2024年3月13日水曜日

1996 サクラ大戦

  誰しも名前は聞いたことがあるであろう「サクラ大戦」

 初代は1996年にセガ・サターンで発売で大ヒットとなりました。


 ある意味、FF7、ポケモン、と並んでゲームの歴史、方向性を変えた作品。今となってはこのゲームがその後のゲームの流れで一番影響を持っているのかもしらん。

 

 簡単に言えば、ギャルゲーとシュミレーションのゲームの組み合わせでして、ギャルゲーパートで恋愛度を上げて、バトルパートでその恋愛度に従って能力が上がるっていう仕組み。


 ガンパレード・マーチ、そしてペルソナ、などこのようなギャルゲーと他のゲームを組み合わせたゲームはその後、むしろ主流になって、スマホギャルゲーもこの延長線上にあります。 

 要するには、美少女ゲーム、と、メインストリームゲームが合体したのですね。


 それだけにとどまらず、アニメ演出を多様して、声優も豪華に、CGムービー、立ち絵の枚数、などなど、とにかく、ビジュアル、演出面を強化して、美男美少女でファンを獲得する。

 これがサクラ大戦が打ち出した方向性で、この線が、今では一番主流のゲームになっていると思われます。

 それまでの硬派なゲームファンにしてみると、ゲームを軟派で軟弱な方向にやってしまった元凶であり、あまりゲームに興味なかった、特に若い女性、がこの路線に非常に食いつくことになる。


 大衆化、とは結局アイドル路線です、どんあアホにだって理解できるものは

暴力、セックス、ダンス、音楽、グルメ

 です。より多数の層にアピールするにはこういう、頭のまったく必要ないものになる。言葉の必要無いものってやつですね。

 これをほぼ満足するものは、アイドルってことになる。

セックスと麻薬は同じもの。突き詰めればここに帰着することになる。


 ゲームだけにとどまらず、このゲームは、アニメになり、舞台になり、ドラマCD、主題曲も売れ、ライブもやり、パチンコにもなり、グッズも出し、っていう、まさにアイドルと同じような売り方、アイドルゲーム、としても、いろんなものを変えていってしまいました。サクラ大戦が開拓した販路、みたいなのが、ものすごいフォロワーを生み出して行った。

 功罪が非常に大きいです。


 こういう路線が好きじゃない人々には、ゲームをつまんなくさせた、戦犯といえます。

まぁでもサクラ大戦が無くても、いずれは、こっちの路線になっていたと思うけども・・・さぁどうでしょう。

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 このゲームはTVアニメ風になっていて、ゲームの中にアニメが入ってるっていうよりは、TVアニメにゲームが入ってるっていうバランスです。


 正直バトルパートは全然おもしろくない、シュミレーションなのに、ユニットの装備も変えられないし、オカネの概念もないし、レベルも上がらないし、精神コマンドみたいなものの、戦略的なものはほぼ何もない。ユニットの性能を上げる唯一の方法は、ギャルゲーパートで恋愛度を上げるだけです。

 シュミレーションゲームというよりはほぼパズルゲームです。手順を守れば誰でも勝てる。


 恋愛度が低いと、全ての能力が下がって、一番激痛なのは移動力も下がることです。恋愛度が低いと足が遅すぎて戦闘に参加できん。恋愛度での能力補正はちょっと上がる、のレベルじゃなくて劇的に上がります。恋愛度が高けりゃ楽勝で勝てる。


 ちなみに、攻略的には、必殺技がめちゃくちゃ強い、サクラ、すみれをヒロインにすると攻略が簡単。とくにサクラはまぁ一応センターヒロインということで、圧倒的に優遇されてます、信じられないような範囲攻撃持ち、ほぼ一人で殲滅可能。

 逆に、アイリスは回復技なのでめちゃ弱い。


 それでも、ゲームバランス自体はヌルヌルのヌルといえます。ギャルゲパート全失敗しても、簡単に勝てる。小学生レベル。

 バトルパートはほぼおまけです。


 だからやっぱり硬派なゲーマーにしてみると、戦闘は全然おもしろくない。ただユニットをカスタマイズしないでいいってのは、ライトゲーマーには非常に楽ちんです、総じて、この手のゲームは、ライトゲーマーがコアターゲット、で、ゲーム性 は低い。

 ゲームなのにゲーム性が高いと売れない、という逆転現象がこの後起こることになる。だから今でもレトロゲーマー、がいる理由でもあります。レトロゲーム、のほうがグラは弱くても、ゲーム性、は高いものがたくさんあって、ゲームの面白さ、というのは実はたいして進歩してない。


 いずれにせよ、こういうゲームとしての完成度は圧倒的に高い。ボリュームもちょうどいいし、すべてにおいてレベルが高い。1996年にしては破格の出来といえます。ワタシみたいなゲーマーはもっと戦闘パート充実させてくれ、せめて武器を変えさせてくれ、と思いますが、ギャルゲー目当ての人にはカスタマイズ面倒、戦闘パートもっと短く、作画枚数、攻略ヒロイン増やせ、って思う人もあるだろうし、結局万人を満足させることは不可能。

 FF8もこのようなジレンマに陥ってましたね。ムービー綺麗なのはわかったからもっとRPGの部分充実させろ、とか・・ストーリー意味わからんとか・・・恋愛要素いらねーとか・・ワタシもガキの頃は恋愛要素まじでいらねーと思ってました、今でもわりとそう思う、でもそっちのほうが売れるから仕方ないか・・とも思う


 シナリオはまぁだいたいこういうことだろうな、っていう王道の物語。だが終盤は超展開、けども90年代のアニメって最後だいたいこういうことになる、っていう型が決まっていて、その型通りだとも言える。セーラームーンも全くこんな感じだった。


 ギャルゲーに関しては、好みのヒロインがいるか、絵柄、声、ハマるキャラがいるかどうかにかかっている、あんまりキャラが気に入らないのに恋愛パートは全然おもしろくない。でもこのキャラがハマるかどうかも、めちゃくちゃ個人の趣味でしかないので、みんなが満足するなんてのは不可能です。スマホゲーみたいにキャラがめちゃ大量にいれば、どれかは刺さるだろうけども。

 ただこのゲームのアイリスはロリ枠ですが10才はちょっとやりすぎ、ゴリゴリのロリコンしか食いつかない、あとカンナも格闘キャラはいいとして、デザインがガチムチすぎる、これもゴリゴリの変態しか食いつかない、もちょっとパワー型だけどクール系とかにしたほうが一般受けするのでは?見た目がどう考えても少年マンガ主人公にしか見えない。

 マリアは髪型がダサくてちょっと可愛げがない。

主人公大神さんは、ギャルゲーのお手本。ギャルゲーの主人公は個性がなければ無いほどいい、ヴァニラであればあるほどいい。人気が高いのもわかる。ワタシも一番感情移入できたキャラは大神さんかもしれん。

 正直ワタシは絵面があんまり好みじゃない、だから今まで敬遠しておりました。


  あとメカデザインはすごいダサい。でもこれはあえてダサめにしています。手足の生えたドラム缶みたいなデザインですが、舞台が大正だし、スチームパンクだし、というわけでダサめにしてるのでせう。ワタシはそもそもメカ好きじゃないので、これは評価はどっちかわかりませぬ。確かにロボットに顔がある必要はまったくないのですわね。


 とにもかくにも、ゲームの歴史上、避けては通れない、マイルストーンです。ここからどっちに行くか?岐路に立たされましたね。

 美男美女でファンを獲得していくのか、ひたすら売れないけどゲーム性の高さを求める修羅の道か・・・