ガンダムWの続編として出されたOVAの劇場再編集版。 サンライズがよくやる方式のまとめ映画ですね。
ガンダムWというと、落ち目だったガンダムシリーズを、女性人気を獲得することで、V存続させることに成功した、中興の祖的な役割を担ったシリーズ。
後のSEED、Destinyも明らかにこのW系列です。
それまでの宇宙世紀ガンダムとは、世界そのものが違うし、デザインやノリなども全くの別物・・・
正直ワタシはこの新しいガンダムシリーズがしっくり来なかったですね、このデザイン、塗りのベタっとした感じがしっくり来ないのですわね。
安彦良和のタッチが好きかと言われると別にそんなこともないけど、嫌いではない。このガンダムWと系列のデザインはしっくりこない。
やっぱそこも女向けってことなのかも。どっかで、女受けするデザインってやつと、男受けするデザインってのは違いますわね、欧米と東洋でも違いますが。
よくいう女が思うかわいいと、男が思うかわいいはちゃうってやつです。アレは女のお世辞とか嘘もあるとはいえ、本当に異なる部分もある。
でもワタシは女受けするタイプのファッション、ゴスロリとか地雷系みたいなのはむしろ好きです。でもファッションモデル系のガリガリは大嫌い。
話がズレましたが、今見てみると、確かに妙に男キャラが薄着だなぁというのに気が付きますね、ヒイロはランニングだし、他のキャラも短パンはいている・・・
男デザイナーの感覚として、男キャラにハーフパンツ履かせるっていうのは奇妙でしかない。それは女デザイナーが、女キャラにぶりぶりのでかけつみたいな服を着せないのと同じ事なり。
つまりあざといのですけど、きっちりその餌に食いついたというわけ、簡単ですな・・・。
内容も、富野由悠季風に、なんだかみんな劇場型で、エキサイトしていて、そして正義と悪っていう単純な構図ではなくて、よくわからん複雑な対立、ってのとは違い、わかりやすく、恋愛重視で、つまり浅いです。
でもやっぱり浅いほうが、万人にはわかりやすいというわけ。Zガンダムなど、男でもよくわからん、っての女子供が食いつくわけない。
あと戦闘も、これはワタシは聖闘士星矢スタイルと読んでますが、空間がなくてただ決めのポーズと必殺技を叫ぶだけなんですね。相手がこうライフルを撃ってきたから、こうカウンターした、みたいな展開とかそういうのが皆無で、かっこいい決めポーズと必殺技があるだけ。もちろんガンダムは必殺技を叫ばないけど、叫ばないだけで同じです。構図もだいたい一緒、斜め下からのアオリで弾丸がボカーンってやつ。
聖闘士星矢スタイルというように、これはやっぱガキにわかりやすいのですよね、カードとかにもしやすい、決めポーズがハッキリしている。
そして戦闘のグロさ軽減というとこもあるのかも、腹にパンチグボォン!パイロットの肉体ズギャアン!みたいなグロ描写一切なし。
これもやっぱ女子供向け調整でしょう。 というかエヴァ以前のアニメはそうで、グロさを強調することがなく安心して見れた。
それと昨今のアニメはトラウマ自慢が多すぎて、これにもワタシは辟易している。アニメってもっと簡単に見れるものでえぇでしょう。悲劇であればシリアスで、良いものっていう大昔からある価値観ですが、恋愛ものと同じくらい、ワタシはくらーい、話嫌いです。被害者ぶるな。
Wを浅い、と切り捨てるのはあまりにも早計。 実際狙い通りのファンを獲得して、現在も人気があるのですから。きちんとミッションを果たした成功作といえます。