2024年8月29日木曜日

1999 ワイルドアームズ セカンドイグニッション

  ワイルドアームズの二作目で最高傑作と言われています。


 けどプレステ1なので、プレステ2発売前夜とは思えぬほどのガシャガシャポリゴンですので現代ゲーマーにはきつい。

 ドット絵は古くならないけど、このガシャポリは目に厳しいですよね。

このガシャポリ時代のゲームは是非リメイクしてほしいです。とくにこのWA2は名作と名高いのでね、1はリメイクされとるんですなこれが。なんで2はしないのか?

 でもFF8と同時期の作品とはとても思えない。そのくらいFF8のグラは、オーパーツかってくらい良いということ。 比較すると非常によく分かる。これ同じ時代の作品??


 荒野をかけるハードボイルド物語・・・かと思いきや、ボスは怪獣??という謎の世界観のゲーム。西部劇と特撮の融合??っていう奇妙な世界観です。別に1のときはそういう様子は、まったくなかったのですが・・・。世界観も衛星や核兵器が存在していたり、むしろSFっぽい。

 

 システムは1とだいたい一緒ですが、いろいろと追加要素があり、プレートごとに特殊コマンド、またパーソナルスキルというスキルシステムが搭載されまして、さらにプレイヤーキャラも倍に増えました。

 これで育成要素はかなり自由が効くようになった。

 ですがまぁ難易度はそこそこヌルなので、とりあえずぶんなぐる、でいけます。


 まぁもうファンタシースター2みたいな、ムズイロープレ、ってのはほぼ存在しない時代ですね。ロープレに難易度求めてる人あんまいないでしょう。アクションと違って。それって時間がかかるってだけなので。


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プロット


このゲームの売りはストーリーに有りです。


 このゲームのテーマはズバリ、英雄


 英雄ってのは、世界を救うために選ばれた、生贄、なんじゃないの?


なぜ人々は自分達の手で自分たちを救おうとしないの?

 

英雄なんて、いらない


 というRPGの根幹とも言える問題にぐさりとメスを入れていきます。

なんで俺達は戦ってるのにこいつらなんもせんねん!ふざけんな!っていう。

 つまるとこ、アンチヒーロー、の物語なり。この時代としてはかなり目の付け所が新しいと思われます。

 セリフも他のゲームと一線をかくす深みがある。ギャグ要素も結構多い。


 プロットはどう考えてもよく出来てると思われます。アシュレーとヒロインがリア充すぎてむかつくとかそういう個人的な嗜好を外せば、シナリオはよく出来てるとみて間違いないでしょう。

 それだからこそ、グラフィックが弱いのがもったいない。アニメ部分の出来はいいのですが、ほかはひどい。

 ヒロインは重要キャラなのにちらっとしかグラで出てこないので、イメージが沸かないというのもある。

 敵キャラについては、グラフィック性能云々よりもまずデザインも悪い。

特にラスボス(もよくないけど)その前のボスが非常に重要なボスなんですが・・・これはないだろって感じです。もうちょっとなんとかしようぜ。

 とにかくすげーもったいない。

 

 何度も言いますけど、これこそリメイクが必要な作品です。

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 もうこのへんでオワリかな?ってところで第一部完、となりDisc2へ、第二章っていう構成なのでボリュームはかなりしっかりあります。


 ですがダンジョンの謎解きは正直かなりだるい。特にミレニアムパズルはめんどい以外の何物でもない。操作感は非常に悪いのにアクション求められることが多くて、だるー!ってなる。


 あと次の目的地も謎解きになっている場合が多い、情報をえて、さらにサーチしないと目的地が出てこないっていう仕様もあって、どこいけばいいかわからん、あるいはダンジョン内のギミックで躓いて詰むっていうポイントがかなり多い。当時はまだまだネットが発達してなかったので、攻略本ないとかなり厳しいゲームです。

 攻略本!ってのがすでに懐かしい響きですが、ある意味、アルティマニアとか攻略本全盛期ではありましたね。むしろ攻略本が資料集にもなっててそれがゲームを補完していた部分もある。


 戦闘システムは1の拡張という感じでこれは確実に良くなっている。戦闘中に自由にパーティや装備をいじれるのでかなり戦いやすいし、キャラの能力バランスもけっこういいと思われる。カノンが若干育てるの面倒な上に弱い、でもそこまで弱いわけでもないので、使いたければ使えばって感じ。

 ティムは全体回復が優秀、リルカも全体回復もできる、火力が高い敵にはこのダブルヒーラーでいくしかない。

 ブラッドはロマン砲をぶっぱで超火力が出せる、アシュレーはもちろん変身が強い、マリアベルはラーニングタイプなのですが実は一番強い。ステータスロック、というバステ無効がやっぱり最強です。これがあるとないで敵のうざさがまったく変わる。


 ただテンポ感はひじょうにノロノロしてる感じがします。もっとサクサクにしてほしいなり。


 あと敵のギミックがバラエティがない気がする、基本とにかく火力が高い、全体攻撃ばかりする、くらいなもんです。ザコはさらに動きに個性がない。

 ほとんどのボスが弱点もないし、デバフもきかん、ってのが多くてデバフ魔法の存在意味全くなし。属性魔法も使い所は序盤のみ。これはほとんどのRPGでそうだけど、ボスには耐性があって魔法がほとんど効かないとその魔法の存在意義がない。ザコに石化とか即死とかやるやついないでしょ?といってボスを即死させても困る。結論としてはそういう魔法っていらないのでは?と思う。敵にも、です。後半になると即死攻撃ばっかになるゲームってのがありますが、防具の意味とかがなくなってちょっとバランスブレイカーになりがちであります。

 あとバフの魔法も効果がめっちゃ低い、バグなのかしら?なんの効果もない気がする。

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 ラスボスは完全なイベントボスなので強さなどはまったくない、実質その前のボスがラスボス。

 ですが、マリアベルがステータスロックを持ってれば楽勝。逆にないと辛い。その前に控えパーティがタイマンでボスと戦うのもあってこっちも、キャラによってはきつい。アイテムでゴリ押せるけども・・・

 カノンまったく鍛えてないとここで苦戦することになる。


 隠しボスがたくさんいるのですが、桁違いの強さ。ですが、簡単なレベル上げも用意してあるのでそれをやれば楽勝、逆にそれをやってしまうとストーリーボスはクソ雑魚なので要注意。




 

-91 史記 列伝2 平凡社

  史記列伝の2

 

 「刺客列伝」 という歴史書には非常に稀な、暗殺者達の物語が収録されてます。この刺客、たちはカネの為に仕事をするずる賢い暗殺者などではなく、それぞれに、すごい物語を秘めた、「義人」とも言うべき人々。

 とくに荊軻列伝は、すっごい話です。出てくる人たちがみなかっこいい。映画やん。

総じて言えるのは、死よりも、義、を重んじるということ。

 現代は、キリスト教が覇権国家の国教ということもあって、自殺的な行為は悪とされてますが、ワタシはキリシタンではありませんので、こういう、かっこよく死ぬ、人々を評価したいと思っています。


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 他に注目すべき人物


韓信

 漢が項羽に勝った重大な要因の一つ。常に奇抜な奇策、権謀術策を用いて戦う、まさに智将。武勇こそすべて!っていうノリがおおいにあったであろう時代に、知恵で勝つ。というのを実践した人物。


 韓信はまじでなんにも持たなかった人物、無職でみんなの嫌われ者。そっから成り上がっていく人生はやはりめちゃおもろい。韓信以外にも、犯罪者だったり、群盗だったり、社会の底辺から、王まで上り詰めていく人がたくさんいます。ピンチはチャンス、やっぱり乱世はおもろいですよねぇ。

 平和な時代にそんな入れ墨の犯罪者が成り上がっていく方法なんてないもの。


季布

 司馬遷の個人的思い入れが明らかに強い人物が季布。季布はいわば、任侠、義人、として有名な人物で、その弟の季心、も義人として有名のようです。

 季布は楚の人で、項羽の武将として活躍、当然劉邦に恨まれてしまい、一時は奴隷のフリをして危機を逃れた。その後劉邦に許されて、漢の武将として活躍することになる。

 司馬遷は、季布が恥を忍んだのが、もちろん自分の人生と重なり、季布が自殺しなかったのを評価します。

 「賢者はその死を重んずるものである」

奴隷が自殺するのは、自分を救う力がないからに過ぎぬ。

 だけれど、ただ生きのびればよいということではなくて、義、のためには自らの命を顧みずに行動するべきである、とも言う。これが司馬遷の価値観。


 仁義、というと日本では=ヤクザ、なのですが、本来は、仁義、とは良い人のことで、自己犠牲の精神であると言えます。

 けども任侠、侠客ってのは、不正をする役人とかを殺したり、反体制的なとこもあるわけでして、グレーな存在ではある。

 

 上の言う事を聞いてればそれで良い、という時代ではないのです。下剋上は当たり前、自分をちゃんと評価してくれる国を求めて、国家を渡り歩く時代が戦国であり、漢も秦への反乱軍によって作られた国。だからこそ、法よりも、仁義、が大事になるということなり。



 話は前後しますが、中国において最強の武将は?というと、まず項羽、というのが一般的のようです、白起でも韓信でも呂布でもなく。

 項羽はまさに天才で、ろくに勉強も、訓練も努力もしない、けれど戦えば無敗で、誰一人敵わない。目が二重眼という特異体質で、残された絵だと二刀流として描かれている。見た目からしてどう見ても異常個体、典型的カリスマ。

 ただ!ケチだったのです。

 このケチだってことが、いかにその人物を矮小に見せるかってことですよね。ケチってこんなにダサいことなのか・・・って思い知らされる。豪傑であれば、宵越しのカネは持たない!酒もってこい!のほうがやっぱり愛されますわね・・・。

 ほとんどの人は豪傑や偉人ではないと思いますが、名が売れて有名となったらケチだってことには非常に気をつけたほうがいいですね。めちゃくちゃ器の小さい人間に見えるから。 


 さてこの列伝では武帝の時代で終わってます。武帝の時代に書かれたのだから当たり前。


 武帝は積極的攻勢によって、漢の領土を最大まで拡張しますが、そのために財源を使い果たして前漢、は落ち目に向かう・・・



 


2014 ONE PIECE "3D2Y" エースの死を越えて! ルフィ仲間との誓い

  テレビアニメ映画ってやつです。オリジナルエピソード


 2年後の再会を約束したルフィたちの、その二年間にあったお話というわけ。


 たいして面白くはないですw


 まぁアニメ映画のアニメオリジナルストーリーなんてそんなものですよね、だってとんでもない話の展開とか主要キャラを死なせるとかそういうわけにはいかないんですから。


 でもハンコックとか、バギーとか、普段出てこないキャラが活躍するので、見てみるのも一興かと。TVアニメ映画ですしね。

 テレビアニメ映画ってのはよくよく考えると破格の扱い。どうやって採算とるねんって感じです。でも昔は定期的にルパンとかTVアニメ映画あったのですよね、やっぱ景気が良かったのでせう。今は普通にアニメ映画をテレビで流していて、オリジナルで作るなんてことはない。

 

 ワンピースの映画はもはや時代劇で、流れは毎回おんなじです。その分なんにも考えずに適当に見られる利点あり。

 昨今のアニメは人間が喰われるみたいなグロ傾向が強まっているので、やはりワンピースは王道、誰でも見られるというわけ。

 鬼滅も呪術もなんだか、グロ多めでワタシは途中で投げてしまいました。


 そろそろワンピースが終わる、みたいな話が数年前から出てますが、ワンピースが終わったら、確かに王、がいなくなって空白地帯が生まれますね。


 誰でも見れる、王道、のマンガ、を継ぐものは誰なのでせう?


 ワタシはそろそろ海外から、覇権を握るマンガが出てきてほしいと思っています。Narutoみたいなその国のことが知れるマンガ。

 でもそう考えると歴史のある国じゃないと無理で、インド、中国、エジプト、ギリシャ、中南米ってことになる。

 やっぱりネタの宝庫であり、まだまだこすられてないのはインドが最有望株ですなぁ・・・

2024年8月24日土曜日

2015 劇場版 進撃の巨人 後編〜自由の翼〜

  元ネタ回収続き


アニメ第一期の後半の総集編みたいな映画なり。

 Season一個で26話あるタイプの長編アニメでやんすね。とてもじゃないけど26話は見れんよ・・・Seasonも4まであるらしいので、100話以上です。


 みんながよく言ってる、リヴァイやん、立体機動装置やん、ってのがようやく理解できましたとさ。

 ただこの映画さすがにダイジェスト版だけあり、かなり駆け足でして、なかなか名前とかが入ってこない。新キャラが来てもすぐに死ぬし・・・出入りが激しい、FF4みたいですね。感情移入する前に、もう死んでやがる。

 アルミンとエルヴィンはさすがに似過ぎか・・・主要キャラでかぶらせるとは・・・


 でもやっぱり売れてるだけあってよく出来てるところがもちろんあります。こういういっぱいキャラで出てくるものでありがちなデブキャラってのがいないのですね。土地が少なく食べ物が豊かじゃないってのがうまく反映されてます、みんなガリガリである。マッチョですらあまりいない。肉が貴重っていう、のがちゃんと出ていて良きですね。

 

 でもなんかウォール・マリア、で描写されてる範囲にしては、人間が多すぎる気がするのだが・・・?あの範囲でこんなに人住める・・?


 それと、ツーブロックの髪型のキャラが多いってのも現代のマンガやって気がしますね。それまでツーブロックのキャラといえばトランクスしかいなかったものな。


 ネタバレなのですが、巨人は実は仲間の人間だったのだ、ってオチは、あぁ・・・って感じですね、どうかそれ以外であってくれと思ったのですが。

 ベタ過ぎる・・・、もうちょっとひねりが欲しいところ。ミステリでいう、実は姉妹だったとかの 「家族オチ」 ですね。あぁ・・・またそれか。っていう。


 ベタということはそれが一番わかりやすくて、人気もあるってことですが、さすがにこすられすぎましたね。

 じゃあどうすりゃよかったかというに・・・


 巨人は、蟲、だった。蟲は異星人だった・・とか?

あるいはクロマニヨン人に鏖殺された、ネアンデルタール人の生き残りだとか・・・、ゼウスによって地底に埋められたティタノマキアだった、とか・・・どうですか?


 蟲パターンだととんでもねぇトラウマ画像のオンパレードになりそうですが・・・


 このアニメって終わったのはつい去年とかで10年くらい飛び飛びでやってたわけですが、ちゃんと全部みんな最後まで追えてるのですかね?そんな数年間隔でやられても全部忘れてたり、興味が変わってしまったりすのでは・・・?まぁEVAを25年くらい待ってたと考えれば別にOKなのか・・・

2024年8月21日水曜日

2014 進撃の巨人 前編 ~紅蓮の弓矢~

 超今更シリーズ。


 元ネタひろいですね。みんなウォール・マリアかよ!みたいなツッコミが定番化してるので、さすがに知らないと話題についていけないというわけ。


 ワタシは大昔に原作マンガを見て、あまりにも絵がへたっぴーだったのですぐに投げてしまってそっからずっと手を出すのを躊躇していました。

 あとワタシはグロはあんま好きじゃないのですよね。でも最近のバトル漫画はだいたいグロになっている。これはEVA、とハンターハンターの負の遺産だと思っております。


 でも裏をかえせば、あんなに絵が下手でガシャガシャな絵面なのに、それでも人気があるってことは、相当おもしろいんだっていうこと。ブスなのに人気があるってことは、本物の実力があるっていうことの何よりの証明。


 結論といたしましては、ワタシは何度もいうようにグロは好きじゃないんですけど、まぁこういうのが人気出るのは理解できるなぁって感じですね。

 非常に好戦的なマンガで、とにかく「逃げないで戦え、戦うことから逃げるな」ということだと思われます。

 いよいよ、こういう時代になったということだと思う。戦うこと、は良くない、ってのが配線からずっと繰り返し教え続けてこられたことだけども、現実は、残酷。内容のないキレイごとではなんにも変わらない。っていうのを反映したものかなと思いました。

 このあとどうなるかまったく知らんけど・・・・。


 ある人が序盤に、無慈悲に人が死にまくるのが好きだった。と言ってました。確かに主人公のエレンだけが特別で、生き残るのはちょっと、ん?って思いましたね。オマエだけずるない?・・・まぁそれが主人公ってものなのだろうけども。


 あとエレンっていう名前でずっと女が主人公のマンガだと思ってた。これだからこそ元ネタ確認は大事。


 でもキャラデザと巨人のデザインはワタシは納得いかない・・もっといい感じに出来たし、特に巨人はなんでなんって感じ。これがワタシがあんまり好きになれない一番の理由かも。敵がダサすぎ。


 この映画はTVアニメーションを再編集したもの。このテレビシリーズを再編集した映画って誰が見んねん、って昔は思ってましたが、時間がないオトナが一気見するにはこっちのほうがみやすいです、いちいちオープニング・エンディングスキップしないでいいし。

 でもわざわざ映画館に見に行く理由はない・・・のか?映画館の音で楽しみたいひとは・・ってこと。


 よくいうのですが、おっきなスクリーンで見ると、いいといいますけど、ワタシはまったくそうは思わない、おっきすぎるとみずらいし、爆音は耳に悪い。

 見やすいサイズとヘッドフォンのほうが一番入ってくると思うけど・・・。

 あとまわりに人がいると集中できんとも思う。

 

2024年8月18日日曜日

1924 茶色の服の男 アガサ・クリスティ

  アガサが34才くらいのころの、まだまだ駆け出し、セミプロみたいなころの作品。


 ミステリ小説というよりも冒険小説です。アガサの本で始めて売れた本みたいです。


内容は、やっぱりかなり若々しい、荒削りな作品。


 でも当然のことですが、女流作家というわけで、女性の描き方が秀逸です。的確ですね。

 女性の浅はかで上っ面ばっかりで、しょうもないけれど、愛嬌がある、という感じを正確に描いています。男がこういうふうに描くと、男女差別だ!みたいに言われるに決まってる、同性じゃないとこういうふうに書けん。

 だからって男が男を上手く描けるってこともない、というより男を描くのにそんな技術はいらない。クソ野郎はクソ野郎だし、いいやつはいい奴。いい部分もありながら、悪い部分もある、っていう2面性を持った男ってのはまずいないですね。


 急にいきなりロマンスに夢中になって、見境がなくなるところとかも。なんじゃそりゃあ、っていう行動の一貫性のなさとかも、やはり女性、を上手く捉えています。

 ミステリーの女王でもあるし、女流作家の女王でもある。


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 さてこの小説は、ローデシア、というファンタジーな響きの国が出てくるのですが、これは実在した国で、今ではジンバブエと呼ばれてる国。

 ジンバブエはイギリス連邦から独立したあと、独裁が続いて、みなさんご存知ハイパーインフレで経済崩壊、底を舐めるような貧困に陥ってしまいました。

 独立こそ最高!自由こそ至上!人種差別する白人はゴミ!っていうのが戦後のマントラでしたが、ふーむ果たしてそれはどうだったんでせう、って思ってしまいますね。

 それもこれも白人が社会の秩序を破壊したからだ!ってなんでも白人のせいにしたいと思うのですけどジンバブエが崩壊したのはどう見ても白人がいなくなってからです。

 そうであってほしいということと、現実は異なるってことですわね。

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 全体としてかなり粗削りでなんでやねん、展開も多いのですが、駆け出しの作家がこれを書いたとしたら、相当の才能があるな、と思うでしょうね、実際あったわけですけども。


 展開も全然予想できないし、黒幕の推理も、ミスリードがふんだんにありつつ、ちゃんと読めばたどり着くように出来ています。

 これは読んでも損は無い作品だと思われます。

 推理モノではないのに注意。

2024年8月11日日曜日

1999 フロントミッションサード FRONT MISSION3

  またもや、スクウェア作品。いや1999年にスクウェアどんだけゲーム出してるねん!しかもほとんど良作ばっかり、誰にも止められないぜ!


 フロントミッションシリーズのナンバリング3つ目、わかりやすい。


よーーーやく、フロントミッションというゲームのシステムが完成したという感じになってます。初代はマシンガン強すぎ、2は戦闘のテンポ悪すぎ、カスタマイズ複雑すぎ。3、やっとバランスが取れたって感じです。



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システム 

 基本的には過去作と同じですが、かなり改良されました


戦闘中にヴァンツァーから降りたり乗ったりできる(敵機体にも)

敵の機体の鹵獲が出来る

武器を買い替えるだけじゃなくて、改造、もできる

改造すると、そこにAPを振り分けて強化できる

パーツごとに覚えるスキルが設定されている

重量制限システムにより、出力、重量、などのバランスが大字

出力が余っていると格闘武器の能力向上・・・・


 ようするに、すべて、腐りにくい、ようにされてると言えます。


パイロットの適正だよりだった2、と違いスキル習得はパーツ、に依存するので、どんなタイプにも育てられる。使えないパーツなども、スキルがあるので習得用に使うし、されに改造して強くすることもできるので使い道がある。

 

 またシュミレーターでバトルができ、経験値、カネが稼げるので詰みになることはなくなりました。そういうわけでは、難易度は劇下がり、めちゃクセ強だった2と比べて、時間かければ誰でもクリア可能。

 後半に加わったキャラ、弱すぎて活躍機会ナシってこともない、使いたかったら育てられる(まぁ使わないのだが)


 ただライフルは正直使い道ない、マシンガンはかなりナーフされてる印象、シールドがかなり重要だけど、両手武器で攻撃も捨てがたい・・・ミサイル部隊ももちろん必要なので、難しい、つまりバランスが良好だということですね。


あと今回1シナリオごとのバトルが短くなりました。

 こっちは4体くらいしか出せず、敵も7体くらいしかいません。1バトル15分くらいで終わる。これまでは10体くらいだして、1戦闘一時間かかることもありましたが、サクサクになった。その分、一体でも落とされると急激に劣勢になる。


 わたしのおすすめは 黒ひげ危機一発編成

格闘 イジェクトパンチx6

マシンガン  連射x6

マシンガン  連射x6

ミサイル   Arm ブレイク


 格闘で相手のパイロットを黒ひげのように飛び出させ、マシンガンでパイロットをヤリます。これで敵のVTがどんどん鹵獲できてカネが貯まる。Bodyブレイクという隠し武器のスキルを抜かせば、イジェクトパンチ最強。 格闘2機でもOK。

 ただボスはイジェクトできないので、雑魚狩り用といえます。ボス戦ではタックル!

 ミサイルはミサイルじゃないと攻撃出来ない敵がいるので必ず必要。だが単発なので火力がイマイチ。終盤に入ってレベルが上がってArmブレイクができるようになると一変。両手武器の敵なんて数えるほどしかいないので、Armブレイクはほぼ即死と同等の効果。

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グラフィック 

 なぜかFMはメインイラストレーターが毎回変わるという謎なのですが、今回は・・・うーむ。やっぱり1の天野喜孝、2の末弥純のほうが良かったですね。

 めっちゃ悪いってことないのですけど、1.2がキャラデザはかっこよかった。特に2のベンガル人、というレアなキャラはイカしてましたので。3は基本日本人などです。

 ロボットなどは、まぁ当時としてはすごいと言えますが、特にロボットって3Dでは一番簡単なので、そこまでどのゲームも大差無いですね。3Dはカクカクしたものが基本得意なので。


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 ストーリー

 重厚なストーリーがFMの持ち味。FM3はリアルっつーか、その情報いる???ってくらい設定がパンパンにされています。自分でゲーム内をディグしてみるといろんな情報が転がっている・・・


 舞台は2100年頃の沖縄。平和ぼけした日本を舞台にドンパチがはじまーる・・・。沖縄に人工島が作られるのですが、それを作った会社、大学、ほいでその大学のミスコンの情報まである・・・。政府や企業、大学のHPがゲーム内にあるのですが、どれもとびっきり胡散臭いw この胡散臭い政府PR系の文体、研究されてます・・・・


情報のほとんどはゲーム内のインターネットをかけめぐってハッキングして集めることになるんですが、情報がまじで膨大にある。この情報集めをまじでやってたら10時間くらいかかってしまう・・恐ろしい。

 処理しきれないくらいの情報の海、っていうインターネット時代を表したかったんでしょうね。


 おっきな流れとしては、日本軍がアメリカの核に変わる汚染のない秘密兵器を盗み出したらしく、それを取り返す為に、日本の青年パイロットがアメリカ軍と協力して頑張るって話。なかなかややこしい話。

 ほいで舞台はほとんど中国で、中国の革命軍みたいなのに傭兵として参加することになります。ゲームで中国が舞台のものってめちゃくちゃレア。タブーなんだと思ってた。(もちろん三国志とかはありますけども、でも舞台である中国の地理、がちゃんと再現されてるものを見たことない)

 常に舞台にした国からクレームが入るFMですが、今回はどうだったのであろ?


 シナリオは・・・、まぁまぁといったところでしょうか。もうちょっとひねりが欲しかったですね、まぁそうでしょうね、っていう終わり方をする。こういう転、がない起承結、ってのはよくありますが、わかりやすくはあるけどサプライズはない。無難、ってとこですね。

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 総評

 このゲームボリュームがすっごいあって、まぁ正編とも言えるエマ篇だけで50時間、もうひとつの物語であるアリサも30時間くらいかかる、すげーボリュームです。

 ミッション数も70!もある。

 

 ワタシはボリュームあればあるほど良い勢なんですが、そんなワタシでも、これはもうちょいカット出来たのでは??とおもいました。まじでどうでもいい戦闘も多くて、なかなか物語が進みません。

 クリアするには一苦労、別に難易度はそれほど高くない。FM2のほうが圧倒的にむずかったです。


 

2024年8月10日土曜日

2000 日本の歴史00 日本とは何か 網野善彦 講談社

  講談社の日本の歴史シリーズの0巻。

 0巻ということでシリーズ全部を総括して紹介してるのかと思いきや全然違う。


 まとまりがなくて読みにくい本ですが基本的には


「日本」という呼称は7世紀ごろに使われ始めて、それまで日本、なんて国はなかったし、さらに日本、が今の日本の地域を支配したのはずっと先のこと、明治になってからだってこと。

 政治家たちは阿呆なので、神武天皇とかを信じてるが、断じて認めないということ。


 百姓は農民、日本は米食、などという、日本史の常識、は全部間違い。ほんとはもっと多様性があるし、西と東でも異なる。

 

 封建主義、やら農業を基準にして考えるのは、マルクス主義的進歩主義史観であって、それは多様な歴史を単純化しすぎている。


 ってな感じです。

 なんか文章がすっごい読みづらい。これはでも専門家向けには、ちゃんと何をリソースにしてるか、ってのを説明せんといかんし、一般向けには詳細に典拠を出すと煩雑すぎるという板挟み状態。


 政治家どもはうんぬんかんぬんっていう作者の政治的主張はまじでどうでもいい。学者ってのは全部政治家のせいにするけど、自分では何もしない。

 ペリクレスが言うように、知識があるのに政治にきちんと参加しないこと、知識に頼って柔弱に堕すること は独裁と同じくらい悪なのであって、自分が無力、無能だってことへの反省がなさすぎるし、自分で何かを変えようとして始めて、キレイゴトじゃなにも変わらないということとか、政治家がなんで阿呆なのか、阿呆のフリをしてるのかなどの理由が理解できるのだと思います。

 この学者は批判するだけでなにも行動しないでいい、っていうあり方、は一体なんなんですかね。

 

 百姓がすべて農民であって貧しい、という固定概念は間違ってる、という話ですが、これはまじで本当にそう。


 百姓のイメージというと、ぼろぼろの服、重い税で食うや食わず、餓死寸前、っていう悲惨な農民、っていうふうにだいたいのもので描かれてますけど、いやいやそんなクソ貧乏だったら、どんどん人口は激減していくに決まってる。

 実際には農業だけじゃなくて、漁業もやれば林業もやり、いろんな手仕事や流通もあり、金持ちの百姓だっていたに決まってるのです。

 そのなかでも最下層の最底辺の貧困層が、百姓の9割、みたいなように描かれてる。そんなわけない。

 縄文時代の遺跡などでも、ワタシたちの想像よりもずっと豊かで文明が進んでいるのです。それよりも何千年もあとなのに、死にそうな農民ばっかりってことないでしょう。



 マルクス主義的進歩史観にとらわれすぎ、ってのもこれはその通りです。勝手に分析しやすいように取捨選択して単純化して、全体をまったくとらえられてないってことになりがち。ただ単にめんどうくさがってるのですわ。

 ただ逆に、実は女性も社会の中心として活躍していたのだ、っていう逆差別的なとりあげかたも気になる。

 そうあってほしい、ことをピックアップするのは、弁論、であって、学問とはいえない。



 なんにせよ、よみずれー本なのであまりおすすめ出来ません。やっぱ講談社じゃこの程度なりか。といって岩波の本もスーパー読みにくい。

 日本の通史、みたいなのでいい本はなかなかないですね。くだけすぎててざっくりしすぎてるのと、なんだか余分な話ばかりで、まとまってない本ばかり。

2024年8月6日火曜日

2004 スチームボーイ

 Akiraで有名になった大友克洋が、鳴り物入りで高額予算、めちゃくちゃ時間かけて、作った超大作・・・・。予算24億、制作期間9年らしい・・・


 24億はまぁいいとして、9年!?まじかよ。9年も一個の映画作ってられないって・・・、まぁ実際に作画INしてからはもっと短いんでしょうけど・・・

 

とにかく超大作なのです。

 

 ですが興行的にはすってんころりん、以降大友映画はつくられなくなったというわけ・・・


 多額の予算をぶっこんでるおかげで、作画はめっちゃくちゃよく出来てます。特に背景の描写はすっっごい手が込んでる。


 ただ、シナリオは・・・。科学は戦争の道具じゃないんだ!みたいな、またそれかよっていう話だし、物語的にも、う~~~ん・・・、なんじゃそりゃあって感じで盛り上がりにかけます。

 なんでシナリオの段階で、これ・・おもんなくないですか?この予算規模で失敗するわけにはいかないですよ?書き直しましょうっていう人がいなかったのですかね。大友克洋ってどういう人なのかまったく知らんのですが、他人の意見を絶対受け入れないタイプなのかしら???

 

 19世紀のロンドンが舞台のスチームパンクなんですが、スチームすぎてパンクの要素が足りない。もっとおもろい話にすりゃあいいのではって感じですわ。


 あとコマわりのテンポが悪い。絵がうまい、ことと、アニメーションがうまい、は重なってる部分もあるけど、違う部分もあるのですわね。なんか、アニメーションが、とろいっていうかもさもさしている、テンポが悪い。


 あと興行的にふるわなかった一番の理由たと思うのですが、キャラがかわいくもかっこよくもない。声優の演技もイマイチ。かわいいかかっこいいかどっちかであれ。


 そういうわけで失敗作なんですが、とにかく作画の密度とクオリティは非常に高いので、それだけで十分見る価値有り。無音で垂れ流して、絵をみるだけでもありです。