サガシリーズの作品なり。
最初クソゲーとされてましたが後に再評価されるという珍しいタイプのゲーム。ゲームが再評価されることなんてあるんや。
でもそれもうなづけます、このゲーム、はじめは、なんやねんコレ!意味わからん!って感じなのですが、だんだんと、わかってくる。そのわかってくる、まで耐えられるかどうかですね・・・。
まぁ意味わかってからでは遅いのですけどw
序盤に、やっておかないといけないことがたくさんある。はじめからやり直すしかありません。
サガフロ1とは、まっっっったく作風が変わりました。全編ドットでテクスチャもほぼ手書き、舞台も中世?っぽい感じ。同時期のFF8とは真逆ですね。
むしろロマサガ、特にロマサガ2に近い感じでしょうか。でもキャラは四頭身っていう珍しいデザイン、かわいくもかっこよくもない。これはロマ3のほうが良かった希ガス・・・敵のグラも、疑似3Dなので、イマイチ。スクウェアの職人ドット絵が見たいお・・・
シナリオもまた独特。年表上の出来事を自由に選択して、それを見ていくっていう謎極まりないシステム。
戦闘システムも複雑怪奇。
サガファンはFFとは違ってこんなのには慣れっこ。最初の敵にワンパンで落とされても、ふーん。やっぱサガじゃん。って感じで余裕です。序盤めちゃきつい、ってのはサガでほぼ共通。
詰み要素があっても、それも慣れた者。サガユーザはちゃんとセーブデータを分けております。
ロマサガ2で敵強くなりすぎて詰みってのはさんざん経験してますのでね。今回戦闘回数で敵がどんどん強くなるっていう鬼畜システムはありません。それが救い。サルーインシステムもない。と思う。
当然、今回も意味わからん強い敵が雑魚として普通に出てくる。しかも逃げられない。
あとLPでは死ぬことはまずないのですが、普通にイベントでキャラが死にまくる。救済もない。育ててたキャラが死ぬとあーーーーってなる。
だがそれを受け入れるのがサガ。
ただ
武器壊れる
属性は装備とフィールドにあるものしか使えない
HPが戦闘終わっても全快じゃなくて微妙に回復
パーティの出入りがクソ激しい
デュエルで技を習得しないといけない
基本二度と戻れない
基本街とかが自由に移動出来ない
などの要素は、うっ!!ってくらいますね。
シナリオが進むと、時代、が進んでしまうので、戻れないのです。
とくに武器壊れるのはきつくて、基本カネも手に入らないので武器も買えない、レベル上げしようとすると武器がなくなってしまう。よって基本術メインってのが一般的な攻略法になっている。
たたかうやっときゃ勝てる、ベタなRPGの真逆、たたかうはむしろ一番ダメ。貴重な武器が壊れる。武器を長持ちさせるために大技で一発で仕留めるのが肝要。強い武器はボスようにとっておき、雑魚はゴミ武器で戦うべし。
普通のRPG気分でやってると武器消滅詰みが起こる。
どんどん進めていくと、壊れない、金属武器、が手に入るし、クヴェルという壊れない魔法器みたいなのも出てきてぐっとラクになる、やっぱり序盤が一番きつい序盤ゲームなのです。
本作ではLPは底力的な役割で、どうしても勝ちたい時に消費するとHPが全快します。もったいなくて使えないと思いますが、わりとこれを使うバランスで調整されてるので、ボスみたいなやつにはどんどん使用して問題なし、むしろ使わないでドラゴン系倒すのは無理。雑魚には使うべからず。
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サガフロ構文
サガのセリフ回しはアイスソードに見られるごとく、非常に簡潔なのですが、このサガフロ2にいたっては、時間がぶつ切りされて物語が進むのでもはや俳句の域、どういうこと?どういう意味??ってのはプレイヤーが補完せねばならない。
テキストボックスがそもそも小さいのです。俳句くらいしかはいらない
きみはどうする
さあ、どうかしら
知りたいのです
彼の運命を
それならワタシも
協力しましょう
オマエはおれの生き写しだ
気持ちわるいこというな
あれはもう兄じゃない
化け物だ
いいえ、兄さんよ
だって兄さん泳げなかったもの
パパーパパー
こんな調子。ある意味非常にリアルですね、リアルではべらべらと長台詞をしゃべるやつなんていませんから。
プレイヤーにおもねらないですねぇー、そこがサガらしさ
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ゲームバランス
敵は正直めちゃくちゃ強い。普通のゲームのボスのHPの倍はあると思っていい。
超火力の敵も多い、育ってないと容易に詰む。
LPでガンガン回復してなぐるしかないが一発で沈むHPだと詰み。
連携技や防御無視をしないとダメージが入らない、連携必須。
技や術をひらめいてないとロクにダメージ入らない
更に悪質なのがバステ攻撃で、バステ防止アイテムはたいていイベント絡みのレア。もってないと詰む。戻ることももちろん出来ない。
戻れないしレベリングも出来ないし、敵も激烈強い
レアアイテム回収してないと詰む。というゴリゴリハードバランスであります。
攻略情報などで、わかっていれば、わりと簡単にクリアできる。わかってるかわかってないかで運命が分かれるゲームですね。
ポイントは最序盤に技や術をほとんどコンプリートしてしまうってことです。
とくにわかってないとまずいのが装備の受け渡しです。一つシナリオが終わったら、街を選択します(グリューゲル)、そしたら一つ前のシナリオのパーティで街にいけます、そこで装備を全部外す、ゴミを売る、クラウンを換金して、次のシナリオ、そしたらまた最強装備で挑めるというわけ。
パーティ外キャラの装備をもってこれるのは一部シナリオだけなので、こうやって装備編成をしないといけません、必須テクニック。シナリオすすめるごとに装備をはぐ。
こんな面倒なことさせないで普通に全部装備も共通にしてくれりゃいいのでは・・?
またこれもわかりにくいのですが、JPが毎ターン回復するアイテムがあります(たいていのクヴェル)、これを装備しまくることによって魔力切れしなくなるというわけ。
たいていの雑魚はファイアストームで焼き払えます。
ラスボスに関しては、正直めちゃくちゃ強い。っていうやり方を知ってなきゃ無理。やり方をわかってないでノーヒントで勝てるんか??
仕様の複雑でして、ラスボスである、エッグには、6体の将魔という手下がいて、こいつらを倒すとラスボスの能力が減る。よくあるやつやん、と思いきや。
まず水、と炎は普通に戦えるし、当然倒すに決まってる。
他の4体。は四体のうちから2体選んで、しかもパーティ外のサブキャラがワンオンワンで戦う。
という完全な初見殺し。
さらに、この四体の中の石属性の将魔、と戦って勝っておかないと、エッグが
エンシェントカース 全員石化100%即死
というなめんなこいつ、っていう技を放って来ます。石化無効の防具なんて普通二個までしか取れないし、装備もしてない。
だからどうやっても、石の将魔だけは倒さないといけない。まずこれを選んでない時点でオワリ。ひどすぎる。サブメンバーまったく鍛えてなかった場合もオワリ。(装備次第ではいける)
ラスボスは即死耐性必須、とありますが、実際にはボスのLP削り攻撃をガードしないと主人公であるジニーがLP切れして全滅扱いになるということ。
だから全員ではなくて、ジニーと、プルミ、の二人、さらに一個前の木の将魔が即死防御のクヴェル「ラストリーフ」を落とすから、実質、一個、というか、なくても、この木の将魔さえ倒してればいけると思う。
つまりとこ石、と木、の将魔をサブメンバーで沈められるか。ここにすべてがかかっています。戦う前にもう勝敗はついてるのだ。
ラストリーフは絶対にジニーで決まり。
あとは連携でダメージを与えて削りきれば勝ちなのですが・・・
技ポイント切れがち。
連携が不発でも、グスタフのギュスターヴの剣がほぼ特攻みたいな火力なので、グスタフさえ攻撃し続ければOK。だからグスタフの技切れは痛い。よってJP消費の疾風剣、これがとにかく肝。このゲームの肝は疾風剣です、これしかない。
金属装備、結局使わないか、使うとしたら剣適正があるのはジニーしかいないので、最強剣と金属装備をするならジニー一択・・・・、でもワタシは全員術ビルドにしたので、ラスボスにどんだけ通るのかわからん・・・・
攻略サイトにあるように
疾風打→焼失→獣一閃→ベアクラッシュ の連携が決まると1万超えのダメージが入るのでやっぱりおすすめ。魂の歌、マルチウェイはやりこみ勢しか覚えません。
それでも結構ギリギリの戦いになる、どんだけ育ってるか次第だろうけども。
忘れてましたが、ラスボス前に、LP回復アイテムを持ってることも必須。これも知ってないと無理。
とにかく攻略情報なしでは鬼畜難易度と言えます、っていうか無理だろ・・・?どうなのかしら?ノーヒントクリア可能なのか?
っていうかそもそもノーヒントではラスボスまでたどり着けない気がします・・・途中で折れてる。
調べて見ましたが、発売当初、ラスボス倒せなくて、ふざけんなクソゲーや!ってなった人が多かったみたい。
ラスダン突入時点でもう勝負は決まってて、戻れないし、勝てない。これは確かにしんどすぎます・・ラスボス勝てなかった場合に戻れて、強化とかができる救済があって良かったですね。
でも勝てない。という物語もあっていいんじゃないか?ということで作られてるのかも・・と思いました。RPGは必ずラスボスに勝てる、その当たり前、に挑戦したのかも。
おいおい、こんな奴らに本当に勝てるのかよ?と彼も言ってますし。
まぁそれならバッドエンドのエンディングも用意するべきではありますね・・・
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戦闘システム
サガのおなじみのひらめきシステムですが今回陣形はなし。ですが行動順の指定が可能でさらにロール、というものがあります。役割を決めることでできて、これで攻撃重視や行動速度、術、など役割を決めれるのですが、このロールがなんと25種類くらいある がバグでほぼ機能してない らしい。特に一番ベーシックかと思われる「自由行動」にいたってはマイナス効果しかありません。なんと!w
内部計算がわかりませんが、この実は機能してない、ってのがウィズっぽくて熱いですね。機能するロールもあるみたい。
連携のメカニズムもむずい。これはまぁ偶然にまかせるっきゃあないよね。うまく戦うにはかなりシステムを理解するのが必要であり、戦略性は非常に高いといえますし、やっぱりひらめきはおもろい。ただデュエルじゃないと覚えない、特に術技・・ってのがあって、強いボス相手にひらめいて一発逆転、ってのが出にくくなってるのは残念。デュエルシステムは正直いらないと思う・・・。デュエルで狙った技を覚えやすくなってるのも、逆にひらめきシステムの良さを消してる気がする・・・偶然ひらめくからいいのでは?
さらに耐性とかの補正がバキバキなので装備の組み合わせも非常に大事。耐性無いと死ぬが、あると0、みたいなバランスなので、天と地の違いです。
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シナリオ
基本的には、エッグ、と呼ばれるものを手にした人間は力に魅入られて暴走する、それを封印するためにウィリアム一族が世代を超えて戦う。という話で、同時にストーリーの補完としてギュスターヴ篇もあるって感じです。
本筋はとにかくナイツ一族の戦いでして、ジョジョ1,2部みたいなことです。
(ヘンリー)→ウィリアム→リチャード→ジニー
の三世代、100年の戦いです。
古代文明が発明したクヴェルという永久魔法機関みたいなのを発掘することで現在の文明は成り立ってますが、ギュスターヴのように、魔法ではなくて、ツール(金属)、を利用するという人々も現れ始めている・・・
ということなんですが、前述したとおり、極めてあっさりとしか説明されません。行間は自分で考えろってこと。
こういう自分で考えろ系の話は、当然のことながらプレイヤーの想像力がストーリーの豊かさに直結するので、つまらん話だと思うか、なるほどな・・と思うかはあなた次第であります。
ワタシはなかなか良くできた話だと思いました。鉄の装備をすると、アニマが阻害され術が弱くなる。
ほいでギュスターヴが育てた、鉄、はゲーム内でどこに反映されてるのか?って思いますよね。
剣の攻撃力を見よ。他の武器は攻撃力が30そこそこで最強武器なのですが、剣だけは70を超えます。金属剣、だけが破格の攻撃力を持っているのです。金属文明は魔法文明と戦える力を得たのだ・・・。
さらに疾風剣という技が低燃費で異様に強い。剣が明らかに優遇されてます。ラスボス戦でギュスターヴの剣が輝く。
エンディングは正直めちゃくちゃ良い。非常に短いのですが、こんなにキレのあるエンディングはめずらしい。そういうことか!
ここにたどり着くのが相当厳しいこともあって、感動もののエンディングです。うだうだ語らない、侘び寂びが効いてますね。
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総論
このゲームは普通のRPG、に対するアンチテーゼなんですね。レベル上げすりゃ勝てる、時間かければ勝てる、っていうのが普通のロープレ。サガはそうじゃない、無駄に戦ってはダメ、武器も温存しないとダメ、通常攻撃しちゃダメ。シナリオは時系列で進めなくてもいい。主人公あっさり死ぬ。ラスボスには基本勝てない。すべて普通の真逆。
普通のRPGへの挑戦、だと考えると、これはワタシは名作だと思いましたね。最後までひやひやする。これ勝てるのか・・?って。時間かけりゃ攻略できる、っていうRPGの安心感が無い。緊張感のあるRPGです。
昨今、こういうゲームが人気がある、ってのがもう出来上がってきていて、全部同じゲームになりつつある。さらにゲームエンジンもUNITYかUNREALばっかですので、システムもほとんど似通ってる。
クソゲーはなくなり、全部、面白いっちゃ面白いのですが。これは一体なんなのだ?どういうことなんだろう?これ攻略できるのか?っていう驚きと発見、のあるゲームは少なくなってしまいました。
グラフィックもほぼすべて手書きで味わいがある。敵のグラだけがイマイチか・・・あと敵の種類少なくない?
特に面白いのが主人公は、特別な能力を持った人間、ではなく、魔法が使えない、不具者、なのです。ハンデをおった人物が主人公ってのはレア。だから彼は魔法が使えないので、金属を錬成することになる・・・。この世界では魔法の対極が鉄・・・