2020年7月16日木曜日

1995 エストポリス伝記  II

 ヘラクレス3に続いて、これも名作の呼び声高いスーファミRPG。

 開発はタイトー、ネバーランドカンパニー・・・、どこそれ?

タイトーってゲーセンの会社では・・って今のヒトは思うでせう。

このゲームもヘラ3と同じく、スーファミのマイナー名作RPGとして知られております。
ヘラ3と比べると圧倒的見やすいグラフィック、そりゃそうだろスーファミだぜ。ヘラ3のグラがいかにチープだったかという話。ゲームとしての完成度は圧倒的にエスト2に軍配。

 どんなゲームかというにすげー簡単に説明出来ます。

   FFとゼルダを組み合わせたゲーム
謎解きが(うんざりするほど)豊富にあり、ほかはちょっとファンシーなFFって感じ。謎解き苦手なヒトにはストレスがたまるゲームかも。ワタシもRPGに謎解きいらない派なのでなかなか厳しい。さらにマイナーゲーなので攻略情報も薄い。
 ワールドマップのデザイン、船、潜水艦、海底マップ、飛空艇、ゴリゴリにFF5の影響を受けております、先人からちゃんと学んだというべきか。特にBGMはこれFFですやん!!ってくらいFFです。いや、本家から学んで、さらに磨きがかかってるとも言えるくらい、完全にFFの音楽を会得した感じ。むしろエストの音楽のほうが良いというヒトもいるでしょう。効果音にいたってはまったく同じだと言っても良い。

 ゲームのバランスは悪くないです。名作と言われるだけあって、ここが悪い、ってとこは殆どない。ちゃんと他のゲームから学習してるなって感じですね。ヘルプ機能があるのでアイテムなどの効果もわかりやすい。ただ隠し能力みたいなのがあるので、なかなかむずい。特にラスボスがラスボスらしい技、すべての状態異常攻撃、ってのをやってきてさらに物理攻撃はしてこないので、最終的には防御力はどうでもよくて、バステ耐性があるかどうかが大事になります。

あと終盤から雑魚の攻撃力が爆上がりしてまともに戦うとボスよりも無茶苦茶強い。いかに先手をとって一気に叩くか、という戦略になります。相手に行動されるとほぼ誰かは死ぬ。即死攻撃も多いし、二回ならまだしも三回攻撃されると耐えられるわけない。
 最初のほうに説明されるのですが、単純に攻撃力が高いという理由で武器を装備しちゃだめだ。まさにそのとおり。装備にはIPというアイテムブレイクみたいなのがあって、それが結構大事。ボスには弱点が用意されていてそれをうまくつくとレベルが低くても勝てる、このへんもFF5と同じ。
 あと、モンスター?なんか変なペットみたいなのも仲間にできるなど、色々ただのパクリゲーと言われない為に工夫が見られます。ただ後半モンスターはほぼなんの役にも立たん。

 ボリュームもDQ、FFみたいな大作と並べて遜色ないくらい豊富にあります。さらにやりこみ要素として、100Fまである不思議なダンジョンまであり、やり込めばめちゃくちゃやり込めるゲームになっておる。

さて問題のシナリオなんですが、これも思い切ってネタバレしましょう、もう25年前のゲームなんだもの。


 結構シンプルです、神が人間が神から自立するためにデュアルブレードという剣を作った、これは神を殺す剣、これで人間が神を殺して神から自立するだろうと。
 人間を試すために神は4神と言われる邪神を地上に送りこむ、主人公マキシムはデュアルブレードに選ばれて、神を殺して人間の可能性を証明することができるだろうか?
っていうまぁありがちといえばありがちな話。
 主人公のマキシムはモテモテでおさなじみをフって泣かせたり、女魔法剣士と結婚してリア充になったり、邪神の一人がなぜかマキシムが好きになってしまい、マキシムのことを手助けしてくれたりと、とにかくマキシムがモテる。という物語。女の子が失恋する物語とも言えます。
 ですが最後は悲しい結末。ぴえん。この最後にハッピーエンドにならないってとこが名作ゲーと言われる所以なのかも。
 全体的にはお涙頂戴ではなくてコミカルさもあって軽やかに進行します、昨今のムービーゲーは演出過剰なんですよね、よく うわぁあああああ!!とか あぁぁああああああ!!!みたいな、泣き叫び声ばっかり。
 大切なヒトが死んでも、今までありがとな、じゃあな。
あるいは自分が犠牲になって死ぬって時にも  あばよ!今まで楽しかったぜ!
って一言で済ます、これがスマートでかっこいいやり方です。演出が過剰になると逆に冷める。

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 総じて、めっちゃゲームが好きなヒトが、FFとゼルダのいいとこどりしたのを作ってみたいです!よしそれだ!!って感じで作られている気がします。
 すごいゲームが好きなヒトが作ってるなぁっていう感じ。ものすごいクオリティの高い同人ゲームをやってるようなプレイ感です。強いて言うなら魔法を店で売るのはやめてほしい、いちいち魔法を買いに街をめぐるのが面倒、あとワールドマップが無い。奇しくもヘラ3と同じ欠点があります、一体何故??
 あとワタシ的にはこれ最大の欠点ですが、キャラのドット絵がダサい。なんで3頭身にしたのか、主人公は赤毛のオールバックだし、ダサです。敵のドット絵もやっぱしダサい。FFには天野喜孝、DQには鳥山明と天才がいますが、エストにはキャラデザのタレントが不足してます。これがマイナーゲームの限界か・・。
 鳥山明を超えるキャラデザイナーはいませんからなぁ・・、あんな万人受けするのに、非常に特徴的っていう二律背反を昇華できるやついないものなぁ・・。