2020年4月24日金曜日

1980 伝説巨神イデオン

 ガンダムの次に制作されたロボットアニメ、52話の1年クール・・・のはずだったのですが、不人気により打ち切り・・・

 されたのですが、のちにアニメシリーズをすべて再編集した映画版、イデオン接触編、とアニメシリーズで打ち切りになってしまった部分を、発動篇、という2つの映画になって発表されました。だからこれから見る人は映画版の2つだけ見れば十分です。


 いったいどういうことでそうなるんだ?って話ですよね、打ち切りになったアニメを映画でやるって、そんなのむちゃくちゃです、どこをどうやって資金を引っ張り出したのやら。

 まだまだアニメ創世記だったってことですよね、アニメっていうのはこういうものっていう型、みたいなのが出来あがってなかった。アニメ映画、ってのはなにをとっても、まずヤマト、の大ヒット、さらに銀河鉄道999、この松本零士ブームにより、アニメ映画、ってものが一般化しました、その流れを汲んでようやく宮崎駿とかも、アニメで映画を作れる、チャンスが与えられたってわけです、そこへガンダム、とかもでてきてその次の作品がこのイデオン。

 内容なんですが、むちゃくちゃですw なんていったらいいのか、今風に言うとエモいですね、みんな感情的すぎる。そして露悪的、というか人間の悪い部分が非常にクローズアップされてる、いいヤツがほとんどいない。みんなけんけんいがみあっておる。リアルっちゃあリアルです。そして異様なテンション感。

 ここがダメだよ!!ってとこもたくさんあります、失敗作ってのは学ぶところが多いですね、特にこのイデオンみたいに尖りすぎて失敗してるパターンでは。
 まずデザインチームの悪さですね、肝心要の主人公であるイデオンがかっこ悪すぎる。どうみてもジムです。地味。敵のバッフ・クランのメカもかっこ悪い。メカさえかっこよければ(ヒロインさえ可愛ければ)それだけでも流行ったりするものですが、イデオンのプラモ作ってる人なんて見たことないものね。
 キャラデザもよくありません、主人公はアフロ、ヒロインも決して可愛くない。敵はデブのおっさんばかり。

プロットは野心的でなにかやってやりたい!というのは伝わってくる、その志はとても良いこと。けどもなんだか無茶苦茶です、一話ごとにキャラの性格がまったく変わっていたりする。カーシャとかアニメ版と映画版で急激に性格がまったく変わる。


 あと時代的なものなんですけどストロボを多様しすぎです。ポケモン事件以来、映像でストロボを使うのは厳禁になったのですが、イデオン後半になるとストロボの連発、目にも悪いし脳にも悪い これがイデの力なのか!?w

 エヴァはイデオンの影響が大きいってオールドアニメファンが言いますけども、たしかに結構そういう部分はあります。エヴァーが嫌いな人が嫌う部分はすべてイデオンから来てるといってもいいかもw
 逆にエヴァーを神格化してる信者が好む部分も結構イデオンから来てるといえるのかもしれませんね。
 終盤になるといきなり完全なスピリチュアルな展開になり、いや、じゃあ今までのバトルは一体なんのためだったの???っていうところも同じ。
 ネタバレなんですが、有名なので言ってしまいますが、イデオン、最終的に一人残らず全員死ぬ、がメシア、が生まれてすべてが許されて、新たなセカイが生まれる、という、最後の審判みたいなオチです。
 たいがいの人はむちゃくちゃやーーーーーーー!!!って思うのでしょうけど、宗教とかカルトにハマる体質の人には、素晴らしい!!!っていう展開なのかも。終末論者、はこういうことを望んでるのかも。

 ワタシは納得出来ないけどね!!ワタシの考えではこの、すべて最後には神様が現れて幸せになるっていう、デウスマキナクライマックスってのは夢オチと同じぐらいひどい、というより夢オチ、というのはデウスマキナの現代版でデウスマキナが夢オチの元祖なんだと思いますけどね。
 ワタシは幽霊とタイムマシンと死後の世界は絶対に許さない派なのでこれはよくない。


 ただ繰り返しになりますが、なにか新しいものをやってやろう!っていう野心は非常に良いです、マーケティングとかいって似たりよったりのしょうもない作品よりは断然良いです。ワタシは嫌いだけど評価すべき作品ですね。