2019年3月30日土曜日

1983 お父さんは心配性  岡田あーみん

 「レッツビギン、なんでもいいから始めよう、それが僕たちの合言葉さ!」

岡田あーみんのデビュー作。

 あーみんはある世代の女性(特にヲタクw)に絶大な支持を得ているギャグ漫画家。変態ギャグ漫画、とさくらももこが評しております。

 あーみんとさくらももこ、りぼんのギャグ漫画のツートップだったのですが、あーみんは蒸発w さくらももこもつい最近死去ってわけでレジェンドになってしまいましたなぁ。

 クレヨンしんちゃん、おじゃる丸、ちびまる、どんどん作者が死んでます。
 
 なんでギャグ漫画作家で短命なのだろう?と思ったのですけど、それは逆で短命なのじゃなくて、長命だから、死んだとき、終わったときのショックがでかいのですね。ストーリー漫画はだいたいが一発屋で、一つヒットしたらその後失踪っていうケースが多い。よって死んだことにも気づかないわけです。

 サザエさん、ドラえもん、もそうですが、作者がいないのに続いてるゾンビアニメばっかりになっておりますね。それに変わるようなベーシックなアニメっていうのが出てきてないっていうことでもあります。


 あーみんとさくらももこは合作でマンガを描くほどの仲良しで認めあった仲だったようです。さくらももこって昔ラジオでしゃべってるのを聞いたことがあったのですがものすごい理論派で、すげーマジなヒトです。
 女、で面白いやつってのはほんとーーーに少ない。面白いにもいろいろあって、笑い、のほうのセンスがある女ってのは非常なレア、だから数少ない認め会える仲間だったのでせう。

 あーみんの何がすごいのか?って考えてみると、やっぱそのワードセンスなんじゃないかって思います。なぜか、脳裏に焼き付くフレーズ。信者たちはそのワードを一字一句覚えているくらい、短くて切れ味のあるコトバ、を書きます。
 岡田あーみん、というペンネームもすごいセンスを感じる。

 マンガの文字、ってのは短ければ短いほどよい。文字が多いマンガはパッと見、すごく面白くなさそうに感じられる。
 あとあーみんと言えば、メタツッコミですね、作者自身が枠外にそのコマに対してツッコミを描いてるのです。よく作者がマンガの中に出てくるし・・。

 あーみんが初めて使ったコトバ、みたいなのもたくさんあると思います。自分のことを皮肉って「国籍不明の能天気精神不安定野郎」、と書いてますが、精神不安定野郎、っていうコトバ、それまでのマンガには出てこない表現、今で言うメンヘラーというやつですね。
 酒に飲んだくれにならないと仕事を出来なくなるくらいの仕事嫌いになった、というところも、メンヘラー漫画家の走り。ちょっとまぢっぽいものなぁ・・。このマンガの終盤の荒れ方といったらすごいもの。

 ワタシはこういう不安定っぽいヒトが好きですねー、周りにいたら困るんだろうけど、やっぱクリエイターはこうでなくては。現代ではもちろん富樫という中2神がいますが、あれは特別、ってとこでしょうか。