2026年2月25日水曜日

3Dキャラメイクのフローチャート

 自分用の3Dモデルを作るときのフローまとめ。ウェブにバックアップしておきます。

 

      キャラクター制作のフローチャート

始まる前の心得

・モデリングはクリテイティングというよりもエンジニアリングなので

*その前の工程で失敗してると取り返しがつかない、後から修正も効かない。
一つ一つの工程を確実にこなすことが大事。アナログだと失敗も味になるとかありますが、デジタルスカルプトは失敗してると、エラーになって先に進めなくなるのでミスがないかいちいちチェックして次の工程に進むのが大事。

・PBRワークフロー という一応業界標準のマテリアルの作り方をしないとゲームなど他のソフトで使えないので、ゲームように作成するには、PBRマテリアルの作り方を守ること。(ただし厄介なことに、このPBRマテリアルってのがかっちり決まってなくて、ソフトによってまちまち)

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1 資料集め 
 三面図があれば立体は作れる、というわけではないので図面を描く必要は無し。たくさんの資料を集めて、経験と勘による調整が必要。

2 スカルプト 
  一番楽しくて楽な作業、ディテールはのちにディテールスカルプトで調整するので、多少ラフでも良し。(目の重なり、シワなど)
 パソコンのスペックが弱いとBlenderが重くて作業不可能になる、Zbrushはパソコンのスペックが低くてもスカルプト可能なのが良き。
*IKなどで曲がる方向に若干曲げておくべし。特に手はまっすぐ手を伸ばしたように作るのではなくて自然に脱力した状態につくるべし。

3 パーツ作成 目、眉毛、髪、服・・・
 後回しでも可、あったほうがイメージがつかみやすい

目の作り方 

複雑なNodeを組んでリアルに作る方法もあるが、普通に手塗りしたテクスチャを貼るので十分、あるいは有り物の眼球テクスチャを拾って来て貼るのでOK。スーパーアップにしない限り目は小さいので気にならない。更にNodeで作ると、他のソフトで使えない。
 
*髪の作り方はいくつか流派がある
A スカルプトで髪、を作る、フィギュアの髪みたいなもの。
B カーブヘアー  スカルプトではなくてカーブで髪のオブジェクトを作る。欧米の3Dアニメっぽい髪が簡単に出来る
C Hair Card ゲームで主流の透明板に髪の絵を貼ってそれを何枚も組み合わせるもの。とにかくひたすら微調整、アップにすると厚みが無いのでちょっと不自然。
D パーティクルで髪を作る 重いのでリアルタイムレンダリングには向かない。


・眉毛の作り方 は未解決問題、単純にテクスチャに描くのが標準。ただし厚みがないのでメイクみたいになる。パーティクルでやると重いし、リアルすぎてキモい。オブジェクトで作るとこれもやっぱ変。

・まつげの作り方
ヘアカードと同じように、透明テクスチャで作るのが一番自然で速い

・服の作り方 
*服のデザイン専用のMarvelous Designerというソフトがあって、プロは使っている。3Dソフトというより、ガチで服をデザインする人のためのソフトでかなりの沼。
 Blenderでも可能・・・、服は凝りだしたらキリが無いのでどうすればいいのかは未確定。


4 リトポロジー  (最大の鬼門) ここで3Dが嫌になる人多数。みんなが挫折するところ。
 とにかく難しくて単調でつまらない作業。そしていずれソフトが進化すればなくなる作業(たぶん5年以内にはAIで処理出来るようになる、リトポが自動化された年が3D元年になると思ふ)簡単にいうと、コンピュータに最適化するために整理と掃除を手動で行うこと。

4.1 マルチレズ(ディテール)スカルプト  
リトポしたモデルをマルチレズでハイポリにしてから
シュリンクラップでスカルプトに巻きつける。(Projection、Positive、Negativeに両方チェック)ラップをアプライして微調整&ディテールを追加する作業。つなぎ目が変になるのはスムース、Inflateで直せる。
 だがハイポリはやはりマシンパワーが必要でラグい。
Zbrushはマルチレズを使わなくてもディテールスカルプトが可能、ではない。
ZbrushでもきちんとZremesherなどでトポロジーを整えて作業しないと、マップのなどが作れない。だがハイポリでも軽快に動く。
 ただUV展開など他のソフトと行ったり来たりしないといけないのが欠点。

5 UV展開  (鬼門2)
 テクスチャは2Dなので3Dモデルを2Dに切り開いていく作業。非常にトリッキーで面倒。AutoでUV開けるなどと言ってるのもありますが、Autoの展開は現状ではほぼ使い物にならない。 

UDIM   という一つのオブジェクトに複数のUVを使う手法が主流になりつつある。ただゲームエンジンでは使えなかったりする。発展途上。

5.5 ノーマルベイク  
・Normal、Bump、Displacementなどのジオメトリーマップなどで、凸凹をフェイクでつける技術であり、リアルタイムレンダリングの要。マルチレズで作っている場合、非常に簡単。

6 テクスチャペイント (Blenderにとって鬼門)
Blenderは無料で何でもできるスーパーソフトだけれど、ペイント機能は圧倒的に他のソフトよりも弱い、特に2D出身者には耐え難い。
 Blenderだけじゃなくて他の3DCGソフトもペイント機能は充実してないらしく、Substance Painterという3DのPhotoshop的ソフトがスタンダードになっている。(あるいはMARI)


7 マテリアル作成  Substance

8 リギング ボーン作成
 自分で1からリグを作るよりも、すでにあるボーン構造を使うのが一般的、みんな同じボーンを使ってるほうがリターゲット(ボーンにつけたアニメーションを他のモデルでも共有すること)もできるので便利。
 人間の骨の構造はみんな同じなので個性を出す必要し。VRM、MixAmo、Rigify、Unity、Unrealなど、何用に使うかでリグを選択すべし、互換性は無いと言って良い。このへんの標準化が出来てないでずっとごちゃごちゃしているのが現在の3D産業の現状。

10 スキニング ウェイトペイント シェイプキー
 ボーンに肉付けを行う作業、実はここがアニメーションの肝であり、プロのものでもウェイト調整が結構甘いものが多い。そしてこの作業はめちゃくちゃ複雑でややこしい。
*シェイプドライバー  3D特有のいかにも気持ちの悪い関節の動きを改善する画期的なテクニック  表情差分もシェイプで作る。

11 アニメーション、ポージング (モーションキャプチャー)
 モーションキャプチャーは絶賛発展途上であって個人勢で使うのはまだまだ難しい、カメラでモーキャプするというのも今のところ全然駄目。専門スタジオみたいなところが必要。

12 ライティング レンダリング
 なにか専門的なことを言う人もいますが、HDRテクスチャだけで全然どうにかなる。

14 ゲームエンジンへのエクスポート
 PBRマテリアルじゃないとエクスポート不可、さらにエンジンでの色々な適用化が必要。正直モデリングもやって、ゲームエンジンでの適用化、そしてプログラミングまでやるのは1人では完全にオーバータスク、脳みそ爆発する。ゲームエンジン担当とモデリング担当、分けたほうがよい。
 少し前までUnityが主流だったが、だんだんUnrealが巻き返して来た印象。基本的にUnrealのほうが重いが綺麗、UnrealではMixerのマテリアルが無料で使える。

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 まとめ
*一体作るのに30時間は余裕でかかる。初心者は50時間以上。
ただし一体作ってしまえば、それをベースにして、マテリアルや目などのパーツ、ボディを流用できるので、二体目以降は相当スムーズ。
 ゲームなどではボディはだいたい共通。ゲームの世界には美男美女しかいないので、ボディは男、女、マッチョ、グラマー、子供の5タイプで事足りる、首から上、だけをすげ替えてキャラを変えている。首のところのテクスチャに切れ目があるのがわかる。服など隠す。
 ボディをフリー素材でもらってくればかなり楽できる。さらにちゃんとリトポされたテンプレモデルにディテールスカルプトで調整を加えるだけならかなりの工程をスキップできる、というかこの方法が完全に一般的。0から作るなんてのはやめておくべきw ものすごい特殊な体つきとかでない限り・・・。


 3DCGの世界は日進月歩。一年でやり方とかがガラっと変わる(特にリトポ、UV展開の自動化はみんなが求めているところ)、それだけ進歩が速いということは、つまり需要と人気があるということ。