2024年3月29日金曜日

2001 早すぎた天才 贋作詩人トマス・チャタトン伝

  最近には(それほど最近でもないけど)めずらしい、ちゃんとした本です。


 チャタトンなんて誰も知りませんでしょう、チェスタトンじゃありませんよ、チャタートンとも書きます。

 18世紀末の詩人ですが、17才で自殺しました


 若くして死ぬ芸術家は数多いですけど、チャタトンはレコードタイムじゃないですかね。

 17で!?いくらなんでも早すぎるだろうて。それも事故や病気ではなくて自殺です。早いて!


 いわゆる、ロマン派詩人、の先達者と言われていて、こっから、シェリー、キーツ、バイロン、といった、ロマン派の大詩人が現れて来ます。今挙げた3人も全員若くして死んでいる。


 ロマン派とはなにか?といろいろな定義があると思いますけど、ワタシ的にはロマン派、というのは人生が作品になっている、タイプの作家ですね。バイロンなんかがまさしくそれ。

 人生がドラマチックで劇的、それをそのまま書いたら作品になった。みたいなのがワタシの考えるロマン派。太宰治もロマン派といえます。

 そういうわけでロマン派は若くして死ななければならぬということになる。波乱万丈で長生きってほどダサいものは無い。


 それとロマン派の対極が合理主義です。合理主義ほどつまらないものはない。


 それでも17才で自殺はいくらなんでも早すぎる。

というか17才で自殺したのに、作品や名前が残っているというのがすごいことです。詩人、にしか出来ないですね。

 詩、ってのはやはり、芸術の最高峰だとワタシは思う。一番カネにならないから。詩で食べていく、なんてのは不可能です。自殺行為です。だからこそ一番純粋で尊い。

 そしてとにかく簡潔に、一番端的に、本質だけをつく。


 なんだかんだで詩、というものは骨身に入ってるもので、江戸時代の作家で唯一口に上るのは芭蕉だけでしょう。

 海外においても同じで、国民的な詩人、ってのが必ずいて、焼き付くようにその言葉が脳内に刻まれているものです。

 翻訳すると何も伝わりませぬ。


 さて贋作詩人とある通り、チャタトンは古い詩が好きで、中世風を装って詩を書き古文書として売ろうとしてたこともありました。擬古典ってのはよくあるけど、贋作までやるのはなかなかです。

 でも何度もいうようですが17才、愚かな行為をしてなんぼです。17才なんて一番アホなんですから。青年が向こう見ずで愚かなことをしなかったら、一体誰がやるんだって話です。

 

 自殺の原因なのですが、これもほぼ全て若さゆえ、ってことです。もともと母子家庭で貧しいのもあるし、無駄遣いしてしまってすってんてん、けれど、無一文です、めぐんでください、と他人に頭を下げるのも同情されるのも、夢破れたとして親のもとへ帰るのも、すべて嫌だ、死んだほうがマシだ・・・

 ってこと。上京した青年が、夢破れて死ぬ。最後はほとんど飢餓状態。


 馬鹿な奴だ、もっと上手く生きろ、と世間の阿呆どもは言うだろうけども、上手く生きれないからこそ、芸術家なのです。プライドを捨てないから表現者なのです。

 ワタシは金持ちの芸術家なんてものは認めない。飢えて野垂れ死にするのが、芸術家の生き様ってものです。昨今ホンモノの芸術家ってのがとんと現れないのは、みんな小市民の小金持ちだからですね。そんなやつらの作るものは何も響かない。


 そういうわけでチャタートンは、とても純粋な芸術家であります。

古い英詩ってのは素人にはほとんど意味がわからんのですが、なにか、ホンモノ、がそこにあるのは間違いないようです

2024年3月25日月曜日

the 1975 「The 1975」 Notes on a Conditional Form  対訳 和訳 解説

 「Notes on a Conditional Form」 の一曲目の語りの部分

まずとにかく和訳をしてみませう


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We are right now in the beginning of a climate and ecological crisis

 ワタシタチは、気候変動と環境変化の危機の始まりにいます

And  we need to call it what it is An  emergency

 まさにこれは、危機、と呼ばれるべきものです

We must acknowledge that we do not have the situation under control

ワタシタチはこの状況をコントロールできていないということをまず知らないといけません

And  that we don't have all the solutions yet

まだ解決策は見つかっていません

Unless those solutions mean that we simply stop doing certain things

ただ単にワタシタチは単純にある行為を辞める、というような方法以外には

We must admit that we are losing this battle

ワタシタチはこの戦いに敗北していると認めなれけばいけません

We have to acknowledge that the older generations have failed

古い世代は「失敗した」ということを知らなければいけません

All  political movements in their present form have failed

現代のすべての政治的行動は「失敗した」ことを認めなければいけません

But Homo sapiens have not yet failed

けれどホモ・サピエンスはまだ「失敗」したわけではありません

Yes, we are failing, but there is still time to turn everything around

ワタシタチは失敗しつつある、けれどまだ全てを変えうる時間は残されています

We can still fix this We still have everything in our own hands

まだこの状況は修復可能です、すべては我々の手の内にあります

But unless we recognise the overall failures of our current systems

We most probably don't stand a chance

しかしながら現状のシステムの完全な失敗を認識しない限り、全くチャンスはないと言えるでしょう

We are facing a disaster of unspoken sufferings for enormous amounts of people

ワタシタチは現在、数え切れない人々が、声に出されない破滅に陥っています

And now is not the time for speaking politely or focusing on what we can or cannot say

現状は礼儀正しく、何が可能で何が出来ないかを話している場合ではありません

Now is the time to speak clearly

はっきりとしゃべるべきなのです

Solving the climate crisis is the greatest and most complex challenge that Homo sapiens have ever faced

 気候変動危機を解決することは、ホモ・サピエンスが直面してきた中でこれまでで一番複雑で偉大な挑戦だと言えます

The main solution, however, is so simple that even a small child can understand it

主要な解決策は、小さな子どもですら理解出来るほどシンプルなものです

We have to stop our emissions of greenhouse gases

温室効果ガスの排出を止めることです

And either we do that, or we don't

それをするか、しないかのことなのです

You say that nothing in life is black or white

あなたは人生はそんな白か黒か、みたいな単純なことじゃないと言うでしょう

But that is a lie, a very dangerous lie

けどそれは嘘です、とても危険な嘘です

Either we prevent a 1.5 degree of warming, or we don't

1.5度の温暖化を止めるか、止めないかなのです

Either we avoid setting off that irreversible chain reaction beyond human control, or we don't

 人類がコントロール不可能な、不可逆的負の連鎖を避けることができるか、出来ないかのことなのです

Either we choose to go on as our civilization, or we don't

この文明が存続するか、しないかの選択なのです

That is as black or white as it gets

白か黒か、単純な問題なのです

Because there are no grey areas when it comes to survival

死ぬか生きるか、には、中間のグレーエリアは存在しません

Now, we all have a choice

今ワタシタチには選択肢があります

We can create transformational action that will safeguard the living conditions for future generations

 ワタシタチは変化を起こす運動を生み出し、将来の世代が生存可能な条件を守るか

Or we can continue with our business as usual and fail

今のままの産業を継続してそれに失敗するか

That is up to you and me

すべてあなたたちとワタシタチにかかっています

And yes, we need a system change rather than individual change

その通り、システムを変えなければいけません、個人が変わること以上に

But you cannot have one without the other

けれど個人が変わらなければシステムも変わらないのでs

If you look through history

All the big changes in society have been started by people at the grassroots level

People like you and me

歴史をの見渡せば、社会の大きな変革は民衆によって始められたのです、ワタシやあなたのような

So, I ask you to please wake up and make the changes required possible

ワタシはあなたに目覚めて変化を可能にするようにしてほしい

To do your best is no longer good enough

ベストを尽くすというだけではもう足りないのです

We must all do the seemingly impossible

我々は不可能だと思われることを成さなければいけないのだから

Today, we use about 100 million barrels of oil every single day

現在、人類は毎日1億バレルの石油を消費しています

There are no politics to change that

There are no rules to keep that oil in the ground

それを変えようとする政治家は一人もいないし、石油を地下に保存しておくようにするルールは何もありません

So, we can no longer save the world by playing by the rules

Because the rules have to be changed

ルールに従って世界を救うことは出来ないのです、ルールが変わらないといけないのだから

Everything needs to change, and it has to start today

全てが変わらないといけない、そして今日それを始めなければいけない

So, everyone out there, it is now time for civil disobedience

It is time to rebel

 全ての人よ 今こそ 市民が反乱を起こす時、今こそ 革命を起こせ


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 えっ!?と思った人も多いのでは?

ワタシもふむふむいつもの説教か・・もう聞き飽きたぜと思ってたら、最後にとんでもないことを言っていて飛び起きました。

 こんなの出版していいのかしら?ポリドール、よく許可しましたね。


「The 1975」 はイギリスのバンド、現在一番重要なバンドと言えるでしょう。Timesが現在一番偉大なフロントマンだと言ってますから。あの頃のRadioheadの位置にいると言えます。


 フロントマンのマット・ヒーリーはずぶずぶのヘロイン中毒、ヘテロかホモかわからない中性、という、あぁ、まだこのタイプのバンドマンがいたのか、っていうナチュラルボーンスーパースター。

 フレディとエイミーのいいとこ取りみたいな感じですね。


 日本だったらフロントマンがジャンキーという時点で活動停止になるのですが、それが許されるのが、UKと日本の最後まで埋まらない差ですね。この曲も絶対世に出せない。アジビラですもの。


そのバンドが「暴動を起こせ」、と言ってるのです。このテキスト自体はジョアン・ディディオンという活動家のテキストをそのまま使ってるみたいですが。


 ビートルズが革命を起こしたいのはわかるけど、暴動には参加しないよ、と歌っていたのと真逆です。


 批評家たちは軒並み低評価にしてますけど、特に古いメディアほど毛嫌いしてるようですが、まさに老いぼれどもには理解されないってのが、本当に新しいことをしてるってことの証左だと思います。


 全てはUKから始まる。やっぱり時代の最先端を切り開くのはUKなんですよねぇ、とにかくかっこいいですわ。

 この曲のタイトルをセルフタイトルにする、っていう潔さもすごい。逃げてない。



 



2024年3月19日火曜日

-200? アルゴナウティカ  アポロニオス

  アポロニオスはロードス島の人、ということくらいしかわかってません。このアルゴ船の話自体は、もっとずっと前の時代で、まだ神たちの孫、あるいはその子、くらいの時代の話です。

 アキレウスがまだ乳飲み子の時、ということなので、ホメロスのイリアスよりも古い話ってことになる。千年くらい前の話ということになり、そういうわけで信憑性は限りなく0。


 物語は途中から始まってよくわからないのですが、とにかく、イアソン、なる人物が、コルキスという黒海の一番東の国へ行き、黄金の羊を得ないといけないことになり、ギリシャ中から勇者を募って一緒に冒険に行こうぜと呼びかけたのです。


 その英雄の中には、偉大な詩人オルフェウス、みなさんご存知ヘラクレスなどもいるオールスターチームが揃ったのですが、ヘラクレスはゴタゴタがあって序盤のすぐに退場。

 

 ほいで、物語のほぼ7割は、イアソンと、それに恋をしてコルキス人を裏切った、魔女メデイアの話であり、集めた勇者たちはほぼ何もしません。というか全然勇者でもなんでもなくて、大した働きもしませぬ。すぐに意気消沈したり、恐ろしいものに出会うと簡単に恐怖して何もできなくなります、最初のあれなんやってん!って感じ。ヘラクレスだけはとにかく別格、という扱いですが、とにかく魔法こそ最強であり、魔女はなんでもありなのです。


 ほいでその物語には続編があって、「メデイア」という演劇では、後にイアソンがメデイアを裏切ったので、メデイアが復讐して、家族や娘も全員魔法で殺す、という話になっています。魔法強すぎだろ。

 

 詩も装飾が多すぎて、全然上手とは言えませんが、このアルゴー船の話、っていうのを伝えるのが他にないので残っている本ってことだと思います。200年頃というと、もうすでにギリシャは完全に落ち目になっている時代ですので、文章もキレが無いと言えます。

 昔華やかだったギリシャという国の更に昔話、っていうことなんですね。


 このアルゴー船の話、自体はとっても古い民話らしく、ホメロスも参照してるほど古い3000年ほど昔の話といえます。

 だから内容はかなり無茶苦茶なんですけど、(土から人間が生えてきたり、青銅で出来た人間がいたり)それほど古いなら仕方あるまいというところでしょう。

2024年3月15日金曜日

1996 電脳戦機バーチャロン

  セガが出していた、アーケードのロボット対戦アクションゲーム。2Dではなくて3D空間で戦います。


PS2とかにも移植されてるのですが、操作系が非常にトリッキーで、たぶんこれはアーケードでやらないと全然おもろくない。

 アーケードだと、2つのレバーを操作する、っていう感じの、ロボットっぽい操作性になっている模様。


 いわば、任天堂のカスタムロボ、をもうちょっとリアル系にしたみたいな格ゲーです。アーマード・コアよりはもっと動きがスムーズ。ちょうどその中間ってとこでしょうか。


 対CPUだとホーミングが全然当たらないけど、対人間だとホーミングが無敵、っていうアーケードでありがちなゲームバランス。


 武器のカスタマイズは出来なくて、キャラごとに武器種が固定でキャラごとに特性がある、まぁ格ゲーですね。

 さらにキャラごとに隠し必殺みたいなものもあり、操作はとっても複雑。アーケードでやらないとほとんど良さがわからんゲームですな。 

 でも極めていくと非常に戦略性が高いゲームみたい。格ゲーってこういうことがあります、ぱっと見では全然わからない領域で玄人は高度な戦略で戦ってるっていうこと。餓狼伝説リアルバウトとかがそうでしたね、なんか地味ゲーだけども、格闘ゲームとして深いっていう。

 格ゲーとシューゲーはどんどん初心者お断りになりつつあるにゃ。

2024年3月13日水曜日

1996 サクラ大戦

  誰しも名前は聞いたことがあるであろう「サクラ大戦」

 初代は1996年にセガ・サターンで発売で大ヒットとなりました。


 ある意味、FF7、ポケモン、と並んでゲームの歴史、方向性を変えた作品。今となってはこのゲームがその後のゲームの流れで一番影響を持っているのかもしらん。

 

 簡単に言えば、ギャルゲーとシュミレーションのゲームの組み合わせでして、ギャルゲーパートで恋愛度を上げて、バトルパートでその恋愛度に従って能力が上がるっていう仕組み。


 ガンパレード・マーチ、そしてペルソナ、などこのようなギャルゲーと他のゲームを組み合わせたゲームはその後、むしろ主流になって、スマホギャルゲーもこの延長線上にあります。 

 要するには、美少女ゲーム、と、メインストリームゲームが合体したのですね。


 それだけにとどまらず、アニメ演出を多様して、声優も豪華に、CGムービー、立ち絵の枚数、などなど、とにかく、ビジュアル、演出面を強化して、美男美少女でファンを獲得する。

 これがサクラ大戦が打ち出した方向性で、この線が、今では一番主流のゲームになっていると思われます。

 それまでの硬派なゲームファンにしてみると、ゲームを軟派で軟弱な方向にやってしまった元凶であり、あまりゲームに興味なかった、特に若い女性、がこの路線に非常に食いつくことになる。


 大衆化、とは結局アイドル路線です、どんあアホにだって理解できるものは

暴力、セックス、ダンス、音楽、グルメ

 です。より多数の層にアピールするにはこういう、頭のまったく必要ないものになる。言葉の必要無いものってやつですね。

 これをほぼ満足するものは、アイドルってことになる。

セックスと麻薬は同じもの。突き詰めればここに帰着することになる。


 ゲームだけにとどまらず、このゲームは、アニメになり、舞台になり、ドラマCD、主題曲も売れ、ライブもやり、パチンコにもなり、グッズも出し、っていう、まさにアイドルと同じような売り方、アイドルゲーム、としても、いろんなものを変えていってしまいました。サクラ大戦が開拓した販路、みたいなのが、ものすごいフォロワーを生み出して行った。

 功罪が非常に大きいです。


 こういう路線が好きじゃない人々には、ゲームをつまんなくさせた、戦犯といえます。

まぁでもサクラ大戦が無くても、いずれは、こっちの路線になっていたと思うけども・・・さぁどうでしょう。

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 このゲームはTVアニメ風になっていて、ゲームの中にアニメが入ってるっていうよりは、TVアニメにゲームが入ってるっていうバランスです。


 正直バトルパートは全然おもしろくない、シュミレーションなのに、ユニットの装備も変えられないし、オカネの概念もないし、レベルも上がらないし、精神コマンドみたいなものの、戦略的なものはほぼ何もない。ユニットの性能を上げる唯一の方法は、ギャルゲーパートで恋愛度を上げるだけです。

 シュミレーションゲームというよりはほぼパズルゲームです。手順を守れば誰でも勝てる。


 恋愛度が低いと、全ての能力が下がって、一番激痛なのは移動力も下がることです。恋愛度が低いと足が遅すぎて戦闘に参加できん。恋愛度での能力補正はちょっと上がる、のレベルじゃなくて劇的に上がります。恋愛度が高けりゃ楽勝で勝てる。


 ちなみに、攻略的には、必殺技がめちゃくちゃ強い、サクラ、すみれをヒロインにすると攻略が簡単。とくにサクラはまぁ一応センターヒロインということで、圧倒的に優遇されてます、信じられないような範囲攻撃持ち、ほぼ一人で殲滅可能。

 逆に、アイリスは回復技なのでめちゃ弱い。


 それでも、ゲームバランス自体はヌルヌルのヌルといえます。ギャルゲパート全失敗しても、簡単に勝てる。小学生レベル。

 バトルパートはほぼおまけです。


 だからやっぱり硬派なゲーマーにしてみると、戦闘は全然おもしろくない。ただユニットをカスタマイズしないでいいってのは、ライトゲーマーには非常に楽ちんです、総じて、この手のゲームは、ライトゲーマーがコアターゲット、で、ゲーム性 は低い。

 ゲームなのにゲーム性が高いと売れない、という逆転現象がこの後起こることになる。だから今でもレトロゲーマー、がいる理由でもあります。レトロゲーム、のほうがグラは弱くても、ゲーム性、は高いものがたくさんあって、ゲームの面白さ、というのは実はたいして進歩してない。


 いずれにせよ、こういうゲームとしての完成度は圧倒的に高い。ボリュームもちょうどいいし、すべてにおいてレベルが高い。1996年にしては破格の出来といえます。ワタシみたいなゲーマーはもっと戦闘パート充実させてくれ、せめて武器を変えさせてくれ、と思いますが、ギャルゲー目当ての人にはカスタマイズ面倒、戦闘パートもっと短く、作画枚数、攻略ヒロイン増やせ、って思う人もあるだろうし、結局万人を満足させることは不可能。

 FF8もこのようなジレンマに陥ってましたね。ムービー綺麗なのはわかったからもっとRPGの部分充実させろ、とか・・ストーリー意味わからんとか・・・恋愛要素いらねーとか・・ワタシもガキの頃は恋愛要素まじでいらねーと思ってました、今でもわりとそう思う、でもそっちのほうが売れるから仕方ないか・・とも思う


 シナリオはまぁだいたいこういうことだろうな、っていう王道の物語。だが終盤は超展開、けども90年代のアニメって最後だいたいこういうことになる、っていう型が決まっていて、その型通りだとも言える。セーラームーンも全くこんな感じだった。


 ギャルゲーに関しては、好みのヒロインがいるか、絵柄、声、ハマるキャラがいるかどうかにかかっている、あんまりキャラが気に入らないのに恋愛パートは全然おもしろくない。でもこのキャラがハマるかどうかも、めちゃくちゃ個人の趣味でしかないので、みんなが満足するなんてのは不可能です。スマホゲーみたいにキャラがめちゃ大量にいれば、どれかは刺さるだろうけども。

 ただこのゲームのアイリスはロリ枠ですが10才はちょっとやりすぎ、ゴリゴリのロリコンしか食いつかない、あとカンナも格闘キャラはいいとして、デザインがガチムチすぎる、これもゴリゴリの変態しか食いつかない、もちょっとパワー型だけどクール系とかにしたほうが一般受けするのでは?見た目がどう考えても少年マンガ主人公にしか見えない。

 マリアは髪型がダサくてちょっと可愛げがない。

主人公大神さんは、ギャルゲーのお手本。ギャルゲーの主人公は個性がなければ無いほどいい、ヴァニラであればあるほどいい。人気が高いのもわかる。ワタシも一番感情移入できたキャラは大神さんかもしれん。

 正直ワタシは絵面があんまり好みじゃない、だから今まで敬遠しておりました。


  あとメカデザインはすごいダサい。でもこれはあえてダサめにしています。手足の生えたドラム缶みたいなデザインですが、舞台が大正だし、スチームパンクだし、というわけでダサめにしてるのでせう。ワタシはそもそもメカ好きじゃないので、これは評価はどっちかわかりませぬ。確かにロボットに顔がある必要はまったくないのですわね。


 とにもかくにも、ゲームの歴史上、避けては通れない、マイルストーンです。ここからどっちに行くか?岐路に立たされましたね。

 美男美女でファンを獲得していくのか、ひたすら売れないけどゲーム性の高さを求める修羅の道か・・・

 

2024年3月11日月曜日

2022 THE FIRST SLAM DUNK

  今更見ました。


ワタシ映画館で映画見るのあんまり好きじゃないのですよね、マナーの悪い客いると腹立つし、周りに人がいると映画に集中出来ない。何より膀胱の活動限界が90分なので、いつトイレ行こうか・・って考えてしまってこれも映画に集中出来ない。


 一人用の映画館があって、トイレ休憩でもあれば理想なんですけどね。


 内容はもちろんみなさんご存知のスラムダンクの山王戦を映画化したもので知ってるのですけど、リョータが主人公になっていて、ちょこちょこと追加シーンがあります。が、基本的な流れはマンガの通りであります。


 追加されたのはリョーチンには死んだ兄がいて、いつもその影を追っていたのだったっていうことなんですが・・・ショージキお涙頂戴でベタな話でワタシはいらなかったかなぁ・・・って気がしました。


 作画が変わっていて、たぶん試合のシーンは全部3DCG、他のシーンは手書きがちょこちょこって感じだと思います。

 スラムダンクみたいなリアル調の場合は、3DCGにしやすいので親和性が高いですね、鼻があるキャラだと3D崩壊しにくい。でも塗りとか色々工夫が見られております、手塗りとの違和感が出ないように、これはかなり上手にやられてると思います。特に髪のテクスチャはかなり頑張っている。髪が一番違和感が出やすいのです。ただ、指、がやっぱ不自然かも。ここも3DCGの弱点で、手の関節のうごきはひじょーーーーにむずい。

 手書きでも一番書くのが難しいのは手だとされておる。手を描かせると一番そいつの力量がわかるのです。

 今後こういうアニメーションが増えるだろうなぁって感じ。でもやっぱこういうリアル系のほうがよくて、もっとスタイライズされてると難しいですね。


 まぁ内容は当然最高に面白いので、そりゃ面白いです。3DCGにしたことで作画枚数に縛られず、コート半分走るのに20分かかるなんてこともないわけで。でもなんかアニメ見てるっていうより、ゲームを見てるって感じもする・・・。でも総じて、よく出来てると思います。

 昔のTVアニメでは山王戦までやられてないので、ようやくスラムダンクのアニメが完結したって感じですね。


 みんな思ってるでしょうけど、スラムダンク2 NBA編が読みたいですわ。井上雄彦先生は最近仕事してるのかしら?? バガボンドもリアルも未完のまま終わりそう・・・

2024年3月9日土曜日

1955 平将門 海音寺潮五郎

  海音寺潮五郎、はワタシは全然知りませんでしたが、全集が出てるいくらいの作家なので、文章はなかなか上手だと思います。

 司馬遼太郎の師匠にあたる人だとか、ワタシは司馬遼太郎あんま好きじゃないので師匠のほうがやっぱ良いなと思いますね。

 

 ただ内容は、ふ~む、ちょっと色恋の描写が多すぎる、本の半分はセックスの話ですが、この人がそんな男女の話なんかかけるとは思えませんなぁ・・・全部想像っていうか、理屈づけてるというか、太宰治とかと比較すると、女のリアリティが全くないですね。型にハマった女性像って感じ。なのに女性の描写が多いのはどういうわけだ。

 文章は下手ではないですが、ワタシはあまり好きじゃない作家ですね。やっぱ歴史小説は吉川英治を超える作家はないとワタシは思う。




 平将門なんて、資料は殆ないし、信憑性なんて非常に怪しいに決まってるわけで、ほぼ妄想で人物像を組み立てるしかないわけです。


 この小説では将門は、一途で、頑固で、田舎者であるが誠実で、ナイーブ、神経質なキャラとなっている。たぶん普通のイメージでは、将門は豪放磊落、乱暴者で粗野、英雄豪傑ってイメージで善人っていうイメージはまったくないのでへぇ、となりますね。

 まぁ小説の主人公として、そんな無茶苦茶で暴力的な豪傑ってのがそぐわないということなのかも。人間が主人公でも良いと思うのですけどね。まぁ1950年代には早すぎるか。

 だがとにかく、将門が戦争の天才、武士、として武力で名をあげた最初の人物であるのは間違いないことです。武士、の時代のパイオニアであったわけ、武力が全て。


 天皇家も元々は、勇武な人々として始まったものでして、なんせはじめが神、ですから。それがだんだんと貴族化して、戦から遠ざかり、権力も削がれていくことになったわけです。


 この平将門と、武田信玄と上杉謙信を描いた小説「天と地と」は大河ドラマにもなってて、海音寺作品としては有名みたいですが、本人的には、西郷隆盛、がライフワークだったのですが、超詳しく書きすぎて未完となったようです。


 長いし、現代の人にはあまりおすすめは出来ませぬかと存じます・・・

2024年3月7日木曜日

2009 宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-

  アニメ映画という扱いになってますが、アニメ映画ではありません。


 宮本武蔵についてのドキュメンタリー番組で、テレビ番組にアニメーションが使われているというだけ、長さも実質60分です。


 元々テレビの企画だったのが流れてしまったので、アニメ映画ということにして映像化されたとのこと。


 確かにテレビ番組としては、非常に凝ったおもろいテレビ番組ですが、アニメ映画としたらなんじゃこりゃって感じ。


 つまりテレビ番組ってつまんねぇのだな、と再認識しますね。1時間に凝縮された情報量が全然ちゃう。


 といってあんまし映画って見る気にならんのは一体なぜなのか。時間とカネは必要だけども、時間とカネをかけてもつまんないものはつまんない、作品づくりってのは難しいですな。


 何時間かけてもなんにもならん、ってのが創作ではほんとによくある。でもだからこそ面白いのであって、今よく言う、タイムコスパとは真逆です。見返り、を求める人間には作品なんて作れない、とワタシは思う。


 このドキュメンタリー、武蔵なんてのは全部嘘っぱちだ、という結論なのかと思いきや、武蔵は剣豪ではなくて、軍師になりたかったのだ、という話です。

 宮本武蔵伝説、が作られていったのは日露戦争以後で武士道、侍、というイメージもその頃のものだというお話・・・でもそれはちゃう気がしますね。武士道っていう名前がなかったけれども、平安時代中頃にはもう、武士、というスタイル、みたいなのは出来上がっていますから。平和ボケした江戸時代の武士ですら、常に刀を持ってるこいつらは外国人にとってみたら何をしでかすかわからん狂気じみた武装集団と映ったみたいですし。


 まぁそのへんのことはどうでもいいか。

2024年3月5日火曜日

1995 真・女神転生デビルサマナー

  女神転生のスピンオフゲーム、デビルサマナー。デビルサマナーもシリーズとしていくつか作品が出ております。


 ワタシ勘違いしていて、デビルサマナー・ソウルハッカーズ、がデビサマシリーズ初代だと思ってたのですが、デビルサマナー無印、というゲームがあったのですね。


 なんで見逃していたかというとこのゲームがセガサターンで出たゲームだからです。サターン持ってない勢には、見逃しがちなメガテンシリーズというわけです。

 PSPに移植されてるのでやるならそっちですね、でもPSPもすでに過去の異物と化しているかもしれませんが・・・なんかデジタル販売してるかしら?


 いわゆる次世代機、初のメガテンシリーズってことで、シンメガ3が出るのかと思いきや、デビルサマナーという謎のシリーズが発売されたってことですね。


 シンメガはだいたい東京は消し飛んでから物語が始まるというポストアポカリプス的なお話なのですが、デビルサマナーは、探偵となって悪魔使いが事件を解決するっていう、探偵ヒーローみたいなお話になってます。

 シンメガが退廃的なムードなのにくらべてデビサマは、一昔前の日本みたいな感じが強い


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 ゲームシステムもちょっと異なります。

 デビサマは悪魔全書を使って悪魔を召喚できます、合体素材を求めてウロウロしなくても、MAGさえあればガンガン合体で作れる。

 その分会話で仲間にするのがすごい大変になってる気がします。友好度みたいなのがあるらしく、一回の会話では仲間にならない。何度も会話して、かなりみついで友好度をあげていかないといけない。普通にMAGで弱い悪魔から合体させていって作ったほうが早い。

 さらに悪魔に忠誠度というものがあって、これが低いということ効かないし、忠誠度の上げ方もわかりにくい。そういうわけで今回、仲魔は使いにくいシステムになっている。己だけが頼り。


 よってゲームバランス的には、主人公一人で戦います。ムド、ハマでの即死、バステで死亡はよくありますがそれに耐性をつければ、脳筋主人公が合体剣で無双するゲームで仲間はほぼいらない。たまにいる、物理反射、無効の対処には困るので、そいつらは仲間にして会話で戦わないのが良きです。

 むしろ合体剣を作るのがこのゲームの主な悪魔の使用法。


 パートナーであるレイは、成長タイプを3つから選べるのですが、この手のゲームでえらんでしまいがちなな回復が罠です。どのタイプにしても回復は覚える、回復タイプが一番弱い。

 雑魚掃討用には攻撃タイプ、ボス戦用には補助タイプを選ぶべし。


 個人的には、補助タイプが良い。メガテンはいつも補助魔法が強いし、仲間で補助タイプを作ろうとすると継承がめんどい。強い悪魔に限って補助魔法を覚えないからです。雑魚にメギドラ使うよりは適当にスルーするのが経済的。

 回復魔法を覚える悪魔はたくさんいるのでここでも回復タイプはいらないというわけ。

特にラクカジャで防御上げるのが強い、魔法防御も上がるので、固めればあとはボコるだけです。サポートタイプにした場合、反射などは先手取らないと無意味なのでヒロインはスピード重視。30あるとだいたい先手取れる。

 主人公は力だけ上げとけばいいと思いきや、それだと魔法で一撃で沈むので、知、耐、速、結構バランスよく上げる必要有り。むしろ火力は武器でどうとでもなるので、肉壁として耐久型にするのがいいかもしれません。後半は速が低いと当たらないのでやっぱり速重視。


 仲間には回復役としてやっぱり女神、そしてその壁として物理耐性持ちを置くのが基本、でも魔物出すのはボスの時だけで普段はふたり旅です。


 カード、や鏡、など謎のバステが多いのも特徴です。まぁ結局はどれも即死みたいなものです。行動不能は死。もちろん敵にはあまり効かずこっちにだけくらいます。

 特にカード、は演出のためだけに作られた特殊効果です。


 難易度は普通ですね。ラスボスは真空波、を使えるかどうかにかかっている。

 真空波はまぎらわしいですが、補助魔法で、攻撃命中、が同時に上がります。タルスクカジャですね。ラスボス回避と防御が高いので真空波で両方あげないとろくにダメージが入らない。真空波は仲間しか使えませんが、ラスダンに出てくるヤマタノオロチが使えるのでこいつをスカウトして貢物をして忠誠度マックス確保。

 さらにもう一人物理攻撃担当できる仲間。最強はヨシミツ、いなけりゃ、タケミカズチ、ソロネなどがいると短期決戦できる。長期戦になるとバステ入れられまくって鬱陶しい。

 

 ヨシミツはなぜかこのゲームでぶっ壊れキャラで、ひとりだけ8回攻撃です。なんでや!って思いますが、そうなんだから仕方がない。主人公の3倍くらいの火力が出る。ただ作るには造魔のレベルを上げる必要があってめんどい。

 タケミカズチは即死耐性がないですがこいつで我慢せよ。


 忠誠度上げるのが面倒でもあり、そこがゲームの肝でもあるのですが、わかりにくい、の一言ですね。でもゲーム全体としてはやっぱりアトラス、平均点以上は出てます。

 当たり前の話ですけど、続編のソウルハッカーズとかのほうがプレイしやくておもろいです。でもワタシみたいに時系列にちゃんとやってみたい人には、デビサマシリーズ面白いので1から全部やってみるのをおすすめいたします。

 特にワタシはアクションゲームだった、アバドン王とかが好きだったので続編出てほしいですな。

 最近ソウルハッカーズのリメイクが出たんですよね?

ちょっとアトラスリメイクばっかだしてて新作作ってなくね?ってのもあるのですが・・・確かにリメイクもいいのだけども・・・新作ありきです。


 まぁリメイクのほうが売れるのでしょう。据え置き機ゲームはおっさんがコアターゲット。子供が買うにはps5は高すぎますもの、そりゃ子供はスイッチやるよ。

 ps5はやっぱり失敗というか、もう据え置き機の時代じゃないのだと思います。というか据え置きならSteamでパソコンでやるって話ですし。

 ps5は据え置き最後のゲーム機になるかもですね。スイッチみたいな携帯機は後継が出るだろうけども・・・

 今据え置き系ゲーム会社はめっちゃリストラしています。ゲームを作る、会社は大丈夫だろうけど、ゲーム機、作るとこはキビシーのでしょうな。