2019年3月15日金曜日

2010 ニーア・レプリカント

昨今?のゲーム業界で話題に上がるゲームタイトル。
ファミ通のPS3でこのゲームが面白かった、読者投票みたいなので堂々の1位を獲得。
手がけたのはあのDODチーム。

 DODチームとはドラッグオンドラグーン、という怪作、鬼作、ゲーム史に残る超電波なゲームとして有名w で続編DOD2、というのもあったのですが、DOD2は失敗作として不発。まぁアレ、の続きで何をやるんだって話でしたからね。そこから長い時を経て、このニーア、に至ったという経緯。

 Xbox版の洋ゲー?としてまずニーア・ゲシュタルト、というのが発売されて、それのマイナーチェンジ版みたいな感じでこのレプリカントが発売されたということ。

 10年くらい前の作品なのに中古市場でほとんど値崩れしてないことからもその人気がうかがえようというもの。

 なかなかこのゲーム尻尾をつかませないというか、どういうゲームなん??っていうのが本当に最後の最後まで続きます。荒廃したミライの話・・SFか?レプリカント、っていうタイトルだし・・、ブレードランナー系?と思いきや・・・

14xx年後・・・


まぢか・・・

そして唐突にしゃべる魔法の書、マモノ・・・黒文病・・・マオウ。 魔王!!なんかこんなストレートに魔王、っていうゲーム久々な気がする、魔王!ドラクエ以外では聞かない。
 そういうわけでストレートなファンタジーになるかと思いきや、エミール、なる見たものを石化させるという少年・・少女?に出会ったところから、ジワジワと黒いモノが吹き出してきます・・・


  
 こっからはネタバレ注意!!




ネタバレ注意!!!




ネタバレ注意!!!!




 三回警報を鳴らしましたのでよいでせう。
 
 


ゲームをやっててずっと、まさか・・夢オチじゃねぇだろうな・・っていう不安でココロがいっぱいになっていましたw 全部少女が見ていた夢でした・・・それだけは勘弁してくれよ・・・

 実際は違いました。はーーーー!安心した!w
 まぁ夢オチでここまで人気タイトルにはなりませんでしょうね、最後それかい!!!っていうことにならなくて本当に良かった。
 
 最初のファーストインプレッション、なんかクソゲーっぽい・・・と感じがしたのはワタシだけですかね?でも大丈夫、ちゃんと作られております。


 突き放した感じ、あんまし説明しない、というスタイルなんですなぁ。

 
 どういう物語かというとにかく一貫して言えることは、妹を助けるってことです。とにかく病的に妹を助けないと気が済まない。この誰かを病的に愛している、ってのがDODチームの特徴。ほかはセカイが滅びようがクソどうでもいい。

 この誰かが病的に好きすぎて、ほとんどイカれてしまってる、っていうの、♀っていうのがこういうのが好きなんですよね。リオン・マグナス病っていうのか。NIERは女性ファンが多いっていうのもわかる気がします。


 シナリオだけではなくて、ゲーム、としても、一体何ゲーなんだ!?っていうのをなかなか掴ませません。モンハン的な狩りをして素材を集めるゲームかと思いきや、たいして素材は集まらず、武器をカスタムしようとしても、たいして強化できず、謎解きアクションかと思いきや、そこまで謎ではなく、いきなりヴィジュアルノベルが始まって、アドベンチャーゲームになったり、3Dから2D画面になったり・・・
 これもたぶんすべて狙ってそうなんでしょう、全部中途半端なクソゲーのように見せて、意図的に全部ふわふわしてる、紙一重。


 モデリングもPS3初期ってこともあり、キャラクターモデリングはなんか微妙に変、髪がテカテカしすぎている。と思いきやPS3のスペックを試すかのように異様に作り込まれたマップが出てきたりする。砂の街?めちゃくそ作り込まれてる。なんでここにそんな労力をぶっこんだのかわからん!っていう感じ。ほとんど素通りするだけなのに・・

 そして一貫してBGMのクオリティだけはものすごい高い。

 ゲームとしてはすぐに終わります、クエストがあるのですがクエストの難易度だけは異様に高い、サーモン10匹!?ムリだろ!!
 ゲーム自体の難易度は低いです、まぁNORMALでクリアしたんですけど、ゲームに慣れてるヒトならたぶんHARDでオケ。でもそういうゲームでもないです、武器の強化とかしなくても次々に強力な武器出てくるし、逆に武器強すぎるとつまんなくなります。このゲーム自体が、ゲーム性よりも演出、シナリオに充填を置いた作りなので、物語なんてどうでもいい!!おれはアクションがやりてぇんだ!っていうヒトはモンハンのほうを買ったほうが良いでしょう。

 さっきも書きましたが、このゲーム、主たるターゲットが女性向けなのかとも思います、カワイイ男の子、さらにショタっぽい男の子、美少女の妹、もっと美少女の妹。結局は全部自分の救いたい人間だけを救う、という、愛、の物語です。
 女っていうのはそういうもので、国家とかコミュニティとか人類のミライとか、そういうもっと大きな、スケールのでかい理想や夢っていうのがひびかない、結局のとこ、ぜーーーーんぶ!自分のために生きてほしい、全部自分のものにしたい、すべてを独占したい、すべてを注いで愛してほしい。こういう考え。DODチームの演出もソレ。
 基本美男美女しかキャラいないし、随所に女が好きそうな感じを狙ってるフシがある。

 だからゲームとして難しすぎてもいかんので、ゲーム自体は歯ごたえあまりないし、武器の改造なんてワタシは一度もしなかったし、あとセカイがすげー狭い。自分の村の中心として、基本東西南北の4マップくらいしか存在しない。いやこのセカイ狭っ!青年編、も基本少年編と同じダンジョンにもう一度っていうのばっかなので、すごい少ないです。
 クリアするだけならたぶん12時間くらいでできる。
 
これはでもアクションロープレすべてに言えることかもしれないですね、アクションロープレって敵の動きをつけたりするのが大変だから同じ労力、予算だとターン制ロープレの半分以下くらいのボリュームになってしまう。だからだいたいいろんな武器とか増えてこれから使うぞ~!ってなったらもうゲームが終わってしまって、不完全燃焼になる。使いみちが無い。
 アクションロープレでこれはやりごたえあった!みたいなのは未だかつてない、キングダムハーツ2くらいかなぁ、でもあれももっともっと遊んでたいのに!ってとこで終わってしまった。

 っつーわけでゲーム性にはあまり高評価は出せません。ただシナリオはなるほどなぁっていう感じ、これだけ人気があるのですし。そして演出はかなり凝っています、ムービー地獄でかったりぃってこともなく絶妙な感じ、文字だけになったりとカット割とかもこだわりがあります。音楽はすごい良い、昨今OSTが欲しくなるゲームってあんまないですがこれは欲しくなる。キャラの立ちも良い。最近レベル低下が懸念されているスクエアのシナリオチームですが、これは久々の会心の出来といえるのでは・・・



 話がちょっと変わりますが、このNIERだけじゃなくて最近はあらゆるものが女性向けに作られているなぁっていう感じがします。女のほうがカネ出すからですね。ゲームなんて最後の砦のようなものだったのに、今ではもう半分かソレ以上は女性ユーザ向けになってきている気がする、テレビはもちろん完全女性視聴者向け、ラジオもそう、芸人もまず若い女性に支持されないかぎりメディアに出れない。男向け、のものなんてごく一部の深夜ラジオ、あとヲタク向けのアイドルくらいなものですか。
 美少女ゲームまでちょっと女ユーザを意識しているのもある始末、いわゆる黒パケ、のゴリゴリの抜きゲーでもないかぎり、ちょっと女性ユーザが好きそうなのも入れてきやがっております。
 「このセカイには誰かがカネを払うものだけが存在する」
痛切にそれを感じますね、なにかを存在させたいならカネを出さないとダメというわけ。

 それってやっぱり市場が少なくなったってことなんですよね、そうしないと生存出来ないから金払いの良い女向けが中心になる、アイドル戦国時代とかいうけれど、手っ取り早くカネになるアイドル、つまるとこセックス産業以外、が商売としてやっていけないから、アイドルだけ、になっているというわけ。衰退する、っていうのかこういうことなんですね。下世話なセックス産業以外がエンタメとして存続できない。


 日本も国内の市場だけ、ってのに向けてものづくりをすることが不可能になって来ました。海外受けを狙わないと・・・。でもそれは絶対つまんなくなるのですよね、たくさんのヒトに受け入れられるものってのは浅いわかりやすいもの、つまりは適度につまんないものってことですから。

 一人でも多くの人間の人気を得るためには、一番バカなやつに向けて、一番簡単なことを、死ぬほど繰り返せ!と、ある天才政治家が言っておりました。その天才政治家は最終的にはたった一つのことしか言いませんでした。

「我が国民は最高である!選ばれた民族である!最高の人種である!」

これだけです、いうなればこれってポジティブシンキング、世間の大好きなポジティブシンキング。そして


狂気への道だ