2026年2月3日火曜日

2019 Martin Margiela: In His Own Words マルジェラが語る “マルタン・マルジェラ”

  アレキサンダー・マックイーンが闇の者、ガリアーノが光の者、だとすれば、マルジェラは・・・?

 

 いわば、透明、白、幻影、のような存在。でありながら、マルジェラが引退してから15年も経ってるのに、現在でもファッション、で一番の存在感を持っているのはマルジェラだと思われます。マルジェラの後に続く新たな革命が来ていないのですわな。

 

 マルジェラは人々がすぐにブランドのタグを見ようとするのを嫌って、タグのラベルを切り取った。その切り取ったなにもない「無」がマルジェラのロゴとなった。

 

 マルジェラは装飾を嫌って、お店のすべてを白で塗りつぶし、店員の服も全て真っ白にした。

 

 マルジェラはモデルの顔が服を見るのに邪魔になるから、モデルの顔を布で覆って見えなくした。 

 

 マルジェラはファッションデザイナーの顔、が服の印象を変えてしまうから、デザイナーとして顔を出さずに、インタビューなども一切断った。

 

マルジェラはファッションショーに綺麗な建物が不要だとして、建物から飛び出し、空き地や駐車場でショーを行った

 

マルジェラは高価な生地を不要として、 不用品やら、軍の廃棄品、古着を再構築して服を作り出した

 

 全部反モード、っていうのか、反ファッションっていうのか、ファッション業界の決まり事をすべて無に帰したようです。

 全部、隠したり、無、にすることで、その存在が逆に際立つ。情報を公開するのではなくて、制限して、秘密にすることで、みんな知りたがる。

 

 20年先を見越した、マルジェラのスタイルというわけ。

 

 さて2000年代後半になると、インターネットが普及し、マルジェラも金に困ってマーケティングなどをせざるを得なくなり、それが嫌になって、マルジェラは2010年にファッション業界から引退。  

 

 インターネットと商業主義にうんざりして辞める、というのもはるかに時代を先立った行動と言えます。誰もがSNSでの露出を増やそうと躍起になってるのが15年後の現在、まだまだ世間はマルジェラに追いついてないようです。 

 

 あと15年後、2040年に、インターネットダサい、ってネットから引退するのが流行ったら、マルジェラに変わる新しい才能が新しいものを生み出しているかもしれません。 

 

 

 スタイルはいいとして、肝心のマルジェラの服は?というに、これは常識を壊す、ってことだと思います。一見すると普通のワンピースに見えて、実はすごく長いタンクトップを裏返しにしたものだったり、コートの素材がプラスチックだったり、縫う代わりにガムテームで止めてみたり。

 それでも一見すると、普通に着れそうな服に見えるのがマルジェラ、よーく見ると、既成概念をぶっ壊すような工夫がされている。異変、みたいな服。 

 でもパッと見では、モードにありがちなこんなん誰が着るねん、って感じではなくて、普段使いも出来そうな感じに見えるのです。 

 

 特に古着業界に及ぼしたインパクトは甚大で、未だにマルジェラのせいで古着は高騰しているようです。