2024年7月11日木曜日

1999 ファイナルファンタジー8 Final Fantasy Ⅷ

 オレは他人の荷物は持ちたくないんだ


 一般に、失敗作と言われているFFⅧ。


FF7があまりにも名作で、その次回作ということで、プレッシャーがいかつすぎたのでは?それにしても説明不足、戦闘システム意味わからん、などいろんなことを言われていまする。


 特に主人公のスコールはまぁまぁ人気があるのですが、ヒロインがスーパー不人気キャラとなってしまいました。


 簡単にいうとヒロインはリノアというのですが、主人公のライバルであるサイファーのおさなじみで元彼みたいなことを匂わせる。

 このサイファーってのが、オラオラ系のイカれた男で、リノアの趣味やばすぎだろって感じになる。金持ちの令嬢でレジスタンス、誰にでも媚を売る尻軽・・・

 孤独に凝り固まったスコールの心を開かせる、っていう役割なんですが、どうもなんか好きになれない。

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戦闘システム

 これがⅧの不評の理由の6割くらいを握ってると思う。

正直意味がわからん。


 GFというまぁ召喚獣をつけることでコマンドだったり能力が増えたりするし、能力が増えるにはさらにそれを魔法とリンクさせないといけない。強力な魔法をさらに数を多くセットすることでやっとステータスが上がる。

 レベルが上がってもほとんどステータスが伸びない。よってキャラの強化はひたすら敵から魔法をドロー、という盗むことになる。

 戦闘が始まるとひたすらドロー。全然戦わない。何をしてんねんこいつらって感じ。

戦闘システムがわかってないと、とにかくGFを連発するしかない、でもこの演出が長くて鬱陶しく、テンポ激悪。

 たぶんゲームの中盤過ぎたくらいに、ちょっと待て、魔法はアビリティで錬成するんかい、ほいで強い魔法100個にしたら、急激に強化されて、GFまったくいらんやんってなる。

 またキャラが入れ替わるたびに、GFのジャンクションをいちいち入れ替えるのが本当にだるい。さらに魔法のストックも受け渡さないといけないのが更にだるい。キャラの入れ替えはめっちゃ多い。

 装備も武器、しかない。アイテムの数の絶対数が少なすぎる。


HPがピンチになると特殊攻撃ができるのですが、基本ピンチになることがほとんどないので活躍の機会なし。リミットシステムのほうが断然良かった。

 オーラという魔法を使うとようやく日の目が当たる。


 こっちのレベルが上がると敵のレベルも上がる。これがなんかちっとも成長しない、感の秘密。じゃあレベル上げる必要ないじゃん。まさにその通りで、低レベルでもクリアできます。レベルよりもジャンクションさせる魔法さえあれば良いのです。

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 グラフィック

相変わらずグラフィックはめちゃ優秀で、Ⅶよりもさらにパワーアップしてます。特にキャラクターに関してはゴリゴリポリゴンだったⅦに比べて、Ⅷはやや荒いけどちゃんと人間になっています。FFというとイケメンイケジョということになりましたが、ちゃんとグラフィックでそれが表現できたのはⅧは初めてのこと。数年で超絶進化してます。でもリノアがやっぱちょっとブスかな・・・髪をパーティクルで表現できるようになったぞ!ってのを見せたいみたい。

 スコールはたぶん会心の出来だったと思われる。同時期の他のグラと比較すれば、スコールがどんだけ良く出来てるかわかる。

 

 ただとにかくクソマップはみずらく操作のしずらいのは健在。しかしこれはグラフィックのシステム都合上仕方のないことです。


DISC4はまるごとほぼラスダンとラスボス、あとは全部エンディングムービーしか入ってません。とにかくムービーは気合入ってます。この当時として本当に破格の予算規模で作られてるはず。

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 ストーリー


 ここが一番賛否両論とされてるところ。

 まず主人公達は全員17か18のガキだということを念頭におけ、と賛の人々はいいます、つまりは学生、学園ものなんです。

 キャラデザ的にちっとも学生には見えない、これも問題。こんなばっちり決まった高校生いねぇって。レザージャケットにファー?白のロングコートでオールバック?テンガロンハットにカウボーイブーツ?どんな17才やねん。

 先生、と呼ばれてるキスティスも18才、どういう学校やねん。


Ⅸの登場人物は一人残らず、不安定でめちゃくちゃです。大人も基本クズばっかり。どういうことやねん、のオンパレード。脳筋タイプのゼルだけがまともに見えるほど。

 スコールはとにかく一言では説明しずらいキャラ。いわば17才病みたいなものにかかっている。オレは一人がいいんだ、オレに構うな、悪かったな、ほっといてくれ、が口癖。

 といって内向的なシンジ君みたいなタイプではなくて、時に好戦的、暴力的で、不良っぽくもあり、突然キレてヒステリーを起こす。

 17才という思春期がこじれまくったキャラ。でもワタシも世間もスコールに関しては概ね好評だと思います、あるあるこういう時期って感じで。

 17才のスコールにみんな責任やら命令、任務をおしつけまくって、スコールがキレたくなるのもわかる。


 とにかく説明不足。これが否の大部分を占める。これはまさにその通りで、なんのために何をしてるのか、何がなんなのか?世界観もちっともわからんまま物語が進み、過去編としてラグナという人物の過去をめぐったりする。

 基本的には「魔女」と戦うのですが、この魔女のキャラも薄いというか、セフィロスのカリスマ性とは並ぶべくもない。

 敵、が物語を作るとワタシは思う。敵が物語の質やレベルを設定する。


 説明がどこにあるかというに、チュートリアルの情報、にかかれているのです。こんなとこ誰も見ないって。

 それを読むと、ガーデンに集められた子供は全員孤児みたいなもので、それを引き取って傭兵へと育ててるということ、だからSEEDのやつらはどっか不安定で変な奴らばっかりなのです。

 

 DISC3になると、スコールが突然リノア溺愛モードになり、リノアなしではダメなんだ、みたいなことになります。ディスクチェンジでなにかが飛ばされたのか?と思うぐらい、急にヤンデレ気味に。・・・なにか本当はストーリーがあったけど都合で飛ばされたのかもしらん。急にスコールはデレる、これも謎。


 一番の問題は、ラスボスであるアルティミシアのキャラがめっちゃ薄いってことですね。彼女は、時間を圧縮して、すべての時間をなくしたいのだとか、すべての存在を否定するものとして・・・・


 なんで?


 そのへんの説明はなにもない。FF9もそうでしたが、ラスボスがうっすいのです。物語の深さは、アンタゴニスト、つまり悪役の人格にかかっている。ラスボスがこの薄さでは当然物語も薄くならざるを得ない。


 でもなんとなくやりたいことはわかるのです。こういうことが言いたかったのだろうな、こういう感じにしたかったのだろうな、それがうまくはまらないでなんだかめちゃくちゃになってしまったっていう感じなのでせう。


 

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 総評


 確かに戦闘システムは擁護しようがないくらいひどい、これまでのシリーズで一番ひどいかもしれない。死ぬことや敵の攻撃をくらうことで強くなるというⅡもわけわかりませんでしたが、それとⅧは並ぶくらい意味わからん。バランスも悪い。

 Ⅶがあんなに好評だったんだから、いじくる必要なかったのでは?でも前例にとらわれて新しいことに挑戦しなくなるのも困る・・・

 

 でもただ一言クソゲーとして切り捨てるには、超大作すぎる。当時の最新鋭の技術、斬新な演出、モデリング、グラフィック、ボリュームもCD四枚組で、普通に攻略しても60時間は要する、やりこめば100時間遊べる。

 一言で批評するには膨大な側面があると言えます。


 確かにFF7と比べて、名作、傑作とは呼べない・・・、でも決して悪いゲームじゃないよってことですかね。これはリメイクされるんだろうか??