天道是可否
死を覚悟すれば勇気が湧いてくる
死ぬことは難しくない
どのように死と向き合うのかが難しいのだ
司馬遷 列伝 藺相如
////////////
史記はもちろんいろんな訳が出ていますが、漢文調のもの(明治書院のやつ)は原文どおりと言えますが、非常によみずらい。岩波のやつはそれに加えてフォントが読みづらいので最悪。
ワタシは訳文ってのはよみやすいのが一番であって原文主義は意味わからん。読まれなきゃ、本はただの資源ごみです。文語体のものなんてこれから誰がよむねんって話。しかも訳文も古い。
司馬遷も難解な文章を書こうという意図はまったく見えません、とにかく簡潔でキレのある文体。
この文庫も50年まえくらいの訳ですが、よみやすいように書かれていますのでこの本がおすすめ。
史記の中でも一番有名なのが列伝。
ようするには個人の伝記です。王族などは本紀、世家、などにあるので除かれている。
しかし偉人だけではなく、失敗した人など、様々な人が収録されていますし、司馬遷の1言みたいなものあって、読みやすい。
それぞれ過去700年の中で特筆すべき人物の伝記が乗っております、一人ひとりが長編小説になるくらい面白い、とにかく波乱万丈な人々ばかり。
やはり乱世の人の人生はおもしろし。この時代が中国の最盛期であったことがよくわかる。それは文明が発達して豊かということではなくて、とにかく人間が、自分で考えて、自分で人生を切り開いていく、面白い時代だったというわけです。
奴隷や乞食から大国の宰相や将軍になる人もいれば、もちろん王族でも一瞬で転落する人もいる。
この1にはだいたい、周から秦の始皇帝まで、くらいの人がのっています。
老子からはじまり、屈原まで。
戦国四君、四将など、おもろい人物ばっかり。
白起が趙の兵隊を40万人穴埋めにした。というにわかには信じがたいお話がありますけれど、順をおっていくとなるほど、そういうことね。ってことがわかります。
白起がはちゃめちゃ残酷非道のサイコ野郎ということではまったくないのです、そんなやつが名将なわけありませんしね。
むしろ悪いのは、廉頗を更迭させて無能な将軍に交代させた趙王であり、さらに遡れば、歴史的に、三晋は合従連衡を繰り返して、裏切りを繰り返しつづけていて、とうとう秦がキレたという事情があります。
でもそれも趙という国が中央にあり、四方八方敵に囲まれていて、権謀術数の中心地にならざるをえなかったという地政学にあるといえる・・・
さらに白起はずっとそれを後悔してたみたいですね。さらに子供など若い兵士は殺さなかったとも・・・
白起に同情します、有能すぎたが故に、あらゆる戦闘で勝ちまくり、100万以上の人を殺したヘイトを一身に集めてしまったというわけ。社会というのは度を超した天才を許さないものなり・・・