2021年10月21日木曜日

2019 映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

  子供向けの60分の映画なのですが、異様に高評価で大ヒットした作品。


 すみっコぐらしワタシは良く知らないのですが、たぶん、サンリオ、たれパンダ、みたいなグッズキャラ・・・ですよね?マンガ、とかそういうことではないと思われる。キティさんみたいなことだと思います。


 60分の映画ですけどなんかと抱き合わせ上映?東映映画祭りみたいなことではないと思われる、でも60分の映画で普通のチケット代?色々謎。


 手書きアニメと思わせて、手書き風3Dアニメなんですが、背景などは手書き、というか、「手書きの絵」を「3D空間にテクスチャとして張り込む」っていうやつですね。これをどういうジャンルとして扱うのか謎、たぶんアカデミー賞にもこの区分がまだ無いんじゃないですか?Fake 2Dアニメっていうのか。

 でも実際は現在の2Dアニメ、ほぼどっかしらに3Dが入っていて、もはや手書きかフル3DCGか、なんて意味の無い質問であります。

 キャラは基本3Dモデルを作ってありますが、この手法がこれからどんどん増えると思われますね。まぁ予算の問題ですわ。

 


 映画だけでなくて、ゲームもなんでもですが、金をかければいいというものではない、っていう時代になっております。Tiktokが流行ってるのとかもそうで、問題は画質とか、作画クオリティとかじゃなくて、結局のとこ、面白いかどうか。なんですよね。

 ムービーばっかりの大作RPGよりも、ユーザーとの相互関係が強いスマホゲームだったり・・・

 

ただのこの「面白さ」、ってのは数値化出来ないし、こうすれば面白くなる、という方程式も作りにくい、ようは才能だとしか言いようがない。曲、とかもそうですね、金をかければいい曲が出来るかというとそうではない、「アイデア」、がすべて。でもグッドアイデアを出す、やりかた、マニュアル、みたいなものは無い。

 

 でも一番大事なのはこの「アイデア」、そこに金や人材をつぎ込んでどんどんおもしろくさせることは出来るけども、アイデア、自体は才能、が生み出すしかない。



 映画の内容は、要するに、すみっこ、達が絵本の中に入り込み、一人ぼっちのひよこ?の居場所を探すっていう物語です。

 この「友情もの」ってのはいつだって普遍的。恋愛とか戦争とかは受け手を選ぶけども、友情は誰にでも伝わる。好きな人間のタイプはそれぞれ、戦いを好むかどうかも人それぞれ、でも友達がいらないやつなんているかい?って話。

 人は誰か一人でもいいから愛されていれば生きていけるといいますが、ワタシは別に誰からも愛されてなくても、友達がいれば生きていけると思う。というより、友情は愛情の上位互換だとワタシは思っている。愛情は血の繋がりだとか、性欲だとかが付随してきますが、友情にはそれがない、さらに愛情ってのはクローズド・サークル、誰か一人、だったり家族、だったり、周りに壁を作るけれど、友情は炭素みたいにどんどん鎖を無限に増やせるというわけ。

 だから「友情もの」映画がたくさん生まれそうなものですが、実際にはそうはならない。だいたい恋愛ものか、残酷なバトルものです、なんで「友情もの」が多くないのかというに、エンタメ、としてそれを作るのが難しいからだと思います。


 エンタメとはなにかっていうと基本的には「他人の不幸を見ること」ですから。不幸な境遇から頑張る話でも、ただ不幸に残虐に殺される話でも「他人の不幸」、がエンタメの柱、それを「友情」と絡めるのはなかなかむずいのですね。

 だからいわゆる癒やし系、ゆる系、日常もの、に落ち着く。それと「友情もの」の一番の弱点は、観客が友達のいない一人ぼっちだと、ただただ寂しいってことですね。でも友達がいる、人のほうが本当はレアなんだと思いますけどね。