アポロニオスはロードス島の人、ということくらいしかわかってません。このアルゴ船の話自体は、もっとずっと前の時代で、まだ神たちの孫、あるいはその子、くらいの時代の話です。
アキレウスがまだ乳飲み子の時、ということなので、ホメロスのイリアスよりも古い話ってことになる。千年くらい前の話ということになり、そういうわけで信憑性は限りなく0。
物語は途中から始まってよくわからないのですが、とにかく、イアソン、なる人物が、コルキスという黒海の一番東の国へ行き、黄金の羊を得ないといけないことになり、ギリシャ中から勇者を募って一緒に冒険に行こうぜと呼びかけたのです。
その英雄の中には、偉大な詩人オルフェウス、みなさんご存知ヘラクレスなどもいるオールスターチームが揃ったのですが、ヘラクレスはゴタゴタがあって序盤のすぐに退場。
ほいで、物語のほぼ7割は、イアソンと、それに恋をしてコルキス人を裏切った、魔女メデイアの話であり、集めた勇者たちはほぼ何もしません。というか全然勇者でもなんでもなくて、大した働きもしませぬ。すぐに意気消沈したり、恐ろしいものに出会うと簡単に恐怖して何もできなくなります、最初のあれなんやってん!って感じ。ヘラクレスだけはとにかく別格、という扱いですが、とにかく魔法こそ最強であり、魔女はなんでもありなのです。
ほいでその物語には続編があって、「メデイア」という演劇では、後にイアソンがメデイアを裏切ったので、メデイアが復讐して、家族や娘も全員魔法で殺す、という話になっています。魔法強すぎだろ。
詩も装飾が多すぎて、全然上手とは言えませんが、このアルゴー船の話、っていうのを伝えるのが他にないので残っている本ってことだと思います。200年頃というと、もうすでにギリシャは完全に落ち目になっている時代ですので、文章もキレが無いと言えます。
昔華やかだったギリシャという国の更に昔話、っていうことなんですね。
このアルゴー船の話、自体はとっても古い民話らしく、ホメロスも参照してるほど古い3000年ほど昔の話といえます。
だから内容はかなり無茶苦茶なんですけど、(土から人間が生えてきたり、青銅で出来た人間がいたり)それほど古いなら仕方あるまいというところでしょう。