鳥山明が一人で描いたとされるマンガ。一冊で完結する内容であります。DB連載後のバードマンの作品は、まぁ適当というか、あっさりとした手遊びって感じですが、このSAND LANDはバードマンがちゃんとマンガと向き合った最後の作品と言えるのではないでしょうか。
一人で漫画本一冊 描くってのはどんだけきついかというと、まぁ一日8H働いて、1Pと考えればわかりやすいです。まぁ130Pで130日、もちろん休まないと死んでしまいますので、200日ぐらいたっぷりかかるぐらいの作業量ってことです。
それを描き切るってだけでも相当なタフネスとモチベーション維持力が必要なりけり。
死んで後、さらに鳥山明は神格化されて、天才と言われておりますが、まぢでなんの誇張もなく、そのとおりだと思う、鳥山明は天才です。絵は上手いやつなんて腐る程いる、でも自分のスタイルを確立できる天才は、本当にほんの一握り。
鳥山明という人間がいるだけで、一つの国くらいの情報量を持っている。もし鳥山明がいなかったら、この世界から一つの国、しかも結構な大国が存在しなかったくらいの、違い、がある。
もし鳥山明がいなかったら、一体どういう絵を私たちは描いていたのだろうか?というのもちょっと興味があるくらい、鳥山明の描き方、に影響されてない人はいないと言っていいんじゃないですかね。少しでもアニメ寄りの絵を描く人ならば。完全な写実以外は必ずバードの影響を受けている。
DB連載の後、ということで鳥山明成熟期。ほいですべてバードが一人で描いてるというわけで、一番、鳥山明の作画、ってのはどういうことだ?ってのがハッキリわかるマンガといえます。
これが鳥山明のマンガ、のサンプルみたいなもの。連載は人海戦術ですのでいろんなアシスタントなどが分散して描いてますが、このSANDLANDを見ると、すべて明快にわかる。
まぢでこれはマンガの教科書といえますでしょう。
ただ最近ワタシめっきりマンガを読まなくなった。
なんだか、熱心にマンガを読んでる人が少なくなった気がするのです、マンガというメディアの熱量が下がっている、という感じを受ける。メディアの終わりということなのかもしらん。まず、本、ってものが消滅寸前なのですから、マンガも時間の問題ということ。
一昔前は、電車とかに乗ると、穴が空くほど熱心にジャンプを読んでるやつがいた。雑誌に目を擦り付けるように読んでいる。今スマホでマンガ読むといって、そんなマジになって読んでるやつはいない。
本を読んでるやつなんてまじでひっっっっっとりもいない。
もっぱらゲームばかりになってしまいました。 やはりゲームに今込められている熱量、情熱みたいなのが大きいと感じます。今がゲームというメディアの最盛期なのかもしらん。
重要な作品、重大なメッセージってのは、必ず、一番人が集まるメディアから生まれてくるものなのです。
実質DBを終えて、漫画家を引退したしまったバードマン。それも先見の明ってことなのかもね。