなのか、このゲームでようやく明らかになる。

 FFからのパロディとかゲストもいて、ファンにとっては非常に楽しい。


 特にポキールというキャラクター、これがあの ポキールか!! 知ってる人はびっくりしますね。このゲームで最大の重要キャラと言えます。


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総論


 やっぱり、気になるのは難易度。育成要素いっぱいあるけど、全然必要ないくらい敵が弱い。でもアクションゲームなのでアクション苦手な人にもクリアできるようにするとこうなるのかも。アクションってやつは難易度調整がムズイですわね。上手い人はノーダメで倒せてしまうけど、へたっぴーはちっとも進めないってことになってしまうから。


 でも世界観、グラ、ストーリー、とっても良いので是非遊んでみるべき。最近HD版も出たし、さくっとクリアできます、攻略順さえわかれば。

 アニメ化もされてたんですね・・知らんかったわ・・・

2024年7月21日日曜日

-91 史記 列伝1 平凡社

 天道是可否


 死を覚悟すれば勇気が湧いてくる

死ぬことは難しくない

 どのように死と向き合うのかが難しいのだ  

     司馬遷 列伝 藺相如

 

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 史記はもちろんいろんな訳が出ていますが、漢文調のもの(明治書院のやつ)は原文どおりと言えますが、非常によみずらい。岩波のやつはそれに加えてフォントが読みづらいので最悪。

 ワタシは訳文ってのはよみやすいのが一番であって原文主義は意味わからん。読まれなきゃ、本はただの資源ごみです。文語体のものなんてこれから誰がよむねんって話。しかも訳文も古い。

 司馬遷も難解な文章を書こうという意図はまったく見えません、とにかく簡潔でキレのある文体。

 この文庫も50年まえくらいの訳ですが、よみやすいように書かれていますのでこの本がおすすめ。


史記の中でも一番有名なのが列伝。


 ようするには個人の伝記です。王族などは本紀、世家、などにあるので除かれている。

 しかし偉人だけではなく、失敗した人など、様々な人が収録されていますし、司馬遷の1言みたいなものあって、読みやすい。

 

 それぞれ過去700年の中で特筆すべき人物の伝記が乗っております、一人ひとりが長編小説になるくらい面白い、とにかく波乱万丈な人々ばかり。

 やはり乱世の人の人生はおもしろし。この時代が中国の最盛期であったことがよくわかる。それは文明が発達して豊かということではなくて、とにかく人間が、自分で考えて、自分で人生を切り開いていく、面白い時代だったというわけです。

 奴隷や乞食から大国の宰相や将軍になる人もいれば、もちろん王族でも一瞬で転落する人もいる。

 

 この1にはだいたい、周から秦の始皇帝まで、くらいの人がのっています。

 老子からはじまり、屈原まで。

戦国四君、四将など、おもろい人物ばっかり。


 白起が趙の兵隊を40万人穴埋めにした。というにわかには信じがたいお話がありますけれど、順をおっていくとなるほど、そういうことね。ってことがわかります。

 白起がはちゃめちゃ残酷非道のサイコ野郎ということではまったくないのです、そんなやつが名将なわけありませんしね。

 むしろ悪いのは、廉頗を更迭させて無能な将軍に交代させた趙王であり、さらに遡れば、歴史的に、三晋は合従連衡を繰り返して、裏切りを繰り返しつづけていて、とうとう秦がキレたという事情があります。

 でもそれも趙という国が中央にあり、四方八方敵に囲まれていて、権謀術数の中心地にならざるをえなかったという地政学にあるといえる・・・

 さらに白起はずっとそれを後悔してたみたいですね。さらに子供など若い兵士は殺さなかったとも・・・

 白起に同情します、有能すぎたが故に、あらゆる戦闘で勝ちまくり、100万以上の人を殺したヘイトを一身に集めてしまったというわけ。社会というのは度を超した天才を許さないものなり・・・

 

2024年7月19日金曜日

1999 サガフロンティア2

  サガシリーズの作品なり。


 最初クソゲーとされてましたが後に再評価されるという珍しいタイプのゲーム。ゲームが再評価されることなんてあるんや。

 でもそれもうなづけます、このゲーム、はじめは、なんやねんコレ!意味わからん!って感じなのですが、だんだんと、わかってくる。そのわかってくる、まで耐えられるかどうかですね・・・。

 まぁ意味わかってからでは遅いのですけどw 

序盤に、やっておかないといけないことがたくさんある。はじめからやり直すしかありません。


 サガフロ1とは、まっっっったく作風が変わりました。全編ドットでテクスチャもほぼ手書き、舞台も中世?っぽい感じ。同時期のFF8とは真逆ですね。

 むしろロマサガ、特にロマサガ2に近い感じでしょうか。でもキャラは四頭身っていう珍しいデザイン、かわいくもかっこよくもない。これはロマ3のほうが良かった希ガス・・・敵のグラも、疑似3Dなので、イマイチ。スクウェアの職人ドット絵が見たいお・・・


 シナリオもまた独特。年表上の出来事を自由に選択して、それを見ていくっていう謎極まりないシステム。

 戦闘システムも複雑怪奇。


 サガファンはFFとは違ってこんなのには慣れっこ。最初の敵にワンパンで落とされても、ふーん。やっぱサガじゃん。って感じで余裕です。序盤めちゃきつい、ってのはサガでほぼ共通。

 詰み要素があっても、それも慣れた者。サガユーザはちゃんとセーブデータを分けております。

 ロマサガ2で敵強くなりすぎて詰みってのはさんざん経験してますのでね。今回戦闘回数で敵がどんどん強くなるっていう鬼畜システムはありません。それが救い。サルーインシステムもない。と思う。


 当然、今回も意味わからん強い敵が雑魚として普通に出てくる。しかも逃げられない。

あとLPでは死ぬことはまずないのですが、普通にイベントでキャラが死にまくる。救済もない。育ててたキャラが死ぬとあーーーーってなる。

 だがそれを受け入れるのがサガ。


 ただ

武器壊れる

属性は装備とフィールドにあるものしか使えない

HPが戦闘終わっても全快じゃなくて微妙に回復

パーティの出入りがクソ激しい

デュエルで技を習得しないといけない

基本二度と戻れない

基本街とかが自由に移動出来ない


 などの要素は、うっ!!ってくらいますね。

シナリオが進むと、時代、が進んでしまうので、戻れないのです。

とくに武器壊れるのはきつくて、基本カネも手に入らないので武器も買えない、レベル上げしようとすると武器がなくなってしまう。よって基本術メインってのが一般的な攻略法になっている。

 たたかうやっときゃ勝てる、ベタなRPGの真逆、たたかうはむしろ一番ダメ。貴重な武器が壊れる。武器を長持ちさせるために大技で一発で仕留めるのが肝要。強い武器はボスようにとっておき、雑魚はゴミ武器で戦うべし。

 普通のRPG気分でやってると武器消滅詰みが起こる。


 どんどん進めていくと、壊れない、金属武器、が手に入るし、クヴェルという壊れない魔法器みたいなのも出てきてぐっとラクになる、やっぱり序盤が一番きつい序盤ゲームなのです。


 本作ではLPは底力的な役割で、どうしても勝ちたい時に消費するとHPが全快します。もったいなくて使えないと思いますが、わりとこれを使うバランスで調整されてるので、ボスみたいなやつにはどんどん使用して問題なし、むしろ使わないでドラゴン系倒すのは無理。雑魚には使うべからず。


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 サガフロ構文 


 サガのセリフ回しはアイスソードに見られるごとく、非常に簡潔なのですが、このサガフロ2にいたっては、時間がぶつ切りされて物語が進むのでもはや俳句の域、どういうこと?どういう意味??ってのはプレイヤーが補完せねばならない。

 テキストボックスがそもそも小さいのです。俳句くらいしかはいらない


きみはどうする


さあ、どうかしら


知りたいのです

彼の運命を


それならワタシも

協力しましょう


オマエはおれの生き写しだ


気持ちわるいこというな


あれはもう兄じゃない

化け物だ


いいえ、兄さんよ

だって兄さん泳げなかったもの


パパーパパー


こんな調子。ある意味非常にリアルですね、リアルではべらべらと長台詞をしゃべるやつなんていませんから。


 プレイヤーにおもねらないですねぇー、そこがサガらしさ


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 ゲームバランス

 敵は正直めちゃくちゃ強い。普通のゲームのボスのHPの倍はあると思っていい。

超火力の敵も多い、育ってないと容易に詰む。

LPでガンガン回復してなぐるしかないが一発で沈むHPだと詰み。

連携技や防御無視をしないとダメージが入らない、連携必須。

技や術をひらめいてないとロクにダメージ入らない

 更に悪質なのがバステ攻撃で、バステ防止アイテムはたいていイベント絡みのレア。もってないと詰む。戻ることももちろん出来ない。


 戻れないしレベリングも出来ないし、敵も激烈強い

レアアイテム回収してないと詰む。というゴリゴリハードバランスであります。


攻略情報などで、わかっていれば、わりと簡単にクリアできる。わかってるかわかってないかで運命が分かれるゲームですね。

 ポイントは最序盤に技や術をほとんどコンプリートしてしまうってことです。


 とくにわかってないとまずいのが装備の受け渡しです。一つシナリオが終わったら、街を選択します(グリューゲル)、そしたら一つ前のシナリオのパーティで街にいけます、そこで装備を全部外す、ゴミを売る、クラウンを換金して、次のシナリオ、そしたらまた最強装備で挑めるというわけ。

 パーティ外キャラの装備をもってこれるのは一部シナリオだけなので、こうやって装備編成をしないといけません、必須テクニック。シナリオすすめるごとに装備をはぐ。

 こんな面倒なことさせないで普通に全部装備も共通にしてくれりゃいいのでは・・?


またこれもわかりにくいのですが、JPが毎ターン回復するアイテムがあります(たいていのクヴェル)、これを装備しまくることによって魔力切れしなくなるというわけ。

 たいていの雑魚はファイアストームで焼き払えます。



  ラスボスに関しては、正直めちゃくちゃ強い。っていうやり方を知ってなきゃ無理。やり方をわかってないでノーヒントで勝てるんか??


 仕様の複雑でして、ラスボスである、エッグには、6体の将魔という手下がいて、こいつらを倒すとラスボスの能力が減る。よくあるやつやん、と思いきや。

 まず水、と炎は普通に戦えるし、当然倒すに決まってる。

他の4体。は四体のうちから2体選んで、しかもパーティ外のサブキャラがワンオンワンで戦う。

 という完全な初見殺し。


 さらに、この四体の中の石属性の将魔、と戦って勝っておかないと、エッグが

エンシェントカース  全員石化100%即死


 というなめんなこいつ、っていう技を放って来ます。石化無効の防具なんて普通二個までしか取れないし、装備もしてない。

 だからどうやっても、石の将魔だけは倒さないといけない。まずこれを選んでない時点でオワリ。ひどすぎる。サブメンバーまったく鍛えてなかった場合もオワリ。(装備次第ではいける)


 ラスボスは即死耐性必須、とありますが、実際にはボスのLP削り攻撃をガードしないと主人公であるジニーがLP切れして全滅扱いになるということ。

 だから全員ではなくて、ジニーと、プルミ、の二人、さらに一個前の木の将魔が即死防御のクヴェル「ラストリーフ」を落とすから、実質、一個、というか、なくても、この木の将魔さえ倒してればいけると思う。

 つまりとこ石、と木、の将魔をサブメンバーで沈められるか。ここにすべてがかかっています。戦う前にもう勝敗はついてるのだ。

 ラストリーフは絶対にジニーで決まり。


 あとは連携でダメージを与えて削りきれば勝ちなのですが・・・

技ポイント切れがち。


 連携が不発でも、グスタフのギュスターヴの剣がほぼ特攻みたいな火力なので、グスタフさえ攻撃し続ければOK。だからグスタフの技切れは痛い。よってJP消費の疾風剣、これがとにかく肝。このゲームの肝は疾風剣です、これしかない。

 金属装備、結局使わないか、使うとしたら剣適正があるのはジニーしかいないので、最強剣と金属装備をするならジニー一択・・・・、でもワタシは全員術ビルドにしたので、ラスボスにどんだけ通るのかわからん・・・・


 攻略サイトにあるように

疾風打→焼失→獣一閃→ベアクラッシュ の連携が決まると1万超えのダメージが入るのでやっぱりおすすめ。魂の歌、マルチウェイはやりこみ勢しか覚えません。 


 それでも結構ギリギリの戦いになる、どんだけ育ってるか次第だろうけども。


忘れてましたが、ラスボス前に、LP回復アイテムを持ってることも必須。これも知ってないと無理。


とにかく攻略情報なしでは鬼畜難易度と言えます、っていうか無理だろ・・・?どうなのかしら?ノーヒントクリア可能なのか?

 っていうかそもそもノーヒントではラスボスまでたどり着けない気がします・・・途中で折れてる。

 

 調べて見ましたが、発売当初、ラスボス倒せなくて、ふざけんなクソゲーや!ってなった人が多かったみたい。

 ラスダン突入時点でもう勝負は決まってて、戻れないし、勝てない。これは確かにしんどすぎます・・ラスボス勝てなかった場合に戻れて、強化とかができる救済があって良かったですね。


 でも勝てない。という物語もあっていいんじゃないか?ということで作られてるのかも・・と思いました。RPGは必ずラスボスに勝てる、その当たり前、に挑戦したのかも。


 おいおい、こんな奴らに本当に勝てるのかよ?と彼も言ってますし。


 まぁそれならバッドエンドのエンディングも用意するべきではありますね・・・

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戦闘システム


 サガのおなじみのひらめきシステムですが今回陣形はなし。ですが行動順の指定が可能でさらにロール、というものがあります。役割を決めることでできて、これで攻撃重視や行動速度、術、など役割を決めれるのですが、このロールがなんと25種類くらいある がバグでほぼ機能してない らしい。特に一番ベーシックかと思われる「自由行動」にいたってはマイナス効果しかありません。なんと!w

 内部計算がわかりませんが、この実は機能してない、ってのがウィズっぽくて熱いですね。機能するロールもあるみたい。


 連携のメカニズムもむずい。これはまぁ偶然にまかせるっきゃあないよね。うまく戦うにはかなりシステムを理解するのが必要であり、戦略性は非常に高いといえますし、やっぱりひらめきはおもろい。ただデュエルじゃないと覚えない、特に術技・・ってのがあって、強いボス相手にひらめいて一発逆転、ってのが出にくくなってるのは残念。デュエルシステムは正直いらないと思う・・・。デュエルで狙った技を覚えやすくなってるのも、逆にひらめきシステムの良さを消してる気がする・・・偶然ひらめくからいいのでは?


 さらに耐性とかの補正がバキバキなので装備の組み合わせも非常に大事。耐性無いと死ぬが、あると0、みたいなバランスなので、天と地の違いです。

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  シナリオ

基本的には、エッグ、と呼ばれるものを手にした人間は力に魅入られて暴走する、それを封印するためにウィリアム一族が世代を超えて戦う。という話で、同時にストーリーの補完としてギュスターヴ篇もあるって感じです。

 本筋はとにかくナイツ一族の戦いでして、ジョジョ1,2部みたいなことです。


(ヘンリー)→ウィリアム→リチャード→ジニー

の三世代、100年の戦いです。


 古代文明が発明したクヴェルという永久魔法機関みたいなのを発掘することで現在の文明は成り立ってますが、ギュスターヴのように、魔法ではなくて、ツール(金属)、を利用するという人々も現れ始めている・・・


 ということなんですが、前述したとおり、極めてあっさりとしか説明されません。行間は自分で考えろってこと。

 こういう自分で考えろ系の話は、当然のことながらプレイヤーの想像力がストーリーの豊かさに直結するので、つまらん話だと思うか、なるほどな・・と思うかはあなた次第であります。

 ワタシはなかなか良くできた話だと思いました。鉄の装備をすると、アニマが阻害され術が弱くなる。

 ほいでギュスターヴが育てた、鉄、はゲーム内でどこに反映されてるのか?って思いますよね。

 剣の攻撃力を見よ。他の武器は攻撃力が30そこそこで最強武器なのですが、剣だけは70を超えます。金属剣、だけが破格の攻撃力を持っているのです。金属文明は魔法文明と戦える力を得たのだ・・・。

 さらに疾風剣という技が低燃費で異様に強い。剣が明らかに優遇されてます。ラスボス戦でギュスターヴの剣が輝く。


 エンディングは正直めちゃくちゃ良い。非常に短いのですが、こんなにキレのあるエンディングはめずらしい。そういうことか!

 ここにたどり着くのが相当厳しいこともあって、感動もののエンディングです。うだうだ語らない、侘び寂びが効いてますね。

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 総論

このゲームは普通のRPG、に対するアンチテーゼなんですね。レベル上げすりゃ勝てる、時間かければ勝てる、っていうのが普通のロープレ。サガはそうじゃない、無駄に戦ってはダメ、武器も温存しないとダメ、通常攻撃しちゃダメ。シナリオは時系列で進めなくてもいい。主人公あっさり死ぬ。ラスボスには基本勝てない。すべて普通の真逆。

 普通のRPGへの挑戦、だと考えると、これはワタシは名作だと思いましたね。最後までひやひやする。これ勝てるのか・・?って。時間かけりゃ攻略できる、っていうRPGの安心感が無い。緊張感のあるRPGです。

 昨今、こういうゲームが人気がある、ってのがもう出来上がってきていて、全部同じゲームになりつつある。さらにゲームエンジンもUNITYかUNREALばっかですので、システムもほとんど似通ってる。

 クソゲーはなくなり、全部、面白いっちゃ面白いのですが。これは一体なんなのだ?どういうことなんだろう?これ攻略できるのか?っていう驚きと発見、のあるゲームは少なくなってしまいました。


グラフィックもほぼすべて手書きで味わいがある。敵のグラだけがイマイチか・・・あと敵の種類少なくない?


 特に面白いのが主人公は、特別な能力を持った人間、ではなく、魔法が使えない、不具者、なのです。ハンデをおった人物が主人公ってのはレア。だから彼は魔法が使えないので、金属を錬成することになる・・・。この世界では魔法の対極が鉄・・・

2024年7月13日土曜日

1951 ライ麦畑でつかまえて The Catcher in the Rye

  誰もが名前を聞いたことはあろうであろう本。


 アメリカの現代小説の代表みたいなことになっている。


 ただアメリカって国は、芸術が根付かない国だとワタシは思うものなり。アメリカ文学、たいていおもしろくない・・・。そもそも歴史が短いってのがある。物語を作るにおいては歴史があるほうが断然いいに決まってる、材料が豊富ってことだから。


 この本もたいして面白くないです・・・


 この本のなかで、どうせ僕は運がないから、どこにいったところで、クソみたいな奴ばっかりのところで、クソみたいな奴に出会って、クソみたいなことになって、そこも放り出されるに決まってるから、どうでもいいんだ


 ぼくは死にたいと思ってけど、血まみれの死体をそのへんのバカにジロジロみられるのがいやだからやめといた

 

 みたいなセリフがあるのですが、それは刺さりました、そういうとこがこの本が若者のバイブルとされてる部分なのでしょう


 とにかくあらゆるものに嫌気がさした、ドロップアウトした青年の物語ってことです・・・でも特になにも起こることなく終わる。


 ワタシは、なにかとんでもない結末があるんじゃないかとドキドキしていましたが、そういうとんでもない結末の本が名作として図書館とかに置かれるわけにはいかないですものね。

 (ワタシは、実はこのしゃべってるホールデンがイカれたサイコパスの殺人鬼で、後々、彼が話していた人物が全員殺されてるってことなのかと思ってました。これはミステリの読み過ぎか・・)


 なんでこの本がそこまで人気があるのか、ワタシにはさっぱしわかりませんでした。でも映画とかでも、なんでこの企画が通ったのだ?なんでこれが人気なのだ??ってものはいくらでもある。

 この世界には、全然ワタシが理解できない人々がたくさんいるってことは、恐怖でもあり、おもろいことでもある、まだまだ知らないことがいっぱいあるということなので。


 そういうわけでは、こういう本が評価されてるってのはいいことなのかも。どれもこれもエログロボカンのハリウッド映画みたいなのだけしかエンタメが存在しなくなったら、ヘドが出ちまうものね。


 この本の主人公ホールデンも、ハリウッド映画みたいなクソは最悪のものだって言っておりますし・・・

2024年7月11日木曜日

1999 ファイナルファンタジー8 Final Fantasy Ⅷ

 オレは他人の荷物は持ちたくないんだ


 一般に、失敗作と言われているFFⅧ。


FF7があまりにも名作で、その次回作ということで、プレッシャーがいかつすぎたのでは?それにしても説明不足、戦闘システム意味わからん、などいろんなことを言われていまする。


 特に主人公のスコールはまぁまぁ人気があるのですが、ヒロインがスーパー不人気キャラとなってしまいました。


 簡単にいうとヒロインはリノアというのですが、主人公のライバルであるサイファーのおさなじみで元彼みたいなことを匂わせる。

 このサイファーってのが、オラオラ系のイカれた男で、リノアの趣味やばすぎだろって感じになる。金持ちの令嬢でレジスタンス、誰にでも媚を売る尻軽・・・

 孤独に凝り固まったスコールの心を開かせる、っていう役割なんですが、どうもなんか好きになれない。

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戦闘システム

 これがⅧの不評の理由の6割くらいを握ってると思う。

正直意味がわからん。


 GFというまぁ召喚獣をつけることでコマンドだったり能力が増えたりするし、能力が増えるにはさらにそれを魔法とリンクさせないといけない。強力な魔法をさらに数を多くセットすることでやっとステータスが上がる。

 レベルが上がってもほとんどステータスが伸びない。よってキャラの強化はひたすら敵から魔法をドロー、という盗むことになる。

 戦闘が始まるとひたすらドロー。全然戦わない。何をしてんねんこいつらって感じ。

戦闘システムがわかってないと、とにかくGFを連発するしかない、でもこの演出が長くて鬱陶しく、テンポ激悪。

 たぶんゲームの中盤過ぎたくらいに、ちょっと待て、魔法はアビリティで錬成するんかい、ほいで強い魔法100個にしたら、急激に強化されて、GFまったくいらんやんってなる。

 またキャラが入れ替わるたびに、GFのジャンクションをいちいち入れ替えるのが本当にだるい。さらに魔法のストックも受け渡さないといけないのが更にだるい。キャラの入れ替えはめっちゃ多い。

 装備も武器、しかない。アイテムの数の絶対数が少なすぎる。


HPがピンチになると特殊攻撃ができるのですが、基本ピンチになることがほとんどないので活躍の機会なし。リミットシステムのほうが断然良かった。

 オーラという魔法を使うとようやく日の目が当たる。


 こっちのレベルが上がると敵のレベルも上がる。これがなんかちっとも成長しない、感の秘密。じゃあレベル上げる必要ないじゃん。まさにその通りで、低レベルでもクリアできます。レベルよりもジャンクションさせる魔法さえあれば良いのです。

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 グラフィック

相変わらずグラフィックはめちゃ優秀で、Ⅶよりもさらにパワーアップしてます。特にキャラクターに関してはゴリゴリポリゴンだったⅦに比べて、Ⅷはやや荒いけどちゃんと人間になっています。FFというとイケメンイケジョということになりましたが、ちゃんとグラフィックでそれが表現できたのはⅧは初めてのこと。数年で超絶進化してます。でもリノアがやっぱちょっとブスかな・・・髪をパーティクルで表現できるようになったぞ!ってのを見せたいみたい。

 スコールはたぶん会心の出来だったと思われる。同時期の他のグラと比較すれば、スコールがどんだけ良く出来てるかわかる。

 

 ただとにかくクソマップはみずらく操作のしずらいのは健在。しかしこれはグラフィックのシステム都合上仕方のないことです。


DISC4はまるごとほぼラスダンとラスボス、あとは全部エンディングムービーしか入ってません。とにかくムービーは気合入ってます。この当時として本当に破格の予算規模で作られてるはず。

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 ストーリー


 ここが一番賛否両論とされてるところ。

 まず主人公達は全員17か18のガキだということを念頭におけ、と賛の人々はいいます、つまりは学生、学園ものなんです。

 キャラデザ的にちっとも学生には見えない、これも問題。こんなばっちり決まった高校生いねぇって。レザージャケットにファー?白のロングコートでオールバック?テンガロンハットにカウボーイブーツ?どんな17才やねん。

 先生、と呼ばれてるキスティスも18才、どういう学校やねん。


Ⅸの登場人物は一人残らず、不安定でめちゃくちゃです。大人も基本クズばっかり。どういうことやねん、のオンパレード。脳筋タイプのゼルだけがまともに見えるほど。

 スコールはとにかく一言では説明しずらいキャラ。いわば17才病みたいなものにかかっている。オレは一人がいいんだ、オレに構うな、悪かったな、ほっといてくれ、が口癖。

 といって内向的なシンジ君みたいなタイプではなくて、時に好戦的、暴力的で、不良っぽくもあり、突然キレてヒステリーを起こす。

 17才という思春期がこじれまくったキャラ。でもワタシも世間もスコールに関しては概ね好評だと思います、あるあるこういう時期って感じで。

 17才のスコールにみんな責任やら命令、任務をおしつけまくって、スコールがキレたくなるのもわかる。


 とにかく説明不足。これが否の大部分を占める。これはまさにその通りで、なんのために何をしてるのか、何がなんなのか?世界観もちっともわからんまま物語が進み、過去編としてラグナという人物の過去をめぐったりする。

 基本的には「魔女」と戦うのですが、この魔女のキャラも薄いというか、セフィロスのカリスマ性とは並ぶべくもない。

 敵、が物語を作るとワタシは思う。敵が物語の質やレベルを設定する。


 説明がどこにあるかというに、チュートリアルの情報、にかかれているのです。こんなとこ誰も見ないって。

 それを読むと、ガーデンに集められた子供は全員孤児みたいなもので、それを引き取って傭兵へと育ててるということ、だからSEEDのやつらはどっか不安定で変な奴らばっかりなのです。

 

 DISC3になると、スコールが突然リノア溺愛モードになり、リノアなしではダメなんだ、みたいなことになります。ディスクチェンジでなにかが飛ばされたのか?と思うぐらい、急にヤンデレ気味に。・・・なにか本当はストーリーがあったけど都合で飛ばされたのかもしらん。急にスコールはデレる、これも謎。


 一番の問題は、ラスボスであるアルティミシアのキャラがめっちゃ薄いってことですね。彼女は、時間を圧縮して、すべての時間をなくしたいのだとか、すべての存在を否定するものとして・・・・


 なんで?


 そのへんの説明はなにもない。FF9もそうでしたが、ラスボスがうっすいのです。物語の深さは、アンタゴニスト、つまり悪役の人格にかかっている。ラスボスがこの薄さでは当然物語も薄くならざるを得ない。


 でもなんとなくやりたいことはわかるのです。こういうことが言いたかったのだろうな、こういう感じにしたかったのだろうな、それがうまくはまらないでなんだかめちゃくちゃになってしまったっていう感じなのでせう。


 

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 総評


 確かに戦闘システムは擁護しようがないくらいひどい、これまでのシリーズで一番ひどいかもしれない。死ぬことや敵の攻撃をくらうことで強くなるというⅡもわけわかりませんでしたが、それとⅧは並ぶくらい意味わからん。バランスも悪い。

 Ⅶがあんなに好評だったんだから、いじくる必要なかったのでは?でも前例にとらわれて新しいことに挑戦しなくなるのも困る・・・

 

 でもただ一言クソゲーとして切り捨てるには、超大作すぎる。当時の最新鋭の技術、斬新な演出、モデリング、グラフィック、ボリュームもCD四枚組で、普通に攻略しても60時間は要する、やりこめば100時間遊べる。

 一言で批評するには膨大な側面があると言えます。


 確かにFF7と比べて、名作、傑作とは呼べない・・・、でも決して悪いゲームじゃないよってことですかね。これはリメイクされるんだろうか??


2024年7月7日日曜日

1927 ビッグ・フォー the big four   アガサ・クリスティ

  全集、で読まなきゃいけないようなミステリー作家は3人いると思います。

まずホームズ、これは始祖だから外すわけにはいかない。

 次にブラウン神父。ワタシは実はホームズよりもこのチェスタトンが、一番すごいと思う。

ほいで、アガサ・クリスティーですね。


 これはまず、知名度が高いからとしかいいようがありません。様々な作品で、パロディになってるので元ネタを知らないと面白くない。つまり、古典、ってことです。

 好き嫌いは別として、古典、はおさえておくべしです、教養ってことで。


 でも昨今この古典、教養を勉強するってのは廃れてきております。すぐにカネにならないからですね。とにかくすぐに快楽かカネにならないものは廃れる傾向にある。

 それは愚かとだけ言えるものじゃなくて、誰もが、危機感を薄々感じてるから、だと思われますそしてその判断は正しい。

 明日死ぬのに、古典勉強するバカはいないってわけで。


 この作品、はっきり言いまして、出来がよくありません。

この1927年というのはアガサファンの間で言われる「空白の時間」でして、名作「アクロイド」が発表されて、大ヒットした後、アガサは失踪します。

 その失踪から帰還したのち、過去の短編をまとめて、アレンジしたものがこのビッグ4。推理ものじゃなくて、アクション映画の台本みたいな話で、陳腐なストーリーです。

 陳腐といってもそれは100年後の今だからそう思うからで、こののちこういうものが量産されて陳腐になっただけで、当時はまだまだ新しい作品だったのでしょう。先見の明があったのだと言えます。 

2024年7月4日木曜日

2013 SHORT PEACE  サンライズ

  サンライズが作った、ショートアニメのオムニバス作品。


4作品収録されております。


 サンライズってこういうことする会社だったかしら??


 大友克洋みたいなビッグネームも参加しております。


 三本目はつまんないですが、ほかは結構気合を入れて作られております。


まぁでもどれもクセが強いかもしらん・・・。


 オムニバスアニメってなんでかしらないけど少女が夢見る系とグロアニメ、あとSFってのが多い、短い尺でなにかやろうとするとそうなるらしい。


 作画の3DCG化が進んでいて、特にメカのパーツ数が多い大友克洋みたいな作風は3DCGだと非常に楽ですわね。

 ただやっぱ3Dに、量感、っていうか力感を乗せるのは難しく、人の表情みたいなのはもっと難しい。

 あといかにも編集で作りましたっていうカメラの手ブレはとにかくみずらいだけなのでやめたほうがいいってことがわかりました。


 短い作品なので、興味がある人は是非。

・・・これ採算とれてるのかしら??


 

2024年7月3日水曜日

-250? 韓非子

 韓非 という法家と言われる思想家が、いわば、春秋戦国時代の思想を全部集めて分析したみたいな本です。


 春秋戦国時代は中国思想の最盛期、たくさんの思想家が、たくさんの思想を生み出した。時代は乱世、どうすればいいのか? という答えを探す、壮大な社会実験、開拓時代だったと言えます。

 ご存知始皇帝がその時代を終わらすことになりますが、始皇帝はこの韓非の法治思想に影響を受けたとか。


 殆どは君主論です。君主は国をよくおさめるためにこうすべき。ということ。


アリストテレスの ニコマコス、とはまったく違いますね。東洋思想は、まず君主制、これはもう疑問の余地なし。ほかの政体があるなんて考えられない、という感じ。

 君主制は前提として、君主はどうしたらいいか?という思想なんです。


 なんでそうなったのかは結局わからぬ。古代ギリシャ以外には、民主政は生まれなかった。


ほいでこの君主論の結論は簡単には


君主は何もするな

厳罰厳刑 とにかく法を守らないものは全て死刑にすべし


 これに尽きます。君主は何もせず、法律、に統治をさせよ、ということ。君主が天才であったとしても、君主がすべてやってしまった結果、名君と呼ばれた人物のあと、ことごとく国が滅んでいる。天才の独裁は、周りをすべて阿呆にしてしまうからです。

 また民を慈しんで優しくすれば、民は感謝するどころかつけあがってあなどるようになる。これは官僚も同じ。情をかけると裏切られる。


 儒学は、仁義慈愛、の道だといいますが、それを韓非子は否定する。

 仁義とは貧しい者や弱いものに施すことであるが、それは何もしていない人間に賞を与えることで、法に背く、また慈愛は罪あるものの刑罰を軽くすることであるがそれも法に背く。

 かならずなにかを与える時はその人の功績に等しくすべきで、刑罰は絶対に軽くしない。罪あるものはかならず厳刑に処す。

 

 現代の社会も一応表面上は、儒学です。それを韓非は厳しく批判してるというわけ。これこそまさに自由な思想ってことですね。今韓非みたいなことを言ったら大批判をくらいますが、その言、まさに傾聴に値すべしって感じです。韓非が批判したようなことがまさにおこっている。

 つまり韓非の言うことは、貧者は見捨てて、罪人は殺せ、ということ。それで国家はよくなる、まさに然り。国家を救うにはそれしかないですが、全ての人間に嫌われることになる。

 つまり合理主義、と言えます。


 でも全体主義とも言えます、すべての民が国家の為に行動しないといけない。法家的には世捨て人や隠遁者も死罪となっております、国家の役に立たない人間はすべて殺すべし。たしかに国家をどうすれば強くできるか、それだけを合理的に考えればその通り。


 さて、ではその結果どうなったかというと、天才、始皇帝の死後、秦は法律に厳格すぎて無慈悲だ、というわけで一気に反乱が発生、あっという間に秦は滅ぶことになる。

 

 その反乱のきっかけになったのは、陳勝という人が、徴兵されたのですが、悪天候でその場所に間に合わない。徴兵に間に合わないと死罪なので、どうせ死罪になるなら、反乱を起こそう、ということになり、この反乱がどんどん大きくなって秦は滅ぶことになる。


 というわけで、法を厳しくしすぎた結果、どうせ死刑になるなら、反乱を起こすべし、というモラルハザードが起きるわけですね。それでも反乱者を殺し続けていったら、結局どんどん民が減っていってやはり破滅することになる。

 

 つまり法治国家、は大失敗だったという結果になりました。


 この千年にわたる、戦争の時代、わかったことは、国家をずっと繁栄させる方法なんてない、すべてのものは必ず滅ぶ。ってことじゃないでしょうか。


 事実、この韓非自身も、始皇帝に気に入られますが、他の側近に恨まれて殺されることになりました。

 韓非はそのことも予見していて、法がよく行われれば、国は富強になるが、富裕層は賄賂がもらえずに恨むし、民衆は真面目に働き、兵役を努めないといけないので憎む。法律はすべての人間から憎まれる。

 

 ワタシは秦や法家のやりかたが、極端すぎたんだという批判は違うと思う、たとえどうやっても、始皇帝は天才で、その子は阿呆だったので、どうしようもない。結局は個人の器によるもので、天才の子がずっと天才という血脈になることはないので、ようするにはただの運、逆らえないものだと思われます。


 この本、というか韓非の褒めるべきところは、当時でさえ、すでに聖人とされていた孔子を真っ向から批判したところですね、たぶん当時ですら、こういう人間は珍しかったのではないでしょうか。

 韓非の言ってることが間違ってるとかいうのは愚か、だって2200年前の本なんですもの、すべてが正しいわけない。韓非も言ってます、時代や状況が変われば、正しいことも変わる。

 なんにせよ、権威や権力に屈しない、気概、みたいなものを持っている、真剣に国家を強くしたいと願ってるのも疑いない、これだけは確かです。こういう気骨と情熱、を持ってるだけで貴重な人材です。


 ちなみに韓非は吃りで口がきけなかったとのこと。つまり自分はしゃべらず、ひたすら人間を観察していたというわけ、それが韓非の人間を絶対に信用しないという原理にあずかってるのでせう。