2021年10月26日火曜日

2017 アニメ Fate/Apocrypha

  オリジナルは小説で、2012年。

Fateのアポクリファ、外典、ですね。


 スピンオフ、とありますが、アポクリファ、ってのは外典、ですからちょっと違いますね、言葉の意味的に。


 一言で言うと、劣化版、本編よりも、いろんなところがダサい。そういう意味でも正しく外典です、聖典として認められてない。


 ワタシが見たのはアニメ版ですから、小説は出来が良いのかもしれません、それはわからぬ。でもゲームのスピンオフの小説なんて普通読む?

 アニメの小説版スピンオフとかって言われても・・えー??って感じがしませんか。


アニメはアニメ、小説は小説、マンガはマンガ、だとワタシは思うものなり、アニメ化とかマンガ化、みたいなコンバージョンで良くなるってことは滅多にない。小説で面白い物語と映像で面白いものって違うもの。

 小説をベースにしてるけど、全然違う話、っていうのならアリなんですけどね。キューブリックの「ロリータ」とか、原作よりもむしろ良い。

 でもそれが機能するのって、映像化、とかをしてる作家のほうが、原作作家よりも優秀な場合のみですね。というかそれはコンバージョンが成功してるってことではなくて、オリジナルよりも優秀な人間に描き直してもらってるってだけなのかも。


どこが良くないかと改善点を模索します。


・しゃべりすぎ


これがノベルから映像化でだいたいやる失敗なんですが、小説のセリフの尺感ってのは映像にすると、ものすごいダサい。声に出すように書かれてませんから、実際声にするとものすごいダサい、こっちが赤面、聞けたものじゃない。

 自由ってのは何だろう?

こんな言葉、って頭おかしいやつじゃなきゃ声には出しませんよ。変です。めっちゃ書かれた言葉を読んでるって感じがする。

 アクションシーンでもべらべらしゃべってるんですが、それもやっぱおかしい、戦ってるやつはしゃべりませんよ。

 とにかくがっつりセリフをカットですね。意味なんかわかんなくてもいいんです、アニメなんだし。言葉じゃないもので伝えるのがアニメですし。


・浅い

 これは根本的な話になってしまいますが、話の内容が浅い。特にヒロインのジャンヌですね。最初は弱気だったり、ワタシには何もわからない・・みたいなこと言ってみたり、突然強気になったり、いきなりデレたり。言ってることもどっかで聞いたような一般論ばかり。頭悪いやつの哲学講義ほど耳障りなものはないです。お笑い芸人に人生の生き方、みたいなの講義されたくないでしょう?

 作家が頭悪いですね、単純に才能と頭脳が足りてない。それならそれで、何も考えないで気楽に楽しめる物語にすればいいのに、一応ジャンヌ・ダルクっていう実在?した人物をモデルにしてるのにこんなペラペラなキャラにして、浅い正義を語らせてしまっては失礼ってものです。それじゃ他人を騙って勝手に自分の意見を言ってるのと同じですもの。

 物語の構造的に、ジャンヌってキャラはいらないですね。ジャンヌのせいで、主人公も空気になっている、邪魔してるだけです。


 面白さが足りない

いや!じゃあダメじゃん!ってとこなんですが、もっと面白くなるようにしなきゃいけないのでは?と思いますね。

 基本的に、技名を大声で叫んでるだけです。それで強いやつはとにかく強くて無敵。はなっから戦っても無意味。


「技名!!」

「効かない!強いから!」

「うわぁ!」


「技名!」

「効かない!無敵だから!」


「オレは無敵だ!」

「無敵を貫く武器を持ってた!」

「うわぁ!」


小学生の喧嘩レベル。クソです。


 なにか制限とか理屈、がなきゃいけないと思いませんか?

なんでこいつが勝ったの?

もとから強いから。

 ・・・おもんなー。


必殺技は何回まで、とか、クラス相性とか、それがなきゃ戦略性みたいなものがまるで無い。というより、戦う理由がない。

 ジャンプ式のマンガであれば、修行する、ってのがあります、勝てない相手に、努力して必殺技を習得して、それで勝つ!ベタですが、王道です。

 ジョジョみたいに戦略で勝負ってのもあります。殴り合いでは勝てなくても、罠にハメたり協力したり。

 なんでもいいから、勝つための、理由付け、をしなきゃまったく面白くないです。生まれつき強い、もともと武器が最強、そりゃないぜ。

 確かにそれはリアル、ではありますけどね。現実はそういうもの、生まれた時点で圧倒的強者。どうあがいても無敵。だから現実は面白くないわけです。エンタメなんだから面白くしたほうがいいのでは?

 いや、どうしてもオレは現実の不条理を描きたい、面白くなくていい!っていう志があるなら、それはまぁ仕方ないですが・・・。確かに面白くなくてはいけないっていう決まりはない。夏目漱石の後期の作品とかも、お話の面白さ、を放棄して、めちゃくちゃつまんないのですが、もはや面白さを求めない、っていう領域に達したようです。確かにもうすぐ死ぬんだし、誰かのために書く理由がなくなったのでしょうが。

 その代わりに誰も見ないですけど。


 小さな問題

・主人公ジークのキャラデザが非常にイマイチ。髪型が変、コスデザも悪い。単純に良くないとしかいいようがない。


・作画はそれなりに、パーツが多すぎて描きにくいキャラをちゃんと動かしてると思うのですが、アニメーションの基本として、「重さ」、が感じられるのがいい動画だっていいます、量感っていうのか。足をちゃんと大地に踏みしめてる感。

 でもこのアニメのアクションはその重さ、が全然ないんです、とにかく派手でスピード感を出したいってことで、魔力で戦ってるんだから重さがなくてえぇねん、ってことで、たしかにそのとおりなんですけど、自由すぎると、逆に不自由になるってことで、アニメーション自体としてはつまんない動画になってしまってますね、エフェクト多用しすぎ。

 誰かが、ロボットが宇宙で戦うアクション一体何がおもしろいのかわからん、って言ってました。ただ銃撃ってるだけやん。宇宙はもちろん重力ないですから、面白いアクションをつけんのが逆にむずいんですよね。共感もしずらい、宇宙行ったことないし。

 足が地面の雑草に触れる感覚、相手を殴った時に自分の手も痛くなるような感じ、そういう共感出来る感覚を起こさせるのが良いアニメーションだと思いますけどね。

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 まぁ結論としては、このアニメ、クソつまんないです。面白いものを作ろうとしてるのであれば、この作家はもう二度とものを作るべきじゃないです、単純に才能が無い。

 それが現実ってもの、現実の不条理を伝えたくて、あえてつまらないものを作ったのだとしたら、まさにそのとおり、これを作った人には生まれつき才能がなくて、努力ではどうすることもでない。何をしても無駄、面白い作品を作れるかどうか、生まれつき決まってるから。